年忘れ企画第四弾……まあ、この作品についても書いておかねばならないでしょう。ある意味で、今年を象徴する作品の一つです。かつて、ヨスガノソラを発売したSphereの第三作にして、完全新作として作られたのが、このイモウトノカタチという作品。私はご存じの通り、ヨスガノソラが大好きな人だったから、イモウトノカタチには発売前から色々な感情を渦巻かせていたと思う。

なんというか、発売された当初の感想は本当に酷評したけど、時間が経った今は少しだけ落ち着きました。一転して面白くなったのかと言われれば、別にそんなこともないのですが、あれほど苛烈に否定するほどでもなかったかなと。どちらかと言えば、そこまでの価値もなかったんじゃないかという部類だけど、あの頃はなにせヨスガノソラへの強い感情が残っていたから、相対的に辛く当たっていたという一面は、確かにある。
ただ、作品として、特にシナリオの出来がお世辞にも良かったとは思えないのも事実だし、決して良作ではないんだよね。これだけはハッキリ断言してしまうけど、結局萌えゲーアワードですか? あれに掠りもしませんでしたし、世間的な評価も似たようなものだったんじゃないかと。8月発売作品だから、ギリギリ選考対象に入っているはずだし。
私は未だに美馬雪人という主人公が許せないし、あいつほどの馬鹿は見たことがないという感じなんだけど、じゃあ、あいつがお利口さんだったらどうなのか? と考えることもある。シナリオというか物語があんな感じである以上、雪人はどうあっても雪人でしかないんだよ。彼には個性があって、ありすぎたが故に暴走してしまって、私はその過程は許せないけど、結果のすべてを否定するつもりはあまりない。まあ、真結希ルートは正直どうかと思いますけど、あれにしたってハッピーエンドであることには違いないわけだから。伏線投げっぱなしとかも、よくよく考えたらある程度は推測出来るものばかりだ。勿論、回収するに越したことはないんだろうけど、そう、今となっては本当にどうでもいい。一つ分かったことがあるんですが、私は要するに興味を失ったのだと思います。イモウトノカタチという作品にも、そして、Sphereというブランドにも。今はそれ以上に熱中するものがあるというか、まあ、冷めたんだろうね

私がこうなってしまった訳、ヨスガ本を落とした本当の理由というのは、実は結構大きいものがあるんだけど、それも今となってはどうで良いというか……イモウトノカタチは、ある意味で一つの契機だったのかも知れない。ヨスガノソラという作品に縛られていた私が、Sphereに多大な期待を寄せていた私の、心の中にあるなにか重要なものを砕いていった。それは確かに重要だったのかも知れないけど、じゃあ、それが大事だったのか? と言われたら、なんとも答えようがないというか。
まあ、ここら辺の話はまた別のときに書きたいから、今は詳しく書かないんだけど、イモウトノカタチはVFBの方が発売決定しましたね。いつもの公式通販かと思いきや、どうやらPUSHを出しているMAXから出るらしい。幾ら評判良くなかったからって、公式で出しているVFBまで辞めてしまうのかと思ったけど、あるいは同人誌扱いだったスーロリ等の捌けが悪かったことから、出版社から出すことで一般の書店流通も狙えるように切り替えてきたのかも知れない。まあ、いずれにせよこれでイモウトノカタチという作品も打ち止めであり、FD等は出ないと考えた方が良いんでしょうね。そもそも、CUFFS系列でFD出たのってヨスガぐらいですし。
私個人としては、この際アニメ化でもしてくれた方が家にある在庫とか、グッズ類をまとめて処分できて嬉しいのだけど、この調子じゃ無理だろうねぇ。売れたことには違いないけど、これと言った話は聞かないし、多分無理じゃないかな。グッズと言えば冬通販がそろそろ始まるけど、さて、これも買うのかどうか。

自分の中で消化し切れてないものがあって、それは感情とか、感覚とか、あるいは観念的なものなのかも知れないけど、もう少し引っ張るかも知れません。些細なことなのか、重大なことなのか、それすらも今の私には分からなくなっている。一体、私自身が何をしたいのかさえよく分かっていないから。
私はイモウトノカタチでなにかをしたかった気がするし、ヨスガノソラでなにかを続けたかった。でも、結局そこから逃げたんだよ。逃げたからこそ、今の自分がある。これについては、明確に書かなくては行けない場所があるから、そっちで書くつもりだけど、じゃあ、私はこの先どこに行くんだろうね。それさえも、見えなくなってしまった。

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