円交少女 ~陸上部ゆっきーの場合~ THE ANIMATION 感想
2016年8月26日 くすはらゆい
この作品、昨年ピンクパイナップルから等尻大マウスパッドとかいうのが出たときから、アニメ化するんじゃないかと思ってました。メディアミックスの話が多数来ているというのはFrill側も公言していたことですし、まさかピンパイがグッズだけで終わりはしないだろうと。
円交少女は私にとって大きな意味を持つエロゲで、2015年のくすはらゆい主演作としては、おそらく最も好きな1本に入ると思います。勿論、15年にはソレヨリノ前奏詞の姫野永遠という、それこそくすはらゆいを代表するキャラがいるわけですが、フォーエバーちゃんを踏まえた上で、私はゆっきーも重要な役だと思う。
原作の円交少女は所謂低価格ソフトで、くすはらゆいとしては初の黒パケ出演作でした。制作したのはFrillで、ここはビジュアルアーツの直営ブランドですから、系列としてはアニメと同日に「銀色、遥か」を発売するtone work’sや、有名どころならKeyの姉妹ブランドと言えなくもありません。くすはらゆいはtone work’sの星織ユメミライにサブキャラで出演して以降、Frillでの主演を皮切りにビジュアルアーツ作品への参加が続いており、本数だけならminori作品と並ぶほどです。
tone work’snニコ生に出演した際、彼女が星織ユメミライのメインヒロインオーディションに落ちていたという話を披露していましたが、制作サイドとしては気になる声優だったようで、めぐるのキャストや、円交少女における主人公のゆっきー、そして銀色、遥かでは遂に作品の概念と呼ばれる存在に、キャラのオーディションをする前に声を吹き込むなど、重用されています。
円交少女は黒パケで、しかも低価格ソフト、こういった作品は得てして中身のない、ストーリー性に掛けるエロだけに特化した作品と、表現は悪いですが、一般的にあまり良いイメージが持たれていなかっただろうと思います。しかし、そこは流石のFrillでした。ゆっきーという一人だけの主人公に焦点を絞る中で、真面目でひたむきだった少女が堕ちていく様、孤独感や虚無感、それらをある意味で淡々と描ききり、フルプライス作品にも負けない強烈な印象を昨年の私に残しました。
そして、世間的にもおそらくそうだったからこそ、このアニメ化を含めたメディア展開に広がったのではないでしょうか?
個人的に思い入れの強い、単純に言えば好きな作品なので、アニメ化という話は素直に嬉しくて、遂に来たか、と思う反面、どうやってあの話を30分にまとめるのか? という疑問もありました。上下巻でないのは情報が出た際に分かりましたから、単巻で完結させるのは分かっていたけど、ここで所謂低価格ソフト……ロープライス作品の特徴というものがあって、ヒロインが一人の場合、共通ルートというものは当然存在しませんが、その分、個別ルートに当たる部分が一般的なエロゲより長いことが多いんですね。
だから、それを単巻でまとめるというのは結構な技術が要求されるわけで、当然、何から何まで原作通りというわけにはいきません。30分で完結させるには、アニメオリジナルの展開や構成が必要になってくる訳です。
あの円交少女をどのように描くのか、気になった私は、このアニメも公式通販で購入すれば台本が当たるかもしれないという記載を目にして、既に特典付きの二店舗で予約しているにもかかわらず、追加で購入しました。僅か5名、とらのキャンペーンを入れても7名、サイン入りというのもあるし、こういったくじ運は良い方ではないから無駄かとも思ったのだけど、やっぱり台本読んでみたいじゃないですか? ダメ元だったけど、当日届いたダンボールがDVD一つ入れるにしては大きいことを悟ったとき、まさか、と思いました。いや、賭けてみるものだね。たまに勝つこともあるから。
まあ、台本の内容はともかくとして待ちに待ったアニメ本編。PVの時点で立ち絵的な美麗さよりも、エロアニメとしての動きを重視する作品なのかな? と思ってたけど、所謂作画の質と言うんでしょうか、世間一般にアニメの善し悪しが語られる際のあれはあまり良くなかったかな。ちょっと崩れてるとか、遠目過ぎて潰れてるって箇所があるのはまだしも、たとえば下着姿でク○ニされていたはずのゆっきーが、何をどうしたか次のカットでは制服を着用しており、また一瞬で下着だけに戻るなんて言う明らかなミスも見られ、そのミスがパケ裏にも堂々と採用されているというのだから、結構深刻だと思います。色指定のミスとかならまだしも、服装がころころ変わるわけですからね。おかしいと思わなかったのかな。
では、エロアニメとしてのエロはどうか? と言われると、これもピンパイらしからぬクオリティだったように感じた。最近は視聴者……これはOVAですから購入者だけど、アニメ見ている人というのは目が肥えているから、作画が良いのは当たり前状態というよくない風潮がありますけど、それにしたってちょっとね。私が断面の多様を嫌うというのもあるけど、ピンパイの他の作品と比較しても、ビジュアルアーツ原作のエロゲをアニメ化したにしては、もう少し丁寧に描けたんじゃないかなと。この辺り、今アニメが放送しているRewriteに近いものを感じる。
じゃあ、肝心のお話、物語部分はどうだったのかと言われると、これは結構良かったです。導入部分を上手いことコンパクトにまとめてましたし、円交に至る過程も、まあ、原作通りでした。ゆっきーが堕ちる……というよりは、淫乱になるのが早過ぎるような気もしましたが、そもそも原作のゆっきーは淫乱だったのか? という疑問もある。ゆっきーはあれで、快楽堕ちしきってないところがありましたからね。
原作で回数、というか経験を重ねて堕ちていくゆっきーに対して、アニメのゆっきーは最初の相手で早くも快楽に堕ちていきます。原作だと様々な相手に、ループのごとく身体を重ねていく中で狂っていくわけだけど、アニメだと対象が2人だけなんですよね。それが写メ大好き男であり、部活動のコーチであると。
アニメのゆっきーは原作以上にサバサバしているところがあって、コーチとの関係を結んだ後は、もはや開き直ったかのようにパコと次の予定について話したり、コーチの鍛えぬかれたものを思い出しては濡れちゃったりしてるわけだけど、彼女の結末自体は原作と同じ、卒業して卒業という感じでした。違った点があるといえば、野球部員が同級生ではなく後輩君になっていたことぐらいで、それによってゆっきーは上から目線でSっ気タップリに相手をするという、蠱惑的なアニメならではの雰囲気を醸しだしてました。これは良い変更だったと思います。
逆にキャラクターに大きな変更があったのはパコです。ゆっきーの友人で、自分の借金を返すために友人のゆっきーを円交に巻き込んだ張本人ですが、勉強が出来ないおバカキャラに見えて、実はそうでもない、というのが原作と、それにノベライズでハッキリ書かれています。
パコは原作だと再会したゆっきーが空っぽな存在になっていたことに気付き、それを円交、まあ、セックスですよね、それによって埋めてあげたみたいなことを言って、実はゆっきーのことを見下しているのだけど、アニメのパコはもっと凄くて、何とビックリ、レイド君が所属するクラブのオーナーだったとか言う、なんだそりゃ? なオチが付いてます。
ちなみにパコがゆっきーを円交に誘う過程はレイドにパーティへと誘われ、お金がないから無理というところを乱暴されたのをゆっきーが助けに入って……という原作と同じ展開。にも関わらず、パコが本当はオーナーで、レイドくんは彼女に跪いて股間舐めてますとか、色々おかしいですよね? ゆっきーが戻ってくると考えて、レイドに乱暴を働くよう一芝居売ったとでも言うのでしょうか? まあ、原作でもノベライズでも、一応はそのようなことを示唆してるんだけど。
原作の馬鹿な弱者と見せかけ、決して頭が悪いわけではないという狡猾さを見せたパコに対して、アニメのパコは、最初からゆっきーよりも上の位置にいたと、そんな設定をつけたんですね。さながら、ホストを侍らせる渋谷の夜の女王です。
正直言って、このオチによってアニメ版円交少女はどこかファンタジーな作品になってしまい、原作やノベライズにあった淡々とした生々しさみたいのが薄れてしまったような気がする。鑑賞後の余韻が、原作他とはまったく違いましたから。
声優の演技については、くすはらゆいは流石、貫禄が出てきましたね。罪デヴなどで姉キャラを経験したせいか、野球部員の後輩を籠絡していく様など、ゾクゾクするような声でした。写メ男やコーチと致しているときのそれも、まあ、エロいのなんのって。
アダルトアニメに出演するのは去年のくりぃみぃパイ以来ですけど、あちらが可愛らしいお話だったのに対して、こちらは……という感じですから、いい比較になってるんじゃないかなと。両方を問題なく演じることが出来るのは、凄いことだよ。
まあ、総合的な評価とかはあまりしたくないし、貰うもの貰ってるから、どうにも緩くなっちゃうんだけど、円交少女のメディア作品、その一形態としては良かったんじゃないかなと思う。こういう見せ方もあるんですよ、というのが分かったし、作画とかミスに対する不満は多いけど、くすはらゆいはいい演技してたから、これからもアニメ化には期待していきたいです。
円交少女は私にとって大きな意味を持つエロゲで、2015年のくすはらゆい主演作としては、おそらく最も好きな1本に入ると思います。勿論、15年にはソレヨリノ前奏詞の姫野永遠という、それこそくすはらゆいを代表するキャラがいるわけですが、フォーエバーちゃんを踏まえた上で、私はゆっきーも重要な役だと思う。
原作の円交少女は所謂低価格ソフトで、くすはらゆいとしては初の黒パケ出演作でした。制作したのはFrillで、ここはビジュアルアーツの直営ブランドですから、系列としてはアニメと同日に「銀色、遥か」を発売するtone work’sや、有名どころならKeyの姉妹ブランドと言えなくもありません。くすはらゆいはtone work’sの星織ユメミライにサブキャラで出演して以降、Frillでの主演を皮切りにビジュアルアーツ作品への参加が続いており、本数だけならminori作品と並ぶほどです。
tone work’snニコ生に出演した際、彼女が星織ユメミライのメインヒロインオーディションに落ちていたという話を披露していましたが、制作サイドとしては気になる声優だったようで、めぐるのキャストや、円交少女における主人公のゆっきー、そして銀色、遥かでは遂に作品の概念と呼ばれる存在に、キャラのオーディションをする前に声を吹き込むなど、重用されています。
円交少女は黒パケで、しかも低価格ソフト、こういった作品は得てして中身のない、ストーリー性に掛けるエロだけに特化した作品と、表現は悪いですが、一般的にあまり良いイメージが持たれていなかっただろうと思います。しかし、そこは流石のFrillでした。ゆっきーという一人だけの主人公に焦点を絞る中で、真面目でひたむきだった少女が堕ちていく様、孤独感や虚無感、それらをある意味で淡々と描ききり、フルプライス作品にも負けない強烈な印象を昨年の私に残しました。
そして、世間的にもおそらくそうだったからこそ、このアニメ化を含めたメディア展開に広がったのではないでしょうか?
個人的に思い入れの強い、単純に言えば好きな作品なので、アニメ化という話は素直に嬉しくて、遂に来たか、と思う反面、どうやってあの話を30分にまとめるのか? という疑問もありました。上下巻でないのは情報が出た際に分かりましたから、単巻で完結させるのは分かっていたけど、ここで所謂低価格ソフト……ロープライス作品の特徴というものがあって、ヒロインが一人の場合、共通ルートというものは当然存在しませんが、その分、個別ルートに当たる部分が一般的なエロゲより長いことが多いんですね。
だから、それを単巻でまとめるというのは結構な技術が要求されるわけで、当然、何から何まで原作通りというわけにはいきません。30分で完結させるには、アニメオリジナルの展開や構成が必要になってくる訳です。
あの円交少女をどのように描くのか、気になった私は、このアニメも公式通販で購入すれば台本が当たるかもしれないという記載を目にして、既に特典付きの二店舗で予約しているにもかかわらず、追加で購入しました。僅か5名、とらのキャンペーンを入れても7名、サイン入りというのもあるし、こういったくじ運は良い方ではないから無駄かとも思ったのだけど、やっぱり台本読んでみたいじゃないですか? ダメ元だったけど、当日届いたダンボールがDVD一つ入れるにしては大きいことを悟ったとき、まさか、と思いました。いや、賭けてみるものだね。たまに勝つこともあるから。
まあ、台本の内容はともかくとして待ちに待ったアニメ本編。PVの時点で立ち絵的な美麗さよりも、エロアニメとしての動きを重視する作品なのかな? と思ってたけど、所謂作画の質と言うんでしょうか、世間一般にアニメの善し悪しが語られる際のあれはあまり良くなかったかな。ちょっと崩れてるとか、遠目過ぎて潰れてるって箇所があるのはまだしも、たとえば下着姿でク○ニされていたはずのゆっきーが、何をどうしたか次のカットでは制服を着用しており、また一瞬で下着だけに戻るなんて言う明らかなミスも見られ、そのミスがパケ裏にも堂々と採用されているというのだから、結構深刻だと思います。色指定のミスとかならまだしも、服装がころころ変わるわけですからね。おかしいと思わなかったのかな。
では、エロアニメとしてのエロはどうか? と言われると、これもピンパイらしからぬクオリティだったように感じた。最近は視聴者……これはOVAですから購入者だけど、アニメ見ている人というのは目が肥えているから、作画が良いのは当たり前状態というよくない風潮がありますけど、それにしたってちょっとね。私が断面の多様を嫌うというのもあるけど、ピンパイの他の作品と比較しても、ビジュアルアーツ原作のエロゲをアニメ化したにしては、もう少し丁寧に描けたんじゃないかなと。この辺り、今アニメが放送しているRewriteに近いものを感じる。
じゃあ、肝心のお話、物語部分はどうだったのかと言われると、これは結構良かったです。導入部分を上手いことコンパクトにまとめてましたし、円交に至る過程も、まあ、原作通りでした。ゆっきーが堕ちる……というよりは、淫乱になるのが早過ぎるような気もしましたが、そもそも原作のゆっきーは淫乱だったのか? という疑問もある。ゆっきーはあれで、快楽堕ちしきってないところがありましたからね。
原作で回数、というか経験を重ねて堕ちていくゆっきーに対して、アニメのゆっきーは最初の相手で早くも快楽に堕ちていきます。原作だと様々な相手に、ループのごとく身体を重ねていく中で狂っていくわけだけど、アニメだと対象が2人だけなんですよね。それが写メ大好き男であり、部活動のコーチであると。
アニメのゆっきーは原作以上にサバサバしているところがあって、コーチとの関係を結んだ後は、もはや開き直ったかのようにパコと次の予定について話したり、コーチの鍛えぬかれたものを思い出しては濡れちゃったりしてるわけだけど、彼女の結末自体は原作と同じ、卒業して卒業という感じでした。違った点があるといえば、野球部員が同級生ではなく後輩君になっていたことぐらいで、それによってゆっきーは上から目線でSっ気タップリに相手をするという、蠱惑的なアニメならではの雰囲気を醸しだしてました。これは良い変更だったと思います。
逆にキャラクターに大きな変更があったのはパコです。ゆっきーの友人で、自分の借金を返すために友人のゆっきーを円交に巻き込んだ張本人ですが、勉強が出来ないおバカキャラに見えて、実はそうでもない、というのが原作と、それにノベライズでハッキリ書かれています。
パコは原作だと再会したゆっきーが空っぽな存在になっていたことに気付き、それを円交、まあ、セックスですよね、それによって埋めてあげたみたいなことを言って、実はゆっきーのことを見下しているのだけど、アニメのパコはもっと凄くて、何とビックリ、レイド君が所属するクラブのオーナーだったとか言う、なんだそりゃ? なオチが付いてます。
ちなみにパコがゆっきーを円交に誘う過程はレイドにパーティへと誘われ、お金がないから無理というところを乱暴されたのをゆっきーが助けに入って……という原作と同じ展開。にも関わらず、パコが本当はオーナーで、レイドくんは彼女に跪いて股間舐めてますとか、色々おかしいですよね? ゆっきーが戻ってくると考えて、レイドに乱暴を働くよう一芝居売ったとでも言うのでしょうか? まあ、原作でもノベライズでも、一応はそのようなことを示唆してるんだけど。
原作の馬鹿な弱者と見せかけ、決して頭が悪いわけではないという狡猾さを見せたパコに対して、アニメのパコは、最初からゆっきーよりも上の位置にいたと、そんな設定をつけたんですね。さながら、ホストを侍らせる渋谷の夜の女王です。
正直言って、このオチによってアニメ版円交少女はどこかファンタジーな作品になってしまい、原作やノベライズにあった淡々とした生々しさみたいのが薄れてしまったような気がする。鑑賞後の余韻が、原作他とはまったく違いましたから。
声優の演技については、くすはらゆいは流石、貫禄が出てきましたね。罪デヴなどで姉キャラを経験したせいか、野球部員の後輩を籠絡していく様など、ゾクゾクするような声でした。写メ男やコーチと致しているときのそれも、まあ、エロいのなんのって。
アダルトアニメに出演するのは去年のくりぃみぃパイ以来ですけど、あちらが可愛らしいお話だったのに対して、こちらは……という感じですから、いい比較になってるんじゃないかなと。両方を問題なく演じることが出来るのは、凄いことだよ。
まあ、総合的な評価とかはあまりしたくないし、貰うもの貰ってるから、どうにも緩くなっちゃうんだけど、円交少女のメディア作品、その一形態としては良かったんじゃないかなと思う。こういう見せ方もあるんですよ、というのが分かったし、作画とかミスに対する不満は多いけど、くすはらゆいはいい演技してたから、これからもアニメ化には期待していきたいです。
コメント