ウィルプラスが発売した、もとみやみつき描き下ろし『ダキカノ』隈川 由紀 抱き枕カバー ラブラブプラスバージョンを購入しました。最近、布モノのグッズは声が出ないからという理由で、余程好きな作品、あるいはキャラクターでもない限り購入しなくなったんだけど、何とビックリ、この抱き枕にはがついてます。それも、CV:くすはらゆいといった具合に。シリーズ物なので、いつかは来るかもと覚悟してましたが、意外と早かったですね。

抱き枕そのもののレビューは、この世に無数とある抱き枕サイトがやってくれるだろうから、生地がどうだとか、手触りや品質、発色などの話は特にしないつもりです。というか、まだ開封してませんからね。今、丁度抱き枕の中身を切らしていることもあって、開封しても抱けないんですよ。まあ、抱き枕本体よりも小さい箱に、折りたたんで送ってくるのはどうかと思いましたが、私のメインはあくまでボイスだから。
さて、このダキカノというシリーズはウィルプラスが仕掛けてきた新たなグッズ商法で、斬新さや真新しさを追求したというよりは、既存のグッズを進化、いえ、特化させたといった部類のもの。今までも抱き枕に音声CDを付けたものは結構あって、それこそエロゲの店舗特典レベルでも、たとえば魔女こいにっきのげっちゅ屋特典などは、抱き枕&ピロートークCDでした。
又、店舗特典ではないメーカーグッズ、コミケや電気外祭り等で売られているもので考えても、minoriなどがソレヨリノ前奏詞の抱き枕にCDを付けていましたね。だから、グッズとしては前例もあるし、取り立てて珍しいというものではありません。
しかし、専門ブランドを立ち上げてのシリーズ化、それもエロゲブランドを複数有する企業がやり始めたのは結構驚いたかな。
同人サークルでリビプロが現れたことが、割と関係しているのではないかと思っているのだけど、音声なしの抱き枕ブランドも最近は増えてきたし、業界全体が、グッズ販売にシフトしているんじゃないかと、そんな気もしています。

そんな訳で、ダキカノ Vol.3「隅側由紀」なのですが、今回からの新規要素として、抱き枕単体1万円に対して、追加で8000円払うことによって、ラブラブプラスバージョンが制作されることになりました。
これがどういうものかというと、通常は抱き枕本体にキャラクターの設定に沿ったDL特典ボイスが付くのに対して、ラブラブプラスバージョンはあなたの名前を呼んでくれる録り下ろしシチュエーションボイスが30ほど付いて来るというのです。つまり、くすはらゆいに自分の名前を呼んで貰えるという訳ですね。
名前というのは、なにも下の名前だけではなく、苗字だったり、それこそ姓名でなくても指定可能でした。たとえばペンネームやハンドルネームの類い、あだ名や、それこそ「あなた」とか、「旦那様」なんてのも出来たわけです。勿論、君付け、さん付け、呼び捨てなどの制限もありません。
公序良俗に反したものは流石に指定不可でしたが、まあ、それは当たり前でしょう。通常特典のDLボイス自体は、抱き枕本体が18禁でエロい絵柄ということもあって、「電話パート」、「前戯パート」、「本番パート」、「ピロ―トークパート」と、久々に会った遠距離恋愛中の彼氏彼女がセックスをするというストーリー設定に沿って進んでいるので、かなりエロいコンテンツなんですけどね。しかも、演技達者なこともあって、これでもかというぐらいのエロさ。所謂、エロゲのエロシーンと比較すると、全体で45分程度、エロシーンだけでも35分以上ありますから、ボリュームとしては結構ある方で、長いと言えるんじゃないかな。
くすはらゆいが音声のみの18禁作品に出るのはこれが初めてってわけでもなくて、作品由来のドラマCD、たとえば前述のヨリノだったり、12の月のイヴだったり、そういうの以外にも出演作はあるんだけど、抱き枕の形でキャラが作られて、下地となる設定が付与されているのは、ダキカノぐらいじゃないかなと思う。

そして、お待ちかねのラブラブプラスバージョン特典の「あなたのための録り下ろしボイスセット」ですが……これはなかなかどうした、やばいですね。やばいとしか言いようがない。
このボイスがどういう形で収録されるのか、それには色々な意見や推測があって、ラブラブプラスバージョンの在庫自体は100枚を超えて、まあ、150枚以下だとしても、単純計算で4500ワードです。しかも、30シチュエーションの内容自体は決まっているわけですから、1つの台詞に付き名前を変えて150回も、果たして録り下ろしてくれるのか? という懸念がありました。
名前の違うおはようだけで150回、まあ、中には同じ呼称で指定している人、あるいは同姓ないし同名なんて人もいたかもしれないけど、150分の幾つという確率ですから、そんなに数は多くなかったでしょう。
そうなると、役者の負担を考慮して名前以外の部分は使い回すんじゃないか? という意見も出てきて、確かに前例もあることから、その可能性は決して低くなかったと思う。実際に使い回されているかどうか、たとえばおはようならおはようが、おやすみならおやすみが全く同じなのかどうか、確かめるには2人分のボイスを聴き比べないといけないわけで、まあ、早速聴き比べてみましたよ。
結論から先に書いてしまうと、限りなく全枚数録り下ろしている可能性が高いものの、幾つかのパターンを録っているだけの可能性も否定はできないといったところでしょうか?
当たり前の話、さん付けする相手と、呼び捨てにする相手では関係性が違いますから、ヒロインの性格……というか、テンションに差が出てきます。同じおはようにしても、しとやかな声だったり、快活だったりと、違いが現れるんですね。使い回しというのはそれを無視して当てはめるから違和感が出てしまうのだけど、ダキカノに関していえば、それらの違和感に対してかなり気を遣ったほうだと思います。だって、二種類聴いてみて全然キャラが違ったんだもの。
ただ、それ故に当初のコンセプト……いえ、設定キャラクターである隅側由紀からも離れてしまっている感は否めないので、ファイル名こそ「YUKI」になってますが、実質的にはあなただけの、私だけのヒロインになっているんだと思います。

ラブラブプラスバージョンをすべて演じ分けたのか、パターンを量産して当てはめたのかを、少ない情報から完全に断定するのは難しいけど、私はどちらの可能性もあるとは思ってる。まあ、「あなたのための録り下ろしボイスセット」というぐらいだから、全シチュ録り下ろしだと信じたいし、もうちょっと聴きこめば、ブレスとか発音とか、その辺りから確定することも出来るんだろうけど、その、なんですか、名前を呼ばれるのがこっ恥ずかしくてまともに聴き続けることが困難なんですよね。まったく、ウィルプラスはとんでもないものを作ってくれましたよ……あっちが現実にならないだろうか。
追加8000円の特典としては、その声優が好きならば、かなり良い物だと思います。久しぶりにいい買い物をしたと感じましたし、次があったら又買うでしょう。それぐらい楽しめるものでした。
まあ、色々な意味で虚しくもなりそうだけど、このダキカノにしても買わないという選択肢は存在しなかったし、私は満足しています。
そういえば、ファイルにはIDが、購入者番号と思われる番号が振ってありましたけど、私の番号は「1」でした。そりゃね、絶対に購入してみせるとPCの前でスタンバってましたからね。若い番号は初めてじゃないけど、1番は多分初めてだろうから、こういう1番も嬉しいものだと、そう思います。

コメント