Character1でオーガストの無料配布列に並びました。普段は冊子を配っていて、これはユーザー登録しておけば自動的に送られてくるものなのでスルーしてるんですが、今回は新作の先行体験版だから、ちょっと興味があって。流石、オーガストは配り慣れてるというか、特に混乱することもなく爆速で配布を終えていました。私は物販なんかも割とセット販売とかを許容する方なので、バラ売りでダラダラやるよりも、サッと終わってくれた方が嬉しいんだよね。
今回もあったでしょ、バラ売りで点数多すぎて捌ききれず、そのくせブースイベントをやるからって理由で列形成を打ち切ったメーカーが。どことは言わないが。

まあ、そんな訳でオーガストの新作千の刃濤、桃花染の皇姫の体験版になります。体験版というと、とかくCDケースやトールケース、あるいは紙ケースに入ったものなどを思い浮かべますが、今回は紙ケースで、長い紙を何枚も折りたたんだ、古風な書みたいな作りになっていました。紙テープで封印が施されており、何だか密書みたいですね。
私は公式サイトをチラ見して、後はキャストを確認するぐらいしか新作の情報を集めてなかったんだけど、雰囲気から和風ファンタジーみたいなものだと思っていたし、けよりなよりはユースティアに近いと感じていた。とはいえ、ストーリーを詳しく把握してなかったから、どんな話なのかというのは知らなかったんだよね。
だから、体験版を初めていきなり戦争の描写から始まったのは驚いたし、ああ、こんなにハードな話なのかと、少し身構えてしまった。前作の大図書館がユースティアの反動で、かなりライトな学園モノに仕上がっていたから、今度はもう一度シリアスに戻って、ということなんだろうか?
ただ、その戦争パートで驚いたのが、作品の世界観なんですよ。見た目が和風ですから、例えばうたわれるものですとか、そういうものをイメージしていたら、いきなりマシンガンが火を噴くは、爆撃で街は壊滅させられるはで、近代的というか現代的な描写が出てくるんですよね。果ては、本編パートだと街に自動車が走っていて、部屋には薄型テレビがあるは、テレビでは人気アイドル歌手が歌を披露してる始末。

どうやら主人公とメインヒロインの属する皇国が呪術などを信仰する、信仰するっていうか現実の力として存在する国家だったのに対し、攻め込んできた敵国が現代兵器を多用する科学国家だったようで。つまり、和風に見せかけて、実はそうでもなかったと言うこと。
事前に調べてなかったのもあるけど、マシンガンや車には驚きましたね。普通の白いバンが走っている和風ファンタジー世界ってなにさ、みたいな。それでいて主人公達のメイン装備は刀だっていうんだから、その刀で車をぶった斬ったりするんだから、なんとも不思議な世界観を構築したものですよ。
主人公は武人といわれる役職……身分といった方が良いか? とにかく刀を持って戦う人なんだけど、物語の序盤に颯爽と登場して、圧倒的な強さでメインヒロインを守ります。立ち振る舞いも声も大人びていて、職業軍人みたいなものだから、たとえばユースティアのカイムみたいな、どことない少年っぽさを残す顔立ちに比べると、青年将校みたいな雰囲気を感じ取ることが出来た。
おお、今回の主人公は大人の男か! と、感心した野も束の間。
何とビックリ、主人公はメインヒロインと一緒に学院に通い始めたんですね。いえ、元々主人公が通っていた学院に、メインヒロインが通い始めたというのが正しいんだけど、え、お前、その形と声で学生だったの!?と、それはそれはもうビックリしましたよ。

エロゲってのは画一的な世界観が多いし、好まれるので、オーガストはかなり大胆な物を作ってきたな、というのが今現在の感想です。話は確かにシリアスだけど、ユースティアほど陰惨ではなく、一応は戦後の話ですから、奇妙な安定感の中にある。正直、オーガストの作品でなければ購入を検討するには至らないだろうな、と思うほどには無理があるように感じます。確かに要所要所は面白いし、体験版のラストも、続きが気になる終わり方ではあるんだけど、何かこう、あらゆるものが中途半端といいますか。
戦争物をやりたいのか、学園モノをやりたいのか、アクション活劇をやりたいのか、よく分からない。とりあえずはそんな印象です。
そして私は、共和国の一兵士としてエルザ様の下で戦いたいと、そう思いました。

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