全体的に酷いとしか言いようのない奈緒ルートは終わったわけですが、私なりの解釈として一連の話は如何に春日野悠という主人公を屑にするかという意図があったんじゃないかと思う。結局、9話において悠はなにも出来なかった。穹を置いて海に行ったり、穹に選べと言われたときそれを無視した。前回の日記でも書いたけど、そのしっぺ返しを悠は食らったんですよ。自分が穹に対してなにをしたのか、あそこまで直接的な行動をされるまで気付かなかったし、考えようともしなかった。
だからこそ、悠に穹を見つけることは出来なかったわけです。

何故、ハルを屑化させたのかは色々な仮説を立てることが出来ますけど、8話におけるアルバムのシーンなどを見ても分かるように奈緒ルートの悠は女子から好かれる、所謂リア充タイプであることをかなり強調されています。実際にハルはモテますけど、過去まで遡ってそれを印象づけたのには必ず意味があり、悠の女性に対する貞操観念や性に対する奔放さを描くためではなかったのだろうか? 悠が女子の胸チラだパンチラだに赤くなるのは毎週のお約束みたいなものですが、奈緒に対してはそれが顕著すぎた。なにせ、奈緒に関しては逆レイプが一番強烈な印象として残っているため、つい肉体的なものを意識しがちになってしまう。ハルの都会における女性関係がどうだったのかは知りませんが、奈緒ルートの悠に関して言えば、かなり手慣れた感じがするのも事実。
つまり、奈緒ルートの悠は雄の本能でとにかく奈緒の身体を求めていたのではないか、という仮説が立てられる。いや、仮説もなにもそれが真実でしょう。穹に見られてもセックスを止めなかったり、今回の最後でまたヤっているところ見ると、あの悠は性欲の塊でしかない。
では、どうしてそのようにしたのか? 私は奈緒が穹のことで悠を責めるのは筋違いだと思いますし、奈緒が穹を見つけて和解する展開にそれほど意味はないと考えています。実にくだらないし、奈緒はまともに反論の一つも出来ませんでしたからね。穹のハルは変わってしまった発言は、1話から考えれば妥当なものですし、実際にハルは悠となり穹に対する配慮すらしなくなってしまった。要するに屑野郎になったわけですよ。穹を失いたくないと思ったから奥木染を選んだのに、自分から穹の真正面からの訴えを避けてしまった。向き合おうとしなかった。だから罰を受けた。
奈緒と穹が和解することに意義があったのではなく、上記にも書いたとおり悠が穹を見つけることは出来なかったことに、この場合大きな意味があるのです。穹のことを見ようとしなかった悠に、向き合おうことを拒否して奈緒との性愛に逃げた奴に、穹を見つけられるはずがないのだから。

予告に関しては、まあ、そうするしかなかったんだろうなと思う。私は当然のことだと感じているけど、すべてを夢としてなかったことにすることは、穹ルートを始める上で最低条件だったんじゃないかと。それは単に私のようにうるさい奴がいるからという理由だけじゃなくて、あれだけ1話からハル×穹を押しておいて、OPや本編EDもハルと穹一色なのに、穹を他ヒロインと同列、同格に置くことは明らかにおかしいもの。ロードすることを穹なりに表現したか、もしくは妄言だろうという意見もあるだろうけど、私はそうは思わない。
今までのことは全部夢。ハルの迷いが見せた夢。だから、奈緒とのことも泡沫と消える……。私のことだけ見ててハル。幸せにしてあげる。
この夢という表現だが、私はこれが本当の意味で夢オチなのではいかと考えます。というのも、1話を思い出せば判ることですが、ハルは1話において穹と自分がキスをする光景を妄想しました。別にハルが妄想癖を持っているとは言いませんが、これがある以上はハルの夢だったですべてを済ませることも不可能ではないのです。それに予告映像を見るかぎり、何故だか分かりませんが採寸シーンからの再開するらしいですし、夜、寝入っていたハルが、穹によって夢から目覚めるということも十分にありえるわけで。けど、採寸シーンを遣るのは良いんだけど、そこまで戻ると7話の存在が意味不明になるからなぁ。回想で挟むのか、そもそも7話を制作側はどうするつもりなのか?
アニメの公式サイトによると、穹のBDにはツミナオトメラ(放送第7話)/BGM春日野穹Ver.&O.A Ver.収録とあります。渚さんや瑛のときと同じく、BGMを穹仕様にしただけのものが収録されるらしい。9話がどこまで戻るのかは知りませんが、あの7話を修正もせずに収録するというのなら、こちらも黙っているわけにはいかないでしょう。ハルキノソラ辺りで説明されるとは思いますが、いくらなんでもあれはない。

奈緒ルートを総括すると、私の評価は深海よりも底という感じなんですかね。穹の夏コミテレカ使用の浴衣姿見れたのと、髪を下ろした委員長の浴衣姿を見れたのが、唯一良かったところでしょうか。しかし、そんな2人の素晴らしさも、祭り会場の隅でセックスはじめた悠と奈緒でぶち壊し。いや、明らかにいらないシーンでしょ。なに? 話の最後にはエロシーン入れないといけない決まりでもあるの? 悠は結局このルートでなにもしませんでした。穹のことを突き放し続け、追い込んで、気付いたら奈緒と和解をしていたというだけのこと。主人公として、彼はなにもしなかった。そんな悠とハルの対比が、穹ルートで行われるんじゃないかと私は思っているんですけどね。
まあ、本音いうと奈緒に雷が落ちればよかったのにとか、バス停と一緒に燃え尽きてしまえとか思ってたけど、アニメスタッフは側撃雷というものを知らないんだろうか。あの距離で雷が落ちたら、直撃雷でなくとも放電で死んでしまうだろうに。後、完全にネタだと言っていたEDの映像とリンクしたのは意外だった。殴り合いはしなかったけど、まあ、奈緒ルートなんてこの程度で良いんでしょう。

来週からやっと本編に戻るわけですが、夢に8話も使うなよと思わないでもない。しかし、私は嬉しいけど、他のヒロインのファンには堪ったもんじゃないんだろうな。なにせ、すべて夢オチにされてしまったんだから。まあ、そういう人たちには申し訳ないけど、私はいくらか元気を取り戻すことが出来たので、今のうちに冬コミ作業を進めようと思います。

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