ご注文はうさぎですか? 4巻 感想&レビュー
2015年9月26日 ご注文はうさぎですか?
「ご注文はうさぎですか? 4巻」が発売となりました。3巻が2014年の3月ですから、およそ1年半ぶりの新刊なのですが……流石にちょっと長かったかな。勿論、きららMAXの本誌はずっと買ってましたから、毎月ごちうさを読む機会というのはあったんのだけど、やっぱりコミックスはコンスタントに出て欲しいものです。アニメの2期とか、色々な都合はあるんだとしてもね。
表紙は画像の通りココア&チノの姉妹に、本当の姉であるモカという構成で、裏表紙はチマメ隊です。つまり、チノは表裏両方にいるわけだ。
ごちうさの3巻は1~2巻と違い、掲載順と収録順を入れ替えるという手法が用いられました。ごちうさという作品は所謂サザエさん時空ではない、登場人物が年月を重ねて進級をしたりしますから、月日の経過や四季の移ろいを分かりやすくするために入れ替えた、との説明だったと思います。
とはいえ、それはあくまで限られた期間、つまり3巻分と呼べる話数の順番を入れ替えただけに過ぎませんから、違和感はあれど、慣れてしまえばどうと言うことはない話なんですが……何せ今回は2冊分近くの話数が溜まっているわけです。あるいは4巻も、収録順を入れ替えるぐらいはするのかな? と考えてはいたんですが、なんとビックリ、今回はもっと凄かった。
ご注文はうさぎですか?の4巻は、話数を飛ばして収録しています。どういうことかというと、あとがきページにある記載を確認するのが手っ取り早いのですが、
4巻の1話目からして、2015年1月号の内容ですし、直近では2015年7月号の写真の話が一番新しいということになります。これが普通の、話数順に収録していくコミックなら、7月号など明らかに5巻に収録すべき内容であり、4巻は話数を入れ替えると同時に意図的に話を飛ばすことで、再構成をしているということになります。
たとえば、あとがきページに書かれている5巻の内容、謎の怪盗は、4巻では飛ばされた2015年6月号に登場する怪盗ラパンのことでしょうし、新制服の話というのは、2015年9月号で描かれたもののことでしょう。
話数が2冊分近く溜まっているとはいえ、これは結構大胆なことをしたなと思いました。ごちうさは言ってしまえば、ストーリー性の薄い4コマ漫画ですから、収録順を入れ替えたり、話を飛ばしても不都合はありませんけど、本誌の読者とコミックス派では受ける印象が異なると思いますし、勿論、本誌の読者もある程度の新鮮味を覚えることにはなるでしょうが、少なからず驚いた、というのが本音かも知れません。
ただ、4巻発売までに間があったこともあり、3巻のときほど違和感は覚えず、割りとすんなり読めちゃいました。再構成自体、結構考えられているの分かります。
4巻の内容としては、勿論ココアの実姉であるモカが本格的に登場すると言うこともあって、表紙にも描かれている彼女のエピソードがメインになっています。モカがラビットハウスというか、木組みの家と石畳の街を訪れたのは2014年の連載時ですが、コミックスでは上述のように再構成されてますから、丁度序盤を少し過ぎた辺りの話として収録されています。
モカの登場する話は複数回に渡っており、後ろ姿も含めるなら、都合4話ほどが彼女の話になっています。普段のココアが茶番としか思えない程の姉っぷりに、ココアと友人達が翻弄されたり、モフモフされたりするわけですが、この他にも新規キャラクターは登場しており、リゼの父と、千夜の祖母が本編に出てきました。
リゼ父に関しては3巻のおまけまんがにちょろっと出てきたぐらいですけど、これまたちょろっとラビットハウスのバータイムに現れ、酒を飲みながらチノ父ことタカヒロさんと会話するシーンがありました。お茶目というか、いたずらっ気のある性格みたいですね。
一方、千夜の祖母ですが、これまで千夜や幼馴染みのシャロの口から語られたり、名前が出るだけで、一向に登場しなかったキャラですが、チノが職業体験で甘兎庵を訪れた際、遂に姿を見せました。チノは人見知りですから、見も知らぬお店よりも、知り合いのお店の方が安心できたんでしょうね。
お祖母ちゃんと言うだけあって千夜よりも小柄な人でしたが、幼少期の彼女からオニババアと形容されていただけあって、物腰や物言いは厳しめで、特にティッピーことチノの祖父と因縁があったこともあってか、「あんたがあいつの孫かい」と言われていました。
千夜によるとオカルト趣味や民間療法はこの祖母からの受け売りということでしたが、ラビットハウスの物真似などを披露する千夜を窘めたり、見た感じはちょっと厳しめのおばあさんという感じ。ただ、ティッピーが嫌いだった最中をチノに振る舞ったり、あいつに似て欲張りそうだからと、羊羹を追加したりと、それなりに気遣っており、チノはすっかり懐柔されて優しい人だと思ったようです。お祖母ちゃん曰く、チノと生前のティッピーは仏頂面が似ているらしい。
他にも女流作家、青山ブルーマウンテンの学生時代について触れられたり、画集でサラッと公開されていた彼女の本名が明かされたりと、新しいことは結構多めです。ココアが数学を得意としていることや、将来の夢の一つに弁護士志望があるのは兄たちの影響というのも明らかになりましたし、個人的にはこの双子っぽい兄貴達を一度見てみたいんですが……リゼ父はおろか、チノ父の表情すら滅多に描かないほどには男を排除している作品ですから、ちょっと無理ですかね。
兄と言えば、マヤにも兄がいるようですね。メグの母親はバレエの講師をやっていますし、これで親族の姿形が一切描かれていないのは、メインキャラだとシャロだけということになるのかな? 千夜によると出稼ぎに出ているとのことだけど、シャロが毎月バイト三昧なところをみると、仕送りがあるのかも怪しいですし、果たしてどこで何をしているのやら。
全体的に作風は安定しており、考えて観れば進級について、初めて明確な形で触れられたのも、4巻2話の「ティースタンドは高校の縮図」でしたね。他にも、クラス替えについて言及される「VSマイペース」など、ごちうさが季節だけではなく、月日もちゃんと経過していることがしっかりと描かれていました。チマメ隊も来年には高校へ入学することが最新号で記載されてますし、マヤがリゼやシャロの学校を薦められていることを考えると、チノの卒業が一つのポイントや区切りになるのかな? という気はします。
もっとも、ごちうさは学園モノではありませんし、学校を舞台にした話は今回の部活動、吹き矢部とミス・エメラルドの伝説ぐらいなもので、あまり関係はないのですが……チノの高校進学、あるいはココアの卒業が、一つの終着点かなと。後者はともかく、前者だとそれほど先の話でもないんですよね。
5巻はおそらくアニメの2期が放送終了した直後ぐらいに出ると思います。最新号まで照らし合わせても、未収録の話数は結構ありますし、向こう3ヵ月分ぐらいをプラスできると考えれば……来年の1月発売か、もしくは年内12月発売か。いずれにせよ、4巻ほど待たされはしないでしょう。ごちうさも何だかんだで4年目ですし、5巻も手の届く位置に来ていることを考えれば、アニメ化もそれほど早まったことではなかったのかも知れませんね。まあ、私はアニメ版に対する興味は薄いですが。
4巻の帯はアニメの宣伝がメインですけど、こころから「かわいい」と言える4コマ!というキャッチコピーは、その通りだと思いました。可愛いとは、正しくごちうさのためにあるような言葉かも知れません。次巻が待ち遠しい限りです。
表紙は画像の通りココア&チノの姉妹に、本当の姉であるモカという構成で、裏表紙はチマメ隊です。つまり、チノは表裏両方にいるわけだ。
ごちうさの3巻は1~2巻と違い、掲載順と収録順を入れ替えるという手法が用いられました。ごちうさという作品は所謂サザエさん時空ではない、登場人物が年月を重ねて進級をしたりしますから、月日の経過や四季の移ろいを分かりやすくするために入れ替えた、との説明だったと思います。
とはいえ、それはあくまで限られた期間、つまり3巻分と呼べる話数の順番を入れ替えただけに過ぎませんから、違和感はあれど、慣れてしまえばどうと言うことはない話なんですが……何せ今回は2冊分近くの話数が溜まっているわけです。あるいは4巻も、収録順を入れ替えるぐらいはするのかな? と考えてはいたんですが、なんとビックリ、今回はもっと凄かった。
ご注文はうさぎですか?の4巻は、話数を飛ばして収録しています。どういうことかというと、あとがきページにある記載を確認するのが手っ取り早いのですが、
初出一覧この様に書かれているわけです。
まんがタイムきららMAX H25/12月号、H26/5月号~11月号、H27/1月号~5月号、7月号、描き下ろし
4巻の1話目からして、2015年1月号の内容ですし、直近では2015年7月号の写真の話が一番新しいということになります。これが普通の、話数順に収録していくコミックなら、7月号など明らかに5巻に収録すべき内容であり、4巻は話数を入れ替えると同時に意図的に話を飛ばすことで、再構成をしているということになります。
たとえば、あとがきページに書かれている5巻の内容、謎の怪盗は、4巻では飛ばされた2015年6月号に登場する怪盗ラパンのことでしょうし、新制服の話というのは、2015年9月号で描かれたもののことでしょう。
話数が2冊分近く溜まっているとはいえ、これは結構大胆なことをしたなと思いました。ごちうさは言ってしまえば、ストーリー性の薄い4コマ漫画ですから、収録順を入れ替えたり、話を飛ばしても不都合はありませんけど、本誌の読者とコミックス派では受ける印象が異なると思いますし、勿論、本誌の読者もある程度の新鮮味を覚えることにはなるでしょうが、少なからず驚いた、というのが本音かも知れません。
ただ、4巻発売までに間があったこともあり、3巻のときほど違和感は覚えず、割りとすんなり読めちゃいました。再構成自体、結構考えられているの分かります。
4巻の内容としては、勿論ココアの実姉であるモカが本格的に登場すると言うこともあって、表紙にも描かれている彼女のエピソードがメインになっています。モカがラビットハウスというか、木組みの家と石畳の街を訪れたのは2014年の連載時ですが、コミックスでは上述のように再構成されてますから、丁度序盤を少し過ぎた辺りの話として収録されています。
モカの登場する話は複数回に渡っており、後ろ姿も含めるなら、都合4話ほどが彼女の話になっています。普段のココアが茶番としか思えない程の姉っぷりに、ココアと友人達が翻弄されたり、モフモフされたりするわけですが、この他にも新規キャラクターは登場しており、リゼの父と、千夜の祖母が本編に出てきました。
リゼ父に関しては3巻のおまけまんがにちょろっと出てきたぐらいですけど、これまたちょろっとラビットハウスのバータイムに現れ、酒を飲みながらチノ父ことタカヒロさんと会話するシーンがありました。お茶目というか、いたずらっ気のある性格みたいですね。
一方、千夜の祖母ですが、これまで千夜や幼馴染みのシャロの口から語られたり、名前が出るだけで、一向に登場しなかったキャラですが、チノが職業体験で甘兎庵を訪れた際、遂に姿を見せました。チノは人見知りですから、見も知らぬお店よりも、知り合いのお店の方が安心できたんでしょうね。
お祖母ちゃんと言うだけあって千夜よりも小柄な人でしたが、幼少期の彼女からオニババアと形容されていただけあって、物腰や物言いは厳しめで、特にティッピーことチノの祖父と因縁があったこともあってか、「あんたがあいつの孫かい」と言われていました。
千夜によるとオカルト趣味や民間療法はこの祖母からの受け売りということでしたが、ラビットハウスの物真似などを披露する千夜を窘めたり、見た感じはちょっと厳しめのおばあさんという感じ。ただ、ティッピーが嫌いだった最中をチノに振る舞ったり、あいつに似て欲張りそうだからと、羊羹を追加したりと、それなりに気遣っており、チノはすっかり懐柔されて優しい人だと思ったようです。お祖母ちゃん曰く、チノと生前のティッピーは仏頂面が似ているらしい。
他にも女流作家、青山ブルーマウンテンの学生時代について触れられたり、画集でサラッと公開されていた彼女の本名が明かされたりと、新しいことは結構多めです。ココアが数学を得意としていることや、将来の夢の一つに弁護士志望があるのは兄たちの影響というのも明らかになりましたし、個人的にはこの双子っぽい兄貴達を一度見てみたいんですが……リゼ父はおろか、チノ父の表情すら滅多に描かないほどには男を排除している作品ですから、ちょっと無理ですかね。
兄と言えば、マヤにも兄がいるようですね。メグの母親はバレエの講師をやっていますし、これで親族の姿形が一切描かれていないのは、メインキャラだとシャロだけということになるのかな? 千夜によると出稼ぎに出ているとのことだけど、シャロが毎月バイト三昧なところをみると、仕送りがあるのかも怪しいですし、果たしてどこで何をしているのやら。
全体的に作風は安定しており、考えて観れば進級について、初めて明確な形で触れられたのも、4巻2話の「ティースタンドは高校の縮図」でしたね。他にも、クラス替えについて言及される「VSマイペース」など、ごちうさが季節だけではなく、月日もちゃんと経過していることがしっかりと描かれていました。チマメ隊も来年には高校へ入学することが最新号で記載されてますし、マヤがリゼやシャロの学校を薦められていることを考えると、チノの卒業が一つのポイントや区切りになるのかな? という気はします。
もっとも、ごちうさは学園モノではありませんし、学校を舞台にした話は今回の部活動、吹き矢部とミス・エメラルドの伝説ぐらいなもので、あまり関係はないのですが……チノの高校進学、あるいはココアの卒業が、一つの終着点かなと。後者はともかく、前者だとそれほど先の話でもないんですよね。
5巻はおそらくアニメの2期が放送終了した直後ぐらいに出ると思います。最新号まで照らし合わせても、未収録の話数は結構ありますし、向こう3ヵ月分ぐらいをプラスできると考えれば……来年の1月発売か、もしくは年内12月発売か。いずれにせよ、4巻ほど待たされはしないでしょう。ごちうさも何だかんだで4年目ですし、5巻も手の届く位置に来ていることを考えれば、アニメ化もそれほど早まったことではなかったのかも知れませんね。まあ、私はアニメ版に対する興味は薄いですが。
4巻の帯はアニメの宣伝がメインですけど、こころから「かわいい」と言える4コマ!というキャッチコピーは、その通りだと思いました。可愛いとは、正しくごちうさのためにあるような言葉かも知れません。次巻が待ち遠しい限りです。
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