春日野穹bot→URL:http://twitter.com/sora_k_bot
ヨスガノソラ コミックス1巻画像レビューページ
URL:http://www.usamimi.info/~mlwhlw/yosugacomic1.html

水風天さんによると来月は単行本作業のため休載だそうです。どこまで修正されるのか、台詞意外にも結構ありますからね。私としては、現在カタカナ表記されている「ソラ」を、「穹」にして欲しいんだけど、さすがにこれは無理かな。色々制約があるのでしょうし。
今月号、つまり第6話までが1巻分だと思うけど、こうして振り返ってみるとコミカライズとしての進行具合は少し早めな気がする。

前回、穹が倒れたところから物語は再開。
顔に汗を浮かべながら意識を失いつつある穹に、ハルが必死に叫び、呼びかけています。けれど穹は目を空けることが出来ず、亮平が言うには急に様子が変わったらしい。おそらく発作を起こしたのでしょうが、穹が未だに発作を起こしていることを知らないハルは、いつものように少し具合が悪い程度では済まされない事態に動揺が隠せません。焦るハルに、穹がなんとか目を開けて答えます。

「大丈夫…家…に発作の薬が…あるから…」

それを飲めば落ち着くと思うと話す穹ですが、なにせ今いるのは瑛の神社で、家に戻るにも距離があります。ましてや、穹は動かすにも難しい容態です。対応を決めかねるハルですが、そこに救いの手が差し伸べられました。

「うちの車を使うといい」

表紙は神社ないし上の湖と思わしき場所で、木に右手を当てている私服の穹と、やや斜めながらも背中合わせのように立っている瑛の後ろ姿。意外なのはこのときの両者の表情で、穹はいつものように無表情なのですが、瑛はまるで無感情。表情が死んでいるといっていいほどで、普段の姿からは想像も出来ない顔をしています。あるいはこれが、笑顔という名の仮面に隠れた瑛の本心なのかも知れないと思うのは、少し考えすぎでしょうか? 瑛に限らずだけど、後ろ姿を観る機会ってあまりないのでちょっと新鮮です。

車で家まで送り届けて貰ったハルと穹。カプセルの薬を二粒のみ、穹はどうにか落ち着いたようです。自室のベッドで寝息を立てていますが、見つめるハルの表情は少なからず重め。まあ、発作を起こしていたことを知らなかったのだから無理もありませんが、私としては何故私服で寝ているのか方が気になった。前回を読めば分かるし、今回の冒頭もそうですが、穹はお祭りに参加するため原作ではなかった浴衣姿を披露していました。それが発作で倒れて帰ってきて、安静にしなければならない以上着替えるのも判りますが、どうして私服なのかと。ご丁寧にツインテールだった髪はストレートになっており、しかもリボンまで結んである。普通に髪は下ろして、原作通りの寝間着を着れば良かったんじゃないだろうか。というか、私服書く方が面倒なのではないだろうか……うーん、謎だ。コミックスでの修正に期待しましょう。
不安げな表情を浮かべたまま穹の部屋を出たハルは、旧医院のスペースで待って貰っていた渚さんの父君と会話します。そう、ハルと穹を家まで送り届けてくれたのは渚さんの父君でした。考えてみれば前回渚さんがハルと言い争っていた場所は社務所の前ですし、寸前まで中で親子喧嘩が行われていたのですから、血相かえた亮平が呼びに来たのを見て何事か、と後を追うのも判らなくはない。娘の友人ないし知り合いというのは見れば判っただろうし、それ以前に人命の関わることです。不倫はしたけど義侠心に篤そうな父君なら、助けてもくれるでしょう。

「にしても、君が春日野先生のお孫さんだったとは」

自己紹介が遅れたことを詫びながら、ハルは自分と穹が両親を亡くし、二人で奥木染まできたことを話します。さすがに街の顔役、ハルの苦境を理解した上で、なにかあったら私に言いなさいと、温かい言葉をかけてくれます。言葉自体は原作にもありましたが、シチュエーションがまるで違い、渚さんの父君は診療ベッドに手を触れながら、ハルの祖父に世話になったことを語り、感慨に耽ります。娘もここで取り上げてもらったよ、と。
そんな父君の姿に思うところ合ったのか、ハルは意を決して物事の核心をついてしまいます。

「……天女目を養子にだすって本当ですか?」

ハルはなにも、唐突に訊いたつもりはなかったんだと思います。祭りの席で見た親子とは思えない瑛と父君の会話。そして、娘もここで取り上げて貰ったという、おそらく渚さんのことだけを言っているのであろう父君の言葉に違和感を憶えて――もっとも、コミカライズ版の瑛がどこで生まれたかは、判らないんですけどね。
ハルの指摘に父君は驚きますが、その程度のことで激昂するようなお方ではありません。ハルはたまたまとはいえ立ち聞きしてしまった非礼を詫びますが、父君はそれを責めようとはしませんでした。

「元を正せば、私の責任なのだ」

過去の過ちは正せない、けれど、せめてもの償いをしようと思った。父君なりに考えてはいるのでしょうが、そう簡単に上手くいくものでもありません。不倫相手の子供を奥方が快く思わないのは当然でしょうし、原作と違い使用人という身近な存在であれば、抱いている感情もまた違うはずで、自分が悪い以上は強くでることも出来ない。だけど娘たちは仲がよく、渚さんはいつの間にか瑛と強い絆で結ばれた関係になっている。一人の大人が抱え込むには、大きすぎる悩みです。

「こんな時、春日野先生がいたら相談もできたろうに」

元々産まれてきた子どもに罪はないと考えていたのがハルと穹の祖父母ですし、瑛が奥木染で暮らしているのも、今は亡き天女目老人の意思は勿論、二人の存在や影響力もあったのでしょう。そんな春日野先生の孫だからなのか、つい悩みを打ち明けてしまった父君に対し、ハルは多少躊躇いながらも口を開きます。

「……祖父母も今の状況を望んでいないんじゃないでしょうか?」

まったく、渚さんの父君はハルに驚かされてばかりです。ハルが聡明なのか、それともお節介ながらも正論を言っているからなのか、自分たち兄妹にも別々に引き取るという話があったことを明かし、それを断ってここに来たのは離ればなれになりたくなかったからだと言います。

「あの二人もきっと…同じ気持ちだと思います」

その言葉と、ハルの真摯な表情に唖然とする父君は、ハルが既に渚家と天女目家の事情を知っていることを確認した上で、得心がいったように頷きます。

「そうだな…先生だったら、そう言うだろうな」

診療所の窓から、医院に向かって駆けてくる渚さんと瑛が見えました。渚さんが瑛の手を引き、おそらく母親が乗っている車に同乗することを避けたのでしょう、走ってここまで来たようです。

「あの二人…本当に仲のいい姉妹になったものだ」

瑛のことは、もう一度妻とよく話し合ってみると、素の時は瑛のことは呼び捨てなんですね。対面時は君付けで、かなり他人行儀だったのに。渚さんの母君も少し書かれましたが、表情は車の窓ガラスの反射で隠れており、髪が短い中年女性程度しか分かりませんでした。少し痩せている気がします。間違ってもふくよかではない。渚さんは母親の姿に渋面を作りますが、父君は時間が掛かってもみんなが納得できる答えを探してみようと、そう言ってくれました。

訪ねてきた渚さんに応対するハルですが、瑛の養子話はひとまず保留とし、父君は引き上げていったようです。それはともかくとして渚さんはハルが盗み聞きをしたことを責めますが、どちらかといえばこの問題に深く関わりすぎていることが嫌なのかも知れない。まあ、家庭の事情だしね。
怒った渚さんはハンパなく怖いという感想を抱くハルですが、そこに瑛がフォローを入れてくれます。

「ハルくん、ハルくん。ああ見えてすごく喜んでるんだよ」

「お姉ちゃん!!」

本当にありがとね、と礼をいう瑛に、少しぐらいは感謝するという渚さん。素直じゃないなとハルに茶化され声を大きくしてしまいますが、話はそこらから穹のことへと移ります。元々穹のことを確認しに来たんでしょうね。容態も落ち着いたから安心したと、瑛と渚さんは早々に引き上げます。

「何かあったら力になるからね」

二人を送り出し、思うところ合ったのかハルはポツリと、

「……兄妹…か」

そのように呟くのでした。


白い天井、いつもの光景。穹は夢の中にいて、今日も退屈な一日が始まります。

「ん…」

何故か病院のベッドでもリボンを付けたまま寝ている穹ですが、目を擦りながら身を起こすと、ハルがベッドの横で突っ伏しているのが見えました。

「ハル?」

「…んあ?」

今回はハルのディフォルメというか、少々愉快な顔が多い気がします。基本、水風天の描くハルはプレイボーイ風な表情が多いので、これは少し新鮮というか、初めて見る感じでした。
おはようの挨拶をしながら、どうして病室で寝ていたのかを問う穹に、ハルは答えます。

「休みだから来たんだけど、穹寝てたから」

今日が日曜日であることを思い出しながら、なにか変わったことでもなかったかと訊ねる穹。ハルはこの前お祭りに行ってきたという話を披露し、穹はそれに耳を傾けます。

――ハルは時間を見つけて会いに来てくれる

――ハルが来るのが一番嬉しい

――私…ハルのこと…

「ね、ハル」

何気なくを装いながら、穹は訊ねます。

「ハルは…ずっと私のそばにいてくれる?」

問いかけに、ハルはキョトンとした表情を見せる。

「当たり前だろ? 兄妹なんだから」

「……そうだね」

なんでもないと、穹は話を切りました。

――ハルがいるなら寂しくない

――でもきっと欲しかったのは違う言葉

本心を、その心の内に隠しながら。

穹が夢から目覚めたとき、そこは自室のベッドの上でした。すぐ隣には、眠ってなどいないハルが、穹のことをのぞき込んでいました。目を覚ましたことでいくらか脱力したのか、本当に心配したとため息を付くハル。

「…心配してくれたんだ」

「当たり前だろ」

「…そっか」

どうかした? と訊ねるハルに、ちょっと昔のことを思い出しただけと語る穹。昔、ハルが病院に来てくれたこと、よくこうやって話してくれたことを。

「そうだ、これ憶えてる?」

「あぁ、ぬいぐるみ」

「寂しくないようにってハルが買ってきてくれた」

ちょっとキザだけど、と付け加える穹に、顔を赤らめながらうっさいなーと返すハル。

「でも、嬉しかった」

外からはまだお祭りの太鼓の音が聞こえて、瑛が早々に退散したのも神社の仕事が残っていたからでしょうか。

「ごめんね、私のせいで」

「仕方ないさ。来年は最後までいような」

じゃあ部屋に戻るよと、ハルは穹の部屋を後にしようとします。話して、もう大丈夫だと思ったんでしょう。穹にちゃんと休むように告げて立ち上がるハルに、穹が声を掛けます。

「ね、ハル」

「うん?」

「ハルは私のこと好き?」

思いがけない言葉を前に、ハルは面食らったように言葉に詰まります。僅かに汗を垂らしながら、穹のことを見つめている。

「私は好きだよ、ハルのこと…」

「バカなこと言ってないで早く寝ろよ!」

声を荒げてしまうハルですが、穹は余裕も余裕な笑みを浮かべて送り出しました。自分の部屋へ戻り、ハルは声を荒げてしまったことを気にしつつも穹の言葉に戸惑いを隠せません。

「まったく何を言い出すのかと思えば…急になんだよ」

「そりゃ悪い気はしないけどさ」

兄妹なんだし――からかうなよ、もう…と、あくまで穹にからかわれたのだと思うことにしたハルは、部屋の灯りを消して就寝しました。何故かハルも私服のまま寝ていますが、元々Tシャツ小僧だから違和感はそれほどでもない。まあ、着替えればとは思うけど。

そして、時刻は深夜1時25分。ハルの部屋のふすまが、スッと開けられました。
眠りにつくハルに穹が近づき、のぞき込むように顔を近づけ――

その唇を奪いました。

「!!?」

ハルが起きていたのか、それとも目を覚ましたのかは判りません。しかし、ハルには聞こえていたはずです。穹の呟く声、穹の発した言葉が。

「渡さない、誰にも、絶対に…」

――ソ…ラ?

穹がハルにキスをしたところで、次回に続く。


最初に書いたとおり来月号は単行本作業のため休載と言うことで、今月号までがコミックス1巻に収録される分だと思います。
いや、良いですね。最高じゃないですか。少々展開が早いような気もしますけど、上手いところで切ったなぁと。前回穹が倒れたときは焦りましたけど、今回の回想シーンに繋ぐためだったと思えば、まあ許容できなくもない。瑛編に一区切り付けたのも好印象ですし、そもそも瑛が使用人の娘という時点で赤ん坊の取り違えが起こるわけもなさそうだし、DNA云々はやらないと考えた方が良いでしょう。となれば、瑛シナリオはこれで終了かな? 渚さんとはギクシャクしてるけど、原作からして愛称が宜しくない二人ですからね。
穹が原作の渚さんみたいな台詞を言ったのは、別に意外でもなんでもなかった。穹だったらそれぐらい言いそうだし、ただ少し早くないか、ということぐらい。奈緒だってそんなに出てないし、唐突な気がしたのは否めないと思う。まあ、漫画という媒体を考えればこれぐらいが丁度良いのかも知れないけど。
来月号が休載なのは残念ですけど、VFBの発売と被ってるから、助かったと言えば助かったかも知れない。コミックスは3月ないし4月発売だろうけど、修正すべき点は修正して、良い感じに仕上がると嬉しいですね。台詞で言うと穹の「お父さん、お母さん」とか、服装で言うと今回の寝間着が私服な部分とか。後、1話のカラーは是非収録して貰いたい。そう難しくはないと思うんだけど、そういえばカバーは描き下ろしなのかな。それも気になります。

久々に、というか、ここに来てコミカライズにグッと来ている私がいます。最近は体調を崩し気味で精神的にげんなりしてたんですけど、それが見事回復した感じ。やっぱり、ハルと穹は凄まじいですね。見ているだけで元気になるというか、コミカライズでも二人には幸せになって貰いたいです。
そういや、一向に登場しないダメイドはもうでないものとして考えて良いと思うけど、委員長はどれだけ話しに絡んでくるのか。先に奈緒が出張ってくるだろうけど、それに関しても再来月早々に決着尽きそうな気がするし。瑛を切り上げて一気に穹へと移った、これは結構大きい気がします。
兎にも角にも、素晴らしいものを読ませていただき、本当にありがとうございました! コミックスは特典が付こうが付くまいが、3冊は買います。特典が付くなら全部揃えます。もう、それぐらい好きだと断言できるのが、今の私の正直な気持ちなのです。

コメント

nophoto
ルート
2010年2月21日23:15

初めまして。こんばんわ。
コンプエースは1月号と3月号を持っていますが正直言うと付録目当てで買ってました^^;
付録目当てのついでにマンガでも読もうと思い「ヨスガノソラ」などを読みましたが「ヨスガノソラ」はまりました^w^

まだ知ったばかりですがヒロインの中で穹が一番好きになりました^^
なので、どうせなら穹ルートにいってほしいです。
とゆうか、4月号は休刊なんですか…残念です。
「エンジェル・マギスター」なども気になるので4月号買うんですが…こうなったら5月号も買おうかな。単行本が出たらそれも買おっと。

少し長めになりました^^;