先日の日記で書いたとおり、ゲマ屋横浜店で購入しました。メロンが品切れだったのに比べると、ゲマ屋は結構な数を入荷したのか平積みになっていました。Anotherと言えば、P.A.WORKSから5月頃に設定資料集が出ていたけど、今回のは角川書店が発行している、どちらかと言えばキャラクターブックに近いムック本です。まあ、よくあるアニメのオフィシャルブックですけど、ページ数が64ページと短いながらも、厚みのある紙を使っているせいか、そこそこボリュームがあり、内容面でも意外なほど充実していたと思います。

表紙は画像にもありますが、見崎鳴赤沢泉美の二人です。振り返りざまの笑顔というのは、この両者にしては珍しい表情ですけど、視線の先にいるのはまあ、恒一なんでしょうね。鳴が眼帯を外していますけど、こういう柔らかい表情も良いものですね。普段とはまた違った魅力があるというか、かなり可愛いと思います。
本を開いて、まず最初に飛び込んでくるのは描き下ろし両面ピンナップ。公式サイトによると、幻のシーンらしいですが、表面は8話をイメージしたであろう水着姿の鳴、赤沢、杉浦、怜子の描き下ろしイラスト。砂山のヤドカリ、と見せかけて実は埋まっている恒一でも見ているのかも知れませんけど、それにしたってまあ、赤沢さんと杉浦さんはなんと言うことでしょうか。角度的な問題もあるのかも知れませんが、下手したら怜子さんよりも胸が大きいんじゃないだろうか? 少なくとも、中学三年生の体付きじゃありませんよ。あまり品のない表現は好きじゃないけど、ムッチリという表現がよく似合う、肉体と書いてボディと読むみたいな、そんな圧倒感がある。対する鳴はいつものお馴染みのスク水ですが、こうして並ぶと白い肌がよく目立つね。アニメ絵だと、のいぢ絵以上にそれが顕著だと思う。
裏面は、これはもう本当に幻であろう3年3組女子によるパジャマパーティーのイラストで、登場キャラは鳴、赤沢、杉浦、柿沼、渡辺、小椋、有田、金木、松井と、流石に全員ではないです。小椋さんはスタッフのお気に入りだからともかく、柿沼、渡辺、有田が入っているのは意外でした。百合カップルはともかくとして、知名度というか人気度的には綾野さんか、キャラとしての重要度なら桜木さんでしょう。ファン人気なら多々良さんという選択肢もありだけど、あるいは幻と言うからには何事もなかった合宿をイメージしてるのか? でも、合宿に渡辺さんって参加してたっけ。

卒業文集をイメージして作られているらしいこの本、まずは夜見山北中学校の紹介から始まります。SD鳴ちゃんが出てきて校舎内を解説してくれるわけですが、3年3組はお手洗いの隣にあるとか、割とどうでも良い情報を教えてくれます。ちなみに美術室は同じくC棟にあるそうですが、美術部の部室はご存じ旧校舎こと0号館にあります。何故、美術部は美術室で活動していないのか? という疑問は残りますけど、そもそも本来ならば活動しているはずのない部活なわけですから、そこら辺もまた現象の成せるわざと言うことか。
次のページからはキャラ紹介、3年3組のメンバーが卒業文集がごとく掲載されています。まずは教師陣ですが、久保寺先生は鳴曰く「優しくて人当たりも良い」そうで、しかし、赤沢さんに言わせると「いい人だけど頼りない」と言うことになるらしい。きっと優しかったばかりに叫ぶことも出来ず、重圧にずっと耐え続けていたんでしょうね。本編に比べると、本当に穏やかな表情が多く載っていますが、よく考えたら本編からの切り出しでした。こういう顔もしてたんだね。
三神先生については望月が熱く語っていますが、鳴曰く「凜とした雰囲気が魅力的……なんだって」と、こちらも望月に熱弁されたかのようなことを言っています。見崎鳴はあまり他人に興味を持たない人だし、外見的な美しさなど気にしないんだろうか。まあ、男子じゃなくて女子だからと言うのもあるんだろうけど。
千曳さんについては、無口だし、黒服が基本だから怖がられているらしい。顧問を務めている演劇部の部員を除けば、まともに会話が出来るのは鳴と恒一ぐらいなものでしょう。一度でも良いから、赤沢さん以外の部員と絡んでいるところを見たかったかも。

続いてクラスメイトの顔写真がずらりと載っているわけですが、改めて数えてみると女子16人に対して、男子14人と、女子の方が多いんですね。しかも、男子は転校生である恒一を含めての人数だから、最初から多少の偏りがあったのかも知れない。鳴に言わせると、「個性が強いというか一癖も二癖もあるというか……。でも団結力はある……ような気がする」とのことで、流石杉浦さんに先導されたクラスメイト達に殺され掛けただけのことはありますね。土壇場での団結力があることを認めています。対する赤沢さんは、「一癖も二癖もあるってどういう意味よ。しかもなんでこっちを見ながら言うの? ちょっと!!」と文句を言っています。まあ、癖の強さでは赤沢さんが一番ねぇ……個性という意味でなあら、鳴なんだろうけど。
隅には3年3組「俺の嫁」ランキングなるものが書かれており、1位:桜木、2位:赤沢、3位:綾野、4位:小椋、5位:三神っていう順位でした。意外だったのは、やはり1位の桜木さんでしょうかね? 桜木さんって原作にも漫画にも出てくるし、アニメ公式の登場人物ページにもいるキャラだけど、早くに死んでしまうからそれほど印象深くもないと思うんだよ。勿論、死んじゃったシーン自体は強烈でしたけど、キャラクターとしては平凡というか、そもそも中学生の俺の嫁ランキングで眼鏡っ子の委員長が1位になるものだろうか? 決して可愛くないわけじゃないが、容姿の面で言えば小椋さんが1位とかでも不思議はなかったような……気が強いのが回避されたなら、赤沢さんだって同じだし。いや、あるいはあれか? もっと単純に、胸の大きさなのかしら。中学生が一番興味あるのはそこだし、とすれば小椋さんが下だったのも納得行く気がする。なんか刺されそうなこと書いてますが、綾野さんは単純に男子ウケする性格なんでしょうね。ファン人気が高いとされる多々良さんはここでも入ってませんでしたが、まあ、あの人は本編で台詞の一つもないからなぁ。

続いて始まる出席番号順のキャラ紹介。30人分すべて載っているわけですが、一人ずつSD鳴ちゃんの説明が入ります。流石に全員のを書き出すと途方もないことになりそうなので止めておきますが、面白かったのは金木さんの項目で「松井さんとすごく仲がいい……というかあれはたぶん……」と、二人の百合関係を指摘しているところです。まあ、あれは望月が三神先生好きなのと同じぐらいあからさまだったとは思うけど、鳴自身も未咲との関係があったから、多少なりとも感じるところがあったのだろうか。鳴は別に百合じゃないけども。
後は、藤巻さんの項目で彼女の健康的な肌を羨んでおり、自分の白い肌に対して少なからずコンプレックスを抱いている模様です。私に言わせれば、白い肌も鳴の個性であり魅力だと思うのだが、本人には本人の考えや気持ちがあるんでしょうね。
他に気になったところがあるとすれば、鳴が所々恒一のことを「恒一くん」と呼んでいます。この人は恒一くんの前の席とか、彼に引っかけてキャラ紹介をしていて、本編を見た人は覚えていると思うけど、鳴は恒一のことを「榊原くん」と呼ぶじゃないですか? だから、本来であれば恒一くんというのは誤植やミスになるんだけど、私はそうは思いません。というのも、原作を読んだことある人は知っていると思いますが、恒一は口でこそ鳴のことを「見崎」と呼んでいるものの、心の中では「鳴」と呼んでいるんです。同じように、キャラ解説を任された鳴が、誰もいないのを良いことに恒一のことを、普段は心の中でしか使わない恒一くんで呼んでいるのだとすれば……凄く萌えるじゃないですか。
出席番号順とはいえ、流石に自分の紹介は出来ないから鳴自身の項目は飛ばして、最後に恒一とセットで紹介されています。鳴の紹介は恒一が行い、同時に未咲の存在についても軽く触れている。恒一は鳴のことを「不思議な子だと思った」ことや、「意外と表情がある」ことなどを語ります。初めて話したときは、 「この子無表情だな」とも思ったそうで。
恒一の紹介についてはこれまで通り鳴が行い、「ホラー小説が好きだって聞いた。将来は美術系の学校に進学して、忠告や造形をやってみたいらしい」と、直接本人から聞いたことを教えてくれます。このとき、恒一の説明で使われているカットがすべて鳴との2ショットだったのには、少し笑ってしまった。

そして、なんと第6話における恒一の妄想、鳴のダンスシーンを望月が絵にするというコーナーがあり、実際は場面の切り抜きなんだけど、その痛々しさに周囲はドン引き。書いた当人である望月は勿論、勅使河原も「ないわー……」状態で、赤沢さんは不機嫌な表情で押し黙っています。桜木さんにまで失望の声を上げられ、さしもの恒一も「ごめんなさい……」と謝るのだけど、唯一表情も見せなければ言葉も発しないのがSD鳴ちゃん。背中を向けたまま、無言を貫いています。照れ隠しだと信じたいですが、あるいは呆れているのかも知れない。
後はまあは雑誌等に掲載されたイラストや、BDの特典イラストなんかが掲載されているんだけど、印象的なのは22Pと23Pのポスターイラストで、後者は鳴と恒一のBD告知ポスターで、前者はそれと対になっている鳴と未咲の幻のポスターなんだそうです。これを見ても分かるように、見崎鳴という少女における、藤岡未咲と榊原恒一の存在は本当に大きなものなんでしょうね。一人は過去を共有し、もう一人は今と、そしておそらくは未来も共有し合えるであろう相手。やっぱり、鳴は恒一と一緒にいるイラストが一番好きだな。
続いて、よみタンなる夜見山タウンガイドと、3年3組以外のキャラクターに関するページもあるのだけど、これはあくまでおまけ扱いなのか、紹介されているのも怜子さんに水野さん、それに霧果さんぐらいなもので、恒一の祖父母や鳴の大叔母などはカットされています。後、望月の義姉も載っていますが、「美しすぎる夜見山住人」というタイトルはどうなんだろう。けど、確かに3年3組の女子を見ても分かるように、夜見山は可愛い女の子多いよね。美人や可愛い子の多い土地なんだろうか。

後はまあ、出演声優の色紙風コメントがあったり、原作者と監督のインタビューがあるのだけど、声優の方に杉浦さん役の福圓美里さんがいたのは意外だった。こういうところだけ桜木さんじゃないのかと思いつつ、「杉浦多佳子さんのご冥福をお祈り申し上げます」とはまたハッキリとした……登場回数は少なかったけど、物凄いインパクで一生忘れらないキャラになったというのは、まあ、無理ない話でしょう。
ちなみに巻末では、ご丁寧にも現象の被害者の死に様が載っているのだけど、これわざわざ載せる必要合ったのかなw 猟奇的なシーンを纏めたページだから、苦手な方は開かないでと注意書きが書いてあるけど、それすらもギャグに思えてしまう。折角なら、袋とじにでもすれば良かったのに。
64Pで1260円は、商業誌としてさてどうなのかと思っていたのだけど、意外なほどボリュームがあり、小ネタも満載など、かなり楽しむことが出来ました。Anotherファンなら買って損はないと思いますし、設定資料集よりも手頃で入手もしやすいですから、興味のある方は試しに読んでみるといいでしょう。しかし、裏表紙にも満載のSD鳴ちゃんは本当に可愛い。恒一が世話を焼く特典永続とはまだですか。色々ネタが被るから無理? そこをなんとかお願いしますよ、P.A.WORKSさん。

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