悲恋堂の店主にGWの土産話を聞かせていたとき、「あなたはたまには有明以外のところへ旅行とかいかないんですか?」と訊かれたので、「お前が付いてくるならどこへでも行ってやるよ、世捨て人」と返してやった。店主は私の切り返しを予期していたのか軽い失笑で流したけど、たまには外出しないと身体にも良くないと思うんだが……まあ、世の中には数年間ヒキコモリとかも普通にいるわけだしなぁ。そう考えると店主もまだまだなのだろうか。

店主と児童書の話で盛り上がっていたとき、カラフルが映画化するという話を聞いた。森絵都の傑作小説で、確かに児童書といえなくもない本作であるが、児童文学賞も取ったんでしたっけね? 私には青春アドベンチャーでのラジオドラマが印象深いですか、なるほど今度は映画化か。実写は随分前にやったはずなので、サンライズによるアニメ作品とのこと。まあ、テレビ局もかんでるみたいだし、キャスト面での期待はできないけど……カラフルか。バッテリーといい、最近は児童書に着目する人が増えたんですかね。
私はカラフルは結構好きで、オチのわかりやすさとか、言われてみると大人が読めば一瞬でわかるような、そんな内容なんですよね。現に身内は読み始めて数行でオチが読めたと言っていましたし。
カラフルはそのタイトル通り多彩な色合いを持った登場人物の話なんだけど、あのあるようでないような恋愛要素が私は好きでね。特になんと言ったか、主人公が主人公となってから現れたクラスメイト。最初から世間から外れていた少女は実に良かった。青春アドベンチャーの印象が強いからそっちで語ると、最終的に主人公は憧れというか惚れていた後輩より、クラスメイトの方を取ったということでいいんですかね? 取ったというか選んだか。後輩を手にれることも出来ただろうに、主人公は自分を救ってくれた方を選んだわけですよ。
「如何にもあなたが好きそうな展開ですね。はじめに好きな女より、後から出てきたなんてことない女とくっつのがいいとか。定番でしょう」
「D.N.ANGELとかめちゃくちゃ好きなんだよ」
「なるほど、大助が梨沙から梨紅に乗り換えるあの感じですか」
「その感じだよ、よくわかるな」
「私にとっては、あなたほど分かりやすい人もいないですからね」
とまあ、私がどういう恋愛関係が好きなのか、その一端が分かるやりとりである。そう考えると、私はあまり王道とかすきじゃないのかも知れませんね。ハヤテのごとくを読んでるわりに嫌っているのも、ぐちゃぐちゃになった恋愛模様に苛立を覚えているからかも知れないし。整合性というか、秩序がない。

私の趣味というのは、もちろん私の書く作品にも色濃く出ているというか、例えばロクゼロクロスなんてその典型だよね。フェイトと思わせギンガに、ギンガと思わせセインに、セインにかと思われたらギンガに戻ってフェイトへたどり着くとか、もう一体どこへ行きたいんだよって感じで。しかも、逆襲になるとシエルが加わりますからさらに増えるという。まあ、ちゃんと筋道は立てているから迷子になったりはしないし、あの作品に関しては誰がヒロインか、ほとんど確定してるんだけどね。ギンガは死んじゃったから仕方ないにしても、フェイトとシエルの決着はちゃんとつけないと。セイン? セインはなぁ、赤き閃光の英雄で良い思いをしすぎたというか、逆襲の救世主でのラストが酷かったので、少なくとも不幸にだけはしたくないキャラ。幸せになれるかどうかは別として、そもそもあの作品で本当にハッピーエンドを迎えられるのなんて、今のところ一人しかいませんからね。誰とは言わないけど。

なんか、ロクゼロのこと書いてたらロクゼロ書きたくなってきたから困る。当分は書かないと決めていたのに、私の自制心も緩いもんですね。けどまあ、先にしておきたいことがあるから、書くとしても年末とかになるんだろうな。いっそ、今度はラストまで書き溜めてから連載始めようかしら。その方が効率いいような気がしてきた。

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