2017年も2月に入り、早くも1ヵ月が経過しました。時間というのは人にとって公平でも平等でもないけれど、止まることがないその事実だけは確かで、最近はそのことをよく考えています。時間は待ってくれないし、自分も待ってはくれない。歳は重ね、寿命は縮み、確実に減っていくし、少なくなる。だけど、そうした中で自分が何かを為し得たなら、夢を叶えたとか、成功したとか、それは本当に幸せなことなんじゃないだろうか?
私がくすはらゆいさんと出会って5、6年の月日が経ちましたけど、今日はそんな夢を叶えた彼女の、集大成とも言うべき「くすはらゆい座談会」について書いていこうと思います。

今年に入ってから明らかになったPCゲーム雑誌「BugBug」の2017年3月号特別企画、「くすはらゆい座談会」は、ゆいちゃんがこれまで演じてきた、又はこれから演じる歴代のminoriヒロイン5名を集め、そこにプラス1名を加えての座談会を行うという前代未聞の試みです。
勿論、世の中には青山ゆかりしか登場しないドラマCDとか、そういうぶっ飛んだ奴も前例はあるのだけど、雑誌企画としてすべてのヒロインが一堂に会して、1人6役を同時に演じるというのは、なかなか出来ることじゃありません。BugBugとminori、どちらが考えたのかは分かりませんし、あるいはゆいちゃん個人の持ち込みという可能性もありますが、付録DVDで音声媒体における収録コンテンツとなったのは、何とも豪華な仕様です。
特にゆいちゃんは先月……正確には先々月ですが、年忘れ女だらけの声優座談会のラジオにも出演していますから、音声媒体では2回連続の登場、しかも今度は一人芝居で、一人舞台の独擅場。minoriというブランド力を持ったメーカーのヒロインたちとはいえ、そのキャラを演じてきたゆいちゃん個人の人気や魅力が、今まさに絶頂期を迎えつつあると言っても過言ではないでしょう。メインはトリノラインの企画なのかも知れませんが、表紙にも記載されている人気声優くすはらゆいが1人6役でという表記は、雑誌の看板声優として、文句のない記述だと思います。

さて、そんなBugBug連載コラム「となりヒロインさん☆」番外編minoriヒロイン’s くすはらゆい座談会に出演したのは、以下の6人。
夏空のペルセウス:遠野恋(2012年発売)
12の月のイヴ:宇奈原由紀(2014年発売)
ソレヨリノ前奏詩:姫野永遠(2015年発売)
罪ノ光ランデヴー:椿風香(2016年発売)
トリノライン:紬木沙羅(2017年3月31日発売予定)

くすはらゆい:声優・全キャラクターのCV担当。
事前に告知されていたこともあり、1人6役とはどういうことだろう? と、そんな疑問を抱いた方は多かったと思いますが、何てことはない、ゆいちゃん本人が座談会用に自分自身をキャラクター化して、それを演じたという訳ですね。ラジオCD風とはいえ、DVD用の収録コンテンツですから、ちょっとした映像もあって、恋、由紀、永遠、風香、沙羅の順番に名前と作品名が表記された立ち絵が並んで、下にゆいちゃんの顔アイコンと、彼女の台詞が表示されるテキストエリアがあるという画面構成。立ち絵や顔アイコンはセリフの内容ごとに表情が変化するなど凝った仕様になっており、さながらゲーム画面でした。
喋っているヒロインの立ち絵が明るくなる……つまり、スポットライトを当てられているかのように、今喋ってるのは恋だぞ、というのが見れば分かる仕様になっています。これはおそらく、万が一にも聴き分けできない人がいた場合の措置かも知れませんが、私は音だけでも聴き分けることができました。たとえば、永遠と沙羅は似ているとか言われてますけど、こうして6人の中で聴き比べてみると、明らかに違いましたし。
minoriのライターが書いたドラマ仕立ての内容は、同窓会という体で呼び出されたヒロインたちが、ゆいちゃんの座談会に参加させられる、もとい、参加することになった訳ですが、最初に登場したのは新キャラの沙羅。最初といっても、実は彼女が最後の到着で、会場にはゆいちゃんを始め、他ヒロインが揃っていました。そして全員でタイトルコールをした後、座談会が始まります。

BugBugが公開した企画用のビジュアルでは姫野永遠が中心に据えられており、私はそれが少しだけ不満ではあったんだけど、考えてみれば5作品5役ですから、永遠は丁度3作品目、つまり真ん中なんですよね。登場順、出演順という意味でのセンターヒロイン……とまでは言いませんが、直近でグッズが出たりと、人気者っぷりをアピールしており、彼女が今回の座談会における「進行役」となっていました。
確かに恋も由紀も進行役って感じではないし、風香もできるとは思うけど、この5人のまとめ役としてはやや弱い。沙羅も新参者であることを思えば……まあ、永遠になっちゃいますよね。ヒロインのキャラクター性という意味では、永遠だけはぼっち臭が薄いというのもあるんでしょうけど。恋や由紀、風香や沙羅は一様に友達いないことを口にしますし、当のゆいちゃん本人も昔は……だけど、この座談会に登場する3年時の永遠は作中で所謂高校デビューに成功し、社交性も高く、友達が多い設定です。本人は本当の意味で親しい相手はいないと言っており、それは事実なんですが、人嫌いの恋とか、研究所に籠もっている沙羅なんかよりはよっぽどマシでしょう。
それにもっと言えば、姫野永遠は一度「となりのヒロインさん☆」に出演したことがある、2回目の登場なので、そういった点も加味されたのでしょう。先輩風を吹かすスターですよ、スター。
流れとしては、座談会とはいうものの、あくまでコラムの番外編だから、登場ヒロインと作品についての紹介を順番にしていきます。これは発売順に則っており、当然最初は遠野恋、夏空のペルセウスです。2012年の12月に発売されたこの作品は、くすはらゆい初のメインヒロインを演じた記念すべき一作で、まず間違いなく彼女の転機になりました。
恋は「わたしが初めての女ってことね!」と誇らしげでしたが、確かにゆいちゃんは夏ペル以前にも出演していた作品があるにはあるも、それで名前を知られていたかと言えば、失礼ながらそうでもなかったので、彼女を今の地位に押し上げたのは、遠野恋と夏ペルの存在が大きいでしょう。実際、恋と出会わなければ声優を辞めていたかも知れないと、ゆいちゃんは本音を漏らしています。この辺りのエピソードは、エリソデのスペシャルウィークに出演した際も話していましたね。

夏ペルの頃はまだ楠原ゆい名義だった彼女が、夏ペルと出会い、もう一つ経験したのがラジオパーソナリティーで、今や毎作品ごとに恒例となっているWebラジオもペルらじが一番最初でした。
当時の記憶を紐解いてみると、夏ペルのときはminoriが今とは違うニコ生を積極的に配信していた時期でもあり、その中での情報が色々と多かったように思います。ラジオをニコニコで配信する、という話も、ニコ生が初出でした。この作品はキャストの発表と体験版の公開が同時に行われたこともあり、ラジオをやると言われたときも、「多分、恋ちゃん役の子になる」ぐらいなもんで、その恋ちゃん役は誰なのよ? という感じでしたけど、体験版の公開から4日ぐらい経ったときですかね、ペルらじの第1回が配信されたのは。
確か既に夏ペルのオフ会がスタートしていて、メッセサンオーか何かで開催されていたオフ会の日取りと、予定されていた配信日が重なったみたいな記憶もあるんだけど、そこのところは曖昧です。
エリソデでゆいちゃんは当時の事務所の売り出し方について語っていましたが、それに批判的とは言わないまでも、否定的だったのがminoriの社長であるnbkz氏で、「この子が何故埋もれていたのか分からない」とか、「事務所のサンプルボイスがおかしい」と頻りに言ってましたが、結論から言って、それは正しい指摘でした。
年上キャラを狙っていけと言われていたゆいちゃんにとって、遠野恋はそれとは真逆の可愛い女の子であり、自分のその後を変えたキャラでもありますから、思い入れも深いのでしょう。

ペルらじと言えばブタの物まねと言うことで、懐かしのブタの鳴き声を披露していましたが、恋を演じたときは初めてのメインヒロインではあるけど、そんなに苦労はなかったとのこと。考え方や、ボッチなところが似てるんだとか。むしろ、大変だったのは前述のラジオで、ラジオは大好きだけど、好きだからこそ上手くできなくて凹んでいたんだそう。まあ、反省会コーナーがあったぐらいですからね。今でこそ、ラジオでは名パーソナリティーになってますけど、数年も遡れば、ゆいちゃんにもそんな時期が合ったのです。
思えば、あの頃から私は彼女のラジオに沢山メールを出すようになって、本格的にハガキ職人……当時はもうメールですけど、つまりは投稿リスナーとして復帰したのは、ペルらじと、ゆいちゃんに出会ったのがキッカケでしたね。自分でも不思議なぐらい、彼女には惹かれていた。懐かしい記憶です。
夏ペルはエロい作品だったと由紀と風香が茶々を入れますが、「それを言うなら風香だって……」という恋の反論を由紀がシークレットだと封じ込めます。ここ少し不思議だったんだけど、由紀のパートで由紀が主人公の娘であることはあっさり明かしてるのに、風香が主人公の姉であることは秘密なんですね。直近の作品とは言え、1年前なのに。ここら辺はminori側の判断、という訳か。
続いて由紀のパートだけど、ここで沙羅が、永遠が仕切っていることを面白いと表現し、永遠がバイトですからとぶった切ります。永遠にとって、この集まりはバイトらしい。
あまりの言い様にゆいちゃんも「座談会はみんながわたしを想って集まってくれた企画」だと言いますが、少し自信なさげ。そんな彼女をフォローしたのが風香なんですけど、その優しさにゆいちゃんは「風香……いい子だ……」と感動しています。ここで注目すべきは、ゆいちゃんが風香のことを呼び捨てにしていることですかね。基本的にこれまでのコラムでも、ゆいちゃんは自分が演じて気やヒロインを「ちゃん付け」で呼ぶことが基本で、今回登場したヒロインも風香以外は「ちゃん付け」です。
けど、風香は永遠と同級生と言っても、年上キャラ、姉キャラだから、意識的に呼び捨てとなるのかも知れませんね。

そして由紀の話。12の月のイヴは、くすはらゆいが所謂美少女ゲームの出演数を大幅に増やした2014年に発売された作品で、その年の最初に演じたのが宇奈原由紀になります。実は夏ペルとイヴの間、つまりは2013年の出演作って、夏ペルのドラマCD類を除けば大図書館の羊飼い ~放課後しっぽデイズ~の1作しかなくて、しかも、あれがミニFDだったことを考えると、フルプライスの商業ゲームはイヴが2作目だったとも言えます。そういえば、発売記念飲み会もここからでしたっけ。
夏ペルで一番人気なのが恋であることは疑いようもありませんけど、あれは透香がグランドエンドだったこともあって、主演と言えるのかどうかは判断が分かれるところです。しかし、由紀はまず間違いなく主演であり、作品のメインヒロインであって、そういった意味でも大役と呼べるキャラだったでしょう。
今回の座談会で由紀は始終明るいキャラクターを貫いてますが、本編では裏に色々と抱え込んでいる少女でもあり、後半につれて病気のこととか、そういうので段々と弱っていく、変化や落差のあるヒロインでした。やはり、演じていく中でそういった過酷な状況に心が辛さを覚えることはあったようで、原画家の柚子奈ひよ先生と話した際に、「特に幸せになって貰いたい」という話をしたらしい。
又、最終的には違うことになるとは言え、主人公の娘役を演じたのは後にも先にも由紀だけなので、そういった意味でもオンリーワンの存在なんだとか。そういえば他にいませんね、娘って。
ゆいちゃんはどのヒロインに対しても真摯な姿勢と解答を行っており、勿論、それはどこか感傷的な部分もあるのだけど、芯のある言葉に流石のヒロインズも照れ照れ。永遠が言うように、一つの役に色々な物を込めていることがよく分かります。

そしてお次は永遠なのだけど、ここまで彼女が進行役だった都合上、代理として由紀がゆいちゃんに質問をしました。ソレヨリノ前奏詩は2015年に発売された作品で、飛躍の年だった2014年に続き、くすはらゆいを人気声優に押し上げ、固定させた年だったと思います。永遠はそんな2015年の初期に演じた、彼女の人気を決定づけたヒロインです。
キャラクターとして特に人気があったというのは決して世辞などではなく、現に冬コミで抱き枕カバーも作られてますからね。私見を述べると、姫野永遠の人気が出たのは由紀が指摘したような黒髪ロングもそうですが、原画家・柚子奈ひよの絵柄が完成されたのが永遠からなんじゃないかと思う。あやめや由紀の頃は、やっぱりまだ新人って感じが強かったけど、永遠は何て言うか……minoriらしい絵柄にブラッシュアップされた感があった。
そこがくすはらゆいの名演技と上手くマッチして、その年を代表するようなキャラに仕上がったのだと思うけど、私は敢えて言いたい。それでも遠野恋の方が人気だと。いや、別に永遠も永遠で好きなんですが、彼女は結局恋の延長線上に存在するキャラだと私は思っているのと、やっぱりほら、始まりのヒロインには思い入れも格別でね。くすはらゆいと言えば、遠野恋で合って欲しいなと、そんなことを考えてしまう。
けれども、ゆいちゃんは他メーカーのスタッフにも永遠が好きだと言われることがあるらしく、翌年には似たようなキャラクターを演じることもあったから、永遠が与えた影響は決して小さいものではないでしょう。当人は、「わたしが人気になるのは当たり前のことよ」と増長していますが、「あなたのおかげでもあるけれど」と、ゆいちゃんに言う辺り、彼女なりの優しさが見て取れます。
永遠は作中で1年次と3年次での容姿や雰囲気の変化についても触れられますが、風香が「1年次の永遠ちゃんは、所謂オタク受けが良さそうな大人しい子だった」とはっきり言ってしまう辺り、ちょっとクスッとしました。確かに考えてみれば、オタク受けしそうなのは3年よりも1年の頃ですよね。
沙羅には、「3年次は如何にもデビューしたって感じのリア充でアイドルっぽい子」と評されてますが、永遠は黒歴史扱いされているみたいでどこか恥ずかしそう。
ゆいちゃん的には、やっぱり真響ルートでの選ばれなかったときの痛みがいまだに忘れられないらしい。残酷なシーンではあるんだけど、私はあのシーン好きでね。迫真の演技とは、ああいうものを言うのだろう。

風香は何と言っても姉キャラであることが最大の特徴だけど、主人公の姉であることはシークレットなので、お姉さんポジションという言葉で上手くぼかされていました。先輩キャラクター、あるいは年上、そういたヒロインは風香以前にも何度か演じていますけど、明確に姉ポジションだったのは、確かに風香が最初ですね。
罪ノ光ランデヴーは昨年、2016年に発売された作品で、ゆいちゃんは主演ではなく、助演で出演していました。風香は勿論攻略ヒロインではありますが、グランドエンドを担う作品その物のメインヒロインではないんですね。
座談会で上げられた罪デヴの特徴はファンタジー要素がないこと。これが前三作との違いであり、今までにない作風とキャラクターであると定義されていました。何故、罪デヴでファンタジー要素が排除されたのかと言えば、当然それは意図的なことであり、「ファンタジーに頼ると話は作りやすいが、流石に能力モノが続いている」とかなんとかで、一度それに頼らない物語にしたかったとか何とか、そんなことをスタッフが言っていたような気がします。
ただ、それ故に罪デヴは奥まった田舎が舞台と言うことも合って、全体的に地味な印象が拭えないのだけど、逆にヒロインが強烈な個性を持つことによって、その不足分を補っているようにも感じました。風香も当然その一人で、ゆいちゃん曰く、「風香は完成された、飄々とした人間に見えて真逆だった」とのことで、いけないとしってても肉欲に走ったり、思考が千々に乱れたりと、リアルな人間くささを感じたらしい。
罪デヴのヒロインは基本的に面倒くさくて、風香はその中でもマシな部類なんだけど、これもやっぱり姉キャラとして立場が上だからなのかも知れません。

風香に対する言及もそこそこ、オーディションの話に移ります。
minoriは作品のキャストを選ぶ際、毎回スタジオオーディションと面接を行うことが有名ですけど、ゆいちゃんは指名ではなく、ちゃんとそのオーディションを勝ち残って役に選ばれています。勿論、呼ばれるか呼ばれないかという点や、常連だからやり慣れている部分もあるんでしょうが、それでも5作品連続出演というのは大したものです。常に新しい扉を開いて貰ってるとは言え、流石に5作連続で出られるとは思ってなかったらしいけど、その期待に応えられるように頑張りたいとのこと。
私の個人的な意見を言えば、5作連続出演は無茶だと思っていたところが実はあって、それは彼女が沙羅役だと発表される前によく考えていました。けれど、サンプルボイスが公開され、体験版をやった後には、杞憂とまでは言い切れないにしても、多分大丈夫だろうぐらいになって、今回の座談会で絶対大丈夫だという核心まで持ち直しました。
ただ、恋は5作連続出演が如何に凄いことでも、自分が過去のキャラになっていくことへの不安があるようで、ファンが自分のことを忘れないか嫉妬する気持ちがあるらしい。この辺り、結構難しい話になるんだけど、前述のように永遠は2年経っても人気が持続されていて、minoriファン……あるいはくすはらゆいファンの中にも、永遠から入ったという人は、一定数いると思うんですよ。
ゆいちゃんは恋ちゃんも大切だよと言ってくれるし、私だって恋が一番大事ですけど、なかなかね、新規のファンを過去作に振り向かせるのって大変だから。まあ、そう考えると永遠だってその内に過去となるのだろうけど。名前は永遠なのにね。

最後は沙羅なんだけど、ここで一つ茶番が入って彼女は丁度収録のために離席していたということで、トリノラインは今まさに収録中らしい。この作品は2017年の3月に発売される訳ですが、既に体験版が公開されています。私はプレイしましたが……感想をここで書くのはやめておきましょうか。長くなるし。
「じゃあ、最後ってことで、トリがトリノラインってことで」
と、永遠ちゃんの寒いギャグで話が沙羅に移りますが、永遠がそんなことを言うものだから由紀と恋が過剰に反応。明日は霰でも降るのかと驚きますが、永遠に言わせれば、「まあ、こういう面も見せて好感度稼がないと。スターは辛いのよ」とスター気取りです。永遠って、基本的に自尊心高いですよね。女としてのプライドが一番生々しいというか。
沙羅はオーディションの時と印象が変わったキャラだそうで、最初はトゲトゲしたイメージだったのが、体験版部分の台本を読んで結構印象が違ったらしい。そこで演技の方向性を定めていったそうだけど、私の感覚だとトゲは抜けたけど、牙はまだ生えてる感じかな。あ、演技ではなくて沙羅のキャラクターがね。ゆいちゃんや、それに作り手側に言わせると沙羅は優しい女の子らしいけど、主人公やプレイヤーには、体験版段階でまだ伝わっていない感じがする。
これからプレイする人に向けてのゆいちゃんのコメントは、「トリノラインのヒロインたちは、みんないつものminoriヒロインらしく、生々しかったり面倒くさかったりが魅力的な子ばかり」とのことで、まあ、体験版をやった限りでもそれは思った。逆に面倒くさくないminoriヒロインって誰だろうね? 羽山ミズキ? あれは相手の男が面倒くさい奴だったけど、久瀬さんにしても当初はミズキ鬱陶しかったんじゃないかな。
まあ、後はアンドロイドに絡めてSFの重厚なストーリーもお楽しみに的な感じだったけど、果たしてユーザーの想像を飛び越える何かがあるのかどうか。
結局さ、夏ペルから罪デヴと、難ありのヒロインたちが続いていて、ゆいちゃんも言うように生々しくて面倒くさいヒロインが多いのだけど、最終的にくっつくじゃないですか? minoriがユーザーの物語におけるストレスフリーをどこまで考えているのかは分からないけど、たとえばシロネが結局壊れましたとか、機能停止しましたとか、くっつきませんでしたみたいな展開は想像しづらいし、オチや結末は見えてるよなと。
まさかブルーフェアリーが現れて、頑張ったシロネちゃんを人間にしてくれました、何てことにはならないだろうし。

話は沙羅がアンドロイドの研究者、開発者であることに及び、一家に一台くすはらゆいアンドロイドを作らないかという恋の提案に風香が乗っかり、お金ならこれを聴いてる人が出してくれるとまで。アンドロイド一体が幾らするのかは分かりませんが、まあ、出すね、出すよ、一家に一台とは言わず、私の家だけに欲しいぐらいだわ。
由紀も便乗したことで話が纏まり掛けるも、永遠だけは何を言ってるのかよく分かってないという状況。良い子ちゃんめ。
そんな訳で座談会も終わりに近づき、エンディング。エンディングの内容が、BugBugのツイッターで公開されていた台本の一部だったんだけど、なるほど、こうなっていたのね。まあ、ここからは深く内容に触れないけど、何気にエンディング後も用意されてました。その名も、くすはらゆい座談会のあとがき。懐かしい響きですけど、この企画が雑誌コラムの番外編であると同時に、minoriラジオの延長線上でもあることが分かります。内容は差し控えますが、一つだけ、全ヒロインを再回想する中で、風香の声は嵌まる感じのキャラクターがいたら使ってみたいなと思っていた声で、元々用意していたものであることが明かされていました。確かにゆいちゃんとしては珍しい声だったけど、隠し球として作っていたとは、なかなかどうした、底が知れない人ですね。一体どこまで伸びるのか、私はその果てまで着いていきたい。

時間にして約24分かな? BugBugでの連載も気付けば2年近く、そうした中で生まれた企画ではありますが、誌面の方では12ページにも及ぶトリノライン大特集が組まれており、そのラストでもゆいちゃんの文章が、「くすはらゆい座談会」収録秘話という形で載っていました。特別企画の裏側を紹介する訳ですね。その中で目を引いたのは、minoriヒロインをゲストに呼ぶタイミングをどうしようか迷っていた、という話で、人数が多いのもあるけど、やっぱりminoriヒロインって彼女にとって特別な存在だと思うんですよ。
だから、姫野永遠みたいにコラム連載一周年とか、そういう節目や記念日みたいのじゃないと、なかなか呼びづらいものがある。特に恋なんかは、こんな機会でもないと出せなかっただろうしね。まあ、一度こうなったからには遠野恋は最終回まで引っ張って貰いたいところではありますが。ゆいちゃんも言ってたけど、座談会では恋に末っ子感があったから、最終回で単独出演したら、又違ったものになるんじゃないかなと。
そして今月のコラムについて。分割するかどうかで悩んだんですが、まだ文字数に余裕もあるしこのまま書いてしまおうかなと。
番外編は番外編として、今回でくすはらゆい連載コラム「となりのヒロインさん☆」も22回目。前回は「甘えかたは彼女なりに。」から新倉朋美が登場しましたが、今月号はCLIP☆CRAFTが2016年10月に発売したユニオリズム・カルテット A3-DAYSより、新規追加ヒロインのティアナ・ハーフェル・ネーデルラントがやってきました。名前の長さではこれまで演じてきたヒロインではおそらく最長、紹介サイトなどでもティアと略されて載っていることが多いのですが、このコラムではフルネームをババーン! と……少し窮屈そうでしたが記載しています。

ティアちゃんゲットだぜ! で始まった対談パートですが、今回はお外でポケモンGO!をプレイしている最中に出会うという、今までにないシチュエーション。ティアは作中でゲーム好きという設定があって、ゆいちゃんがポケモンGO!に嵌まっていることからも、上手く考えた導入部分だと思う。ちなみにレアポケモンはゲットできなかったそうで。
ティアは学生ながら剣術を得意とする騎士で、魔剣バルムンクを操り、実力派の騎士も圧倒するほど。武器の強さに天賦の才も相成って、作中どころかこれまでゆいちゃんが演じてきたヒロインの中でも、トップクラスとも言うべき戦闘力の持ち主です。しかし、彼女は日常的にはゲームとお菓子を愛する怠け者な性格で、クールに見えてコロコロ表情が変わるなど、可愛いところも沢山ある。又、主人公に対して妹属性と言いつつも、小悪魔的な部分を強く出しているのが印象的でした。
ゆいちゃんの演じた際、収録時のエピソードとしては休憩時間にスタッフからキャラや世界観の拘りを詳しく聞いて、演技の参考にしたらしい。今回のユニオリは前作からの続編だから、ある程度纏まった情報がある訳だけど、ゆいちゃんは流石勉強熱心というか、研究熱心だなぁと感心してしまう。ちなみにスタッフ曰く、ティアは猫っぽくて、セルフィは犬っぽいらしい。確かに真面目一辺倒なセルフィを思い出すに、なるほどと思ってしまいますね。ティアの猫にしても、彼女のルートをやると確かにそういうところありますし。
そして最後は再びレアポケモンを発見するという、最初から最後までポケモン尽くしで終わりました。
対談前の近況トークは、昨年開催された冬の電気外祭りに言ったという話や、姫野永遠の抱き枕カバーが発売されたとことに触れていました。同じく電気外では今回ゲストに来たティアの抱き枕も売っていたのですが……まあ、結婚イベントのインパクトには勝てないか。
ゆいたんの近況・一言も、やはり座談会企画に触れていて、BugBugの公式ツイッターで公開されている台本がゆいちゃんの使ったもので、キャラごとに引いたラインマーカーについて説明しています。ちなみに、アドレスを載せておくとこんな感じ。
URL:https://twitter.com/bugbug_info/status/819132967775707136
恋が青で、由紀が黄色、永遠が紫で、風香が赤、そして沙羅が緑ですね。
出演作Hotいんふぉは、しゅがてんから4月新作のはにデビまで記載されていましたが、特集記事もあったゴールデンアワーは載っていませんでした。スペースの都合上もあったんだろうけど、はにデビは今月号に記事が載ってなかったんだし、ここは表紙にもあるゴールデンアワーで良かったんじゃないかな? まあ、色々都合があるんだとは思うけど。

他に特筆する記事と言えば、コラムの裏面。つまり、次のページに載っていた聖鍵遣いの命題×くすはらゆい特別企画夢野いちご先生の貴重な経験を写真に撮ろう」開催のお知らせでしょうか。これまたゆいちゃんの企画ですが、私も同人誌を出したせかぽじとの企画で、実は去年の内からニコ生で素案が出ていました。
どういう企画かと言えば、昨年の電気外で発売され、現在通販中のゆいちゃんがせかぽじで演じたサキ・アイハラの抱き枕カバー、「夢野いちご先生の何事も経験抱き枕カバー」「目隠し写真」を取ろうというお馬鹿な企画。詳しい参加条件や期限などは本誌の方で読んでください。ちなみに私は幾つか案を用意していますが、早速ツイッターの方にアップしようかと思っています。
後は……ゆいちゃんの出演作だけでもかなりの記事があるんですけど、巻頭企画のトリノライン Android with Loveについても書いておきますか。総ページ数12Pの大特集なんですけど、この程公開された体験版には収録されてない新規CGだとか、ヒロインインタビューなどが載っていて、盛りだくさんな内容でした。1ヒロインに付き3ページ、サブキャラの情報載せつつ、オフ会のことも書いてありましたか。
オフ会は顔出したいんですけどね。公式通販で購入したもんだから、店舗で買う予定というのが今のところなくて。まあ、複数本買っても良いんですけど、ご存じの通り3月は発売される作品が非常に多くて。財布の底が抜けそうな程には重いのが難点。
次の記事は2月新作のしゅがてんで、こちらも先日体験版が公開されましたけど、それ以上の情報ってのは載ってませんでしたね。彩色済み特典の公開も最近されたばかりで、私はちょっと延期を疑ってます。ミドルプライスの作品だからといって延期するときはしますし、過去にはサツコイがそうでした。けど、ほめらじや処女ラジと言ったラジオ番組にゲストとしてゆいちゃんとかウーサァを立て続けに送り込んでるのをみると、この心配は杞憂かも知れません。

掲載順で紹介していくとしゅがてんの次のページはゴールデンアワーの記事で、こちらも4ページとそこそこのボリューム。HPが公開されたばかりと言うこともあって、Hシーン含めた新規CGが多く掲載されていました。6月発売にしては情報が多く、気になったのは記事におけるヒロインの紹介順。公式サイトや販売サイトなどでは、あじ秋刀魚さん演じる広瀬夏未から始まり、鈴谷まやさん演じる北上まりかに続く訳だけど、何故過去の記事では広瀬夏未の次に名取すず、つまりはゆいちゃんの担当キャラが載ってました。
北上まりかはその次のページで、七北田瑠璃と1ページに収められており、そこがちょっと意外だった。ユキは重要なヒロインだから分かるんだけど、どうして順番が入れ替わったのだろう? まさか、ゆいちゃんが演じているからじゃないだろうし。
原画家・南浜よりこさんのコメントによると、デザインのポイントはアイドルになる一歩手前の女の子だそうで、ショートボブの髪型は読者モデルという設定を意識したらしい。又、公式サイトのキャラ紹介には所謂3サイズなどの情報が載っていないものの、南浜さんによればすずが一番の巨乳らしく、Hシーンも見所なんだとか。
水葬銀貨のイストリアも1ページ記事が載ってましたけど、こちらはゆるぎのCGが載っていたものの……げっちゅ屋に掲載されている奴を、縦にしただけ物って感じですね。一瞬見覚えがないような気がしましたけど、確認したら同じでした。キャラ紹介やあらすじにも新要素はないので、むしろHPで行われているQ&A企画とかを見た方が楽しいかも知れません。
神頼みしすぎて俺の未来がヤバい。は、公式サイトやげっちゅ屋にも載ってないようなHCGが解禁されてましたが、2ページ記事なのでサブ合わせて6人もいるヒロインを紹介するにはちょっと手狭ですね。ゆいちゃんは主人公の妹、神林真央を演じていますけど、私が以前に貰った冊子での扱いを考えるに、どうもサブヒロインっぽい気がするのよね。一応記事があった人気声優のつくりかたでメインだったから、バランスを取ったのか……遥そらさんの役もそんな感じだし。

久しぶりに掲載された春音*アリスグラムの記事は1ページで、一応エリサとゆいちゃん演じる耶々の新規CGっぽいものはありました。この作品が延期しているのは原画作業の遅れだそうですが、何かもう1回ぐらい延期しそうだよね。未だに体験版も出てませんし、彩色済み特典も公開されてない。隔週だったラジオは1ヵ月の間が空いて、サンプルボイスだってこの前公開されたぐらいですから、ちょっと不安要素が多い。
個人的にはかなり期待している作品なので、何とかして欲しいんですけどね。エロゲは1回、2回程度の延期なら許されるというか、延期することでクオリティが上がるならっていうのをユーザーが望んでしまってる面もあるから。勿論、未完成品を売りつけられるよりはマシなんだけどさ。まあ、エロゲの延期理由も色々ありますけど、この作品に関しては原画の遅れと判明してますから、原画陣の仕事ぶり次第ではありますが。
ゆいちゃん出演作はこれぐらい……かな? それ以外の記事だと、ああ、記事ではないけど、こいのす☆イチャコライズの動画がDVDに収録されてますね。栖崎あんずさんの出演作だけど、こいつがちょっと問題ありと言いますか、まあ、eRONDO関係者のTwitterを見て貰えば、現在進行形で色々起こってることが分かると思うんですが、これが少し残念だったかなと。折角のくすはらゆい集大成とも言える記念すべき号で、よりにもよって栖崎あんず出演作で問題が起きたなんてのは、酷い皮肉ですよ。
勿論、私も出版人ですから、こういうことは起こり得ると分かっているのですが、この号にだけはケチが付いて欲しくはなかったというか。

今回はこんなものですかね。2万字ぐらい行くかと思ったけど、割と1万5000字程度で収まってしまった。まあ、文字数書いたから偉い訳でも、凄い訳でもないですが、我ながらよくやるよなと。もっとも、くすはらゆい座談会ばっかりはね、私にとっても大きな意味のある企画だったし、エリソデとか、そういうので回顧することも多かったから、自分自身が回想の旅に出るような気持ちで、色々と振り返りました。
一つ言えるのは5年、あるいは6年、もっと言えば今年で7年? 私はくすはらゆいファンを続けてきた訳ですが、彼女ファンで良かった、続けてきて良かったと、しみじみ実感することができました。そして、これからもそうであり続けたいと、心の底から思ったのでした。
それではまた来月。次号はいよいよ2016年美少女ゲームランキングの発表だそうです。何が1位になるのか、発売日の雛祭りが楽しみだ。

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