恒例の年忘れ企画がやってまいりました。その年に私がハマった作品をジャンル、媒体問わず紹介していこうというコーナーみたいなものですが、今年最初に振り返るのは同人誌になります。多分、この企画で同人誌を取り上げるのは初めてだと思いますが、今年は去年に引き続いて同人活動を頻繁にしていたから、そういった流れも汲んでいるのかもしれませんね。
ちなみに、去年取り上げたのはAnother、ご注文はうさぎですか?、男子高校生の日常、イモウトノカタチ、そしてTARI TARIの計5品になります。

最終回に彼女は自殺します(仮)は、漫画家のストライク平助さんがオリジナル同人誌即売会COMITIAを中心に発行している同人誌シリーズで、今年の2月から刊行が開始されました。
私がこの作品と出会ったのは偶然なのか必然なのか、贔屓にしているサークルがコミティアに出るというのでチェックをしていたら、そこに委託新刊として置いてあった本なんですよね。普段は委託本ってあまり買わないんだけど、これに関しては前々から委託告知がされていたのと、pixivの方で1話丸々公開されいたというのが大きかった。暴力描写というか、所謂グロ系の描写もあるということで、本来自分の好みではないなと思いつつも読んでみたら……面白かったんですよ。なんていうか、純粋に続きが気になった。
そうしてコミティアに赴き、実際に委託されている本を買ったところ、まあ、物の見事にやられました。こんなに面白い漫画があるのかと思ったぐらい惹き込まれて、次のコミティアは
最終回に彼女は自殺します(仮)の新刊を買いたいがために参加したぐらいですから、私に訪れた衝撃の大きさは半端なかったんでしょうね。カルチャーショックとはまた違うんだろうけど、自分がそれまで避けていたジャンルの本だっただけに、逆にのめり込んでしまったのかもしれない。

作品としては割合コンパクトで、主要登場人物は今のところ三人しかいません。一人は主人公の間宮伸助で、彼は医者の息子として不自由ない生活を送っており、自身も将来医者になるため完璧な人生プランを設計し、それを着実に歩むなど、とにかく完璧であることに拘る少年。とはいえ、主義者というほど堅苦しくもなく、むしろ作中では現実感ある常識人とツッコミ役の立ち位置にいます。
彼は完璧な人間ですが、それはあくまで自分がこうと決めた人生においての中での話であって、それに他者の介入や介在があったときどうなるのか? そうした要素を持ち込んでくるのがヒロインの白銀小百合で、ヒロインとは書きましたが本人曰く性別不詳の美少女。伸助から見てなかなかに整った顔立ちをしている彼女ですが、その挙動はどこか現実離れをしており、無学者ではないにせよ知識に偏りがあるなど、どこか常識外の存在です。
伸助はそんな小百合と学校内で衝撃的な出来事に遭遇し、なし崩しに彼女から自分のパートナーに指名されます。全ては、彼女の敵であるアイツと戦う術を得るために……
この作品の魅力は多々ありますが、私はやっぱり主人公の伸助とヒロインの小百合による掛け合いが好きで、小百合ってなんか色々抜けてるけど、言動が凄くいじらしいんだよね。自分の弱さを隠さず、だからこそ伸助を頼り、それでいて健気で。伸助が思わず庇護欲に駆られるのも無理はないでしょう。だって、可愛いもの。

完璧だと思っていた自分の人生に疑問を持ち、自発的に小百合のパートナーになることを選んだ伸助の気持ちもよく分かります。それは彼が発した「ワクワクしたんだ」という一言に全て含まれてると断言してもいい気がするし、そうした男の子の気持ちが綺麗に表現出来てると思うのよね。小百合の性別を多少なりとも考えてしまうあたりとか、何か分かるもの。
現在3巻まで出ていますが、遂にアイツと伸助が邂逅したことにより、物語にひと波乱あるかもしれません。続刊は5月ぐらいのコミティアらしいけど、2014年も追いかけて行きたい作品だと思います。伸助頑張って!

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