EMOTION the Best sola DVD-BOX
2010年6月27日 アニメ・マンガ コメント (3)
DVD-BOXが1万円以下で買えるなんて時代も変わりましたね。やはり時代はBDなのか、少し待てばBDも出そうな気がするんだけど、折角なので購入してみることに。だって、初回限定版DVD1本と同じ値段で全話見られるんだよ? 買っちゃうでしょ、これは。なんでこんなに安いのかは知らないけど、solaはオリジナル作品としては、傑作ではないにしろ名作と呼べるアニメだと思う。名作が言い過ぎなら良作、少なくともAngel Beatsよりは格段に面白い。
solaはテーマ的にも内容的にもシンプルな作品で、特に創作性があるわけでも、メッセージ性が強いわけでもないんだけど、それ故に物語としての矛盾や破綻がなくて、とても分かりやすい作りになっています。一言でいうと完成度の高い作品であり、単純ながら分かりやすい物語は、地味だけど安心してみることの出来るものに仕上がっていると思う。
商業面でどれぐらい成功したのかは知らないけど、私は売れたものが偉いという考えはあまりに好きじゃない。そもそも宣伝の規模が違いすぎるAngel Beatsと、商業成績で張り合うこと自体がおかしいでしょう。比較すべきは内容であって、売り上げじゃない。いささか極端な例えになるけど、ハンバーガーが最高級ステーキの100万倍売れているからといって、ハンバーガーがステーキより美味しいものだとは限らないでしょう? ハンバーガーの方が食べやすい、という意見があるにせよね……なにを書いてるんだろう、私は。
私が、麻枝准より久弥直樹の方が好きってのが以前にも書いた気がするけど、そういう個人的嗜好を省いても、ABはsolaにストーリーとその完成度に置いて劣ると思う。solaはテーマーにしろ内容にしろシンプルで分かりやすいし、限られた人数で繰り広げられる物語は無駄というものがない。逆にABは限定された空間という舞台を用意しているにも関わらず、大量に配置されたキャラクターには無駄が多く、矛盾や整合性のなさには目も当てられない。ABという作品は欲張りなのだ。言ってしまえば詰め込みすぎで、麻枝准がいうところの飽きさせない展開とやらが、逆に作品のテーマを語る上での邪魔となり、作品としての一貫性のなさをさらけ出してしまった。風呂敷を広げすぎたという人もいるが、私としては限られた数しか入らないカバンに、あれもこれも入れようとして失敗した、そんなふうに感じている。
技量にしろ実力にしろ、麻枝准は久弥直樹の足元にも及ばないと私は思っているが、ABとsolaはその差が顕著にでていると思う。下手くそな創作者というのは作品にキャラクターを大量に出してしまう傾向にあるとは、我が知り合いの編集者が言っていたことだが、書くのが上手い人間というのはそれらを全部使いきることが出来る。しかし、ABを見れば判るとおり、麻枝准にはそれが出来ていない。素人がひとつの話で登場させていいメインキャラは5名程度が限界と言われており、それ以上は扱い切れなくて破綻してしまうのだ。
逆に久弥直樹がsolaで登場させたキャラクターは7人であり、少し多いがどのキャラも無駄なく物語に絡めることに成功しており、それは彼の実力といっても大差ないだろう。花田十輝の力かも知れないが。
なにやらAB批判みたいなことを書いているが、私が書きたいのはあくまでsolaについて。この作品は七尾奈留がキャラ原案やってるから美少女アニメ、萌えアニメの一種に捉えられることが多いけど、キャラクターに萌えるか萌えないかは個人の趣味嗜好としても、作品の傾向としての萌え要素は極端に薄い。
主人公の森宮依人と、彼の前に現れた人間ではない少女四方茉莉。依人の姉である蒼乃や、茉莉を追う男辻堂剛史と彼に庇護されている神河繭子。それに森宮姉弟の友人である石月姉妹を交えた話は流れるように進んでいき、空というテーマを主軸に、これといった寄り道をせずに完結する。決して全員が幸せになるわけではないし、各人の過去を思えば悲劇であると考えてもいいだろう。しかし、ラストに現れた一欠片の希望は何人にも否定されるべきではない。取って付けたようなと言われてもだ。
やってしまったこと、やりたかったこと、やらなくてはいけなかったこと、茉莉と蒼乃の因縁や、その狭間に経つ依人。剛史が抱く繭子への想いや、森宮姉弟と関わってしまった石月姉妹の悲哀。決意による結果と、決断による結末。茉莉が求めていたものと、蒼乃が取り戻したかったもの。謎や疑問は残さず、矛盾や破綻は生じない。爽快感溢れる作品かは見た人の感じ方次第であろうが、すべてが終わった後は、確かに空のように澄み切っていたように、そう思える。
小難しい話なんてのはさ、アニメを観る上で必要ないのよ。単純でも地味でも、分かりやすいほうが良いじゃん。変にテーマ性を高くして話を難解にするよりも、シンプルなほうが観る人には伝わりやすいんだよ。私はそういう作品のほうが好きだし、よっぽど中身のある作品になると思うしね。
solaはその辺りがよく出来ていた作品だし、創作者としての技量と実力、そしてセンスが良く現れていた。結局、それが人としての差なんだよ。
solaはテーマ的にも内容的にもシンプルな作品で、特に創作性があるわけでも、メッセージ性が強いわけでもないんだけど、それ故に物語としての矛盾や破綻がなくて、とても分かりやすい作りになっています。一言でいうと完成度の高い作品であり、単純ながら分かりやすい物語は、地味だけど安心してみることの出来るものに仕上がっていると思う。
商業面でどれぐらい成功したのかは知らないけど、私は売れたものが偉いという考えはあまりに好きじゃない。そもそも宣伝の規模が違いすぎるAngel Beatsと、商業成績で張り合うこと自体がおかしいでしょう。比較すべきは内容であって、売り上げじゃない。いささか極端な例えになるけど、ハンバーガーが最高級ステーキの100万倍売れているからといって、ハンバーガーがステーキより美味しいものだとは限らないでしょう? ハンバーガーの方が食べやすい、という意見があるにせよね……なにを書いてるんだろう、私は。
私が、麻枝准より久弥直樹の方が好きってのが以前にも書いた気がするけど、そういう個人的嗜好を省いても、ABはsolaにストーリーとその完成度に置いて劣ると思う。solaはテーマーにしろ内容にしろシンプルで分かりやすいし、限られた人数で繰り広げられる物語は無駄というものがない。逆にABは限定された空間という舞台を用意しているにも関わらず、大量に配置されたキャラクターには無駄が多く、矛盾や整合性のなさには目も当てられない。ABという作品は欲張りなのだ。言ってしまえば詰め込みすぎで、麻枝准がいうところの飽きさせない展開とやらが、逆に作品のテーマを語る上での邪魔となり、作品としての一貫性のなさをさらけ出してしまった。風呂敷を広げすぎたという人もいるが、私としては限られた数しか入らないカバンに、あれもこれも入れようとして失敗した、そんなふうに感じている。
技量にしろ実力にしろ、麻枝准は久弥直樹の足元にも及ばないと私は思っているが、ABとsolaはその差が顕著にでていると思う。下手くそな創作者というのは作品にキャラクターを大量に出してしまう傾向にあるとは、我が知り合いの編集者が言っていたことだが、書くのが上手い人間というのはそれらを全部使いきることが出来る。しかし、ABを見れば判るとおり、麻枝准にはそれが出来ていない。素人がひとつの話で登場させていいメインキャラは5名程度が限界と言われており、それ以上は扱い切れなくて破綻してしまうのだ。
逆に久弥直樹がsolaで登場させたキャラクターは7人であり、少し多いがどのキャラも無駄なく物語に絡めることに成功しており、それは彼の実力といっても大差ないだろう。花田十輝の力かも知れないが。
なにやらAB批判みたいなことを書いているが、私が書きたいのはあくまでsolaについて。この作品は七尾奈留がキャラ原案やってるから美少女アニメ、萌えアニメの一種に捉えられることが多いけど、キャラクターに萌えるか萌えないかは個人の趣味嗜好としても、作品の傾向としての萌え要素は極端に薄い。
主人公の森宮依人と、彼の前に現れた人間ではない少女四方茉莉。依人の姉である蒼乃や、茉莉を追う男辻堂剛史と彼に庇護されている神河繭子。それに森宮姉弟の友人である石月姉妹を交えた話は流れるように進んでいき、空というテーマを主軸に、これといった寄り道をせずに完結する。決して全員が幸せになるわけではないし、各人の過去を思えば悲劇であると考えてもいいだろう。しかし、ラストに現れた一欠片の希望は何人にも否定されるべきではない。取って付けたようなと言われてもだ。
やってしまったこと、やりたかったこと、やらなくてはいけなかったこと、茉莉と蒼乃の因縁や、その狭間に経つ依人。剛史が抱く繭子への想いや、森宮姉弟と関わってしまった石月姉妹の悲哀。決意による結果と、決断による結末。茉莉が求めていたものと、蒼乃が取り戻したかったもの。謎や疑問は残さず、矛盾や破綻は生じない。爽快感溢れる作品かは見た人の感じ方次第であろうが、すべてが終わった後は、確かに空のように澄み切っていたように、そう思える。
小難しい話なんてのはさ、アニメを観る上で必要ないのよ。単純でも地味でも、分かりやすいほうが良いじゃん。変にテーマ性を高くして話を難解にするよりも、シンプルなほうが観る人には伝わりやすいんだよ。私はそういう作品のほうが好きだし、よっぽど中身のある作品になると思うしね。
solaはその辺りがよく出来ていた作品だし、創作者としての技量と実力、そしてセンスが良く現れていた。結局、それが人としての差なんだよ。
コメント
検索で飛んできました。
私もsola、大好きです。
七尾氏と出した同人誌から始まってドラマCDまで、
最後まで付き合って本当にホントに良かったと思えた作品でした…
元Keyということで、未だに麻枝さんと比較されている久弥さんですが、
もうそろそろ比較するのはいかがなものかと私も思っています。
二人はもうとっくにまるで違う道を歩んでいるんですし。
solaの内容ですが、私がこの作品を好きな理由は
人の想いや優しさが強く感じられる所にあります。
茉莉が人の憎しみや悲しみの総体である生粋の夜禍人
という負の存在から、蒼乃と知り合って人間らしさを知り、
自らを願いにかえて蒼乃に託していったこと。
真名や蒼乃が流した涙も最後には希望にかわっていること。
劇中ではあまり誇張して描写されて無かったですが、
皆依人を通して成長し、つながりを深めていること。
この辺に特に感銘を受けました。
久弥さんのシナリオはいつでもこのような
人が生きていく上での尊厳とか他人への尊重の心、
キャラへの敬愛が強く感じられて好きです。
久弥さんの作品は訴えかけてくるモノがあるから、
心に響く。
久弥さんの作品は押しつけの人生賛歌や感動ではなく、
私達にそういった事を考えさせてくれる作りになっているのが良いですよね。
創作物は人の心を写し出す鏡とはよく言った物で、
久弥さんの作品には久弥さんの人間性、
麻枝さんの作品には麻枝さんの人間性が良く現れていると思いました。
solaからもう三年。
そろそろ、久弥さんの新作が見たいなぁ…
そんなことを思いながらコメント書かせて頂きました。
乱文ですが、失礼します。