見つめるは夢の先まで
2012年6月10日 アニメ・マンガFate/Zeroもいよいよ23話ということで、今日は征服王vs英雄王の激突が行われました。ネット上で調べる限り、6月10日はイスカンダルことアレキサンダー大王の命日らしいけど、紀元前に存在したとされる人間の命日が、よくもまあ現在まで残っているものですね。没年なら分からなくもないが、日付までというのは……いやでも、伝記によれば何歳で死んだとか書いてあるらしいから、別におかしいって程でもないのかな。
しかし、まあ、そんな些細なことはどうでも良くなるほど、見事な戦いだった。
原作やドラマCDだと、王の軍勢はライダーことイスカンダルが率いた軍団を再現しており、その大半は騎馬隊であったと書かれていた気がします。それに引き換え、アニメ版は騎乗したライダー以外は全員が歩兵であり、そういった意味では疾走感や迫力に欠けるなと、少なくとも一期のときは思っていた。王の軍勢は印象深い宝具ながら、使われた回数はそれほど多いわけじゃありませんからね、アサシンの時に一回と、キャスターの時に一回。しかも、後者はアニメでも原作でも明確に描写されませんでしたから、軍団が結界内でどのような死闘を繰り広げていたのかは、結局分からないままです。
そう考えれば、意外とアサシン戦以外では目立った活躍がないように思われますが、たったそれだけでも読者、あるいは視聴者の目に焼き付き、心をつかんで離さない、そんな魅力がイスカンダルと王の軍勢にはありました。そして、それはこの最期の戦いにおいても十分と発揮されていた。
軍団はかくもあっさりと乖離剣によって結界ごと、王と臣下の心象風景ごと打ち砕かれたわけだけど、これは卑怯でもなんでもなく、最強同士が激突した、その結果なんですよ。だって、多勢に無勢という意味では、むしろギルガメッシュの方が不利だったのだから。終わってみればあっさりとした、しかし、最初から最後まで熱かった戦いの結末。見届けたウェイバーと、臣下としての彼の決意。そして、その忠道を認めたギルガメッシュなど、凄惨たる聖杯戦争の中で、この戦いだけは筋の通った、男と男の戦いであったように思えます。だって、ここから先はもう、救いなど一欠片もない殺し合いの世界なんだもの。まともな戦いと呼べるものは、征服王と英雄王の戦いが最後だったように思う。
ウェイバーは設定として肉親がいない天涯孤独の身です。彼は家財道具売り払って時計塔の門を叩くわけだけど、そんな彼にとってライダーとは、征服王イスカンダルとはもう一人の家族とも言える存在だったのではないか? 父か兄か、それとも既存の言葉では言い表せないなにかか。居候先であるマッケンジー夫妻も似たような存在ではあるけど、ライダーはウェイバーの正体と本質を知っていますからね。真っ先にそれを見抜いたが故に、彼の根性を叩き直してきたわけだし。
イスカンダルと戦場を駆け抜ける中で、ウェイバーは着実に成長し、男として育っていきます。征服王が、かつてケイネス・エルメロイ・アーチボルトに言った言葉として、「余のマスターたるべき男は、余と共に戦場を馳せる勇者でなくてはならぬ」というのがありますけど、この少し前にライダーはウェイバーに、一緒に戦場へ来るかどうか訪ねているんですね。付いて行かなければ橋というか鉄塔の上に置き去りにされるかもとウェイバーは思ったに違いないですが、それでも彼は一緒に行くことを、ライダーと共に戦場へ赴くことを選んだんです。「それでこそ余のマスターだ」とライダーは喜び、正にこの瞬間、征服王イスカンダルはウェイバーを男として認めたのでしょう。逆にウェイバーが同行を拒み、ケイネスのようにどこか遠くから見張っているなど、そういう選択をとった場合、ライダーは彼を見捨てていたかもしれない。
個人的にFate/Zeroで面白いのはこの話までですから、私の中でこの作品は終わったに等しい状態まで来ています。まだ最終話とか残っているはずなんだけど、それに関してはステイナイトでも散々語られていますし、Zeroならではのオリジナル要素というのは、むしろここまでなんだよね。分割2クールも終わってみればすぐでしたが、これで長かったFateシリーズも一応の終結を迎えるのだろうか。いや、プリズマ☆イリヤがアニメ化されるんだから、派生作品含めて企画が終わるようなことはないのか。あれは確かTVアニメともOVAとも判明していなかった気がしますけど、やっぱりユーフォーテーブルが作るのかしら。ぶっちゃけ、Fate版なのはみたいなものだし、作者自身それを認めているわけだけど、年内には何かしら動きがあるのかな。私は意外とあの漫画好きなので、ちょっと期待しています。
しかし、まあ、そんな些細なことはどうでも良くなるほど、見事な戦いだった。
原作やドラマCDだと、王の軍勢はライダーことイスカンダルが率いた軍団を再現しており、その大半は騎馬隊であったと書かれていた気がします。それに引き換え、アニメ版は騎乗したライダー以外は全員が歩兵であり、そういった意味では疾走感や迫力に欠けるなと、少なくとも一期のときは思っていた。王の軍勢は印象深い宝具ながら、使われた回数はそれほど多いわけじゃありませんからね、アサシンの時に一回と、キャスターの時に一回。しかも、後者はアニメでも原作でも明確に描写されませんでしたから、軍団が結界内でどのような死闘を繰り広げていたのかは、結局分からないままです。
そう考えれば、意外とアサシン戦以外では目立った活躍がないように思われますが、たったそれだけでも読者、あるいは視聴者の目に焼き付き、心をつかんで離さない、そんな魅力がイスカンダルと王の軍勢にはありました。そして、それはこの最期の戦いにおいても十分と発揮されていた。
軍団はかくもあっさりと乖離剣によって結界ごと、王と臣下の心象風景ごと打ち砕かれたわけだけど、これは卑怯でもなんでもなく、最強同士が激突した、その結果なんですよ。だって、多勢に無勢という意味では、むしろギルガメッシュの方が不利だったのだから。終わってみればあっさりとした、しかし、最初から最後まで熱かった戦いの結末。見届けたウェイバーと、臣下としての彼の決意。そして、その忠道を認めたギルガメッシュなど、凄惨たる聖杯戦争の中で、この戦いだけは筋の通った、男と男の戦いであったように思えます。だって、ここから先はもう、救いなど一欠片もない殺し合いの世界なんだもの。まともな戦いと呼べるものは、征服王と英雄王の戦いが最後だったように思う。
ウェイバーは設定として肉親がいない天涯孤独の身です。彼は家財道具売り払って時計塔の門を叩くわけだけど、そんな彼にとってライダーとは、征服王イスカンダルとはもう一人の家族とも言える存在だったのではないか? 父か兄か、それとも既存の言葉では言い表せないなにかか。居候先であるマッケンジー夫妻も似たような存在ではあるけど、ライダーはウェイバーの正体と本質を知っていますからね。真っ先にそれを見抜いたが故に、彼の根性を叩き直してきたわけだし。
イスカンダルと戦場を駆け抜ける中で、ウェイバーは着実に成長し、男として育っていきます。征服王が、かつてケイネス・エルメロイ・アーチボルトに言った言葉として、「余のマスターたるべき男は、余と共に戦場を馳せる勇者でなくてはならぬ」というのがありますけど、この少し前にライダーはウェイバーに、一緒に戦場へ来るかどうか訪ねているんですね。付いて行かなければ橋というか鉄塔の上に置き去りにされるかもとウェイバーは思ったに違いないですが、それでも彼は一緒に行くことを、ライダーと共に戦場へ赴くことを選んだんです。「それでこそ余のマスターだ」とライダーは喜び、正にこの瞬間、征服王イスカンダルはウェイバーを男として認めたのでしょう。逆にウェイバーが同行を拒み、ケイネスのようにどこか遠くから見張っているなど、そういう選択をとった場合、ライダーは彼を見捨てていたかもしれない。
個人的にFate/Zeroで面白いのはこの話までですから、私の中でこの作品は終わったに等しい状態まで来ています。まだ最終話とか残っているはずなんだけど、それに関してはステイナイトでも散々語られていますし、Zeroならではのオリジナル要素というのは、むしろここまでなんだよね。分割2クールも終わってみればすぐでしたが、これで長かったFateシリーズも一応の終結を迎えるのだろうか。いや、プリズマ☆イリヤがアニメ化されるんだから、派生作品含めて企画が終わるようなことはないのか。あれは確かTVアニメともOVAとも判明していなかった気がしますけど、やっぱりユーフォーテーブルが作るのかしら。ぶっちゃけ、Fate版なのはみたいなものだし、作者自身それを認めているわけだけど、年内には何かしら動きがあるのかな。私は意外とあの漫画好きなので、ちょっと期待しています。
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