イモウトノカタチ感想レビューも個別ルートが終了し、残すはアフターエピソードのみになりました。まあ、要するにおまけシナリオなんですけど、ゲームクリア後、各ヒロインごとに4つ一遍に解放されるんですね。この作品のヒロインは5人じゃないのかって? いいえ、ミータはあくまで真結希ルートの付属品ですから、存在するのは真結希アフターのみです。

美優樹アフター
恋人から兄妹へと戻った雪人と美優樹ですが、アフターと言うだけあって時間が経過しており、なんとビックリ真結希も出てきます。どういう経緯で再会したのかは知りませんし、全身麻痺の方も完治しているわけではないのだけど、たまに寮へ遊びに来る程度には回復しているらしい。既に自分が清宮真結希ではなく、神志那真幸であることも理解しているようで、兄妹仲はそれなりに良いのだけど、美優樹は真結希のことを「可愛い」という雪人に美優樹は不機嫌さを隠せない。つまり嫉妬してるわけですが、それに対する雪人ときたら……
「ごめんな、美優樹。あの『可愛い』は、そういう意味での『可愛い』じゃないから」
などと言いつつ、美優樹に突然キスをします。
「真幸がどんなに可愛くても、こうやってキスしたいのは美幸だけだよ。可愛さだって、美幸の方が上だよ」
繰り返すようですが、このアフターエピソードはイモウトノカタチを全クリしないと解放されないものです。ということは、私に限らずプレイヤーは真結希&ミータルートでこっぴどく振られた美優樹を見ているわけで、美優樹にはなにも感じないと恋愛や性愛を否定した雪人を知っているわけです。にもかかわらず、上記のように美優樹の方が可愛いとか、キスしたいのは美優樹だけだなどと言われて、一体誰が信用してくれるんでしょうか? 恋人同士の微笑ましいシーンを演出したつもりなんだろうけど、雪人の軽薄な台詞に失笑しか出来なかったし、彼に対する軽蔑や侮蔑が先行しているせいか、イライラするばかりでした。本当にもう何なんでしょうね、この男は。何のために存在しているのか、という感じさえします。
さて、真結希は寂しいので寮まで遊びに来ると言って、馬鹿な雪人はろくに携帯も操れないので美優樹に返信を出させます。勿論、拒む理由はありませんからOKを出すわけですが、そんな状況下でなんと雪人と美優樹の二人は入浴を開始し、そのまま浴槽でセックスに突入します。兄妹バレした時点で、恋人関係を解消したはずの二人ですが、何だかんだで肉体関係だけは続けている模様で、妊娠しなければ大丈夫という感じらしい。それはそれでどうなんだと思うけど、まあ、エロゲですし、エロゲに繋げるには他に方法もないからね……
雪人が欲望の赴くままにセックスなどするものだから、その最中に真結希がやって来るという一歩間違えば修羅場に発展しかねない事態になりました。というのも、最初真結希は雪人の部屋に行ったのだけど、彼がいないものだから携帯のGPS機能から居場所を調べ、美優樹の部屋までやって来たのです。勿論、雪人がユニットバスの浴槽で美優樹とセックスしていることなど知りませんし、美優樹の嬌声は一人エッチをしているものだと推測するのですが、真結希は別に美優樹が一人エッチしていようと関係がなく、と言うより雪人以外に興味がないのか、「お風呂から出たら一緒に探そう」と提案します。当の雪人は、中にいるとも知らずに。そこでエピソードは終わるんですけど、なんでしょうか、どうやらオチはギャグのつもりらしいんだけど、ちっとも笑えませんでしたね。真結希&ミータルートをやった直後というのを考慮しても、私は一笑することも出来なかった。あ、ちなみに1年後の話らしいですよ。静夏が卒業しているそうだから。まあ、それがどうしたという話なんですけどね。ストーリーそのものに意味がなんてないのだし。

真結希アフター
こんなタイトルですが、真結希は一瞬たりとも出てこないです。というか、ミータの一人語りのようなもので、他キャラクターは一切出てきません。タイトルに逸話ありだけど、このアフターは他キャラのそれとは毛色が違い、本編で欠片も回収されなかった伏線に対して、最低限のフォローめいたものが行われています。最初にある16年ぶりにその身外気をさらしたドームというのは、土砂や瓦礫埋もれた旧実験地区のことであり、16年という表記から、本編の1年後であることが分かる。どうやらこのルートでは発掘作業が中断しなかったらしく、土砂や瓦礫は順調に撤去されている模様です。それが完全撤去なのか、まだ途中なのかは分からないけど、一体どこからそんな資金が出てきたのでしょうか? あやかの話では、旧実験地区をすべて掘り返すには、それまでの復興資金と同額必要になるってことでしたが……そういうフォローはされてないんですよね。
何故、真結希は完治したのか、真結希とミータを包んだ光は何だったのか? それについての解説は曖昧なものであり、彼女を蝕んでいたナノマシンが、ミータの中へと移ったことぐらいしか情報としては存在しません。ミータに施された改造が影響していることは疑いようもないですが、結局真相は明かされるこ とがなく、誰がミータを奪取したのか、そもそもどうしてミータは生きているのか? という謎には、一切の答えがありません。ミータが機能停止に至った理由は寿命であり、その主原因は彼女が換えの利かない特別なパーツを多数使用しているからでした。にもかかわらず、彼女は再度の機能停止をすることもなく、普通に稼働しています。
換えの利かないパーツとやらが、高価だから交換できなかったとかなら、これについてはまだしも納得出来ます。非常に金持ちの組織がパーツを用意して、それをミータに着けたのでしょう。しかし、換えの利かないパーツが特注品特別製なのだとしたら? 例えばもう死んでしまった科学者のオリジナルで、その人しか作れないので交換が出来ないとかなら、途端に話はおかしくなってくる。一体、ミータは何故生きているのか? 彼女への追っ手は既になくなっており、真相は闇の中へと消えたままでした。
けれど、ミータとしてはそんな些細なことはどうでもよく、自分が雪人と一緒にいられること、真結希の病気が治ったことを考えれば、むしろ感謝すべきだろうと考えている模様。前向きですが、まあ、結果論だけ見ればそういうことになりますね。
正直、あのくだらない3Pシーンをこっちに入れれば良かったんじゃないかと思うほど、意味のない内容になっていますけど、Sphereとしてはあれでしょうか、謎は謎のままにということで、後はユーザーの想像に任せるつもりなんですかね? なんというか、丸投げも酷いと思いますけど、回収しなかった以上はそういうことなんでしょう。

あやかアフター
イモウトノカタチにおいて一番マシとされるあやかシナリオですが、アフターにおいてもそれは変わらずでした。あやかは家族のいない日に、元々暮らしていた祖母の家で過ごすことが多くなっており、義理の両親にでも頼んだのか、順也から奪還に成功したようです。それに付き合って恋人である雪人も泊まりに来ているそうなんだけど、この二人は本当に普通のカップルという感じで、他のルートにある重たさや汚さはあまり感じられませんね。まあ、お兄ちゃんとか言ったところで二人の関係は赤の他人ですし、あやかは妹でも何でもないですから、別に何の問題もないんだけど、このルートには一つ、他と違った特徴がありました。
即ち、雪人の妹探しがなおざりになっており、少なくとも本編シナリオでは判明しなかったんですね。順也のおかげで本名だけはハッキリしましたが、それ以外のデータにはロックが掛かっていると言うことで、又、先にあやかの問題を片付ける必要があったことからも、深く追求はされなかったんです。その後はどうなったのかと言えば、理事長の計らいで雪人は仮の編入から、正式に学園に通えることとなり、相変わらず白鳥寮に住んでいるらしい。
それじゃあ、美優樹の方はどうなったのかと言えば、彼女もまた後々の調査によって自分が神志那美幸であることを知ることになって、未だに白鳥寮へと住んでいるらしい。雪人としてはどこが部屋でも借りて一緒に暮らしたいらしいのだけど、金がないという切実な理由から、今は学生という身分を最大限に利用しているようです。なんとまあ、まともな考えでしょう。他ルートの雪人なら、美優樹と暮らすためにバイトするとか色々無茶をやりそうですが、こちらは最低限、現実的な考えというものが出来るらしい。
もっとも、将来的にはあやかも含めて、俺たち家族で暮らしたいと言っているのは、どうかと思いましたけどね。年齢のことはあまり触れなくないけど、学校を卒業するとなれば進学やらなにやら色々あるし、成人だってすぐでしょう。これは最近映画館で観た映画の予告にあった台詞ですが、家族でいられる時間ってのは、結構短いものなんです。女の子ともなれば、特に。美優樹は雪人とあやかの仲を尊重して、あやかを立ててはいるようですが、それなら尚更、自分が二人の愛の巣……と表現して良いのかは知りませんが、一緒に暮らすなんて発想は出てこないんじゃないでしょうか? 雪人はあくまで暮らす気満々みたいだけど、そこら辺の食い違いが、何となく後々の波乱になりそうだよね。
このルートにおける真結希はどうしているのかと言えば、こちらもどういう経緯かは分かりませんが、無事に再会することが出来た模様です。ミータとの関係も、雪人に対する恋愛感情が存在しないため悪化するはずもなく、普通に介護ロボットとして世話をして貰っているらしい。あやかも面倒見が良い性格だし、雪人と同じぐらい真結希や美優樹を気遣っているらしい。その証拠に、彼女が祖母の家を順也から取り返したのは、雪人たち兄妹と一緒に暮らせる場所として考えていたからだそうです。なんて立派な娘なんだと褒めてあげたいですが、雪人にも雪人なりの考えがあり、あやかと二人きりになれる場所を残しておきたいとのことで、その好意はしばら遠慮したいとのことでした。何だ、将来的には一緒にとか良いながら、一応は考えているんだ。それなら安心……と言いたいけど、実際は実妹たちの考えが不明瞭なこともあって、そう簡単にはいかなそう。ただ、このルートの雪人ならそれなりに上手くやれそうな気がするので不思議。流石、マシなシナリオだっただけのことはあります。

千毬アフター
ヒロインの仲でミータと並ぶ元気娘にも関わらず、ユーザーの間ではイマイチ影が薄いというか、話題に上がることすら少ない千毬ですが、シナリオの不評が直接ヒロイン人気に影響を及ぼしているみたいだね。まあ、それが当たり前なんだけどさ。千毬のルートは、彼女も雪人もウザさ爆発しているから、あれで千毬の人気が出る方が不思議だったりする。私はそこまで嫌悪感は抱いてないけど、不快感がないかと言えば嘘になると思うし、千毬はシナリオに殺された感じがしますね。
まあ、それは良いとしても、このルートにおける真結希と美優樹は何をしているのかというと……正直な話、千毬って一番面倒くさいヒロインだと思うんですよ。いや、彼女の何が悪いってわけじゃないんだけど、義妹として年季があり、雪人に対する独占欲が強い彼女と、実妹である美優樹や真結希って相性が悪くて、勿論このアフターで喧嘩したとか、そう言うのじゃないんですけど、なかなか絡ませづらいんですよ。だから、ギャグでしか絡むことが出来ないし、妹がどうのとか、そういう話持ってくることが出来ない。この辺り、あやかルートとは対照的ですよね? 大体、このアフターにしたところで、水着の千毬が朝っぱらから雪人とヤッてるだけだから、話としてはそれほど価値があるものじゃないんです。ウブな美優樹と、ませている真結希の対象は面白かったけど、結局のことろそれ以外に書くこともないという。

以上が、イモウトノカタチのアフターエピソードです。どれも10分程度で読み終えてしまう内容ですが、まあ、今更内容の濃いアフターとかやられても困るだけだしねぇ。こんなものを挟むぐらいですから、多分、FDは出すつもりないんでしょうけど、それより何より残された伏線の数々はどうなるんですかね? 投げっぱなしで終わっていますが、アフターエピソードでも特に進展がないという。回収する気がない伏線とか、嫌らしいだけだから止めて貰いたいのですが……まあ、明日はそれら伏線について書くことにしましょうか。考察と言うには情報が少なすぎますけど。

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