年忘れ企画第五弾、TARI TARIです。実はBD買ってないんですけど、Anotherと同じくP.A.Worksの作品で、こちらはオリジナルアニメですね。地元ではないですが、神奈川県は鎌倉、江の島が舞台と言うこともあって、放送前から多少の興味は持っていました。セイクリッドセブンとかもそうですが、東京近郊の海辺の街と言うことで、湘南方面を舞台にする作品は近年多くなったかと思います。今は聖地巡礼というのが流行っていることもあって、そういった意味で元から観光地でもある江の島は、なにかと都合が良いのでしょう。

男子高校生の日常と違って、TARI TARIは明確に話の流れ、つまりストーリー性の一本の物語になっています。各登場キャラクターの抱える問題に焦点を当てつつ、それを順番に解決し、仲間達で前に足を踏み出していく感じ。まさに青春群像劇と言いますか、年甲斐もなく熱中してしまいました。私が高校生だったのは随分と前の話だけど、当時はなんて言うか、自堕落に生きていたなと思う。決して楽しくないわけじゃなかったし、それなりに面白かったんだろうけど、思い返してみれば、なにかに打ち込んでいた訳じゃないんだよね。
私は今でこそ同人活動なるものに精を出しているけど、それを始めたのだって個人サークルという意味ではたった4年前の話だし、一体それまでの自分は何をして生きてきたんだろうとさえ思う。文章にしたところで、物心ついたときから書いてたとか、そんなこと全然ないからね。むしろ、私って文字書くの嫌いだったんですよ。作文とか本当に大嫌いだったし。
TARI TARIは、ある意味で私が見てこなかった夢を、将来と言う物についての考え呼び起こさせてくれた。私にも夢があったし、なにかをしたいとずっと思っていた。でも、出来なかった。やろうとしなかった。そのまま大人になって、何となくやりたいことやって、就職して、気が付いたら人生こんなところに来てた。もう過去には戻れないし、あの学生時代は懐かしいものでしかないんだけど、じゃあ、今はもう何も出来ないのか、ただ歳を取っていくしかないのかと言われたら、違うよね。これは現在放送中のさくら荘のペッとな彼女を見ていても思うけど、まだこれからだと思うんだよ。

学生時代に限らず、自分が若いときにこうしたかった、こうありたかったというのは結構あるけど、それはあるいは今だから言えることであって、この年齢と、その感性を持ったからこその結論かも知れないじゃないですか。そりゃ、人生長く生きてくれば、アレは失敗だったとか、これはどうしようもない見たいなことは幾らでもあるし、それらは本当になければ良かったことなんだろうけど、そういう細かい部分を引っこ抜いても、自分の生きてきた道を否定する気にはなれない。
TARI TARIの面々もそうで、彼女たち、あるいは彼らは、10年後振り返って、あちゃーと頭を抱えることがあっても、決して後悔はしないし、自分たちの学生時代を楽しくなかったとは思わないんじゃないかな。それはちっぽけな、些細な想い出なのかも知れないけど、それはやっぱり自分たちで築き上げてきた、大切な宝物なんだよ。
私も出来れば学生時代にそれだけの経験を積みたかったけど、それは別に今からだって遅くはない気がする。私は10歳だった頃、10年後の自分が想像出来なかったし、15歳になった頃も同じく想像付かなかった。20歳になったときもそれは変わらず、あと少し経てば30歳になろうかという時になっても、さほどの実感がない。でも、何事もなければ時間は経過するのだから、私がその場所からまた振り返ることは、出来るはずだと思うんだ。
ここから初めて、その先に何が待っているのかは当然分からない。だけど、ずっと先に立って居るであろう私が振り返ったとき、自分の歩いてきた道を少しでも良いものと感じられるようにしたいと、そんなことをこのアニメを見ながら思ったんです。それは決して簡単なことじゃないけど、出来ないことはないはずだから。

あまりTARI TARIの話を書きませんでしたけど、何気に売っているヒロイン達の抱き枕カバー、アレが一々背徳的な絵柄で困りますね。エロゲキャラと違ってさ、作中で等身大の女子高生としてみてしまったから、あそこまでエロいと却って戸惑いすら生じるというか。私はアニメ柄の布物がそれほど得意ではないので回避しますけど、不思議と不快感はないんだよね。男の悲しい性か、あるいはそれもまたアニメの一部だと認めているのか分かりませんが、来年もああいったオリジナルアニメに期待したいところです。

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