劇場版「空の境界 未来福音」ということで、横浜ブルク13の最速上映に行ってきました。通常の映画と違って日付が変わると同時に公開してくれるということで、私自身は初めての経験でしたけど、最近は意外と多いらしいですね。まあ、エロゲの深夜販売と意味合い的には同じなのかも知れませんが、深夜のみなとみらいというのもそれはそれで乙な感じがして良かったと思います。ブルクは確か、去年だったかにガンダムUCの映画を観に行って以来だと思いますが、相変わらず綺麗な映画館でしたね。系列のバルト9と同じく、上品な雰囲気をしたところでした。

日付が変わると同時に公開と書いたものの、ブルクでは24時から先にグッズ販売を開始して、24時半から上映という形を取ってました。他の最速上映館がどんな感じだったのかは知りませんが、グッズ販売の時間が設けられているというのは良かったですね。私はまあ、パンフぐらいしか興味なかったんですけど、折角なら何か買いたいじゃないですか。鮮花のグッズとか、鮮花のグッズとか、鮮花のグッズとか。
私がブルクに到着したのは23時半前といったところでしたが、その時点で既にグッズ列は出来ていて、50人とはいかないまでも結構な人数が居たと思います。未来福音の上映が行われるシアター7はブルクで最も大きいスクリーンを持っており、収容人数は488人です。流石に終電も始発もないような時間に終わるだけあって、完売とは行かなかったようですが、それでも200人以上は集まったんじゃないでしょうか? その数がグッズも求めてロビーに並ぶ訳ですから、さながらコミケとか即売会のような列が出来てました。
先に発券を済ませましたが、30分前に並んだ私が結構ギリギリという感じで、まあ、映画館のショップですから仕方ないんですけど、レジが2台しかないんですね。だから、結構時間が掛かってしまって、会計が終わった頃には24時半を数分だけ過ぎていたと思います。まあ、7分ぐらいは予告編等のCM上映でしたから、本編開始には何とか間に合ったんですが……私より後ろに並んでいた人は、きつかったと思いますね。そもそも、レジ2台しかないと書きましたが、映画館のショップでこれは結構多い方な気がします。普通は1台だけだと思いますし、他の劇場はもっと厳しかったんじゃないでしょうか? 海老名辺りも混んでいたと聞きますが、テアトルとかどうだったんだろうか。

まあ、そんなこんなで何とかシアターに駆け込んだ私ですが、お馴染みのクレイアニメから始まったのが良かったですね。時間が無かったのか、今までのそれに比べるとあまり動きがなかったように感じましたが、これはあくまでおまけなのでこんなものでしょう。
そして本編が開始された訳なんですが……正直、やられたなって思いました。私は原作の同人誌を読んだことがあるので福音は話の内容自体知っていたのだけど、映画を観ている中で、こんな風に感じたんですよ。「あれ、この映画ってどこかで観たことがあるな」って。前述のように原作は読んだことがあるのだけど、読んだことがある、ではないんですね。あくまで観たことがあるなんですよ。
原作は漫画と小説のページがありましたから、漫画の方が印象に残っていたからだろうと思いきや、そうではない。例えば瀬尾静音が出てくる喫茶店他のシーンとか、そういうのでさえ一度どこかで観たような錯覚を覚えていました。これはどういうことかというと、映画の映像が何か別作品にそっくりだとかそう言うことじゃなくて、単純に奈須きのこの書いた原作がとても視覚的だったということなんですね。
視覚的な文章というのは、今の小説、特にライトノベルに関しては必須と言われている書き方の一つですが、それを実践出来ている作家、作品というのはそれほど多くはないと思います。けど、この未来福音に関して言えば、結果的にかも知れませんが、とても視覚的な文章だったのだと言うことを、私は改めて認識することになりました。勿論、空の境界は映像化された作品ですから、キャラクターなどを認識しやすかったというのもあるんでしょうが、福音のメインキャラは大半が福音初出ですから、それを考えれば凄いことだと思います。まあ、静音だけは六章の映画にちょっと出てましたけど。

私は空の境界だと黒桐鮮花が一番好きで、グッズ売り場でも最後まで鮮花のグッズを買うか買うまいか悩んだんですけど、未来福音でも良い感じに出てましたね。ただ、未来福音・序に出てくる両儀未那の破壊力が強すぎて……パンフで真綾とムラケンも言ってましたが、ちょっと叔母様にそっくりすぎやしませんかね。原作で読んだときも感じてはいたけど、黒桐の血が強かったとしか思えない。可愛すぎでしょう。
ただ、原作だと未那はあくまで幹也のことが好きな、鮮花と同タイプのキャラだと思っていたんですが、映画は完全に光溜ラブだった気もします。勿論、父親に似ているというのもあるんでしょうが、パンフ曰く光溜の仕事部屋は未那が自分好みに模様替えをして、殆ど自分の部屋にしているというじゃないですか。10歳の少女が入り浸り、色々振り回されるとか、奈須きのこも書いてますが光溜の勝ち組っぷりが羨ましい。
6年後立てば未那は法的に結婚出来る年齢になる訳だけど、その瞬間に光溜を押し倒し、既成事実を作ってしまいそうなぐらいの勢いがありました。まあ、別に未那は恋愛しているつもりもないでしょうし、恋愛対象として彼を見てもいないのだろうけど……なんだろう、あれだけべったりというのは凄いね。式はともかく、幹也辺りは心配しないんでしょうかね? 10年後の光溜は確かに害のない男性ですが、仮にも年上の異性です。しかも、暮らしぶりは本人曰くチンピラですし、そんな男の部屋に10歳の愛娘が入り浸っているというのは、父親としては心配してもいいはずだけど……あるいは受け入れてるのかな。未那は確かに塾をサボっていますが、成績に影響が出ていそうな感じはしませんし、もしかしたら娘の好きなようにさせているのかも知れません。未那が光溜を自分の嫁……じゃない、婿として連れてきたら、その限りではないかもですが。

映画の総評としては、壮大な後日談を観たという感じです。未来福音:序以外は、章ごとの合間にあった話だけど、それでもまあ空の境界としては最後の漫画・小説作品でしたし、映画としてもこれが最後でしょう。そういった意味で、新鮮さというよりは懐かしさのような、そんな気持ちの方が強かったかも知れない。ファンとしては当然続編を望みたいところですが、あるとすれば未那と光溜の話なんでしょうね。パンフでもこやまひろかずがイラストにして二人の今後の物語性について描いてましたが、まさにその通りだと思います。
いい加減、BOXを買った方が良いのかも知れませんが、未来福音のBDが出る頃に、全セットのBOXがまた出たりする気もするし、何より未那をもう一度観たいので、舞台挨拶含めて後何回かは観に行こうかなと考えています。それぐらいの価値は、多分あるでしょう。映画って良いものですね。

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