いつの間にか発売されていたので買ってきました。ここ数ヵ月、一つの作品に集中しすぎて他のことが見えていなかった状態なので、出ていたことすら知らなかった。私としたことがまったく、情けない話です。書店をかけずり回ってなんとか特典付きをゲットすることが出来ましたけど、成年向け商業作家では一番好きな人なのに、日々のチェックを怠るとは。前作レンアイショウジョが昨年の12月発売だったことを考えると、期間的には約1年ありましたし、新刊が出てもおかしくはないんですよね。ポプリクラブでの連載は普通に続けていたわけだし。まあ、年内に気付くことが出来てよかったですよ。

私は実のところ、ポプリクラブとか快楽天などの成年向け商業誌を買ったりするほうじゃなくて、LOなどもあまり読んだりしないんですけど、だからこそコミックスを買うことが結構多かったりします。成年向け商業作家は同時に同人作家であることがほとんどだから、まあ、その縁もあって。今作品の作者である獅童ありすもその一人ですね。元々はガンガン系同人、特にスパイラルや魔ロキで活動されていた方で、魔ロキに関しては現在もメインジャンルだったりするんだけど、商業作品はこれで3冊目ですか。エピキュリアンシンドローム、レンアイショウジョとカタカナタイトルでここまで来て、いきなりえっちなからだの作り方とは随分俗な感じになりましたね。直接的なタイトルにしたのは商業的な部分を意識したからでしょうか? 個人的にはカタカナで統一して欲しかったんですけど、まあ、本の内容的にもこっちのほうが合っているのかも知れませんね。
作者である獅童ありすの日記にも書いてあったけど、今作品は分かりやすいエロ話が中心となっていて、物語的な深みというものがありません。全体的に内容が軽いというか、キャラを掘り下げて描くようなタイプの話とは真逆という感じです。そのため、今作品に限っては私好みのキャラというものが存在しませんでした。色々登場してはいますし、それぞれが可愛かったりするわけですが、なんかこう魅力に欠けるといいますか。話が単調であるからして、キャラまで単純になってしまったというわけではないんでしょうけど、言い様のない物足りなさは感じた。そういやロリキャラもいなかったっけ。

全体的な感想としては、ストーリー性が皆無なためか割と簡素な話が目立ったかなと思います。エロ重視ということもあってか、内容的な目新しさはないですし、新鮮味に欠けるといいますか。まあ、エロ漫画にそれらを求めるのはどうかと思うけど、エロを全面に押し出すばかり感覚的にも感情的も軽くなってしまったというか、ハッキリ言うと平凡な作品になってしまった。それまであった作者の作風とか、作品の雰囲気が変わってしまったんですね。レンアイショウジョにあったような悩ましいまでの美しさとか、そういう目を引く部分が今回はまるでなかった。表題作であるえっちなからだの作り方もよくあるネタといえばそれまでだし、年齢高めを目指そうとして空回りしている印象すら受ける。決して面白くなかったわけじゃないんだけど、じゃあ楽しかったのかと言われると、ちょっと考えてしまうっていうの? エロを重視するか、話を重視するかは読み手の個人的な趣味趣向が大きいと思うけど、私は前作までの作品が話ばっかりでエロが薄いなんて感じたことはなかったから、今回の方針転換には少し首を傾げざるをえないんでしょうね。まあ、作品に対する印象なんて人それぞれだろうけど、エピキュリアンにしろレンアイにしろ、十分にエロかった気がするんだけどなぁ。
後、作者は1年前と絵が変わっていないと言ってますけど、私はかなり変わったんじゃないかと思う。違和感を感じるほどではないにせよ、そこら辺もまた私の評価が上がらない要因なのかも知れません。やっぱり私は、エピキュリアンシンドロームが一番好きだな。あれは本当によかったと思う。

ただ、純粋なエロ漫画という意味ではよく出来ている方だと思うし、絵柄が気に入ったなた買う価値は十分にあります。前2作は話的に少な必ず重たい部分もあったので、軽い気持ちでエロを読みたいと思うならば、えっちなからだの作り方は適しているんじゃないかなと。私の場合、どうしても物語性を重視してしまう傾向にあるからこういう感想になってしまったけど、一つ一つの作品単位としてはよく出来ていると思うし、エロくもあったから、後は個人の好みの問題でしょう。メロンブックスやたちばな書店だと特典も付きますし、まだ残っている店舗が多いと思うので、近場に店舗があったり、行く機会があるという人は覗いてみることをお勧めします。

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