こんなご時世ではありますが、無事に開催されたので参加してきました。中野サンプラザには堀江由衣のFCイベントで行って以来ですから、数年ぶりになるのかな? 職場の最寄り駅に中央線が通っているので、仕事終わりに向かっても十分間に合いました。東京23区は計画停電の範囲外と言っても節電に努めていることにはかわりなく、夜の中野は普段よりも薄暗く、コンビニ一つ探すのも困難でした。とか書きながら思ったんですけど、私は夜に中野なんて来たことがないから普段どれだけ明るいのかなんて知る由もなかったという。なかなかどうした、新宿方面と縁薄い生活をしているんですよね、私って。

平日の夜にイベント参加するのは、昨年の牧野由依コンサート以来でしょうか? あのときは2日間連続で品川のグローリアチャペルに行った記憶がありますけど、今回の坂本真綾ライブはチケットが30日しか取れなかった関係で1日のみの参加でした。本当は誕生日である31日の参加を望んでいたんですが、今にして思えば初回の東京公演でよかったのかなと感じ無くもない。まあ、色々と思うところはあるんですけど、あんなことがあった後ですから、さすがにいつも通りというわけにもいかず、異色というほどではないにせよ異例なことが多いライブになっていたんじゃないでしょうか。
3月における大型イベントや声優イベントが軒並み中止や延期となる中、真綾のライブツアーも既に2公演ほど中止になっています。震災の被災地である仙台公演は仕方ないにせよ、続く札幌も中止となったことでライブツアーは事実上の中断状態となりました。個々の公演を見極める以前に、ツアーを続けるべきか否かという全体の見直しですね。まあ、結局は先週の関西公演という比較的早い段階で再開はされたんですけど、そこに到るまでが色々あったようでしてね。心情、感情、信念、葛藤、それっぽい言葉はいくらでも並べられるけど、詳しくは真綾のHPに書いてあるから、そこを読んでみるのもいいかもしれません。
元々、坂本真綾という人は慈善活動を頻繁にしている人で、活動家と言っていいのかは分かりませんが、ライブやイベントに限らず様々機会を利用してはチャリティーを行っています。その関係か、今回の震災に際して各方面の団体からお声が掛かったそうなんですが、そういった流れには乗らず、あくまで自分のやり方を貫く姿勢らしい。私はその考えに賛同するし、結構なことだとも思うけど、問題はそうした考えとライブの内容は全くの別問題だということですかね。

坂本真綾の凄いところは、今回のライブを開催するに際してチケットの払い戻しを行ったことかもしれません。震災が起こった以上は当然だろうと思う人もいるかも知れませんが、凄いのはその対象範囲の広さです。被災した人間が参加できないのは当然として、例えば親の許しが出ない未成年や、交通機関の問題から参加が難しい人、さらには講演の趣旨に賛同できない人間にまで払い戻しを行うという徹底ぶりです。前三つは、情勢的にも状況的にも分からなくもない話ですが、最後のは一般的に考えても異例なのではないでしょうか? ツアーを再会するに当たって真綾はその内容においていくつかの変更を行っており、一つは大掛かりな舞台セットの導入を取りやめ、さらには東京公演限定ですが電源車による自家発電を試みています。さらに普段のチャリティーグッズに加えて、追加のグッズを作成し、その売上を日本赤十字社を通じて震災への義援金とするなど、全体的にチャリティー色が強い内容になっている。
つまり、そうした慈善的な色合いを由としない人、それは信念や思想、あるいは宗教的理由などもあるかもしれないが、とにかく賛同できない人にはチケット代金を払い戻すと、そう明言しているのだ。実際にこれを理由に不参加を決めた人がどれほどいるのかは分からないが、声優に限らずアーティストのコンサートでここまで徹底しているのも珍しいことだろう。そもそも、声優のイベントで明確に公演主旨というものを決めて挑んでいる人がどれほどいるのか? 始まる前から、私は色々と考えさせられてしまった。

しかし、残念ながら私は今回のライブをあまり楽しめなかった。これは私にまだライブを楽しむだけの心の余裕がなかったのか、それとも別の理由なのか分からないが、一つ言えることがあるとすれば、しんみりしすぎたね。色々な意味で。こういうことを言っていいのか分からないけど、面白さや楽しさを求めるには時期が悪すぎるよ。歌は良かったし、公演は素晴らしかったと思うけど、なにかこうしっくり来ないというか、満足感に欠けるものがあった。それが贅沢な意見であることは分かってるんだけど、どこか空虚な感じがしてね。あるいは、私が坂本真綾の軸から外れてきただけなのかもしれませんが、なにか違和感残るライブでした。国際フォーラムには行かないから、次の機会はいつになるのか。そして、私はそれに参加するのか。先のことはまだなにも分からない。

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