秋季例祭とやらは無事に終わったようですね。何事もなく、というには参加させられている時点で違うような気がしますが、反応を見る限りだと大きな問題等はなかったらしい。泥を被るといった手前、その役目をすべて果たしたというところですか。精神的にかなり参っている様子を見ると、私も行って激励したかったけど、今回の件で地元側に対するイメージが良いものじゃなくなったのも事実。誰が言いだしたことかは知らないですけど、もう二度と合って欲しいことじゃないですね。まあ、来年にはアニメの放送も終わってますから、なにかを引っ張るってことはないと思いますけど。今回の件の真相は、1月に行われるマチアソビVol.5で訊いてみることにしましょう。
明日はアニメ版ヨスガノソラの3話が放送されると言うことで、現在2話の復習及びアニメ全体について考えています。1話は放送されてから今日に至るまで、何十回と見直してきたんですけど、2話だとその気が起きないのよね。最初の5分ちょっと、穹が蚊に驚いてハルに泣きつくシーンまで見れば満足してしまうというか、それ以降がすべていらなく感じてしまうほど。蚊のイベントに不満がないわけじゃないんだけど、それぐらいしか見るところがなかったというのも大きい。私がハルと穹をこよなく愛しているというのもあるんだろうけど、穹の出番が少ないだけでここまでつまらないものなんだと、ある意味で当たり前のことを実感しています。まあ、中には2話も最高だったという感想を抱いている人がいるんけど、私には魅力に感じる部分があまりにも少なすぎた。
なので今日は2話の復習と、現時点で分かっている登場キャラのキャラクター性について書いてみようかなと思います。まあ、2話の感想で気になった部分を掘り下げるだけなんだけど、改めて見直してみると、やっぱり違和感が大きいんだよね。別人と言うほどではないにしろ、ハルも穹も、瑛や渚さんもそのキャラクター性に強い差違を感じてしまった。原作やコミカライズとアニメは別物であると分かっていても、なんか拭えないというか、納得いかないんだよね。話だけならまだしも、キャラまで違うというのは。もちろん、話が違う以上、それにあったキャラを用意するのは物語作りの基本だし、私もどちらかといえばそういう書き手なんだけど……なるほど、私の二次創作を読んだ人ってこんな気持ちだったのかも知れない。
最初に取り上げるのは、やはり蚊のシーンですかね。2話はここだけ見ておけばいいというシーンではあるんだけど、イベントとしては原作の方が断然いい。そもそも冷静に考えてみましょう。どうしてアニメの穹は蚊如きにあそこまで動揺し、怯えているのでしょうか? これが蜘蛛なら小さくても嫌いな人は嫌いだし、それ以上の害虫なら大の大人だって苦手な人はいます。けど、蚊ですよ、蚊。2話の日記にも書いたけど、今日日小学生や幼稚園児だって怖がりませんよ。蜂ならまだしも、刺されても痒いだけで痛くないんですから。ちなみに私はよっぽど血が不味いのか、ここ数年は蚊にすら刺されません。汗っかきで普通なら蚊が寄りつきそうなんですけど、虫にすら嫌われているという。
まあ、私のことはどうでも良いとして、蚊という虫は嫌いな人はいても怖がる人はいないということです。現に、原作の穹も蚊を嫌がってこそいますが、バッタのように怖がってはいません。ちなみに、原作での反応はこんな感じです。
「………ハル!!」
「うわぁっ!? な、なに、穹?」
「……うるさい」
「え、ええ?」
う、うるさいって……まさに寝ようとしてたとこなんだけど。
「……ハルじゃない」
……じゃあ何が? と言うか、お願いだから主語を言ってくれないか。
「か」
「か? ……蚊?」
「蚊がうるさい……」
寝ようとしていたハルを叩き起こし、穹は蚊が気になって寝られないのでなんとかしてと言ってきます。蚊の羽音が不愉快であることをハルも認めつつ、寝たら気にならないと提案するも、「刺されたら痒い……いいから、早く何とかして」と迫られます。この間、穹はあくまで静かであり、蚊が出たからと言って半狂乱になって騒ぎ立てるような真似はしていません。うるさいから、刺されると痒いから、理由としてはそれぐらいのことであり、確かに気にし過ぎなところはあるけど、おかしいってほどじゃない。
殺虫剤も蚊取り線香もないから、とりあえず部屋に行ってみるハル。蚊が入った理由はすぐに判り、穹が網戸も閉めずに窓を開けていたからでした。
「そりゃ窓が開いてたら、入ってくるに決まってるよ。ここに来た最初の日に、窓を開けるなら網戸は閉めておけって言ったよな?」
「……覚えてない」
「つまりは自業自得ってことだ」
「……うー」
可愛らしいやり取りですし、この時点ではアニメのような騒々しさは欠片もありません。仕方ないので退治することになったハルですが、蚊一匹潰すのはあれでなかなか難しい話です。蚊帳を設置できれば楽なのですが、夜中に押し入れや納戸をひっくり返すわけにもいかず、地道に仕留めるしかないというハル。けど、そんなハルに痺れを切らした穹が強硬手段に出ます。
「もういい……」
「え?」
穹が、ごそごそとダンボールの中を漁り出して……
「ちょっと、穹……何を……?」
「うるさい……」
どこからどう見てもヘアスプレーの缶を手にしたかと思うと。
「むぅぅぅぅぅぅぅぅ……」
「うあぁぁぁぁっ!?」
「ゴホッ……けほけほっ…………うぅぅっ…………」
「うぉぉぉぉい! な、何やってんだよっ……やめろって!」
辺り一面に、白い霧のようなのが広がり、甘ったるい、いかにもな強い臭いが広がっていく。
「ううーーーーっ!!!」
キレて部屋スプレーを撒き散らすわけですけど、あくまで苛々が頂点に達しただけであって、蚊に怯えて形振り構わなくなったわけじゃありません。しかも、醒めるのも早いらしく、ハルが部屋の外へ連れ出す頃にはすっかり落ち着いていました。
「たかが蚊一匹でキレるのは勘弁してくれ」
「……何で?」
「そもそもあんなヘアスプレーを撒き散らしたとこで、蚊がいなくなるわけ無いだろ?」
「……何で?」
「ヘアスプレーは殺虫剤じゃないからだろう……とりあえず、換気が済むまでしばらく部屋への立ち入りは禁止」
「……何で?」
「あんな咳き込むほど撒き散らしたんだぞ? 臭いもすごいし、体にいいわけも無いだろう」
「……何で?」
「そりゃヘアスプレーは髪に使うものであって……って、お前、わかっててワザと言ってるだろ?」
「…………」
「ったく……はいはい、穹にはかなわないよ」
相変わらず、穹は何を考えて行動しているのかよくわからないけど、こんなやりとりでも僕たち兄妹には安心できる時間だった。
私はこのやり取りが凄く好きでさ、ハルも言ってるけど2人が安心できる時間というか、これが春日野兄妹なんだなって感じられるイベントだったからとても愛着があるんですよ。それが丸々削除されて、可愛くても良く分からないイベントに差し替えられたのは残念以上の気持ちがあります。しかも、原作で夜だったのが朝に改変されましたし、そのため続くイベントは強制的に排除されてしまった。
穹の部屋から布団を持ち出し、敷き直したそこは応接間。少なくとも今日ここにいた時に蚊はいなかった……はず。
「……じゃ、電気消すよ。おやすみ」
布団に寝転ぶ穹を見届けて、照明のスイッチに手を伸ばしたその時。
「………ん?」
服の裾を引っ張られる。
「……なに?」
「…………しばらく側にいて」
「……はいはい」
真っ暗闇の中、穹の傍らへ寄り添うように腰を下ろす。何も見えない中でも穹の息づかいが、体温が感じられる。
「…………ハル……」
「……ん?」
「……外、騒がしい…………」
「…………すぐに慣れるよ」
「……そう?」
遠くから、カエルの大合唱が聞こえてくる。これが秋になれば、今度は鈴虫やコオロギの鳴き声に変わっていくのだろう。
「確かに少し騒がしいけど、蚊の音なんかと違って、不快じゃないだろう?」
「……うん」
これが自然の声というものなのかもしれない。
「…………」
こんなの、都会にいた時には気付くこともなかった。どこか心が落ち着くような……この土地の自然の一部に溶け込んでいくような、そんな感覚。こういう夜も、いいなと思う。穹も、あっという間に深い寝息を立てていた。そして僕も、自分の部屋に戻ることさえも忘れて、いつの間にか、意識を夢の世界へ飛ばしていた。
ハルと穹が慣れない田舎暮らしを始めて、そうした中の一夜です。2人の絆の深さ、繋がりの厚さ、なによりハルが穹に添い寝する形となった大事なイベントだというのに、これをカットするってどうなのよ。こういう静かながらも、確かな生活感みたいのが大事だって言うのに、それがどうして蚊に半狂乱となる穹になってしまうのか。何度も言うようだけど、決して可愛くないわけじゃなかった。でも、それは違うだろうと。アニメは今のところ全部オリジナル話と展開だけど、原作の良いエピソードぐらいは採用して欲しい。序盤のハルと穹の生活とか、そういうのが大事だというのに。
まあ、蚊を極端に恐れている点については、無理やり説明が出来ないでもありません。例えば、肌がとても弱くて刺されると被れやすいとかね。ちょっと苦しいけど。
2話は基本的にハルへの違和感が強い回だった。もちろん、瑛や渚さんも原作と比べて大分キャラが違うんだけど、ハルほどではないように思えた。現状、瑛は自分がメインじゃないこともあって原作ほど底が知れない少女じゃないし、むしろ原作よりも過剰なほどのおふざけキャラとなっています。運動が出来るという設定はともかく、私は瑛がクラスの中心となって騒いでいる姿に違和感を憶えた。瑛って、騒動に加わることはあっても、それを巻き起こすようなキャラじゃないと思うんですよ。人付き合いは悪くない方だろうけど、だからといって友達が多いとは思えない。大体、クラスでは色々浮いた存在である亮平や、家柄上取っ付きにくい相手である渚さんと付き合っている時点で、瑛自身も孤立とはいかないまでも、中心に位置できるようなキャラではないんじゃないかって。
故に瑛がプール掃除で騒ぎを起こしたときは意外に思ったし、散々同級生を水圧で吹っ飛ばしておきながら、体調不良以外の理由で見学している渚さんだけに気を使ったときは、まあ、これはハルにも言えることなんだけど、結構な違和感を憶えた。瑛ってノリはいいけど、基本的に人の迷惑になるような行動をしない娘じゃないですか? 誰かに邪魔だと思われたら、その時点で彼女は奥木染で生きていけませんし、自分の中での引き際を弁えすぎてるんですよ。2話のプール掃除は瑛が主にはしゃいでたわけだけど、唖然としていたのはなにも穹だけじゃないだろうし、瑛が進んであんなことを主導するのかなと。渚さんがすっころんだときだけ血相かえて、他の生徒への迷惑はどうでもいいのかって話です。
ハルに対する違和感もまた、プールにおける出来事がメインです。それ以前の、やひろ、渚さん、亮平と散々瑛の事情を知りたがる姿もどうかと思ったし、あそこまで言われて何故詮索を続けるんだと理解出来なかったけど、それでもプールでの一件よりかはまだマシなんじゃないかと。
ハルはあのときあの場所で、一体なにをしてたんでしょうか? 暴走した瑛を止めるわけでもなく、かといって自分は参加するわけでもなく、プールサイドに腰掛けて旗振りですよ。サボりじゃないですか、サボり。騒動の外で呑気に旗なんて振っちゃって、穹が吹っ飛ばされたときには見向きもしない。それなのに渚さんの時だけ叫び声を上げて駆け寄るという。妹はどうしたんだと。初めての学校でいきなりプール掃除なんて慣れないことさせられて、あまつさえ瑛の悪ふざけの被害にあった穹のところへ、何故駆けつけないのか。そうした行動的な矛盾の多さが、2話におけるハルの魅力をガクッと下げた要因なんじゃないかな。1話はあんなに良かったのに。
書きたいことは山のようにあるけど、これ以上はただの批判や否定を超えてしまいそうなので止めておきます。明日はいよいよ渚さんがメインとなりますが、基本的に彼女は穹との接点がない人なので、全面に出てこられると穹じゃどうしようもないんですよね。原作でも話したことがないし、対決することが出来ない。つまり、必然的に穹が話に絡みづらい相手であり、今回のような出番の少なさに見舞われるのです。よく見なくとも判るとおり、3話の予告に穹はいません……
本当は漫画版との比較を書きたかったんだけど、2話を見直すうちに変な方向に不満が爆発してしまったので、今日はこの辺で止めておきます。
明日はアニメ版ヨスガノソラの3話が放送されると言うことで、現在2話の復習及びアニメ全体について考えています。1話は放送されてから今日に至るまで、何十回と見直してきたんですけど、2話だとその気が起きないのよね。最初の5分ちょっと、穹が蚊に驚いてハルに泣きつくシーンまで見れば満足してしまうというか、それ以降がすべていらなく感じてしまうほど。蚊のイベントに不満がないわけじゃないんだけど、それぐらいしか見るところがなかったというのも大きい。私がハルと穹をこよなく愛しているというのもあるんだろうけど、穹の出番が少ないだけでここまでつまらないものなんだと、ある意味で当たり前のことを実感しています。まあ、中には2話も最高だったという感想を抱いている人がいるんけど、私には魅力に感じる部分があまりにも少なすぎた。
なので今日は2話の復習と、現時点で分かっている登場キャラのキャラクター性について書いてみようかなと思います。まあ、2話の感想で気になった部分を掘り下げるだけなんだけど、改めて見直してみると、やっぱり違和感が大きいんだよね。別人と言うほどではないにしろ、ハルも穹も、瑛や渚さんもそのキャラクター性に強い差違を感じてしまった。原作やコミカライズとアニメは別物であると分かっていても、なんか拭えないというか、納得いかないんだよね。話だけならまだしも、キャラまで違うというのは。もちろん、話が違う以上、それにあったキャラを用意するのは物語作りの基本だし、私もどちらかといえばそういう書き手なんだけど……なるほど、私の二次創作を読んだ人ってこんな気持ちだったのかも知れない。
最初に取り上げるのは、やはり蚊のシーンですかね。2話はここだけ見ておけばいいというシーンではあるんだけど、イベントとしては原作の方が断然いい。そもそも冷静に考えてみましょう。どうしてアニメの穹は蚊如きにあそこまで動揺し、怯えているのでしょうか? これが蜘蛛なら小さくても嫌いな人は嫌いだし、それ以上の害虫なら大の大人だって苦手な人はいます。けど、蚊ですよ、蚊。2話の日記にも書いたけど、今日日小学生や幼稚園児だって怖がりませんよ。蜂ならまだしも、刺されても痒いだけで痛くないんですから。ちなみに私はよっぽど血が不味いのか、ここ数年は蚊にすら刺されません。汗っかきで普通なら蚊が寄りつきそうなんですけど、虫にすら嫌われているという。
まあ、私のことはどうでも良いとして、蚊という虫は嫌いな人はいても怖がる人はいないということです。現に、原作の穹も蚊を嫌がってこそいますが、バッタのように怖がってはいません。ちなみに、原作での反応はこんな感じです。
「………ハル!!」
「うわぁっ!? な、なに、穹?」
「……うるさい」
「え、ええ?」
う、うるさいって……まさに寝ようとしてたとこなんだけど。
「……ハルじゃない」
……じゃあ何が? と言うか、お願いだから主語を言ってくれないか。
「か」
「か? ……蚊?」
「蚊がうるさい……」
寝ようとしていたハルを叩き起こし、穹は蚊が気になって寝られないのでなんとかしてと言ってきます。蚊の羽音が不愉快であることをハルも認めつつ、寝たら気にならないと提案するも、「刺されたら痒い……いいから、早く何とかして」と迫られます。この間、穹はあくまで静かであり、蚊が出たからと言って半狂乱になって騒ぎ立てるような真似はしていません。うるさいから、刺されると痒いから、理由としてはそれぐらいのことであり、確かに気にし過ぎなところはあるけど、おかしいってほどじゃない。
殺虫剤も蚊取り線香もないから、とりあえず部屋に行ってみるハル。蚊が入った理由はすぐに判り、穹が網戸も閉めずに窓を開けていたからでした。
「そりゃ窓が開いてたら、入ってくるに決まってるよ。ここに来た最初の日に、窓を開けるなら網戸は閉めておけって言ったよな?」
「……覚えてない」
「つまりは自業自得ってことだ」
「……うー」
可愛らしいやり取りですし、この時点ではアニメのような騒々しさは欠片もありません。仕方ないので退治することになったハルですが、蚊一匹潰すのはあれでなかなか難しい話です。蚊帳を設置できれば楽なのですが、夜中に押し入れや納戸をひっくり返すわけにもいかず、地道に仕留めるしかないというハル。けど、そんなハルに痺れを切らした穹が強硬手段に出ます。
「もういい……」
「え?」
穹が、ごそごそとダンボールの中を漁り出して……
「ちょっと、穹……何を……?」
「うるさい……」
どこからどう見てもヘアスプレーの缶を手にしたかと思うと。
「むぅぅぅぅぅぅぅぅ……」
「うあぁぁぁぁっ!?」
「ゴホッ……けほけほっ…………うぅぅっ…………」
「うぉぉぉぉい! な、何やってんだよっ……やめろって!」
辺り一面に、白い霧のようなのが広がり、甘ったるい、いかにもな強い臭いが広がっていく。
「ううーーーーっ!!!」
キレて部屋スプレーを撒き散らすわけですけど、あくまで苛々が頂点に達しただけであって、蚊に怯えて形振り構わなくなったわけじゃありません。しかも、醒めるのも早いらしく、ハルが部屋の外へ連れ出す頃にはすっかり落ち着いていました。
「たかが蚊一匹でキレるのは勘弁してくれ」
「……何で?」
「そもそもあんなヘアスプレーを撒き散らしたとこで、蚊がいなくなるわけ無いだろ?」
「……何で?」
「ヘアスプレーは殺虫剤じゃないからだろう……とりあえず、換気が済むまでしばらく部屋への立ち入りは禁止」
「……何で?」
「あんな咳き込むほど撒き散らしたんだぞ? 臭いもすごいし、体にいいわけも無いだろう」
「……何で?」
「そりゃヘアスプレーは髪に使うものであって……って、お前、わかっててワザと言ってるだろ?」
「…………」
「ったく……はいはい、穹にはかなわないよ」
相変わらず、穹は何を考えて行動しているのかよくわからないけど、こんなやりとりでも僕たち兄妹には安心できる時間だった。
私はこのやり取りが凄く好きでさ、ハルも言ってるけど2人が安心できる時間というか、これが春日野兄妹なんだなって感じられるイベントだったからとても愛着があるんですよ。それが丸々削除されて、可愛くても良く分からないイベントに差し替えられたのは残念以上の気持ちがあります。しかも、原作で夜だったのが朝に改変されましたし、そのため続くイベントは強制的に排除されてしまった。
穹の部屋から布団を持ち出し、敷き直したそこは応接間。少なくとも今日ここにいた時に蚊はいなかった……はず。
「……じゃ、電気消すよ。おやすみ」
布団に寝転ぶ穹を見届けて、照明のスイッチに手を伸ばしたその時。
「………ん?」
服の裾を引っ張られる。
「……なに?」
「…………しばらく側にいて」
「……はいはい」
真っ暗闇の中、穹の傍らへ寄り添うように腰を下ろす。何も見えない中でも穹の息づかいが、体温が感じられる。
「…………ハル……」
「……ん?」
「……外、騒がしい…………」
「…………すぐに慣れるよ」
「……そう?」
遠くから、カエルの大合唱が聞こえてくる。これが秋になれば、今度は鈴虫やコオロギの鳴き声に変わっていくのだろう。
「確かに少し騒がしいけど、蚊の音なんかと違って、不快じゃないだろう?」
「……うん」
これが自然の声というものなのかもしれない。
「…………」
こんなの、都会にいた時には気付くこともなかった。どこか心が落ち着くような……この土地の自然の一部に溶け込んでいくような、そんな感覚。こういう夜も、いいなと思う。穹も、あっという間に深い寝息を立てていた。そして僕も、自分の部屋に戻ることさえも忘れて、いつの間にか、意識を夢の世界へ飛ばしていた。
ハルと穹が慣れない田舎暮らしを始めて、そうした中の一夜です。2人の絆の深さ、繋がりの厚さ、なによりハルが穹に添い寝する形となった大事なイベントだというのに、これをカットするってどうなのよ。こういう静かながらも、確かな生活感みたいのが大事だって言うのに、それがどうして蚊に半狂乱となる穹になってしまうのか。何度も言うようだけど、決して可愛くないわけじゃなかった。でも、それは違うだろうと。アニメは今のところ全部オリジナル話と展開だけど、原作の良いエピソードぐらいは採用して欲しい。序盤のハルと穹の生活とか、そういうのが大事だというのに。
まあ、蚊を極端に恐れている点については、無理やり説明が出来ないでもありません。例えば、肌がとても弱くて刺されると被れやすいとかね。ちょっと苦しいけど。
2話は基本的にハルへの違和感が強い回だった。もちろん、瑛や渚さんも原作と比べて大分キャラが違うんだけど、ハルほどではないように思えた。現状、瑛は自分がメインじゃないこともあって原作ほど底が知れない少女じゃないし、むしろ原作よりも過剰なほどのおふざけキャラとなっています。運動が出来るという設定はともかく、私は瑛がクラスの中心となって騒いでいる姿に違和感を憶えた。瑛って、騒動に加わることはあっても、それを巻き起こすようなキャラじゃないと思うんですよ。人付き合いは悪くない方だろうけど、だからといって友達が多いとは思えない。大体、クラスでは色々浮いた存在である亮平や、家柄上取っ付きにくい相手である渚さんと付き合っている時点で、瑛自身も孤立とはいかないまでも、中心に位置できるようなキャラではないんじゃないかって。
故に瑛がプール掃除で騒ぎを起こしたときは意外に思ったし、散々同級生を水圧で吹っ飛ばしておきながら、体調不良以外の理由で見学している渚さんだけに気を使ったときは、まあ、これはハルにも言えることなんだけど、結構な違和感を憶えた。瑛ってノリはいいけど、基本的に人の迷惑になるような行動をしない娘じゃないですか? 誰かに邪魔だと思われたら、その時点で彼女は奥木染で生きていけませんし、自分の中での引き際を弁えすぎてるんですよ。2話のプール掃除は瑛が主にはしゃいでたわけだけど、唖然としていたのはなにも穹だけじゃないだろうし、瑛が進んであんなことを主導するのかなと。渚さんがすっころんだときだけ血相かえて、他の生徒への迷惑はどうでもいいのかって話です。
ハルに対する違和感もまた、プールにおける出来事がメインです。それ以前の、やひろ、渚さん、亮平と散々瑛の事情を知りたがる姿もどうかと思ったし、あそこまで言われて何故詮索を続けるんだと理解出来なかったけど、それでもプールでの一件よりかはまだマシなんじゃないかと。
ハルはあのときあの場所で、一体なにをしてたんでしょうか? 暴走した瑛を止めるわけでもなく、かといって自分は参加するわけでもなく、プールサイドに腰掛けて旗振りですよ。サボりじゃないですか、サボり。騒動の外で呑気に旗なんて振っちゃって、穹が吹っ飛ばされたときには見向きもしない。それなのに渚さんの時だけ叫び声を上げて駆け寄るという。妹はどうしたんだと。初めての学校でいきなりプール掃除なんて慣れないことさせられて、あまつさえ瑛の悪ふざけの被害にあった穹のところへ、何故駆けつけないのか。そうした行動的な矛盾の多さが、2話におけるハルの魅力をガクッと下げた要因なんじゃないかな。1話はあんなに良かったのに。
書きたいことは山のようにあるけど、これ以上はただの批判や否定を超えてしまいそうなので止めておきます。明日はいよいよ渚さんがメインとなりますが、基本的に彼女は穹との接点がない人なので、全面に出てこられると穹じゃどうしようもないんですよね。原作でも話したことがないし、対決することが出来ない。つまり、必然的に穹が話に絡みづらい相手であり、今回のような出番の少なさに見舞われるのです。よく見なくとも判るとおり、3話の予告に穹はいません……
本当は漫画版との比較を書きたかったんだけど、2話を見直すうちに変な方向に不満が爆発してしまったので、今日はこの辺で止めておきます。
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