そんな訳で観て来ましたよ、スーパーヒーロー大戦Z。身内の付き合いで行ったわけだけど、やっぱり映画館で観る映像というのは違いますね。特撮ヒーローの劇場作品を最後に観たのは前回のヒーロー大戦だと思うから、丁度一年ぶりになるのかな? 正直、ウィザードもキョウリュウジャーもほぼ観たことがないので、話が分かるのだろうかと思っていたけど、初見にも結構分かりやすく作られていた気はする。それに、主役はギャバンでしたから。キョウリュウジャーなんて、殆ど端役といってよかった。

映画としては子供向けだけに話はわかり易かったんだけど、登場人物が多いせいで如何せん視点と話の流れが安定しなかった印象がある。メインとなる登場人物は序盤こそウィザードとギャバンなんだけど、ウィザードは魔法が原因で起きている事件の謎を解明するために途中から姿をくらますし、代わりに現れたゴーカイジャーの伊狩鎧がメインに台頭してきます。ちなみにヒロインはゴーバスターズのイエロー、宇佐見ヨーコなんですが、身内の話だと彼女はゴーバスターズ本編ではなかなか活躍の機会を与えられずに不遇だったとかで、今回のヒロイン抜擢は喜ばしいことだそうです。私はゴーバスターズもあまり見たことなかったのですが、あの頃よりは随分と成長した気がしますね。演技ではなく身長が、ですけど。
このように主人公、あるいは主役級の人物が4人もいるせいで、それぞれにスポットを当てる必要があり、流れとして複雑になりすぎていた。ライダー、戦隊、宇宙刑事にはそれぞれの立場と役割があり、そこに海賊というある意味で自由な鎧が入ることで安定させている感じなんだけど……ちょっと分かりづらいかなと。ギャバンが主人公といったところで、それはパンフの扱いで判明したことであり、作中では精々出番が多い、何かとクローズアップされているってぐらいで、実は決定打に欠けていた気がするのだよね。90分から2時間程度という限られた時間の中で、あまり行動を共にしない複数人の主役たちの物語を書くには、やはり厳しいものがあるんじゃないでしょうか。
ギャバンならギャバンで、最初から彼の物語として書ききっていれば話にも少しは締りがあったと思うのだけど、なまじウィザードの視点で始まり、そこへギャバンが現れたことから、どうしてもギャバンがウィザードに対するゲストという感覚が拭えない。にもかかわらず、ラストは鎧とギャバンで終わるのだから困ったものだ。

後、これはこの映画を観て思った最大のことなんだけど……もう、スーパーヒーロー大戦とかやらなくていいんじゃない?
物凄く身も蓋もないこと言ってますが、オールライダー集合の大ショッカー、ライダー×戦隊のスーパーヒーロー大戦、そして宇宙刑事が加わったZと続いてきたわけだけど、流石にもう新鮮味がないよ。集めればいいってわけじゃないし、私が思い出したのはプリキュアオールスターズが終わった理由です。プリキュアシリーズは今の続く人気番組であり、現在何人いるのか知りませんが30人は超えているそうです。もはや数十人と形容していい人数ですが、こんなに増えると敵とのパワーバランスが崩れてしまう。どんなに敵を巨大化しても、数十人で戦えば集団イジメに見えてしまう。だから、オールスターズはやめたそうです。
さて、ここで重要なのはかつてライダーと戦隊を比較してこんな意見があったことです。最近はそうでもないけど、かつて仮面ライダーとは作品に1人であり、それに対して戦隊は最低でも3人から5人。故に1人で戦い続けるライダーは5人で戦っている戦隊より偉いとか強いというもの。まあ、わからない話ではないし、一理あるとは思うのだけど、今回の映画はライダーと戦隊合わせて、多分プリキュアオールスターズよりも数がいたんじゃないかと思います。
見た感じ、全戦隊、全ライダーがいたとは思いませんが、仮に50人ぐらいいたとしましょう。いくら歴代の敵、それも幹部クラスを復活させたとして、そいつらに一度は勝利したことがある50人のスーパーヒーローがいるんですよ? どっちが勝つかなんて目に見えるし、話の都合関係なしに、負けるわけがないじゃないですか。

つまり、スーパーヒーローがに対して圧倒的な敵、強大な敵というのを用意するのは、もう無理なんじゃないかってことです。シャドームーンだって、大ショッカーのときはビックリしたけど、今回は「またお前か」という感じが強かったし、もう数を出せばいいってものじゃないんだよ。一度やっちゃうと、何となく続けなきゃいけないみたいな感じにさせられるけど、ライダーや戦隊は元からプリキュアより数が多いんです。それに、戦隊は毎年5人単位で増えてくんだから、こういうのはお祭り企画として程よい区切りをつけるべきじゃないかと、そう思いました。

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