2ヵ月ぶりのコミカライズということで、コミックスの発売日も5月26日で確定したみたいですね。丁度、再来月号の発売日と重なっていますが、コミックスだから2~3日早く売り出される可能性もある。コンプエースだと、ViVidなんかは5日前ぐらいに出たんだっけ? 店舗特典等はまだ発表されてないけど、仮に本誌へ載るとすれば来月かな。まあ、こういうのって基本的に対象店舗のみでの発表になるから、発売日近くになったら主要店舗の情報を確認しとけばいいのかも。

今回は巻中カラーになっており、3ページほどのカラーページで始まります。前回までが1巻分だから、コミックスの最初の話をカラーにしたいんですかね? 版型はB6版と大きめですし、普通にカラーページは収録されると考えて良いでしょう。
話としては原作にあった海のイベントで、原作との違いはダメイドが不参加だということ。まあ、ダメイドはこのコミカライズには出ないんでしょうね。思えば1話の見開きカラーにもいませんでしたし、確かに瑛&渚さんルートにも、穹ルートにも必要性のないキャラだからなぁ。居ても居なくても話が進められちゃう辺り、ダメイド哀れ。原作では海イベントのときだって、酒と弁当を食いに来た荷物番という役割が……大している意味なかった。亮平はともかくとして、ダメイドは個別シナリオ、やひろは瑛シナリオじゃないと出番ないからねぇ。このコミカライズだと、これといって出さなくても良いのかも。あんまり登場キャラを増やすと、描くのも大変ですからね。キャラを絞るのって結構大事。

妙にリアルな色合いの青空を眺めながら、ビーチパラソルの下に座るハル。恰好は当然水着ですが、短パンより少し裾の長いものを着用。カラーページとモノクロで明らかに長さが違うんだけど、コマによっては子供用長ズボンぐらいの長さになっていたりするので、ちょっと違和感。さすがにふくらはぎ近くまですっぽりはおかしいと思う。
「ねえ、ハル。ハルは行かないの?」
パラソルの下で涼むハルに、同じく水着姿の穹が声をかける。穹の水着は原作のそれと同じで、最近フィギュアでも発売された白水着。ハルはそんな穹の姿に少し焦りつつも立ち上がるんだけど、そこに瑛の呼ぶ声が響きます。カラー見開きで、瑛、渚さん、委員長、奈緒の水着姿がお目見えして、全員が原作と同じ……と思わせて、渚さんだけちょっと違う。原作は白の水玉模様でしたが、描くのが面倒だったのか色と形をそのままに柄なしとなっていました。
早く遊ぼうと言ってくる瑛に、今行くよと返しながら穹を促すハル。
「私はいい」
と断る穹は、ハルが楽しげに瑛や渚さんと談笑する姿を見て、明らかに面白くなさそうな表情を浮かべます。
「…バカハル」
穹がこのように呟いて、カラーページは終了。カラーは良いですねぇ、1話のカラーが下着姿になった穹の3サイズチェックで、7話が水着……いや、判ってるじゃないですか。

話は戻って海へ行く前。
「夏といえば海! 海といえば水着! 今一番熱いスポットそれが海!!」
折角の夏休みだから一緒に海へ行こうと誘ってくる亮平。みんなで行けば楽しそうだと同意するハルだけど、亮平の目的はあくまで水着の女の子。当然穹も誘うようにといわれるんだけど、その言葉にハルは僅かに動揺します。
「体調はもういいんだろ?」
「それはもう大丈夫なんだけど」
最近話しづらくてさ、と言うハルですが、大げさではないにせよ前回のキスを引きずっているみたいです。原作ほど強く引きずってないのは、単にキスをされただけであって、思いの丈をぶつけられてないからでしょうか? それにしては、ハルがさほど気にしてないように見えるのは、コミカライズ特有のプレイポーイな雰囲気がそうさせるのか。
ハルの言葉を単なる兄妹喧嘩の類と受け取った亮平は、「そんなのは一日遊べば何とかなるって」と気楽に言います。悩むハルですが、まあ、事情を知らない亮平からすれば当たり前の意見でもあり、押し切られる形で穹も誘うことに。

やって来た海では、男だけに着替えの早いハルと亮平が一足先に浜辺に乗り出します。晴れて良かったと笑う亮平に、同意しながらビーチパラソルを差すハル。そこへ水着に着替えたヒロインたちがやってきて、まずは瑛と渚さんに委員長の3人。お嬢も委員長もなかなか…とヨダレを垂らす亮平に、メッチャ引き気味の二人。まあ、無理もない。
「あたしは? 亮兄ちゃん」と尋ねる瑛に、
「ふむ? 瑛は…もうちょっとがんばれ」と肩に手を載せる亮平。それを見た渚さんが、「瑛に気安く触れないで!」と顔面を蹴り飛ばします。吹っ飛ぶ亮平ですが、そこに水着の着替えた穹が現れる。ベストアングル、下から穹をのぞき込むような形になった亮平に対し、穹は無言で足蹴にする。が、亮平は耐性が付いたのか、それともなにかに目覚めたのか、蹴られるのも悪くなくなったらしい。

「穹ちゃん、元気になって良かったね」

穹を眺めながら、瑛がハルへと話しかけてきます。

「うん…本当に。ありがとね、心配してくれて」

「お礼を言うのはこっちだよ」

瑛はハルのおかげで今まで通り神社で暮らせるようになったこと、つまり現状維持という形になったことを告げます。ハルの言葉に渚さんの父君が心動かされたのでしょうか、養子話はなしになったみたいです。

「また、みんなでいられるなんて思ってなかった。ありがとね、ハルくん」

「いや、僕は別に…」

瑛の言葉に、ハルは照れくさそうの頬を掻きます。このときのハルの表情と来たら、軽く赤面ししつつ目の感じが和らげで、ハッキリ言って超いい男。普段とは少し違う瑛の雰囲気も相成って、二人はかなり良い感じの空気を作り出します。
そこに現れたのが奈緒。更衣室が混んでいたとかで、面子の中では最後の登場です。ばいーんという効果音と共に胸が強調されており、ハルの視線はそこに釘付け。瑛でさえ、「奈緒お姉ちゃん、おっぱいおっきいー」という始末。そんなハルを見て、穹は不機嫌そうな表情を浮かべます。比較的仲の良い瑛にすら思うところがある見たいですし、奈緒が相手だと態度も硬化してしまうんでしょうね。
7話の特徴として、とにかく奈緒の胸を強調する描写が多いです。ヨスガノソラはエロゲでは珍しくヒロインの3サイズが公表されていないので、実際に奈緒が作中でどれぐらい巨乳なのかは定かではない。渚さんよりも大きいんだろうけど、やひろやダメイドと比べると、さてどうなのかといった感じ。まあ、ハルだって男ですから巨乳が嫌いなわけはないのでしょうが、穹としてはそれも面白くないというわけです。

海で遊ぶ面々が描かれ、海の中でビーチボールに興じる瑛と渚さんに奈緒。ここでも奈緒の胸が揺れる揺れる。亮平は瑛から借りたのか、浮き輪を使って委員長に背後から接近。発見した渚さんに海へ沈められます。
ハルはそうした騒がしさから一歩離れており、ビーチパラソルの下であぐらを掻く。

「ハルは行かないの?」

と、尋ねる穹に「うん、ちょっと休憩」と答えるハル。

「そっか。じゃあ、ちょっと頼みがあるんだけど」

穹はそのように言いながら、なにやら良く判らない文字が書かれたケースを、ハルに向かって差し出します。

「ほ、本当にやるの?」

「早くして」

ビーチパラソルの下に寝そべる穹は、水着の留め具を外しており、俗に言うオイルを塗る姿勢になっていますが、実際にオイルなのかは不明。というのも、最初は私も先入観からサンオイルの類だと思ったんですけど、肌を小麦色に焼く穹というのがどうしても想像できなかったんで、もしかしたら日焼け止めクリームの類かも知れない。見た目はどう見てもオイルだけど、特に明言はされてないしオイルみたいに見える日焼け止めクリームだってあるかも知れない。

「自分で濡れないからしょうがないじゃない」

赤面しながら言う穹にハルは折れて、オイルだかクリームだかを塗ることに。直接背中に手を触れ、その感触に穹は少し喘ぎます。

(うわ…柔らかい…)

同じく赤面しながら、穹の背中を塗りたくっていくハル。

(今さらだけど白いよなぁ、穹って)


「ひゃん!」

妙なところで感心するハルでしたが、手が滑ったのか穹の横乳をフニっと触ってしまいます。

「背中だけでいいって言ってるでしょ!?」

「ご、ごめん!」

ドギマギしてしまうハルに、「もういい」と水着を付ける穹。代わって、今度は自分がハルに塗ってあげると言い出します。

「い、いや、僕はいいよ…」

気恥ずかしいのか、断ろうとするハルですが、そこに委員長の投げたビーチボールが当たります。

「ご、ごめんなさい、春日野くん!」

これ幸いと、委員長に誘われるがままに遊びの輪へ加わるハル。穹はむーっとした表情で、ハルの態度にちょっと苛々。

お昼過ぎになって、原作と違って弁当などを持ってこなかった面々。腹が減って動けないという亮平に、ハルは自分がなにか買ってくるといいます。

「あっ、私も…」

「穹ちゃんは病み上がりだし休んでて。私が行ってくるから」

「え? あ…」

名乗り出ようとした穹は、奈緒の言葉に動きを封じられました。奈緒は単純に気遣い、心配しての申し出だったんでしょうが、ハルと二人でその場を離れる姿を見て、穹は遂に半泣き状態。身体も少し震えています。これで奈緒が実は牽制してましたとかだったら怖いけど、奈緒は実のところ穹のことを意識してなかったというか、そういった対象としては眼中にないんですよね。原作において奈緒が穹の本心を知るのは、対決後のずっと後のことになりますし。まあ、穹が双子の妹である以上、すぐに感づく方がおかしいと言えばおかしいんですけど。
人数分の弁当らしきものを買うハルに、着いてきた以上いくつか持とうかと訊く奈緒。しかしハルはこれぐらいは大丈夫と良い、奈緒はたくましくなっちゃってと笑いかけます。そこにはもう、昔自分の後ろを着いてくるだけだった少年はいません。

「ハルちゃんはすっかりカッコ良くなっちゃって、私だけあの時から止まったままみたいだよ」

奈緒のどこか陰りのある表情に訝しむハル。奈緒も自業自得とはいえ色々抱えているわけですが、ハルがそれに気付くのはまだ先みたい。コミカライズでどこまで触れるかってのもあるしね。
買い出しから戻ってきたハルは、穹の分を渡そうとしますが、当の穹はプイッと顔を逸らしてしまう。

「…何か怒ってる?」

「別に」

穹が態度を硬化させている理由がわからないハルは悩みますが、考えたところで答えg出るわけもなく、結局帰りの時間へ。そろそろ帰りの電車が来るというときに、穹が忽然と姿を消します。
捜してくると、一人穹の姿を捜すハル。

「…バカハル」

穹は浜辺に降りる階段に腰掛けながら、不機嫌そうな表情を浮かべていました。

「見ーつけた」

そんな穹をハルが探し当て、みんな待っているからもう帰ろうといいます。けれど、機嫌の悪い穹はハルの言葉にそっぽを向いてしまう。またなにか怒っているのか、言ってくれなきゃわからないというハルに、穹は思います。

「だって…」

――ハルはみんなに優しいから

不機嫌な表情から一転、沈んだ顔になった穹に思うところあったのか、ハルはふいにこんなことを尋ねます。

「水着…あれ、新しくしたの?」

「え? …うん」

「かわいかったよ」

自然な感じにこぼれ落ちた褒め言葉に穹は驚きますが、ハルは笑いながら、

「あくまで〝水着が〟だけどな」

などと一言余計なことを付け加えてしまう。呆れた穹はため息を吐きながら、ハルより先に帰ろうとする。

「また来ような、気が向いたら」

そのように提案するハルに対し、穹は想う。

――次、来ることがあったなら、今度は二人が良いよ、ハル

少しは気持ちも近づいたかな? という柱の代わりみたいな文章と共に次回に続く。


率直な感想としては、典型的なサービス回という印象。奈緒が少しだけ表に出てきたけど、物語としてはこれといって進展していないですし、見所としてはハルが穹の背中や横乳を撫で回すイベントが行われたことでしょうか? 原作だと、穹がハルを連れ出したりするんですが、コミカライズはなかなかに王道なものを持ってきたと思います。
こういう微エロに満たないようなエロがあると、如何にもサービス回って感じがして良いよね。穹の水着姿も可愛らしさが良く出ていたと思う。
このところ瑛シナリオに片足突っ込んでいる感じだったから話としては続き物だったけど、それも一応前回で終わったらしい。となれば自動的に穹シナリオに入るっぽいけど、今回がサービス回だっただけに次回がどうなるかまったく想像が付かない。一気に奈緒との対決をするのか、ほとんど台詞がないとはいえ、委員長も出しているからにはなにかしら絡めてくるとは思うんですが……さて、どうするつもりなのか。
コンプエースで果たしてハルと穹が関係を結べるのか、結んだとしてその描写をしっかり描けるのかは不明ですが、委員長がハルや穹を拒絶するには、それしかないんですよね。否定者としての役割が委員長なわけですから、それがないといる意味がなくなってしまう。今後の話が見えない理由としてはもう一つ、前回の最後、つまり1巻の最後の話で穹はハルにキスをするんだけど、原作の時系列から考えるとこれって結構早い。原作では丁度のこの海イベントの後、良心の初盆から帰宅したハルに、穹が思いの丈と共にキスをするわけで、それをキッカケに穹を意識し始めてしまったハルは、意識的に穹を避け始めるんですよ。だから今回、ハルがキスのことをあまり深く考えていないというのは、この先の展開に少なからず影響があるんじゃないかと、そんな気がする。まさか、いきなり次回になって、「あのキスはなんだったのだろう」と考え込むとは思えないし、もちろん今だってそれなりに考えてはいるんだろうけど、あまり深く悩んでいたりはしないのではないか。
ハルが穹の想いを受け入れるキッカケとなったのは、穹の自慰を目撃したからですけど、果たしてそれもコミカライズで描けるのかどうか。水風天的には、経歴を鑑みても普通に書ける気はするんですけど、コンプエース的に大丈夫なら是非やって貰いたいところです。
それにしても、今回は書くことがあまりないなと思っていたのに、いつの間にかこんなに書いている。さすがはハルと穹、ヨスガノソラの魅力と言ったところでしょうか。大変満足させていただきました。

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