年忘れ企画第五弾。漫画作品ということで、ごちうさと迷ったんですが、まあ、ごちうさは来年かなと。私はこのところ、というかここ数年ほど漫画というものを殆ど読んでなくて、コミックスを買っている作品はおそらく片手で足りると思います。趣味としての漫画コミックはほぼ切り捨て状態に近く、本当に限られた、自分の中でこの作品だけは読み続けたいと思ったものしか読んでいません。勿論、幾つかの例外はありますが、オタクなんてものを長く続けていると、同じオタク趣味でもある程度は圧縮してなかないと続けてられないんだよね。私はかつて声優関係を切り捨てて、今度は漫画という感じだけど、それでも読みたい作品があるってのはいいことなんだと思う。

神のみぞ知るセカイは週刊少年サンデーで連載している作品で、過去に二度、そして今年に三度目のアニメ化をした同誌の人気作品です。週刊連載でコミックスが24巻、それに読本のようなものが一冊出ていますが、長期連載の多いサンデーとしてはまだまだ最近の作品というイメージがありますね。
私は最初のアニメ化前から原作のことを知っていたけど、本格的に興味を持ち始めたのはやっぱりアニメ化後になるのかな? 当時は、そう、某ヨスガのアニメが放送していた時期だから、3年前ですか。もう随分と時間が経ってしまいましたが、ギャルゲーで培った知識と技術でリアル女子を攻略するという内容に、強い関心を引かれたんでしょうね。私とてかつてはギャルゲーマーで、今はエロゲ中心だけど、元より恋愛シミュレーションゲームは好きだったし。
そんな神のみも三度目のアニメ化ということで、今年は色々すっ飛ばして女神編が放送されていたわけだけど、原作の方では現在過去編というのが連載されてるんですね。正確にはユピテル編らしいけど、主人公の桂木桂馬がタクシィ……じゃなくて偽妹のエルシィと過去の舞島に飛ばされ、自分の攻略の下準備を行うという話で、桂馬は過去の自分と入れ替わる形で存在しているから、子供の姿だったりします。
過去編は、当然のごとく未来への布石であり、伏線でもあるから、キーパーソンとなる重要なキャラが何人か出てきて、未来に繋がる重要な展開を繰り広げているのですが、中でも桂馬の幼馴染で唯一の非攻略対象、鮎川天理がその意外な立ち位置を明らかにしていきました。

もうなんて言うか、天理かわいいよ天理とはまさにこのことですね。元々天理のことは好きでしたけど、過去編を読んで惚れ直したというか、桂木桂馬という主人公には、鮎川天理という少女が必要なんだと再認識させられた気がします。天理というのはそもそも不思議なヒロインで、攻略対象でもないのに幼馴染として桂馬のことが好きな上に、他のヒロインがころりと騙される桂馬の役者っぷりを見抜いたりと、とにかく桂馬に対する理解度が高い娘でした。彼に対する絶対の信頼と、その心情、内面に対する思いやりの深さは誰よりもあったけど、それでいて自身の恋愛に対しては消極的。
彼女の中にいる女神のディアナなどは、そうした天理の行動を不可解だといい、十年ぶりにあった好きな人に対してどうして積極的にならないのかと非難もしています。今までは、天理の内気な性格がそうさせていたのだと思われていたし、キャラクター的にそれが理由でも問題はなかったのだけど、この過去編においてそうした天理の事情、真実が明かされていくんですね。彼女は何故、いや、いつ桂木桂馬のことを好きになり、どうして彼との関係をそこまで深めようとしなかったのかが。
結論を言うと、天理が関係を進めたい桂馬とはまだ再会していなかったからということになるのだろうけど、過去編も完結に向かっているこの頃、今後の展開が気になりますね。桂馬も何気に天理が自分に好意を持っている、というか恋愛的に好かれていることを理解はしていたはずですから、過去編で昔の天理とあったことで、全ての事情を理解した上で、どういう結論を出すのかは注目ですね。

神のみぞ知るセカイという作品の帰着点がどうなるかはまだ分かりません。常識的に考えて、全ての駆け魂を封印というのは、数万匹という総数が明らかになった時点で無理だと分かっていましたし、女神が登場したことで本来のギャルゲー漫画からは既に外れています。地獄の闇に迫るような展開になるのかもしれないし、あるいは天界が絡んでくるのかもしれない。舞島の街がどうなるのか、桂馬は過去から無事に戻ってくることができるのか、色々考えるべきことは多いけど、神のみに関してはまた来年って感じでしょうか。
天理かわいいよ天理、それが再確認できただけでもいい年でした。

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