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ヨスガノソラ コミックス1巻画像レビューページ
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水風天さんによると来月は単行本作業のため休載だそうです。どこまで修正されるのか、台詞意外にも結構ありますからね。私としては、現在カタカナ表記されている「ソラ」を、「穹」にして欲しいんだけど、さすがにこれは無理かな。色々制約があるのでしょうし。
今月号、つまり第6話までが1巻分だと思うけど、こうして振り返ってみるとコミカライズとしての進行具合は少し早めな気がする。

前回、穹が倒れたところから物語は再開。
顔に汗を浮かべながら意識を失いつつある穹に、ハルが必死に叫び、呼びかけています。けれど穹は目を空けることが出来ず、亮平が言うには急に様子が変わったらしい。おそらく発作を起こしたのでしょうが、穹が未だに発作を起こしていることを知らないハルは、いつものように少し具合が悪い程度では済まされない事態に動揺が隠せません。焦るハルに、穹がなんとか目を開けて答えます。

「大丈夫…家…に発作の薬が…あるから…」

それを飲めば落ち着くと思うと話す穹ですが、なにせ今いるのは瑛の神社で、家に戻るにも距離があります。ましてや、穹は動かすにも難しい容態です。対応を決めかねるハルですが、そこに救いの手が差し伸べられました。

「うちの車を使うといい」

表紙は神社ないし上の湖と思わしき場所で、木に右手を当てている私服の穹と、やや斜めながらも背中合わせのように立っている瑛の後ろ姿。意外なのはこのときの両者の表情で、穹はいつものように無表情なのですが、瑛はまるで無感情。表情が死んでいるといっていいほどで、普段の姿からは想像も出来ない顔をしています。あるいはこれが、笑顔という名の仮面に隠れた瑛の本心なのかも知れないと思うのは、少し考えすぎでしょうか? 瑛に限らずだけど、後ろ姿を観る機会ってあまりないのでちょっと新鮮です。

車で家まで送り届けて貰ったハルと穹。カプセルの薬を二粒のみ、穹はどうにか落ち着いたようです。自室のベッドで寝息を立てていますが、見つめるハルの表情は少なからず重め。まあ、発作を起こしていたことを知らなかったのだから無理もありませんが、私としては何故私服で寝ているのか方が気になった。前回を読めば分かるし、今回の冒頭もそうですが、穹はお祭りに参加するため原作ではなかった浴衣姿を披露していました。それが発作で倒れて帰ってきて、安静にしなければならない以上着替えるのも判りますが、どうして私服なのかと。ご丁寧にツインテールだった髪はストレートになっており、しかもリボンまで結んである。普通に髪は下ろして、原作通りの寝間着を着れば良かったんじゃないだろうか。というか、私服書く方が面倒なのではないだろうか……うーん、謎だ。コミックスでの修正に期待しましょう。
不安げな表情を浮かべたまま穹の部屋を出たハルは、旧医院のスペースで待って貰っていた渚さんの父君と会話します。そう、ハルと穹を家まで送り届けてくれたのは渚さんの父君でした。考えてみれば前回渚さんがハルと言い争っていた場所は社務所の前ですし、寸前まで中で親子喧嘩が行われていたのですから、血相かえた亮平が呼びに来たのを見て何事か、と後を追うのも判らなくはない。娘の友人ないし知り合いというのは見れば判っただろうし、それ以前に人命の関わることです。不倫はしたけど義侠心に篤そうな父君なら、助けてもくれるでしょう。

「にしても、君が春日野先生のお孫さんだったとは」

自己紹介が遅れたことを詫びながら、ハルは自分と穹が両親を亡くし、二人で奥木染まできたことを話します。さすがに街の顔役、ハルの苦境を理解した上で、なにかあったら私に言いなさいと、温かい言葉をかけてくれます。言葉自体は原作にもありましたが、シチュエーションがまるで違い、渚さんの父君は診療ベッドに手を触れながら、ハルの祖父に世話になったことを語り、感慨に耽ります。娘もここで取り上げてもらったよ、と。
そんな父君の姿に思うところ合ったのか、ハルは意を決して物事の核心をついてしまいます。

「……天女目を養子にだすって本当ですか?」

ハルはなにも、唐突に訊いたつもりはなかったんだと思います。祭りの席で見た親子とは思えない瑛と父君の会話。そして、娘もここで取り上げて貰ったという、おそらく渚さんのことだけを言っているのであろう父君の言葉に違和感を憶えて――もっとも、コミカライズ版の瑛がどこで生まれたかは、判らないんですけどね。
ハルの指摘に父君は驚きますが、その程度のことで激昂するようなお方ではありません。ハルはたまたまとはいえ立ち聞きしてしまった非礼を詫びますが、父君はそれを責めようとはしませんでした。

「元を正せば、私の責任なのだ」

過去の過ちは正せない、けれど、せめてもの償いをしようと思った。父君なりに考えてはいるのでしょうが、そう簡単に上手くいくものでもありません。不倫相手の子供を奥方が快く思わないのは当然でしょうし、原作と違い使用人という身近な存在であれば、抱いている感情もまた違うはずで、自分が悪い以上は強くでることも出来ない。だけど娘たちは仲がよく、渚さんはいつの間にか瑛と強い絆で結ばれた関係になっている。一人の大人が抱え込むには、大きすぎる悩みです。

「こんな時、春日野先生がいたら相談もできたろうに」

元々産まれてきた子どもに罪はないと考えていたのがハルと穹の祖父母ですし、瑛が奥木染で暮らしているのも、今は亡き天女目老人の意思は勿論、二人の存在や影響力もあったのでしょう。そんな春日野先生の孫だからなのか、つい悩みを打ち明けてしまった父君に対し、ハルは多少躊躇いながらも口を開きます。

「……祖父母も今の状況を望んでいないんじゃないでしょうか?」

まったく、渚さんの父君はハルに驚かされてばかりです。ハルが聡明なのか、それともお節介ながらも正論を言っているからなのか、自分たち兄妹にも別々に引き取るという話があったことを明かし、それを断ってここに来たのは離ればなれになりたくなかったからだと言います。

「あの二人もきっと…同じ気持ちだと思います」

その言葉と、ハルの真摯な表情に唖然とする父君は、ハルが既に渚家と天女目家の事情を知っていることを確認した上で、得心がいったように頷きます。

「そうだな…先生だったら、そう言うだろうな」

診療所の窓から、医院に向かって駆けてくる渚さんと瑛が見えました。渚さんが瑛の手を引き、おそらく母親が乗っている車に同乗することを避けたのでしょう、走ってここまで来たようです。

「あの二人…本当に仲のいい姉妹になったものだ」

瑛のことは、もう一度妻とよく話し合ってみると、素の時は瑛のことは呼び捨てなんですね。対面時は君付けで、かなり他人行儀だったのに。渚さんの母君も少し書かれましたが、表情は車の窓ガラスの反射で隠れており、髪が短い中年女性程度しか分かりませんでした。少し痩せている気がします。間違ってもふくよかではない。渚さんは母親の姿に渋面を作りますが、父君は時間が掛かってもみんなが納得できる答えを探してみようと、そう言ってくれました。

訪ねてきた渚さんに応対するハルですが、瑛の養子話はひとまず保留とし、父君は引き上げていったようです。それはともかくとして渚さんはハルが盗み聞きをしたことを責めますが、どちらかといえばこの問題に深く関わりすぎていることが嫌なのかも知れない。まあ、家庭の事情だしね。
怒った渚さんはハンパなく怖いという感想を抱くハルですが、そこに瑛がフォローを入れてくれます。

「ハルくん、ハルくん。ああ見えてすごく喜んでるんだよ」

「お姉ちゃん!!」

本当にありがとね、と礼をいう瑛に、少しぐらいは感謝するという渚さん。素直じゃないなとハルに茶化され声を大きくしてしまいますが、話はそこらから穹のことへと移ります。元々穹のことを確認しに来たんでしょうね。容態も落ち着いたから安心したと、瑛と渚さんは早々に引き上げます。

「何かあったら力になるからね」

二人を送り出し、思うところ合ったのかハルはポツリと、

「……兄妹…か」

そのように呟くのでした。


白い天井、いつもの光景。穹は夢の中にいて、今日も退屈な一日が始まります。

「ん…」

何故か病院のベッドでもリボンを付けたまま寝ている穹ですが、目を擦りながら身を起こすと、ハルがベッドの横で突っ伏しているのが見えました。

「ハル?」

「…んあ?」

今回はハルのディフォルメというか、少々愉快な顔が多い気がします。基本、水風天の描くハルはプレイボーイ風な表情が多いので、これは少し新鮮というか、初めて見る感じでした。
おはようの挨拶をしながら、どうして病室で寝ていたのかを問う穹に、ハルは答えます。

「休みだから来たんだけど、穹寝てたから」

今日が日曜日であることを思い出しながら、なにか変わったことでもなかったかと訊ねる穹。ハルはこの前お祭りに行ってきたという話を披露し、穹はそれに耳を傾けます。

――ハルは時間を見つけて会いに来てくれる

――ハルが来るのが一番嬉しい

――私…ハルのこと…

「ね、ハル」

何気なくを装いながら、穹は訊ねます。

「ハルは…ずっと私のそばにいてくれる?」

問いかけに、ハルはキョトンとした表情を見せる。

「当たり前だろ? 兄妹なんだから」

「……そうだね」

なんでもないと、穹は話を切りました。

――ハルがいるなら寂しくない

――でもきっと欲しかったのは違う言葉

本心を、その心の内に隠しながら。

穹が夢から目覚めたとき、そこは自室のベッドの上でした。すぐ隣には、眠ってなどいないハルが、穹のことをのぞき込んでいました。目を覚ましたことでいくらか脱力したのか、本当に心配したとため息を付くハル。

「…心配してくれたんだ」

「当たり前だろ」

「…そっか」

どうかした? と訊ねるハルに、ちょっと昔のことを思い出しただけと語る穹。昔、ハルが病院に来てくれたこと、よくこうやって話してくれたことを。

「そうだ、これ憶えてる?」

「あぁ、ぬいぐるみ」

「寂しくないようにってハルが買ってきてくれた」

ちょっとキザだけど、と付け加える穹に、顔を赤らめながらうっさいなーと返すハル。

「でも、嬉しかった」

外からはまだお祭りの太鼓の音が聞こえて、瑛が早々に退散したのも神社の仕事が残っていたからでしょうか。

「ごめんね、私のせいで」

「仕方ないさ。来年は最後までいような」

じゃあ部屋に戻るよと、ハルは穹の部屋を後にしようとします。話して、もう大丈夫だと思ったんでしょう。穹にちゃんと休むように告げて立ち上がるハルに、穹が声を掛けます。

「ね、ハル」

「うん?」

「ハルは私のこと好き?」

思いがけない言葉を前に、ハルは面食らったように言葉に詰まります。僅かに汗を垂らしながら、穹のことを見つめている。

「私は好きだよ、ハルのこと…」

「バカなこと言ってないで早く寝ろよ!」

声を荒げてしまうハルですが、穹は余裕も余裕な笑みを浮かべて送り出しました。自分の部屋へ戻り、ハルは声を荒げてしまったことを気にしつつも穹の言葉に戸惑いを隠せません。

「まったく何を言い出すのかと思えば…急になんだよ」

「そりゃ悪い気はしないけどさ」

兄妹なんだし――からかうなよ、もう…と、あくまで穹にからかわれたのだと思うことにしたハルは、部屋の灯りを消して就寝しました。何故かハルも私服のまま寝ていますが、元々Tシャツ小僧だから違和感はそれほどでもない。まあ、着替えればとは思うけど。

そして、時刻は深夜1時25分。ハルの部屋のふすまが、スッと開けられました。
眠りにつくハルに穹が近づき、のぞき込むように顔を近づけ――

その唇を奪いました。

「!!?」

ハルが起きていたのか、それとも目を覚ましたのかは判りません。しかし、ハルには聞こえていたはずです。穹の呟く声、穹の発した言葉が。

「渡さない、誰にも、絶対に…」

――ソ…ラ?

穹がハルにキスをしたところで、次回に続く。


最初に書いたとおり来月号は単行本作業のため休載と言うことで、今月号までがコミックス1巻に収録される分だと思います。
いや、良いですね。最高じゃないですか。少々展開が早いような気もしますけど、上手いところで切ったなぁと。前回穹が倒れたときは焦りましたけど、今回の回想シーンに繋ぐためだったと思えば、まあ許容できなくもない。瑛編に一区切り付けたのも好印象ですし、そもそも瑛が使用人の娘という時点で赤ん坊の取り違えが起こるわけもなさそうだし、DNA云々はやらないと考えた方が良いでしょう。となれば、瑛シナリオはこれで終了かな? 渚さんとはギクシャクしてるけど、原作からして愛称が宜しくない二人ですからね。
穹が原作の渚さんみたいな台詞を言ったのは、別に意外でもなんでもなかった。穹だったらそれぐらい言いそうだし、ただ少し早くないか、ということぐらい。奈緒だってそんなに出てないし、唐突な気がしたのは否めないと思う。まあ、漫画という媒体を考えればこれぐらいが丁度良いのかも知れないけど。
来月号が休載なのは残念ですけど、VFBの発売と被ってるから、助かったと言えば助かったかも知れない。コミックスは3月ないし4月発売だろうけど、修正すべき点は修正して、良い感じに仕上がると嬉しいですね。台詞で言うと穹の「お父さん、お母さん」とか、服装で言うと今回の寝間着が私服な部分とか。後、1話のカラーは是非収録して貰いたい。そう難しくはないと思うんだけど、そういえばカバーは描き下ろしなのかな。それも気になります。

久々に、というか、ここに来てコミカライズにグッと来ている私がいます。最近は体調を崩し気味で精神的にげんなりしてたんですけど、それが見事回復した感じ。やっぱり、ハルと穹は凄まじいですね。見ているだけで元気になるというか、コミカライズでも二人には幸せになって貰いたいです。
そういや、一向に登場しないダメイドはもうでないものとして考えて良いと思うけど、委員長はどれだけ話しに絡んでくるのか。先に奈緒が出張ってくるだろうけど、それに関しても再来月早々に決着尽きそうな気がするし。瑛を切り上げて一気に穹へと移った、これは結構大きい気がします。
兎にも角にも、素晴らしいものを読ませていただき、本当にありがとうございました! コミックスは特典が付こうが付くまいが、3冊は買います。特典が付くなら全部揃えます。もう、それぐらい好きだと断言できるのが、今の私の正直な気持ちなのです。
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タイトルは法被とハッピー掛けてるんでしょうか? まあ、私も子供の頃は着た記憶があるようなないようなですが、別にハルが来ているわけでもなかったので大して関係のあるタイトルではないのでしょう。
コミカライズ版ヨスガノソラも5話目と言うことで、私は新しいアニメなんかを見る際に大体5話ぐらいまで視聴して、今後も視聴を継続するか決めるのですが、どうやらコミカライズにも同じことが言えるというか、ある意味でコミカライズの方向性が確定した回だと思う。

回想シーンから始まり、幼い頃のハルと穹。
病院へ入院している穹に、ハルが黒うさぎのぬいぐるみを渡します。

「なに? これ」

「病院に一人でいるのは寂しいと思って」

ぬいぐるみでもあれば寂しくないかなと思って、そう微笑むハルに、穹は最初どこか素っ気ない。けど、やはり満更でもないのか、

「でも、うれしい。ありがと」

と、笑顔を見せます。特に頬が赤らんでいるわけでもないのに、穹の嬉しそうな気持ちが伝わってくる可愛らしい一コマです。
表紙は現在の穹がベッドでぬいぐるみを抱きかかえ、誰かを見つめているかのような表情で寝ている姿。多分、ハルを見ているのでしょう。

今回はお祭りの話。瑛の神社でお祭りが開かれ、前回からの流れでハルと穹も参加します。ヒロインの全員が浴衣ないしそれに類する恰好をしていて、奈緒や渚さんは勿論のことで原作では私服だった委員長も浴衣です。瑛はなにせ神社の人であるからして巫女服のままなのですが、意外だったのは穹もまた浴衣を着ていたと言うこと。確か原作ではこのイベントで普段着以外の私服、外出着を披露していたので、花柄の浴衣で登場したのは驚きました。なんでも浴衣は始めて着たということで、恥ずかしさや歩きにくさもあってか少なからず戸惑っている模様。
テンションの上がる亮平を丸無視する穹ですが、ふと荒い息を吐いて頬を赤くします。違和感を憶えたのか、ハルがどうかしたのかと尋ねますが、穹はなんでもないと首を振ります。

「それよりお祭り、楽しみだね」

「あ、うん……」

穹に見つめられ、頬を赤らめるハル。恥ずかしかったのか視線を泳がせると、来賓の対応をしている瑛を見つけます。壮年と言うよりは初老といった風な男性を見て、如何にも偉そうな人だと感じるハルですが、同じようにその光景を見ていた渚さんがポツリと呟きます。

「……お父様」

渚さんの父親と言うことは瑛の父親でもあるわけで、ハルは色々な意味で驚きました。何故ならそれは親子と呼ぶにはほど遠い姿で――それでも笑っている瑛の顔に、ハルは疑問を抱きます。
なにかを感じたハルですが、奈緒に腕を引っ張られ、出店巡りに連れられてしまいます。気に食わなそうな表情でそれを見る穹ですが、口に出してはなにも言わない。考えてみれば、コミカライズでは1話であったきりなんですよね、この二人。委員長や亮平も交えてお祭りを回る中、積極的な奈緒と委員長にたじたじとなるハル。亮平が扱いのさに不平を漏らしますが、その隙をついて穹がハルを連れ出しました。

ここからはコミカライズ独自の展開で、さながら原作の海イベントのように二人きりの時間を求める穹。金魚すくいをやってみて、全然上手くいかないことに文句を言います。

「いいのか、みんなと一緒じゃなくて?」

そう尋ねるハルに、

「いい。ハルがいればそれでいい」

と答える穹。

思わず、「あ…そう」と頬を赤らめながら言葉を返すハルですが、今回はハルが穹を意識する描写が多いように思えます。原作でもなくはないんだけど、ここまでハッキリと意識することはあまりなかったと思う。価値観がこの頃は違いましたから。
そう言えば穹とお祭りに来るのは初めてだったと思い返すハルに、体が弱かったからハルがお祭りに行く日はいつも留守番で、羨ましかったという穹。

「だから今日は本当に嬉しいんだ」

その嬉しさは単純にお祭りに参加できること以外にも、もう一つ大きいのがあるんだろうけど、それがまだ表面化することはない。穹はともかく、ハルが気付かないから。

みんな合流したハルと穹ですが、瑛が神楽をやるという話を聞く最中、渚さんが駆け込んできました。神楽のために禊ぎへと行った瑛が、着替えを忘れたので誰か届けてくれないか、という話でした。天女目らしいと呆れながらも、僕が行くよと応じるハル。どこに行けばいいのかと尋ねると、渚さんは少しだけ言いにくそうに、

「えっとね、ちょっと遠いんだけど……」

裏山のてっぺんを目指して登りながら、誰も行きたがらないはずだと納得するハル。穹もくたびれながら着いてきて、曰く、「ハルが行くなら私も行く」とのこと。少しでもハルと二人きりの時間を過ごしたいんでしょうね。そんな穹に対して、ハルは自然に手を差し伸べます。

「…ほら、手、離すなよ?」

この手を掴むときの穹の嬉しそうな表情ときたら! ハルはこういうことを自然に出来るからいい男なんでしょうね。水風天の描くハルはイケメン度がアップして、完全なプレイボーイになってると思います。

たどり着いたてっぺんは広大な湖が広がっており、穹が瑛を見つけます。ハルに絶対にこちらを見ないように言って、着替えを渡しに行く穹。

「ハルくんだったら見られてもよかったのに」

そう言って、穹を激しく動揺させる瑛。冗談だと言って煙に巻きますが、それはどこか複雑そう。
話は移り湖のこととなり、ここが神社で一番神聖な場所であることを語る瑛。故に神楽を舞う前は、ここで身体を清めるのだという。うん、ハルカナソラの某シナリオに言ってやりたい台詞だ。神聖なんですよ、この場所は。

「ねぇ穹ちゃん、知ってる? この湖の伝説……」

「伝説?」

穹は瑛の言った伝説に興味を覚えますが、それが具体的にどんなものであるかは、ここでは描かれませんでした。

下山して、瑛の神楽が始まります。奈緒曰く上手になったということで、壮麗な舞に圧倒されたハルは、いつもの瑛とはまるで違うことに感嘆を憶え、穹に同意を求めようとしました。しかし、穹は具合が悪そうに、荒い息を吐いていました。
神楽の見物から抜け出し、裏手で穹を休ませるハル。なんで調子が悪いって言わなかったのだと訊ねるハルに、大丈夫だからそんなに心配しないでと答える穹。

「どう見ても大丈夫じゃないだろ」

ハルの表情がややきつめなのは、本気で穹を心配しているからでしょう。穹は大丈夫だと無理やり立ち上がろうとしますが、すぐに身体がふらつきます。なんでそんなに無理をしたのかと心配するハルに、穹は答える。

「初めてだったから。初めてハルと来るお祭りだから、最後まで楽しみたい……」

こう言われては反論しようのないハルは、そこまで楽しみにしていたのかと単純に解釈をすると、亮平たちに穹を任せて水を貰ってくるとその場を離れます。

「ハル、ごめんね」

「――いいよ」

瑛に手を貸して貰おうと社務所に向かうハルですが、そこでは渚さんの怒声が飛んでいました。なにやら、言い争いをしている模様です。言い争いといっても、渚さんが一方的に怒鳴っているだけなんですが。

「ふざけないで!! 受け入れ先って、ただ体のいい厄介払いじゃない!!」

「そういうわけではないんだ。瑛くんの将来を考えてのことだ」

言い争いの相手は渚さんの父君、つまり瑛にとっても遺伝子上の父親に当たる相手。なんと、瑛を遠くの街に養子に出すと言い出したらしいです。それが母親の提案であることを悟っている渚さんは激しく反発し、自分の子供ではないからと勝手なことをと憤りを憶えます。

「カズちゃんのお父さん。私はそれで構いません」

しかし瑛は笑顔で、自分に突き付けられた現実を受け入れようとしてしまう。

「お姉ちゃん!!」

「それが一番いいんだよ。私がいると迷惑な人もいる」

私のために悩まなくて良いと告げる瑛に、渚さんは涙ながらに訴えます。みんなが幸せになれるからなんだというのだ。違う、そうはじゃない。

「一番大切なのはお姉ちゃんの気持ちだよ」

もっと自分に正直になっていいと、やはり付き合いが長いからなのか瑛の深層部分に薄々気付いている模様。瑛の手を取り、車にいるであろう母親に文句を言ってくると渚さんは社務所を出ます。

「あ」

そこで、結果的に立ち聞きをしてしまったハルとばったり。性懲りもなくまた盗み聞きをしたと渚さんは怒りを見せますが、そこに血相を変えた亮平が飛び込んできました。

「大変だ!! 穹ちゃんが……!」

「穹……?」


というところで次回に続く。
まあ、色々言いたいことはあるんですけど、病弱設定もここまで引き延ばすとは思わなかった。てっきり、今回祭りの最中でフラフラ~としたことで回収したのかと思ったのに、まさか最後の最後でこう来るとは。第5話は基本的に楽しい話ではあったんだけど、病弱設定を全面に押し出しているせいか素直に楽しめないんですよ。楽しさより不安が強くなってしまい、コンプエースは一体春日野穹をどうするつもりなのか。それが気がかりでならない。
今回は原作とコミカライズの差違や相違が明確になったというか、設定の違いが表面化したと思います。例えば、タイトル前の回想シーン、黒うさぎのぬいぐるみをハルが穹へ渡したことになっていますが、これはハルカナソラと大きく矛盾しますよね。あのぬいぐるみは母親の見立てで、穹が選んだプレゼント、謂わば形見のようなものですし。
ただ、これはある種仕方ないと言いますか、ブログに書いてありましたが水風天はハルカナソラにゲスト参加している割に、未だにゲームそのものを貰っていないそうです。普通はコミカライズ担当には資料として送りつけておくべきはずなのに、それすら原作サイドが怠っているわけですね。まあ、編集部が取り寄せてやれよと思うけど。
後、この回想が普通に掲載されたことで、原作サイドが原稿のチェックを行っていないことも発覚したと思います。普通はネームなりが送られてきて原作のチェックが入るはずなんですが、この種のメディアミックスは流動的らしい。まあ、角川書店なら仕方ないと思うけど。
私はこの程度の問題、回想シーンにおけるハルカナソラとの矛盾はどうでも良いと思うんですよ。元々水風天がハルカナソラやっていないのは知っていましたし、そこはまあ仕方ないでしょう。けど、今回で一番許せないのは話の最後に付いていた柱です。編集が適当に付ける、一行の文章があるじゃないですか。毎月付いてるんだけど、今月はこんな感じでした。

無理をおして祭りに来た穹。は何を思う――

わざわざ強調してみましたけど、これは酷いでしょう。主人公の名前を間違えるってどういうことですか。仮にもコミカライズを担当している編集なら、原作の主人公の正式名称ぐらい把握しとけよと。あらすじにも、登場人物紹介にもという字が使われてるんですよ? 一体、角川の校正部はなにをやっているのかと。こんなんだからコンプエースの評価は常に低いんですよ。
水風天曰く角川の編集は怖いそうですが、作画担当に怒りを見せる暇があるなら自分が原作を理解しろと。理解も出来ない作品を担当するなと。だから、漫画編集は高給取りの無能者などと言われてしまうのさ。なまじ、角川みたいな大きいところは気質があれだから……はぁ、やれやれです。

もう純粋な原作ファンは読まなくても良いんじゃないかなぁ。私は買い続けるし、読み続けるけど、某大型電子掲示板にあるヨスガノソラスレでも言われたように、原作をシリアスな話とするなら、コミカライズは単なる暗い話になりつつあるような気がします。ハルと穹は果たしてどうなるのか、何故穹の病弱設定をここまで持ち出すのか。先月は否定されたけど、死亡フラグなんじゃないかと不安でならない。そんなものは誰も望んでいないというのに、コンプエースならやりそうで怖い。
面白いけど楽しめない、好きなのに嫌い。心配や不安が高まり、読むことが辛くなってくる。良いから原作通り進行してくれないかと、それだけを願います。穹が幸せになれないラストなんて、私は認められそうもないから。
そこに優しさを見たから
これは凄い。凄いものがきた。直前までVFBを一冊追加するかとか、抱き枕を一つ減らすべきだろうかとか、でもそうするとVFBは三冊になってしまうみたいなことを考えていたんですが、それがすべて吹き飛んだ。
http://ameblo.jp/kotobukiyaf/entry-10411663795.html
コトブキヤがやってくれました。まだデコマス前の原型の段階ですが、まさかここまでのものを仕上げてくるなんて。
完全なる不意打ち、ものの見事にやられました。もう冬のグッズがどうとか言ってる場合じゃありません。グッズはこれで確定させて、フィギュア用の資金を確保せねばならない。ぬいぐるみも控えてるし、もう来年からはヨスガ用の資金を積み立てないとやってられないかも。

しかし、このクオリティ……さすが、4-Leavesと言ったところでしょうか。フィギュアには疎い私ですが、これまで発表されてきたどの穹フィギュアよりも良いものだと思う。タキは論外にしても、延期になったメガハウスのフィギュアでさえ霞そうな勢いだ。一目見ただけでいい物だとわかる、洗礼された作品になりつつある。彩色前でこれだけの魅力、色がついたらどれほどの物になってしまうのか。発表は来年になるとして、見本が出るのはワンフェスだろうか? ワンフェスは2月、それまでにはデコマスも終わっているだろうし、確実に展示されているはず。もう行くこともあるまいと思っていたワンフェスだけど、どうやら三度参加することになりそうです。
けど一つだけ問題がある。来年のワンフェス、つまりワンダーフェスティバル2010冬は、2月7日の開催。この日は丁度、サンクリと被っている。サンクリに当選するかはまだわからないけど、当選しなくても一般参加するのが同人誌即売会。どっちを優先するべきなのか、受かったら当然サンクリだけど、落ちたらワンフェスに走るかもしれない。
いやまて、サンクリの会場は池袋サンシャイン、池袋には埼京線が通ってるから、りんかい線直通を拾って国際展示場に行くことはそう難しいことじゃない。加えて展示ともなれば穹フィギュアは一日中見れるものだろうし、ワンフェスに始発で行く意味というのはない。ワンフェスは17時までだが、サンクリには長くても15時ぐらいまでしかない。早ければ13時前には出ることだって可能なイベントだ。回そうとして回せない距離ではない、か?

フィギュアの話に戻りますが、元となっているのは今年の春に販売されたCUFFS、Sphereセットに入っていた、ヨスガノソラ穹マイクロファイバータオルですね。私も1枚持ってますが、水に濡れたスク水の穹が可愛すぎます。どうして2枚買わなかったんだと後悔してるけど、まさかフィギュアになるなんて。確かに数ある穹の中でも、フィギュアにしやすい絵柄だとは思うけど……いや、それにしたってここまで再現するなんて。
「(*゜Д゜)ノ 絵の通り作って!

で、作れてしまう原型師も凄いというかなんというか。穹のフィギュアは商業だけで2つあるわけですが、中でも一番出来がいいと思う。完成前だけど、瞳の感じが素晴らしいもの。タキは論外にしても、メガハウスで微妙だったのも結局は瞳だし。一番原画家の個性が出る箇所でもあるけど。
実ものと比べると、多少フィギュアの方が柔らかい感じになってますね。完全再現はそもそも無理だし、そんなことが気にならないぐらい可愛いから良しです。瞳に柔らかみが出たことで、却って穹が優しげな感じになっていると思うし。

発売は早くて来年の夏頃かなぁ。フィギュアに延期はつきものだけど、コトブキヤの場合はどうなのか。あんまりフィギュアって買わない人だから、そこら辺は良くわからないです。
後、穹で使えそうな絵柄は……ヨスガノソラの特典についてきたビジュアルブックに載っていた橋本タカシ描き下ろし、ドリパでテレカになったあれと、夏コミのゴス系浴衣ぐらいかな。いや、ヨスガのオフィシャル通販特典でついてきた絵柄という可能性も。でも、それを言うなら今度の冬通販のテレカの絵柄だって、もしかしたらフィギュアにしやすいかもしれない。タキ、メガハウス、コトブキヤと来たことだし、グッドスマイルカンパニー辺りに作ってもらいたいですね。グッスマなら間違いがない気がするし。
来年もまだまだ穹を見ることが出来そうで、私は凄い嬉しいです。穹フィギュアをゲットするためにも、なんとか今年を乗り切らなくちゃ。
「それ、液晶テレビが買える金額じゃないですか」

久々に悲恋堂へ電話して、そんなことを言われた今日この頃。散々馬鹿にされ、「貴方やっぱり馬鹿でしょう?」と罵られたりしたけど、言い返すことが不可能だけに痛い。うん、判ってはいるんだ。自分がどれほど馬鹿なのか。年の瀬で、しかもコミケ前。そんな金銭的に逼迫しているときに、まさか9万円も買い物をしてしまうなんて。
果たして私はコミケを乗り切り、年を越すことが出来るのか……?

Cuffs, Sphere, CUBEグッズ通販2009Winterが本日開始されたわけですけど、いやー、買った、買った。色々なものを沢山買って、気付けば凄まじい金額になっていた。なにが凄いって、合同カレンダー以外はヨスガ関係のグッズしか買ってないのに上記の金額になったという事実。夏ノ雨とかは正直余裕がありませんでした。
なにをそんなに買ったのかというと、主に抱き枕なんですけど、渚さん以外の抱き枕を2本ずつ買ってるのが大きいんですよ。つまり、抱き枕だけで7本ある。
ここで私がなにをどれだけ買ったのか記載してみると、
* Cuffs, Sphere, CUBE 合同カレンダー  価格:2500×1
* 『ヨスガノソラ』&『ハルカナソラ』ビジュアルファンブック 価格:3800×1
* 描き下ろし 依姫奈緒 抱き枕カバー 価格:11000×2
* 描き下ろし 天女目瑛 抱き枕カバー 価格:11000×2
* 描き下ろし 春日野穹 抱き枕カバー(再販)価格:11000×2
* 描き下ろし 渚一葉   抱き枕カバー(再販)価格:11000×1
* 描き下ろし 依姫奈緒 テレカ 価格:1500×2
* 描き下ろし 春日野穹 テレカ 価格:1500×2

さすがに奈緒の抱き枕まで2本買ってるのは買い過ぎかなぁ……布モノって実際に使うことを考えると、予備が欲しいと思うじゃない? だから2本ずつ買ってるんだけど、既に持っている穹抱き枕を更に2本追加というのはどうなんだろう。私自身、最初は渚さんの抱き枕を2本にしようと思ってたんだけど、穹だけ1本というのはなにかおかしい気がして。いや、おかしくないんだけど、今持ってる穹抱き枕は……なんていうか、その、ね。だからって渚さんを減らすのも微妙だったんだけど、渚さんも2本にすると10万超えるからさ。いくらなんでも、それは不味いだろうと。
いや、今だって十分に不味いんだけど、これ以上減らすことが出来そうもなくて。奈緒抱き枕なんてどうせ使わないんだろうから一つで良いじゃんとも思うし、それは穹にも言えることなんだけど、なんでかなぁ、一度カートに入れると変更するのが躊躇われるというか、削除することが出来ないんだよね。穹を減らすと言うことが、私には出来そうもない。
ただ、穹や奈緒を2本買うなら、どちらか1本減らしてVFBをもう1冊買った方がいいんじゃないかとも思う。今回のグッズ通販で買うと、表紙と同じ柄のクリアファイルが付くんですよ。その絵柄というのが、熱望していたハル&穹、穂見駅に付いたばかりといった感じの場面で凄くいい! 一般の書店売りでは特典なんか付かないだろうし、クリアファイルは痛みやすいからもう1枚予備がいるかな、と思って。けど、VFBに関しては発売日に買う予定でもあるから、そう考えると3冊になってしまうんですよ。何冊持っていても不都合はないけど、3冊は多いのではないかと。でも、抱き枕を1本減らせば11000円ほど浮くわけだし、そこに3800円をプラスしても問題はないというかなんというか。
抱き枕1本、これが本当に重たい。1本、2本減らすだけでどれほど楽になるか。それが判っているのに、減らすことが出来ないのだから私も情けない。
ちなみに、「描き下ろし天女目瑛テレカ」に関しては中止になったそうです。ハッシーが間に合わなかったのか、と思ったんですけど、夏ノ雨のテレカも1枚中止になっていたから、発売時期をずらすとか、そんな感じでしょう。もしくは、冬コミ時にどこかのブースで委託販売するのかも知れない。その可能性が高いかな? まさか、春のドリパまで引っ張るとは思えないし。

「あなたは自分で自分のことをケチだケチだと言いますけど、私に言わせればあなたほど自制心のない人はいなくてですね……」
買い物を済ませた後、悲恋堂に電話して事の次第を話したら、店主の説教が始まった。親友は私がこういう奴だとよく理解しているのだけど、さすがにテレビが買える金額には引いたらしい。いや、無理もないことだとは思うけど。
「お金は貸しませんよ? ご飯も奢りませんよ? 後で泣く羽目になってもしりませんからね?」
散々釘を刺されたけど、おそらく減らすとしても抱き枕が1本とかその辺だから、金額的には大して変わらない。それに悲恋堂も判っていたとは思うけど、出せない額じゃない、払えないほどじゃないんですよ。私だって買えないものを買うつもりはないし、もちろん借金だってするつもりはない。コミケ資金に手を出さず、如何にしてこれ乗り越えるか。ヨスガノソラに、いや、春日野穹に対してどれだけのことが出来るか、ちょっと限界に挑戦してみようと思います。
ヨスガノソラ同人誌「遥かな穹」、DL販売のお知らせ
突然ですが、シャリテクロワールが夏コミで出したヨスガノソラ同人誌、遥かな穹-Yosuga no Sora Fun Book-をDL販売することにしました。某所を眺めていたら何故か話題になっていたので、なんらかの形で公開した方が良いのかなーと思って。でも、通常の書店委託なんてしてくれるわけもないし、かといって販売したものを無料公開するのは買ってくれた人に悪いし、さてどうしたものかと首をひねらせていたら、唐突にDL販売のことが頭に浮かびまして。これなら印刷費もかからないし、小説本でも扱ってくれるのではないか、と。

http://www.melonbooks.com/affiliate/go/affiliate_id/AF0000011270(販売ページ)
アドレス見ればわかると思いますが、作品を登録してあるサイトはメロンブックス.comです。DL販売ながら、私もやっとこさめろんちゃんに作品を置くことが出来ました。普段本を置いてもらっているとらのあなではなく、メロンブックスを選んだのにはいくつか理由があって、まず第一にとらのあなは登録作業が面倒くさかった。私はサークル登録をとらのあなでしているわけだけど、DLストアを利用するにはさらに手続きが必要なようで、送られてきたカードなんてどこやったか忘れちゃったよ。いや、後々発掘はできたんだけどさ。
第二の理由として、メロンブックスはやはり一般に強く、そして優しい。とらのあなのDLストアを開くと、すぐに生々しい成人向けの作品ばかりが紹介されてますけど、メロンブックスの場合は一般と成人向けがちゃんと分けられていて、これは両社の違いが良く現れていると思います。私の本は一般の、それも小説本ですから、成人向け重視のとらのあなに置くよりも、一般向けにも力を入れているメロンに置いてもらった方が良いのではないかと、そう考えた次第です。下手したら、とらは取り扱い断られるかもしれないしね。後、第二の理由と関連して、メロンブックスのDLショップはとらのあなのそれと比べて、やや規模が劣ると感じたんですよ。つまり、作品が少ない。作品が少ないということは常に新作を求めていて、さらに空きも沢山あるということで、余程の作品じゃない限りお断りされることもないんじゃないかなと思いまして。実際、割とあっさり取り扱いのメール来ましたし。
さらに第三の理由、これが一番重要なんですが、なんとびっくり価格設定が同人誌のそれと変わらなかった。とらのあなの場合は通常の委託販売と違って、卸値と販売価格の間にかなりの差があるんだけど、メロンブックスの場合は据え置きなんですよ。委託販売と同じ設定。この違いは結構大きいと思うんだけど、何故か規模的にはとらのあなが上回っている。不思議な話だ。

遥かな穹についての説明を軽くしておくと、ヨスガノソラを題材にした二次創作小説同人誌になっています。三本ほどの短編を小説を収録した短編連作集になっており、すべてが穹メインの内容です。
カップリングとしてはハル×穹重視だけど、穹×瑛の話もあったり、私の作品には珍しくとにかく甘ったるい内容です。一応、オールキャラが出てるのかな? いや、名前だけのキャラとか、セリフが無かったキャラもいるのかな。この辺りは私の好みというより、穹に配慮した形になってるんだけど。
それぞれの話を簡単に解説すると、一つ目の話はハルが自分の初恋というものについて思い返していく話。ハルはなにせイケメンですから、都会にいた頃も色恋に無縁だったはずはありません。浮いた話の一つや二つもあったでしょう。そんなハルの初恋とは一体どんなだったのかという、そういう話。なのにタイトルは「穹の初恋物語」になっています。これについては実際に読んでもらえると分かると思います。
次の話はハルがいない退屈な休日を過ごしていた穹のもとに瑛が訪ねてきて、流れで穹が瑛に料理の指導を願う「穹と瑛の手作りクッキング♪」というお話。ハルと食べる夕食を作りながら、穹が瑛の人生観に触れていきます。コミカライズでも穹は瑛に料理を教えてもらっていたようですが、ネタが被ったことには割と驚きました。偶然ってあるもんなんですね。それとも、考えることはみんな同じなのかな。
最後の話は、ハルと穹が瑛主催のキャンプ大会に参加する「悠と穹のキャンプ体験」。 なんか、ネズミー短編アニメーションみたいなタイトル付けてますけど、短篇集の場合は結構意識してそういうわかりやすいタイトルにしています。タイトルを見て、それがどういう話か想像できる、短編の場合はそれが一番いいと思うんですよ。
瑛に乗せられたハルと穹が山でのキャンプに四苦八苦しながら、流れゆく時間の中で不意に過去のことを思い出したりする、そういうお話です。

冬コミに受かっていれば2冊目を出す予定だったんですが、落ちてしまったものは仕方ない。また次の機会を探すことにします。同人誌用に用意していた原稿はHPの方に回そうかと思いますが、来年のサンクリ、いや、COMIC1辺りでなにかできたらなーと考えています。まあ、メインはロクゼロだからそんなに大掛かりなことも出来ないんだけどね。
DL販売の方は、単純にやってみたかったのと、めろんちゃんに本を置いてみたかったというのが主な理由ですけど、自分が作った同人誌の中ではかなり好きな作品なので、是非読んで貰いたいです。さて、それじゃあHPの方にも情報を記載しに行こうかな。
ヨスガノソラ発売一周年おめでとうございます!
いやー、早いものでヨスガノソラが発売されてから一年が経ちました。正確には昨日だったんですけど、これを記念してHPのほうにヨスガノソラコンテンツを開設しました。作ろう作ろうと思って年末まで掛かってしまいましたが、なんとか一周年記念に間に合わせることが出来ました。まだまだ中身は少ないですけど、これから充実できるように頑張ります。

しかし、もう一年経ったのかぁ……時が過ぎるのは早いというかなんというか。購入前はまさか、ここまでヨスガノソラにはまるとは思ってもみなかったなぁ。いや、今でこそこんなにはまってますけど、実は事前情報一切なし、体験版もやらずに買ったんですよ。デモにしたってイベントで見たか見ないか、雑誌による情報なんて一切確認してなかった。
グッズ類に関しては、何故だか色々持ってたんですけど、購入に関してはほとんど気まぐれか、もしくは潜在的になにかを感じ取っていたのかも知れませんね。ただ、予約した日にちの関係上、アソビットが間に合わなかったのでゲマ屋で買っちゃいましたけど。なので、アソビット特典だった穹のテレカだけは、未だに持ってないんですよ。欲しいとは思ってるんですが、なかなか手が出る値段でもなくて。
ゲマ屋で買ったのは発売日の当日か次の日か、それすらも思い出せませんが、買ったときはまだ普通だったと思う。エロゲ好きがなんか良さそうなエロゲを買った、体験版もなにもやってないけど、橋本タカシの絵が可愛いから買っちゃおう。この程度の気持ちに過ぎなかったに違いない。
それが家に帰ってインストールして、序盤及び共通パートを始めた辺りで考えが変わってきた。最初に描かれるハルと穹の関係、穹との日常に引き込まれたんですよ。こういう言い方はどうかと思うんだけど、私がヨスガノソラで一番好きなのは、実は奈緒が出てくる前までの、引っ越したばかりのハルと穹の試行錯誤なのではないかと。体験版で事足りてしまうような気もするけど、あの電車でのやり取りから家に着くまで、家に着いてからのやり取りから買い物に行って帰ってくるまで、私はそれに引き込まれ、いや、飲み込まれたんだと思う。だから、コミカライズで引っ越しのシーンが省かれたのが残念でならないんですよね。

選択肢がどれぐらいあるのかとか、どういう流れで話が進むのかも全然判ってなかったから、最初に入ったのは奈緒ルートだった。私はハッキリ言うと奈緒のことは好きじゃないですけど、再会してすぐに過ぎる昔の光景、あれにはちょっとビックリしました。性的興奮をかき立てられた、というわけじゃないけど、いきなりああいう絵を挟まれると、これは性的にふしだらな作品なのだろうか? と思わずにはいられなかったんですよ。田舎ものとなれば、そういう可能性も高いわけですしね。
まあ、結果的にいえば全然そんなことなく、奈緒が残念な過去を持っていたというだけだったんだけど、あの逆レイプ設定は新鮮に思ったなぁ。いや、似たような過去の回想として、瑛もあるじゃないですか。セミ採りしてたら崖から落っこちた……じゃなくて、山から転げ落ちただったかな? 子供用の巫女服を着た瑛が、ちょっと汚れた感じで描かれてる奴。
私は奈緒の次に瑛ルートに入って、所謂選択肢の順にプレイしていったんですが、先に奈緒をやっていたもんだから、瑛のあのCGが出たときには変な方向に想像がかき立てられました。例えば、前日ないし数日までに奈緒と関係を持ったハルが、少なからず肌を露出した瑛を目の前に性的な興奮を憶え、思わず襲ってしまった、とか。奈緒という前例を前にすると、そういう性的な思いでないし過去があるのかなって、そんな予想をしてしまったんですね。実際はこれっぽっちもなかったわけだけどw
そう考えると瑛との過去は、プレイした当初は肩透かしというか、物足りなさを感じていたのかな。でも、逆に作品やヒロインの方向性が判ったから、決して期待外れではなかったかも。瑛との過去の回想シーンは、当時のハルがどのように穹と接していたのかが判る貴重な一コマですが、それ以上にハルと瑛が可愛いんだよね。子供らしさがあるというか、瑛は果たして一目惚れだったんだろうか。私も同人誌はある種の解釈で書いたけど、昔から好きだったんじゃないかなーとは思う。
渚さんの印象が私の中で薄いのは、瑛シナリオの後にやってしまったのが原因なのかも知れない。瑛シナリオを先に済ませてしまったことで、渚さんシナリオをやや弱く感じてしまったんでしょうね。穹シナリオに関しては奈緒以上に深みがありましたし、奈緒に続いて委員長も絡んできたから問題なかったんですが、渚さんの場合はあまり他人が絡まない。瑛シナリオならやひろとかいますけど、渚さんシナリオだと両親の絡みも少ないですし。
逆に他のシナリオとまるで被らないのはダメイド、じゃなかった初佳のシナリオですけど、これはどちらかといえば亮平が出張ってきますからね。亮平の設定に、稲穂信を感じてしまったのは私がメモオフシリーズ好きすぎるからだろうか。実際、亮平はかなり空回っていたわけだけど、彼なりの筋の通し方というのがあるというか、純情だったんでしょうねぇ。好きな人の役に立ちたいって気持ちは、誰にだってあるわけで、想いが強ければ強いほど、歯止めが利かないんですよ。

穹シナリオに関しては、現存する一番古い日記を観る限りだと、感想を書くと言ってそれきり放置しているみたいですね。わざとじゃないんですよ? わざとじゃないんだけど、自分の中でまだまとまってない部分があるというか、好きすぎて言葉にならないんですよ。文章で表現するにも、訴えるにも、伝えたいことは山のようになっても、それがまだ形になりきってない。
一つ言えるのは、これは同人誌のあとがきにも書いたことだけど、穹というキャラクターはヨスガノソラの時点では未完成だったと思うんですよ。容姿を除いて。けれど、その未完成な部分を補う存在としてハルがいたからこそ、穹はあそこまでのキャラになれたんじゃないかと。穹にとってハルは必要不可欠な存在で、逆にハルにとってもそれは同じで、二人は一緒にいてこそ魅力は発揮されるんです。ハルカナソラにも台詞でありましたけど、私は完全に同意します。当たり前じゃないか、と。
ハルと穹に関しては、専用ページを作ろうかと思っているぐらいなので、まだまだ時間が掛かりそうです。VFBには是非、春日野家の間取りが欲しいですね。ハルと穹の部屋についても詳細を書いて欲しい。それと、穂見と奥木染はどこが元になっているのかも。目星は付けてるんだけど、確証がないんだよね。確認しにけない距離ではないから、年が明けたら言ってみるのもありかな。

ヨスガノソラに出会えたことこそ、私の人生における幸福の一つなんだと確信できます。最高です、一番好きなエロゲです。もうFDは来ないかも知れないけど、またなにかしらの形で新作が出ることを心より期待し、願ってます。
それではヨスガノソラ一周年、本当におめでとうございました!
Cuffs, Sphere, CUBEの「グッズ通販2009Winter」の情報が掲載されていました。まだ画像等はありませんが、販売するグッズは以下の通りです。意外に、というか思っていたよりずっと数が多くてびっくりです。

合同

* 2010年カレンダーセット

Cuffs

* ☆画野朗描き下ろし B0カレンダーポスター
* Gardenお皿セット
* Garden Tシャツ(委託・再販)

Sphere

* 『ヨスガノソラ』&『ハルカナソラ』ビジュアルファンブック
* 描き下ろし 依姫奈緒 抱き枕カバー
* 描き下ろし 天女目瑛 抱き枕カバー
* 描き下ろし 春日野穹 抱き枕カバー(再販)
* 描き下ろし 渚一葉 抱き枕カバー(再販)
* 描き下ろし 依姫奈緒 テレカ
* 描き下ろし 天女目瑛 テレカ
* 描き下ろし 春日野穹 テレカ
* 『ヨスガノソラ』AGFタペストリー(委託・再販)
* 『ハルカナソラ』AGFタペストリー(委託・再販)

CUBE

* 『夏ノ雨』ビジュアルファンブック
* 描き下ろし 瀬川理香子 抱き枕カバー
* 描き下ろし 宮沢翠 抱き枕カバー
* 描き下ろし 瀬川理香子 テレカ
* 描き下ろし 宮沢翠 テレカ
* 『夏ノ雨』AGFタペストリー(委託・再販)


これを全部冬コミで売るつもりだったのか、それとも冬コミに参加しなくなったからある程度余裕を持って作ることが出来たのか、まあ、VFBが入っている時点で後者なんだろうなぁ。となれば、グッズの発送は早くても来年の1月29日以降になるわけか。まさか、VFBだけ別送というわけではないだろうし。
再販モノに関してはほとんど持ってるけど、気になるのは穹抱き枕。穹って2種類出てるじゃないですか、公式と萌魂工房のが。公式通販なんだから恐らく前者が再販されるんじゃないかと思ってるんだけど、そこら辺の詳しい情報がないんですよね。私としては公式抱き枕は一つしか持ってないから、もう一つ二つ欲しいんですが、今回は他にも色々グッズ出てますからね。奈緒の抱き枕を作るなんてチャレンジャーだなとは思うけど、ハッシーは一通り描きたいとインタビューで言ってたし、その願いが叶った感じでしょうか。特別興味があるキャラではないですけど、実はそれほど嫌いでもないから買ってしまうと思います。好きでもなんでもないけど。
瑛の抱き枕も、なんだかんだ言って初めてですね。シーツはげっちゅ屋の特典であったけど、やはり巫女服の両面なんだろうか。それとも、巫女服と学生服で区別をつけてくるのか。私服という線もあるが……しかし、鈴平は契約の問題なのか新作グッズありませんね。これで抱き枕ないのはダメイドだけになりましたけど、ハルカナソラが出たばかりだしやひろのテレカがあっても良いような気がしないでもない。鈴平が外注、ハッシーが所属という認識で良いのだろうか。どちらも外注という可能性もあるけど。

気になるのは、抱き枕とテレカの柄が一緒なのかどうか。なにせハッシーの仕事速度を考えると、そんなに新規絵が多いとは思えないんですよ。だから、穹のテレカだけ完全新作で、後は抱き枕の柄と合わせるのかなーって。組み合わせで販売しないのは、その方が売れると考えたからなのか、それとも再販の穹との兼ね合いからか。委託のタペストリーは持っているから良いとして、そういやタペストリーに委託という文字が入るなら、仮に萌魂工房の抱き枕ならそういう表記になるはず。となれば、再版されるのはやはり公式の穹抱き枕か? テレカは付かなくてもいいけど、正規の値段で手に入るならそれに越したことはないからね。
Gardenと夏ノ雨に関しては、現在検討中です。HPに載ってるグッズは一通り買おうかと思ってるんだけど、ヨスガ関係は二つずつ欲しいから……10万ぐらい用意しないと足りないかも知れませんね。コミケ前だから、あんまりお金ないんだけどなぁ。

ヨスガノソラというか、春日野穹に関してはいくら金をつぎ込んでも惜しくないんだけど、今のところそこまでグッズは出てないのでお財布にも優しい感じです。ハッシーのすべてのキャラを描きたいという気持にも好感が持てますし、その内委員長も出したりするんですかね? でも、委員長はあくまでサブキャラだからな。メインヒロインに昇格しても、出会いがサブキャラだと認識はサブキャラのままで固定される傾向があるよね。
冬のグッズは今週末にも受付開始予定だけど、それまでにラフの1枚でも上がるのか。まあ、画像なしでも注文するんだけど。
以前この日記にも書いたヨスガノソラの黒ウサぬいぐるみですが、制作状況の方がげっちゅブログのメーカーズコラムに掲載されていました。見た感じ、ドリパのときと大差ないように見えますが、これから細かな修正等がなされていくらしい。個人的には両手足の先にある紐みたいな部分がいらないと思うんだけど、縫い目にするとかさ。原作見る限りでは確かにあるけど、なんか引き締まっているというか、引絞られた感じがしてきつそうなイメージになってる。

価格は6800円を予定してるみたいですね。私としては5000円以下に抑えて貰いたかったけど、最初は1万5000円だったというから驚きだ。だって、穹の抱き枕カバーより高いじゃないですか。6800円でも十分に高い気がするけど、その辺りは品質がいいということで我慢するしかないのだろうか。メイドインジャパンだと良いんだけど。
さすがに二つも買っていられないから一つの予定だけど、生産数が限りなく少ないらしい。100個になるかもしれないって、通販分にどれぐらい回すつもりなんだろう。私はなにせ、職場から秋葉近いですし、げっちゅ屋は秋葉原店をよく利用していますが、店頭予約の方が確実性は高い気がする。予約情報等、見逃さないようにしないといけませんね。
次に、萌えアクレリーフのミニタイプについてですが、これは前回3万円近い値段で売っていた、特大萌えアクレリーフのミニタイプだそうです。あれだけの大きさ及び価格だと、やはり置き場所にも困るし財布の紐も固くなてしまう人が多いらしく、大きさと価格の縮小要望は多かったらしい。かくいう私も飾る場所がないので買いませんでしたが、今回はこれをハルカナソラについてきた黒ウサぬいぐるみサイズまで縮小し、徹底的に低コストで抑えたそうです。それでも半額というのだからアクリルって高いんだなぁと思いますが、15000円であの大きさだとするなら、もう1万5000円出して大きい方買った方がお得なんじゃないかと思えるから怖い。物の価値を大きさでしか判断できなくなるのはまずいですね。

後、これはヨスガノソラとは関係ないけど、夏ノ雨くまさんパンツを作ろうとしているとか、いないとか。誰が買うんだといいたくなるけど、匂い付きらしいです。香水をシュッと吹きかけるとか、常人の考えることではありませんね。うん、褒めてないからねw
元々夏ノ雨に興味ないのもあるけど、下着をグッズとして売るってのは流石にどうなんだろうか。ブルマならまだ、ギリギリのレベルで許せたかもしれないし、あれはそもそも財布だし……スク水抱き枕とか、昔ワッフルが出していたっけ。
いや、単純問題下着をグッズとして作って、それを売るのって可能なんですかね? 分類としてはTシャツとかと同じ衣類だろうけど、これは買えないよなぁ。私はまず無理だわ。穹の寝巻きとかだったら考えるけど、理香子のくまさんパンツ……ないだろ、これはw
まあ、広報のかたひとマンはヨスガより夏ノ雨の方が思い入れ強いらしいですからね。全キャスティング彼が担当したらしいし、作品としても好きらしい。確かに夏ノ雨はストーリーが高く評価されてますし、名作や傑作とは言わないまでも、良作と言っていい作品だとは思います。人気度においてヨスガノソラとは決定的な差がありますけど、まあ、それは穹がいるかいないかという話なので、この際は無視してもいいんじゃないかと。穹に敵うわけがないのですから。

それと、これは公式発表はまだですが、ヨスガノソラのVFB、ビジュアルファンブックの発売が決定したみたいです。げっちゅ屋の商品検索ではもう表示されるようになっていて、夏ノ雨と同時発売、発売日は来年2010年1月29日となっています。何気に私の誕生日と凄く近いですね。自分への誕生日プレゼントは、どうやらこれで決まりのようです。
描き下ろしがどれぐらいあるか、没絵やラフなどがちゃんと載っているのかなど、今から期待に胸を膨らませる一冊です。抱き枕とかタペストリーとか、布物の既存絵も載っていると良いですね。いや、持ってない布物はないんだけどさ。
表紙は描き下ろしだとして、キャラは誰か……ハルと穹、あるいは穹と瑛、鈴平との兼ね合いを考えると瑛と一葉という可能性もあるな。さすがに使い回しはないだろうし。価格は約4000円と高めだけど、とりあえず2冊ほど買うことにします。VFBだと特典はつかないだろうし、こんなものでしょう。
春日野穹bot→URL:http://twitter.com/sora_k_bot
コミカライズ版ヨスガノソラも第4話になりまして、今回から少し表記を変えてみました。今まではタイトルにコミカライズを入れていたんですが、それをコンプエースに変更。コンプエースで飛んでくる人が多いからね。そっちの方が判りやすいでしょう。なんというかヨスガノソラのコミカライズにはばらつきがあるというか、先月号が結構良かっただけに、今月号のラストは非常に残念な展開の気がしてなりません。しかも、ラスト以外は概ね良い感じだっただけに、満足できるはずの読了感を奪われてしまったというか。コンプエースは春日野穹をどうしたいんでしょうね。

前回からの続きで、夕飯のカレーを食べているハルと穹。このときの穹を見つめるハルの表情は意味ありげで、ハッキリ言ってプレイボーイな微笑みを浮かべています。ハルカナソラでの瑛の言い草ではないですが、如何にも遊び慣れた感がするのは何故でしょう。ハルとしては、ようやく一緒にご飯を食べてくれるようになった穹が嬉しいようですが、見つめられた穹は気恥ずかしさに赤面しています。
そしてカレーを食べながら、ふいに穹はこんな事を訊ねます。

「ねぇ、ハル。ご飯とか作るのやっぱり大変?」

そりゃまぁ……と答えるハルですが、どうして穹が急にそんな質問をするのか判りません。

「べ、別に何でも…何でもないわよ」

という感じにタイトルと表紙へ。今回は瑛と渚さんですね。見た感じ神社の境内を二人で歩いているといった感じでしょうか。この表紙からも判るように、第4話の半分はこの二人の話になっています。

僅か表紙を一枚挟んだだけで、既に夏休みに突入しているという飛ばしっぷり。確かに学校でのイベントは前回のプールぐらいしかないからなぁ。個人的には瑛と穹の会話を描いて欲しかったんだけど、省略されてしまいました。
ハルは夏の暑さにへたばっていて、なにもやる気が起きないとだらけています。働き者のハルにしては珍しいですが、そこに一本の電話が掛かってきます。相手は瑛で、なんでも神社で行われる夏祭りの準備を手伝ってくれないか、と言うお願いでした。それに対しハルは一瞬前までなにもやる気が起きないとか言っていたのに、即答を持って了承します。さすが、女の子の頼みとなれば迷いません。即断即決、これがマメな性格という奴なんですね。
その電話見ていた穹が、「出かけるの?」と訊ねてきたので、ハルは天女目の神社まで行ってくると答えます。穹は、「瑛の?」といって軽く驚きを見せますが、この時点で既に瑛を名前呼びしているんですね。省略されたけど、ちゃんと交流は深めていたようです。
帰りは遅くなるかも知れないというハルを送り出すと、穹はぐっと握り拳を作ります。

「よし、今日こそ」

瑛の神社へと到着したハルは、瑛の姿を探して境内まで行きます。以前来たときは渚さんと会ったことを思い出し、彼女の呟いた「お姉ちゃん?」という言葉に疑問を抱いています。瑛に聞くべきか、渚さんに避けられていることは理解しているようです。まあ、どちらかと言えば瑛と近づくことを渚さんは快く思ってないんでしょうけど。
鳥居をくぐり、境内へと入ろうとしたハルですが、そこには地面にござを敷いて、楽しげに談笑する瑛と渚さんの姿がありました。思わず隠れてしまうハルですが、渚さんが瑛のことを「お姉ちゃん」と呼んでいるのをしっかり聞いてしまいます。

「ねえ、お姉ちゃん。こんな神社で一人……寂しくない?」

瑛が一人なのは自分の家族のせいであるという渚さん。そんな姿は見るに耐えず、やはり気になってしまうらしい。まあ、だからといって瑛が渚家で暮らす姿なんて想像できないし、それが彼女の幸せだとも思えないけど……瑛は本心をぼやかしながら、自分は大丈夫であると優しく諭します。離れていても、自分たちは姉妹だと言いながら。
学校での立場とは打って変わって、瑛に甘えまくりな渚さん。正直、このギャップがすごく可愛いと思うんだけど、立ち聞き中のハルは二人の関係に混乱します。

「そういうことだから、もう出てきていいよハルくん」

話が一段落したところで、唐突に瑛がハルへと声を掛けます。さすがと言いますか、ハルが来ていたことに気付いていたようです。まあ、自分で呼び出したんだし、当たり前と言えば当たり前か。渚さんはハルの登場に愕然として、ばつの悪そうなハルにどこから聞いていたのかと訊ねますが、ハルも嘘はつけないと判断したのか、全部聞いてしまったことを正直に話します。
取り乱した渚さんは学校でのテンションに戻ってハルと瑛をスパーンと殴りますが、ハルに事情を話したくはない模様。けれど、瑛は自分たちが春日野医院の生まれだから、まるきり無関係ではないと言い、自分たちが腹違いの姉妹であることを話し始めます。ここで注目したのは、瑛の母親の設定が微妙に違うことです。原作では確か、代議士やってる渚さんの御父上が都会の方で関係を持った女性の娘、という感じだったはずですが、コミカライズでは使用人だった人の娘らしい。使用人の娘って、あの親父さんは屋敷で働いていた女性に手を出したのか。出張ないし単身赴任中の男にありがちな間違いじゃなくて、もっと身近な使用人に手を出すなんて……よく、渚さんの御母上は離婚していませんね。瑛を産んだ後いなくなったということは、解雇されたんでしょうか。
しかし、瑛の口から「腹違い」とか、「愛人との子ども」といった単語が出てくるのは不自然ではないにしろ違和感が。いや、事実には違いないだろうけど、もう少し柔らかい表現もあったんじゃないかなw
本来なら渚家に引き取られるはずの瑛でしたが、渚さんのお母さんが大反対したため許されず、渚さん的には仕方なく神社に住んでいるという。瑛は今の生活が幸せだと言っていますが、それでも渚さんとしては思うところがあるらしい。ハルは二人をすごくいい姉妹だと言いますが、自分でも言っているように少々月並みすぎる言葉ですね。

気を取り直して祭りの準備を始めたハルたちですが、瑛と会話する中で、いつしか穹の話題になります。穹があまり外に出ないことを指摘する瑛に、ハルは穹が病弱であったことを話します。元々ひきこもり気味であると言うことも。それでも最近は落ち着いてきて、外出も前よりしていることに、ハルは安心しているみたいです。

「そういえば穹ちゃんに変わったことなかった?」

と質問してくる瑛に、特にないと思うと答えるハル。すると瑛は、

「じゃあ、そろそろかな」

呟きながら、瑛は意味深な表情を見せるのでした。

帰宅したハルの目の前に飛び込んできたのは、テーブルに並べられた料理の数々と椅子にちょことんと座って、ハルの帰りを待っていた穹でした。絵から判断して、穹が作ったのは……ステーキにオムレツ? それともオムライスでしょうか。正直、雑すぎてなにが書かれているのか良く判らない。器に入っているのはなんだろうか。ご飯に見えるけど、そうすると穹のほうにないのは不自然だし。

穹が料理をしたことに驚くハルですが、穹は、

「いつも……ハルが作ってるから、私も作れたほうがいいかなって」

瑛に教えて貰った旨を打ち明けますが、正直いつの間にって感じです。原作でもそういう描写はなかったし、まあ、穹が教わるとすれば瑛ぐらいしかいませんし、私も同人誌でそういう話書きましたけど……レンジも使えない、ハルカナソラまでおにぎりもパンも作れない穹が、この段階で色々作れてしまうのはちょっと変かも知れない。イベント的にはとても微笑ましいし、ちゃんとという言い方はおかしいけど、それなりに失敗もしたみたいではあるけど。

「ちょっと焦げてるし、味もそんなに保証できないし……だから無理して食べなくてもいいから!」

と赤面する穹の前で、ハルは軽く料理をつまんでみます。そしてドキドキしている穹に、素直に美味しいと答えます。「初めてにしては上出来だよ」と、付け加えるのはを忘れずに。

「ありがとう」

ハルの良いところは、素直にこういうことを言えることだと思うなぁ。ただ、

「いや、いきなりこんなことするから熱でもあるとかと思った」

なんて言ってしまう辺り、一言余計だとは思うけどw
その一言に「ひどい!」と言って、穹はハルに片付けを任せて部屋へと引っ込みますが、やはりハルが料理を食べてくれたこと、美味しいと言ってくれたことが嬉しいらしい。ぬいぐるみを抱きしめながら、顔をほころばせる穹ですか、急に足取りがおぼつかなくなり、ふらつきます。

「あれ?」

台所を片付けたハルは、穹が料理を作ったことに改めて驚き、少しはじしゅせいがでてきたのかな? と思い始めます。これからもっと、もっと外に出てくれたらいいなと、今後の穹に期待しますが――

「最近は、調子よかったのに……」

荒い息を吐きながら、穹は自室のベッドに倒れていました。テーブルの上にはクスリの入った袋と、袋から出されたカプセルのケース。カプセルは二粒ほど飲まれており、なにかの発作を抑える薬なのでしょう。
痛みに苦しみながらも、穹はハルのことを思い浮かべるのでした。


第4話というわけでね……うん、この展開はさすがにないわ。確かに穹は原作設定で病弱ですし、過去には入退院を繰り返していました。どんな病気だったのか、完治はしたのか、その辺りのことは原作でも語られていませんが、普通は完治していると見るべきでしょう。しかも、穹が病弱という設定も精々体力がない程度のもので、それもハルカナソラの頃には大分改善されています。二人乗りとはいえ、瑛とハルが乗っている自転車に走って追いついてくるぐらいですから。全力疾走できるぐらいには、体力も付いてきたと考えて良いと思います。
それなのに今回のコミカライズにおける展開は少しおかしいというか、これでは病弱どころか現在進行形で病気じゃないですか。発作に苦しむ穹、なんていう描写は原作にもなかっただけに、コミカライズ独特の展開なんでしょうけど、さすがにこれは不可解すぎる。こういう描写を入れることで、今後はなしにどう影響させていくつもりなのか? 単純にヨスガノソラを原作通りに描こうとすれば、まず必要性のない設定じゃないですか。
だから、私はもしかしてある種の死亡フラグかと心配してしまったのですが……某所では、「それはないだろ」と突っ込まれましたけど。でも、それ以外にこんな無意味な描写を入れる必要性が思い浮かばないんだよね。
例えば、ハルと穹は結ばれるけど、最終的に穹は病気が悪化して死んじゃいましたとか、そういう安易なオチを付けてくるのでは? とさえ思う。なにせ原作が近親相姦という倫理観に反するものですから、それに対する答えとして、こういう展開を持ってくる可能性も決してなくはないと思うんですよ。近親相姦は宜しくないけど、片方が死んでしまったのならいいよねとか、そう言うふざけた話を。
仮にそんな展開になったら、それまで買ったコンプエースを引き裂いて火を付けようと思いますが、それだけはあり得ないと信じたい。なにせ連載しているのがコンプエースだから、どういう結末になってもおかしくないじゃないですか。だから、すごい心配で。

コンプエース版のヨスガノソラは、ある程度割り切った上で読んでいるんですが、春日野兄妹に関しては完全に別物として考えることにしました。設定も結構違いますし、穹の口調とかはコミックスになった際に修正されると思いますが、基本的にはコミカライズ独自のキャラクターとして、原作とは分けて考えないと読んでいられない気がする。
そんな難しい作品ではないと思うし、凛〜COCORO NAVI Another View〜みたいに原作通り作って貰いたいんですけどねぇ……ここまで進んでしまうと、もう軌道修正は無理かな。それでも買い続けますし、読み続けますけど、余計な設定とか展開はいいから、ハルと穹のいちゃいちゃっぷりを見せてくれと、そう思います。それはハルカナソラからだろうって? いや、ヨスガノソラでも結構あるよ。穹との日常を描いて欲しいとは言ったけど、なんか違うんじゃないかなーって。
そういえば、瑛&渚さんシナリオに入ってますけど、あるいは今回で終わらせることも可能なんですよね。一応の説明は果たしたわけだし、このまま穹シナリオに入ることも……そのほうが絶対良いと思うな。
コミカライズはハルと穹のキャラが違いすぎるなと、改めて実感してしまいました。
春日野穹bot→URL:http://twitter.com/sora_k_bot
ヨスガノソラ コミックス1巻画像レビューページ
URL:http://www.usamimi.info/~mlwhlw/yosugacomic1.html

コンプエース版ヨスガノソラも第3話ということで、今回は待ちに待ったハルと穹の仲直りです。前回は白い部分が目だった原稿も、アシスタントを背景アシスタントでも動員したのか、前回より質の良い物になっていました。というか、ハルと穹が可愛すぎる。
失礼ながらクオリティに対してはそこまで期待していなかったんだけど、前回が嘘のように絵と内容が素晴らしいものになっていた。この1ヵ月、なにがあったというのだろうか。

移動スーパータカノで買い物をするハル、おばちゃん集団に揉みくちゃにされている中、救世主奈緒が現れて買い物を手伝ってくれました。原作はスーパーを紹介したのが奈緒ですけど、漫画版は違うのかな。奈緒とタカノで会うのは始めていったときを覗くと、穹と行ったときに遭遇したぐらいか。結構外でも会うキャラだけど、そもそもタカノ自体それほど行かないんだった。行ってきた、という描写はあるんだけど。
買い物からの帰り道、奈緒は先日穹を怒らせてしまったことをハルに詫びます。しかし、ハルは奈緒のせいじゃないと擁護しますが、実のところ未だに原因不明。なおのせいじゃないもなにも、奈緒のせいでしかないんだけど、ハルはそれに行き当たらない、思い付かない模様です。奈緒は昔を回想する中で、自分の中で穹はまだ小さい頃のままだといい、当時のことを振り返ります。当時は楽しかった、けど……

「あの日以来ハルちゃんたちは来なくなった」

軽く動揺するハルに、奈緒は「あの後……なんともなかった?」と問いかけます。ハルがそれにどう答えたのかは不明ですが、表情を見るにあまり良い想い出ではないと感じているようです。ところで、この昔を振り返る会話の中で、ハルは川で溺れた経験があり、それがトラウマとなって後述のカナヅチに繋がっているみたいです。原作では、沼か田んぼだったと思いますが、今回は設定における原作との差違が目立ちましたね。
帰宅したハルは台所で穹に遭遇しますが、相変わらず穹は会話をしてくれず、さっさと部屋に引っ込んでしまいます。この時期の食事とか登校とか、どうしてたんでしょうね。一緒だとは思うんですが。

日にちが移って舞台は穂見学園。プール開きと言うことで、体育の授業が水泳になった模様です。原作にもあるプールイベントですね。女子のスク水を覗き見しようとした亮平がお嬢にボコボコにされているのを眺めるハルに、瑛が話しかけてきます。泳がないの、と訪ねる瑛に、見ているだけで楽しいからと返すハル。そこに委員長がやってきて、瑛に後で使う備品を一緒に運んでくれないかと頼んできました。プールで使うと言うことは、ビート板かなにかでしょうか。それを聞いたハルは自分も手伝うと言いますが、プールから上がってきた渚さんが割り込みます。

「私が手伝います。春日野くんは、来なくていいから」

第2話における神社での一件以来、どうにも渚さんはハルに厳しい態度を取っているみたいです。亮平は「まあ、機嫌の悪い日もあるさ。特に女子はな」と、女子が聞いたらぶっ飛ばされそうな一言を口にしますが、それと同時にハルが全然泳いでいないことを指摘。焦るハルがカナヅチをカミングアウトする寸前、プールへと突き飛ばしてしまいます。
トラウマによる恐怖から、混乱状態となるハル。息が出来ないのは当たり前ですが、身体を動かすことすら出来ずに意識が遠いのいてしまいます。
なかなか上がってこないハルに、突き落とした張本人である亮平がやっと自体に気付きます。ハルの名前を叫び、それは穹の耳にも届く。

水の中で、ハルは過去を回想します。電話が鳴っていて、救急病院から、両親の訃報を知らせる電話です。葬儀と、親戚の会話。可哀想に、まだ学生なのに、かといって二人一緒に引き取るのは、一人ずつなら大丈夫でしょう? 口調は女言葉なのに、話しているのが明らかに男性二人なのが気になるけど、それは置いて置いて。
ハルはかつて住んでいたマンションのリビングで、涙を流して泣いている穹を発見します。喪服姿の女は美人に見えるなんて言いますけど、このときの穹は悲痛なほど儚げだった。両親のことを想って泣く穹。

「私たち、どうなのるの? 離ればなれになっちゃうの?」

突き付けられた問いに、ハルの表情が強ばります。

「ずっと、ずっと一緒にいてよ。ハル……」

そんな穹に、ハルは二人で奥木染に行くことを提案します。離れなくて済むように、二人で頑張ろうと。このシーン、原作とかけ離れているようで、そうでもない気がします。原作では両親の葬儀が終わり、店を畳んだことで嘆き悲しんでいたハルを、穹が慰める形でした。これによってハルは、穹まで失いたくはない、奥木染で暮らしたいと考えるようになるのですが、漫画版はその真逆、穹のことを案じたハルが穹を守るために決断しています。
漫画版のハルは随分大人びている印象を受けましたが、このシーンそのものは不思議じゃありません。何故なら、ハルカナソラにおいて、穹は当時の自分を振り返り、「私は泣いてばかりだった」と言っていますし、それが垣間見える光景と考えれば、原作と違いすぎるということはないと思う。

「……本当に? ハルはいなくならない?」

「一緒にいるよ。だから……」

ここで、想い出の湖からハルが現実へと帰還します。

「穹、もう泣かないで」

ハルが目覚めたとき、そこにあったのは穹の涙でした。溺れたハルを助け出し、彼のために泣きじゃくる穹。忙しさの中で忘れていた、あの日のこと。自分が穹を守るという誓い。自分のために涙を流す穹を目の前にして、ハルはそれを再確認するのでした。
亮平が渚さんと委員長に先ほどの比ではないほどボコボコにされながらも謝罪した放課後、穹は照れているのかみんなと帰ることを拒んでハルと二人だけで帰ります。亮平は、穹がどれだけ心配していたかハルは判っているのだろうかと言いますが、

「……ううん。きっと判ってるよ」

帰る二人を見つめていた瑛が、そのように呟きました。
ハルと穹は帰る道すがら夕飯のメニューの話をしており、カレーは甘いやつか辛いやつか、ニンジンは入れるか入れないかなどと話ながら、しっかりと手を繋いでいたのでした。


こんな感じの第3話ですけど、結構原作との相違点が出てきたと思います。ハルが奥木染に行くことを決めた理由が、逃避と言うより穹のことを考えてという感じになってますし、どちらかというとハルの兄らしい部分が強調されている気がする。原作では穹の想いや言葉がハルを決断させるんだけど、このシーンがないと穹のキャラが大きく変わってしまう気もするんだよね。何故なら、原作で瑛も言ってたけど、ハルが良いお兄さんであると同時に、穹もお姉さんみたいなんですよ。だから二人は双子として対等の存在なわけだけど、漫画版では穹が徹底的な弱者として描かれているため、そういう印象が薄くなってる。
話作っている人間が原作を理解していないのか、それとも意図的に差違を付けてきたのかは判りませんが、それほど不快ではないというか、漫画版独自の味として十分に楽しむことが出来ました。気になったところがあるとすれば、こちらは明確なミスでしょうが、穹が両親のことを「お父さん、お母さん」と読んでいたところでしょうか。原作ではパパとママですし、ここはしっかりとコミックスで修正して貰いたいですね。

多分、このまま瑛シナリオなりに突入するんでしょうけど、その前に奈緒との決着が付くかも知れません。原作では、この後スーパータカノで奈緒と遭遇し、その帰り道で穹が激発しますから。どういう道順、話運びになるのかはまだ判りませんが、第3話でクオリティがかなりアップしたと思うので、今から来月号が楽しみだ。
他の掲載作品は……とりえあず、あかりりゅりゅ羽はどうしたんでしょうか。I’LL調とは長い付き合いなのですが、まさか未完成原稿を載せてしまうなんて。なにかあったのか、単純に間に合わなかっただけなら良いんですけど、商売柄、職業柄、いつなにがあってもおかしくないだけに心配です。
痛めつけるは我が身のみ
痛めつけるは我が身のみ
痛めつけるは我が身のみ
DreamParty2009秋に行ってきました。四枚も着こんでいったのに、軽く凍えそうなほど寒い雨風でしたが、そんな中で4時間以上立っていた私。中に避難すればいいのに、ひたすら待機列で自分を酷使する。私の悪い癖ですね。こういうことしてるから、ドリパがどんどん嫌いになっていくんだ。自業自得じゃないか。

自業自得以外の話をすると、今回はホールが取れなかったのか東での開催でした。チケットには書いてあったみたいだけど、国際展示場につくまでチケットの入った袋を開けなかったので、来場者誘導を見てはじめて東館で開催することを知りました。てっきり、雨も強いし中に並ばせるのかと思ったのですが、そんなことをするわけもなく東6ホール前でチケットと入場証を取り変えたら表の立体駐車場へ。身分証確認がチケット交換のときと、待機列に入るときの2重チェックになってて、少し面倒くさかった。外は雨が降ってるし。私は今日のために身分証をわざわざ作ったので問題なく並べましたけど、他の皆さんは学生証とか免許証が大半なんですかね。パスポート持ってる人は見かけなかったけど。
並んでいる最中のことはひたすら雨風に打たれていただけなので、特筆すべきことはなにもありません。暇つぶしに超A&G+を聴きまくってたら、形態の電池の消耗が激しすぎて酷い目に合ったけど。井口、明坂、三瓶と聴いたけど、ガールズはどれも面白いですね。というか、最近は地上波より超A&G+のほうが面白いと思う。ああいう、スポンサーに縛られない番組は好きだ。
三瓶が始まる頃には入場の時間だったんだけど、今回はアーリーチケットに加えて一般待機列にも特殊な入場方を用いるらしい。アーリーチケットというのは一般チケットより高いけど、買えば一般より早く並べるよというドリパの酷い商法です。ぶっちゃけ、一般よりアーリーの方が列長いんじゃないかと思ったんですが、その上で一般の列にペナルティを課すんだからドリパの運営も嫌な奴らだ。そのペナルティというのがHPには書いてあったらしいんだけど、私は知らなくて、なんでも待機列の先頭高にくじを引かせて、入場順をシャッフルする、つまり始めに出来た待機列から入場できるわけではありませんよというものらしい。ドリパの言い分としては要するにもっとゆっくり来いということらしく、次回以降もこの入場方を続けるらしい。
なんていうか、次回は西で開催なわけだけど、アーリーで荒稼ぎしてる割にはやることが一々せこいなと。まあ、今回は天候の影響もあってかあまり人がいなかったので、開場から5分待たずしては入れましたけどね。

開場と同時にSphereに並んで、委員長テレカのほうは無事にゲットできました。ついでに夏ノ雨テレカも買いましたけど、テレカはどちらも1限で、早々になくなるということはなかったかも。並びなおして買うほどでもないと思ったし、黒うさぬいぐるみを見物するにはまだ人が多かったので一旦ブースを後にして会場内をブラブラしてました。途中、雛祭桃子の新作テレカを勢いで買ってしまったり、余計な出費をしてしまいましたが、全体的に買い物は控えてた。特別欲しい物もなかったし、ブランド側もこれといったグッズを持ってきていなかったしね。
minoriの再販モノには少し興味あったけど、そこらに転がっていた無料配布ポスターを貰うにとどめました。minoriは無料配布のイベント組むのが面倒になったのか、最近はご自由にお取り下さいが多い。まあ、efのポスターは欲しかったし、特に問題もないようならこの形を続けて貰いたい。楽だし。
他にも色々なところのチラシや配っていた冊子なんかを貰ったけど、気になる新作はエウシュリーというかアナスタシアの新作、「蒼海のヴァルキュリア」ですかね。世界観というか舞台設定が面白そう。ただ、パソコンのスペックが足りないから買うとしたら、パソコンも買い替えないとな……
しとろんソフトの新作は買うにしても、他のはなぁ。MAX渡辺が作ってる奴は興味あるけど、なんかこうパッとしなかった。PeasSoftについては今更その路線かよと思ったけど、絵が好みだったので注目してます。ただ、グッズセットに入っていた冊子を読む限り、あまり立ち絵は良いと言えなかったかも。というか、今回PeasSoftは1000円のグッズセットを出してて、中身は紙袋の中にフルカラー冊子、カレンダー、クリアファイル……だったかな? そんな感じで販売してたんだけど、途中でセットが完売したんですよ。そしたら今度は余っていたらしいフルカラー冊子を500円で売り始めて。カレンダーとクリアファイルはそれぞれ250円なのか、いや、そうすると紙袋台はどうなるんだみたいに、値段設定に首を傾げる私。というか、セットばら売りするなよ。フルカラー冊子だけ欲しかったのに1000円払った人はどうなのさ。

一般ブースは僻地にあるステージをチラ見して、その後はメモオフブースで写メを取りまくっていました。10周年記念ブースというだけあって懐かしのグッズやテレカ、ゲームが山のように展示されており、今度サイドアタッカーさんにでも見せて懐かしさに浸ろうと思います。というか、よくもまあここまで掘りだしてきたものだ。ブースごと買い取りたい衝動にかられたけど、何億かかるのか。あれは凄い。
Sphereに戻ってからは黒うさぎの写メを撮ったり、眺めるのに専念してました。今回の画像がそうですね。なかなか可愛らしいというか、原作に結構近づいたかと思います。このとき、例のアニメ化の話を小耳にしたんですけど、それはヨスガノソラスレに書いたのが全てです。確証はないし、そもそも聞き耳立てて聞いた話だから大っぴらに書くのもね。しかし、本当にヨスガノソラがアニメ化するのだろうか。今は少しでも話題になった作品は片っぱしからアニメ化させるほど規格が乱立してるけど、コンプエースで連載してる時点であり得なくはないからなぁ。辞めて欲しいけど、声優が変わらないのであればまだ希望はあるか。
なんでこう、エロゲを地上波のアニメにするのかね。最近はDVDだと修正が外れるとか、地上波やらAT-Xやらの限界ギリギリのエロに挑戦とか、そういうのやってるけどさ。エロでしか売れない、エロでしか売らないというのなら、最初から18禁アニメにしろよと。

黒うさぎを堪能した後は、無料配布に並んだりしてました。ただ、ねこねこ&コットンなどはあまり数を持ってきていなかったり、戯画も手に入れることが出来なかったので、あまりゲットできたものは少なかった。雨だったからポスター類は回避しましたし。まあ、メロンブックスの冊子がもらえただけ良かったかな。帰りはもちろんメロン横浜店に行って、店舗連動企画で貰える2冊目の冊子をゲットしました。
相変わらず面白くもなんともないイベントだったけど、エロゲのイベントというだけで少なからず元気は出たかも。精神的にね。体力的には雨風のせいで21時30分まで回復しなかったんだけどさ。明日の日記は、その辺りのことを書くとしましょう。どうにも今年の運気をすべて使い切ってしまったようなので。
結局、昨日は21時過ぎに帰宅しました。現地で飲みに誘われたんですが、さすがに4時起きということもあってパス。身体もガタガタになってたし、そんなところに酒飲んだらぶっ倒れるだろうから。大体、帰るのに2時間以上掛かるんだから長居してたら帰宅が24時とかになってしまう。付き合い悪いのは承知しつつも、電車を乗り継いできた関東を後にしました。大宮で乗り換えるはずが上野までいってしまったり、帰りは全然違うルートになってしまった。まあ、マリオン学院放送部に間に合ったんで良かったけど。

Sphereのホームページが更新されて、DreamPartyの出し物に新作テレカが追加されていました。まさか、この前不満を漏らしたからでは絶対にないでしょうけど、ハルカナソラから委員長こと倉永梢の体操服&ブルマ姿のテレカです。穹でないのは残念ですが、まあ、ハッシーも穹ばかり描いてると飽きちゃうだろうしね。いつだったかのインタビューで、一通りキャラは描きたいといっていたし、委員長がお気に入りという可能性だってある。
まあ、コミケに落ちたとはいえ冬のグッズ通販は確定しているのだし、穹はそのときまで待つとしましょう。委員長のテレカに関しては、行ってみて残っていたら購入ぐらいの勢いで。よく考えたらハルカナソラ初の描き下ろしテレカですけど、委員長が一番最初か。どうして鈴平は描いてくれないんですかね。契約の問題でしょうか。
公式はどうにも委員長推しのイメージがあって、AKIBAゲームフェアを振り返ってもそんな感じはします。そもそも、ハルカナソラのデモムービーにしたところで委員長よりに作られているわけで、なんとかして穹の次ぐらいの人気にしたかった模様。まあ、私は委員長が好きでも嫌いでもないんですが、正直完全に空回ってると思う。
ヨスガノソラ当時ならいざ知れず、ハルカナソラが発売された今となっては委員長の価値というか、人気は激減してると思うんですよ。これはハッシーの絵に問題があるとかそう意味じゃなくて、単純にシナリオが悪すぎた。委員長のそれまであったイメージとか、そういうのがすべて崩れて、単なる妄想過剰な恋する乙女になりはててしまったから……そこら辺に対する私の批判は、ハルカナソラレビューやってる過去日記を見れば判ります。

だから、委員長に関してだけいえばハルカナソラでかなり損をしたというか、ぶっちゃけ彼女のテレカを出すぐらいなら瑛のテレカでも出した方がまだマシだと思うんですよ。というか、仮にも穹と同等の扱いを受けていたメインヒロインなんだから、オリジナルグッズぐらい出してあげても良い気がするけど。
私はヨスガノソラ関連には金に糸目はつけないことにしているので、よっぽど酷い者じゃない限りなんでも買います。結局電撃姫のシーツも2枚ほど購入しましたしね。けど、いくらなんでも買うといっても欲しいもの、好きなキャラというのがいるわけで、委員長ではあまり購買意欲を刺激されないというのも事実。贅沢というか、わがままであるとは判ってるんだけどさ。
とりあえずドリパは始発で行くかなぁ、委員長のテレカだから早々に完売はしないと思うんだけど、友人と同じくこういったイベントには始発で行かないと気が済まない。あんまり並びたくもないしね。雨さえ降っていなければ、待機列で延々とシャイニング・ウィンド・クロスをやることにしよう。考えてみればドリパの待ち時間っていつも暇してるんだよな。特別好きなイベントでもないからあんまり必死になれないというか、アーリーチケットを買わなかったのもそこまでドリパを重要視していないからでしょう。入場に関しての準備は、少なからず労力を要しましたけど。今となっては厳しい入場規制を批判するつもりもないというか、そもそも否定しちゃいけないんだよね。時世というのもありますし、もっとこうひっそりやるべきイベントだったんだよ、エロゲのイベントなんだからさ。

しかし、委員長テレカは良いアングルだなぁ。ハッシーも言ってましたけど、Sphereのグラフィッカーは本当に優秀だよね。ハッシーは手描きだから彩色はグラフィッカー任せなんだけど、これだという色を丁寧に塗ってくれるから好きだ。私のヨスガ本も誰か、表紙の彩色してくれないかな。商業活動している友人、知人は全く暇がないし、そもそも高い。ビジネスドライか……まったく、友達がいのない奴らだ。金欠の身内なんて夏コミのときは数千円で交渉成立したというのに。あれ足下見過ぎだという意見もあるが。
まあ、なにはともあれドリパも間近と言うことでイベント用の身体作りでもしておきますか。正直、出張での疲労が思いのほか強くて眠気とかがまるで抜けてません。再開させた仕事も滞っていて、どんどん自分の首が絞められていきます。今週中に片付けないと後がないというのに、果たして間に合うのか……いや、間に合わせる。そのために私がいるのだ。人間その気になれば、やってやれないことはない。さて、それではまた明日。
最近はエロゲも色々な特典を作ることが多いというか、店舗特典としてドラマCDを複数枚制作することも珍しくない世の中になりました。初回版にはサントラが封入されてることも当たり前になってきましたし、まあ、ヨスガノソラや夏ノ雨にはないんだけどね。
今回はそんなエロゲの購入特典から、ソイネノソラをご紹介。これは初回限定版の予約特典になるんだったかな? 正式名称は、春日野穹 ピロトークCD「ソイネノソラ」ですか。これは正直、色々な意味でやられました。

ハッキリ言って内容を解説できないというか、文章に出来ないことを音声で見事に表現したとでもいいますか、文章媒体と音声媒体の違いをまざまざと見せつけられた、いや、聞かせられたというべきでしょうか。
内容に関しては、穹がハルと一緒に寝るシーンをひたすら流しているだけなんですけど、これは凄い。だって、音声じゃないとこれはできないもの。ハルにCVがないため会話や掛け合いではなく、一人語り風になっていますけど、それがまた堪らないよね。
私が以前書いたヨスガノソラSSに「お布団の中の一日」というのがあって、HPのほうで現在も公開している作品なんですが、あれにおいて私が行った実験の、ある種の答えがソイネノソラにはあると思うんですよ。あのSSは一つの空間だけで展開される一日の流れを、睡眠と食事だけに限定して書いてみるという極端すぎる内容だったんだけど、実際には起きているときの描写が大半で、寝ているときの描写はほとんどないんですよ。
というのも、文章において寝ていることを書くって言うのは不可能に近いことで、表現のしようがないことなんです。だって、寝てるんだよ? 寝言やいびきは掻くかも知れないし、寝返りの一つだって打つかも知れないけど、基本的に行動してないじゃないですか。動いてない存在、つまり静止している存在を描写するってのは、観察記録じゃないんだしなんの面白味もない。文章ではまずできないことです。
同じように映像媒体でも同じで、30分ないし1位時間、延々と寝続けている人を眺めて面白いですか? いや、中にはそういった趣味の方もいるでしょうし、ハルと穹が寝ているところなら私だって見たいけど、ほとんど映像事故じゃないですか。作品として成り立たない。
でも、それが音声媒体なら? ドラマCDやトークCDという、映像やストーリー性に捕らわれない媒体ならどうか……不可能は可能となり、出来なかったことが出来るようになります。
言ってしまえば、ソイネノソラは音声媒体でしか出来ない代物です。文章でも映像でも出来なかったことが、音声媒体だけが可能とした。私がSSでやりたかったこと、空間を限定してその一部分を極端なまでに切り取るという構想を、もっともシャープな形で実現していると思います。物書きとしてはしてやられたというか、こういうやり方を用いてこそ完成するものだったんだね。こういうのを文章で作れたら最高なんだけど、私の技術や技量ではまだまだ無理だな。

個人的に意外だったのが収録内容の長さです。1トラックしかないんですけど、それが27分もあるんですよ。精々、長くても10分ぐらいだろうと思っていただけに驚きました。白波遥さんお疲れ様ですとしか言い様がありませんけど、よくもまあこれだけ長い物を収録できたものだ。どういうやり方で録ったのかは判りませんけど、見事な物です。
ハルの声がない関係上、ひたすら穹が喋らなきゃいけないんだけど、それに対しての違和感がまるでないというか、会話じゃないけど会話になってるというか、容易に想像が出来る。寝るまでの流れと、眠った後の流れがとてもスムーズで、聞き物として聞きやすい。音声媒体はやっぱ凄いというか、とても真似できないね。
こういう企画を通して実際に作ってしまうところが凄いというか、羨ましい。音声媒体以外では、ギリギリ漫画に出来るかどうかだと思うし、物書きとしては憧れます。

単に布団の中でハルと穹が喋り、後は寝相とか寝息、寝言だけのCDだから、特にこれと言って書くべき事もないんだけど、印象的だたのは穹の「お兄ちゃん」発言でしょうか。穹としてはあくまでハルとは対等な関係だけど、ハルの方は自分にもっと妹らしくして欲しいんじゃないか、と考えた上での発言ですが……いや、可愛いよ? 可愛いけど違和感のほうが強いというか、私も穹にはハルと対等の関係でいて貰いたいし、お兄ちゃんとか兄さんとか、そういう世俗的な呼称は似合わないと思う。
後、穹が悪夢というか、両親の夢にうなされていましたね。無理もないというか、時々夢に見てしまうこともあるんでしょう。2人とも割り切れていないことは、ハルも言っていましたし。ただ、穹の場合はハルにすがりつくというか、ハルの存在を探して必死で求めているところがあるので、そこがなんというか健気で儚くて。穹のハルに対する執着や愛着は昔からあるものですが、両親の死がその感情を強めた事実は否定できない気がする。
けど、そういう小難しい話を抜きにしても穹は可愛いというか、可愛いとはこういうことだと私は言いたい。もう、終盤にかけてのデレデレっぷり、甘えっぷりが最高すぎる。寝ぼけているんだとしても、あまりの可愛さにこちらが恥ずかしくなってしまう。ほら、人って寝る直前のテンションとネタ後のテンションって普段とまるで違うじゃない? 身近にそういう人間を一人知ってるけど、穹は格別だね。

ソイネノソラは既に携帯他にデータを移したんだけど、いやー、よく眠れる。あれを穹の抱き枕の下に仕込んだりすると、最高に幸せな気分になれるよ。さすがにイヤホン装備で、電車の中でも聴くのはどうかと思うけど止められない、止まらない。
夏ノ雨との同時購入キャンペーンでダウンロードしたシステムボイスも、普段はパソコンにそんな物付けないのに、今では穹の声が聞こえることに言い様のない喜びを覚える始末。私はもうダメだ、ハルと穹のためならなんだって出来る気がする。
放置しっぱなしのHPに、ヨスガノソラコンテンツを作っている最中なんですが、ハルカナソラ日記も書き終わったことですし、急ピッチで作業を進めようと思います。この際だから、とことん拘ってみようかな。やりたいことは全部やる勢いで。

それじゃあ、夏ノ雨をインストールしてきます。感想書くかどうかはまだ判らないけど、のんびりプレイしていこうかな~とも思っているので。どのキャラから始めようかな、攻略ヒロインは4人だけなのか、それともサブキャラにもなにかあるのか……今から楽しみです。
長かったハルカナソラの感想日記も終わり、後はカラオケイベントとソイネノソラについて書くぐらいですか。といっても、後者はまだしも前者はダメイドが良いキャラしていたということぐらいしか、書くことがないのも事実。ソイネノソラについては明日の日記で書くにしても、個人的にはやっと終わったという気分です。

ハルカナソラを実際にプレイしながら書いてきた日記なので、予定したよりも時間が掛かってしまったというか、仕事から帰ってきたらひたすら書いていた気がします。原稿もやらずになにをやってるんだと思われそうですが、ちょっとハルカナソラをプレイする裏で色々ありまして、今現在原稿はすべてストップしています。サボってるというか、書けなくなって。特にロクゼロは当分進まないと思う。自分でもビックリするぐらい衝撃を受けてしまったので。我ながら柔弱だ……こういう事態はあまり想定していなかったというか、テンションの低下に歯止めが利かない。
まあ、それをも癒やしてくれたのがハルカナソラであり、春日野穹春日野悠なわけですけど……気分は最高だし、ヨスガノソラと合わせて何回でも繰り返しプレイが出来そうです。まさか、ここまでの威力があるとは思わなかった。嫌なこととか、面倒なこととか、全部忘れされてくれるというか、直前、直後にあった出来事をどうでもいいやと思えるぐらいにのめり込んでしまった。その出来事から逃げるつもりはないし、向き合っていかなきゃいけないというのも、ハルや穹に教えられたんだけどさ。
とりあえず、これで冬コミのネタには困りませんね。既に表紙作りは始めてるんですが、さすがに後2ヵ月の内に私の彩色技術が上がるわけもなく、画力なんて皆無だから夏コミより数段レベルが落ちてしまうかも。誰かにヘルプでも頼もうかしら。技術力を底上げするには時間が掛かりすぎる。

話が大幅にずれてしまいましたね、私が抱え込んでいる問題は機会があれば書くとしても、今はハルカナソラの話です。
感想は色々ありますけど、まずは短い時間でよくぞここまでやってくれたということでしょうか。FDの発表から完成まで、延期することなく発売できたのは本当に凄いと思います。ある程度売れた作品でないとFDなんて発売しないわけですし、予め予定があったというわけではないでしょう。ハッシーにしても、発表の早さと制作期間の短さには驚きや苦労があったようですし。私も1回ぐらいは延期するんじゃないかなと思っていたんですが、夏ノ雨との同時発売&キャンペーンを始めたり、どうにも作業用の人材が豊富らしい。夏ノ雨はまだプレイしてませんが、2作品同時に送り出すってのは相当なことです。とても、Gardenを作ったところの姉妹ブランドとは思えない……まあ、ヨスガノソラが売れなかったらブランド的にやばかったんじゃないかと言われてるぐらいですし、気合いの入れようが違ったのかな。
ボリューム的に不満はありません。初回特典もいいものばかりですし、この日記を書いている現在も特典のキャラソンを流しています。店舗特典に描き下ろしがなかったのは残念ですが、これはハッシーの作業量的にも無理があったんでしょう。仕方ないことです。それに例え描き下ろしがなくても買う人は買いますし、AKIBAゲームフェアに行った際、一人で初回版を30個も買った人に出会いました。転売するつもりなど一切ないようで、自宅に黒うさぬいぐるみを並べるんだと張り切っていましたね。上には上がいるというか、凄まじい限りだ。

内容的に踏み込んだ話をすると、私はやはり蒼穹の果てにが一番良かった。穹が好きだから、というのもあるけど他の2人のシナリオが微妙だったんですよ。個別感想のときにも書いたと思いますが、特に委員長シナリオは肩すかしを食らったというか、ちょっとキャラが変わりすぎてる気がするなと。委員長こと倉永梢というキャラは、ヨスガノソラにおいては穹シナリオに一番多く出番がありまして、いつだったか彼女についての考察もどきを書いたときにも触れましたが、彼女は穹シナリオの後半部分における穹と対になる存在だった思うんですよ。
少しばかり意地悪な見方になりますけど、穹ルートだけを見れば委員長は果たして春日野悠に恋をしていたのか? という疑問すら湧いてきます。委員長の恋心を否定したいわけじゃないんだけど、委員長の心の中には、おそらく彼女が理想とする王子様像見たいのがあって、それを都会への憧れと混ぜ込んでハルに重ねていただけではないのか。だから、委員長はハルに恋をしたのではなく、ハルを通して自分の理想や憧れを見ていただけじゃないのか。
この考えはあくまで個人的なものなので、決して正しいとは思いません。ただ委員長シナリオをやれば判るとおり、彼女は恋する乙女らしく妄想過剰で、それはおそらく穹シナリオにおいても少なからずあった要素だと思うんですよ。
自分の夢や理想を、砂糖水に溶かした恋心という絵の具で甘ったるい絵にしようとしていたら、描き上げる前に現実がキャンバスを引き裂いてしまった。委員長は特徴として、貼るが好きな割りにはハルの中身を見てこなかった子ですからね。ハルの周囲はよく見ているけど、肝心のハル自身をどれだけ見てきたのか、理解しようとしていたのか。
ハルが捨てたもの、逃げてきた世界に強い憧れを持つ委員長では、付き合えば付き合うだけ価値観の相違が発生するはずで、私には委員長シナリオが別れること前提のシナリオに見えてしまった。絶対長続きしないでしょ、あれは。デートに穹が着いてきた事からも判るけど、結局どちらがハルにはお似合いなのかが明確にされてしまった感じだし。いや、どう考えたって穹が着いてくる理由はなかったし、穹が言った「2人が別れたら返してもらう」という言葉は遠からず現実になるんじゃないだろうか。なにせ、ハルはともかく委員長は初恋ですし、熱病の一種である恋はいつか醒めます。委員長の理想や憧れと現実の存在であるハルにズレが生じたとき、2人の関係はどうなるのか。シナリオに安定感がまるでなかったというか、独り善がりな印象を受けてしまった。
故に私は一応でも決着を付けた穹シナリオでの委員長を高く評価しますし、そっちの方が好ましいと思うんです。まあ、これは個人の好みというものですけど。

穹シナリオについては書きまくったので今更書き足すこともないような気がしますが、委員長シナリオと合わせて思ったのは、相変わらず大人が出ませんねこのエロゲ。ヨスガについて書いたときも触れましたが、基本的にこの作品は大人という存在が登場しません。
委員長シナリオでは彼女の親が出てきますが、特に台詞があったわけでもなく、登場はしていません。穹シナリオでも、結局ハルと穹をエストニアに招待した人は誰だったのか? 男性か、それとも女性か、年齢はどれぐらいで、どんな容姿をしているのか。台詞の一言もなかったし、とことん大人という存在を描かない、排除したキャラ構成になっています。
そこにはいくつかの理由があるはずで、大人というのは子供にとって頼るべき存在なんです。悩みがあり、迷いがあり、そういったものを打ち明け、相談し、道を指し示してくれるのが人生の先達たる大人の役目で……一番身近なのは両親でしょう。その身近な存在がハルと穹にはいないわけで、2人は常に自分たちで決めなくてはいけないという立場に立たされています。これはある種、ヨスガノソラやハルカナソラのテーマにもなっていると思うんですけど、両親を失い、残された双子の兄妹が、自分たちの意思で物事を決め将来に向けて歩んでいく。それを強調するためにも、助けとなる大人の存在を出せなかった、出したくなかったんだと思います。
物わかりが良くて、頼りがいがあり、主人公を優しく、時には厳しく諭してくれる存在。そんな偽善的な大人は、この作品はいらないんですよ。ハルと穹にとって重要なのは2人で決めること、2人で一緒に歩いていくことなんですから。道しるべはあった方が便利だけど、絶対に必要なわけじゃないんです。渚さんの両親とか例外はあるにせよ、徹底された構成には好感が持てます。2人の話は2人が作っていかなければいけない、そして、ハルと穹にはそれが出来るんだから。

ヨスガノソラから続いてきたハルと穹の物語も、ひとまずは完結しました。今回、敢えて北欧での生活ではなく、北欧に行くまでの過程をシナリオにしたことを考えると、あるいは北欧編にも期待していいのかもしれません。ストーリー的な物は出し尽くしてしまいましたが、作れないことはないですしね。イチャラブに特化したFDというのも、それはそれで悪くないでしょう。
Sphereが今後どのような作品を出しいていくのかはまだ判りませんが、ヨスガノソラとハルカナソラ、そして春日野悠と春日野穹の存在は、貴重な財産だと思います。グッズ類の販売などもありますしね。ドリパにも結局出るみたいですし、私もそれに向けた準備を始めようと思います。
明日の日記はソイネノソラについてです。これが、ヨスガノソラ&ハルカナソラフィーバーの締めくくりになるのかな。システムボイスとかについても書く予定なので、今からUSBの出し入れと接続ミスをしてくることにします。
28日の日記を更新したんですけど、一つ気付いたことが。この日記って2万字書けると謳ってますが、実際には無理みたいです。28日の日記を2万字ギリギリで更新しようとしたら、「本文は2万字内でお願いします」というメッセージが出て、100字、200字と削ってもまだダメだったから、結局2000字も削ってしまいました。だからあの日記、実は18000字ほどです。


~貴方からのプレゼント、貴女への贈りもの~
到着した隣町は、土日と言うことも合ってか早い時間から結構な人がいたようです。ハルは意外に思いますが、穹はそんな中から目ざとくネカフェを発見。休憩するとき入ってみたいと言いますが、ハルはどうせならケーキを食べながらお茶をしたほうが良いと言います。ネットで足りない情報を探すよりも、せっかく一緒に来てるんだから自分を頼って欲しい。少し意地悪げにからかいますが、穹への効果は絶大でした。ハルに任せる、ハル以外には絶対言わないであろう言葉を投げかけ、投げかけられた方も穹へのエスコートを約束します。
腕を組みながらアーケードを歩く二人は、やはり人目に付くらしい。ハルは途中、ガラスに映った自分の姿を見て髪を直します。穹が言うにはこういうところはマメらしい。ハルの言い分としては、穹がバッチリ決めてるのに自分だけずぼらというわけにもいけないからだとか。一緒に並ぶと、目立つから。

「それはハルが? それとも私」

訊ねられ、ハルは迷うことなく穹だと断言します。

「ううん、違うよっ。ハルは自分がどれだけ格好いいか全然わかってないよ。それに、ハルがいてくれるから私も目立てる……」

近年のエロゲ主人公というのは、最初から女子に人気があるとか、結構モテるとか、そういう設定が予め備わっていることが多いです。ハルのようにイケメンだと明言される主人公も少なくはないですし、やっぱり男は顔というか容姿なんですね。当たり前の話ですが。けど、ハルのように直接ヒロインから格好いい、イケメンであることを肯定され、実際に幾度となく言われるタイプは珍しいかも。夏ノ雨のヒロインでさえイケメンなのは認めてましたから。
ヨスガの頃と比べても随分なプッシュですが、そもそも穹の双子なんだから格好良くないはずがない。格好良く、そして可愛い、それがハルの魅力です。

「私たちが一人ずつで居るより、二人ずつで居る方がもっとお互いの魅力を引き出せると思うよ」

穹の言葉は、ほとんどユーザーの総意みたいなものだと思う。春日野兄妹はどちらが掛けてもダメなんですよ。ハルがいるから穹が成り立ち、穹がいるからハルが映える。そういう魅力がこの二人にはあるし、それは大事にしていくべきものだと思います。
ハルも自信持ってお洒落を仕様という穹に、内心では亮平が着ていた甚平に興味があったことを漏らします。意外ですけど、それでも似合いそうだからハルは凄い。穹に怒られそうだからと断念してますが、確かに楽な格好ではあるよね。
都会にいた頃はハルも服を買いに行くことがあったと良い、なるほど確かに趣味ではあったようです。ハルの顔が生き生きしてきたことに穹は喜び、ハルもそれを認めます。
最初に向かったのはアクセサリーショップで、リボンやクロスをはじめ、小物類も取り扱っているらしい。穹は白と黒のリボンで迷い、どちらが良いかとハルに訊ねます。両方買って使い分けたらどうかとハルは提案しますが、穹はあくまでハルに選んで欲しいみたい。
ハルが選べば、それが一番のお気に入りになるから。
穹には白が似合う、そう思っているハルは白を選びますが、意外に白いリボンを付けている穹ってのは作中でも少ないんですよ。基本的には黒が多いし、白い衣服に黒は映えますから。ハルがレジに並び、さながらプレゼントのように穹へと渡します。基本的に春日野家の財布をにぎっているのハルで、穹には小遣いも渡していないそうです。お菓子や飲み物など、嗜好品ぐらいしか買ってあげてないし、少しぐらいは渡したほうが良いのかと悩み、渡したら渡したでなにに使うか判らないとハルは悩んでしまう。ハル自身、自分のためにお金を使うことが全くないから、どうしたほうが良いのか判らないんでしょうね。別にハルは物欲がないとか、極端に無欲なわけじゃないと思うんですよ。だけど、家の財布を握る立場として、金銭に関する強い自制心が働いてるというか、趣味にお金を使うことに抵抗があるんだと思う。今回も穹に諭されるまで、自分にも服を買おうという発想に結びつきませんでしたから。

穹に付き合って、ハルは三軒目の服屋へと入ります。穹がネットで検索していたブランドのコーナーがある店で、女性向けだけ合って華やかな店らしい。穹はハルを気遣って、外でコーヒーでも飲んでればいいと言いますが、ハルは構わないと言います。お互いに気を使ってるんですね。けれど、穹はなにを思ったか「ハル……もしかして女装に興味があるの?」と訊いてきて、ここぞとばかりに女装を勧めます。
穹は何着か手にとってフィッティングルームに向かい……都会っぽさを出そうとしたのか、それともこれが普通なのか知らないけど、別に試着室という表現で良かった気がする。横文字で洒落っ気は出てるけど、正直判りづらい。私がファッションというものに興味がないからだろうけど。
ゴス系を中心に試着している穹は、着る前、もしくは着た後の服をハルに見せ、どっちが似合うかと聞いてきます。試着室に首を突っ込むハルも大胆ですが、中では下着姿の穹も大胆。服も可愛いけど下着も可愛いと思いつつ、ハルは穹のために服を選びます。先ほど買ったリボンと組み合わせたら似合うであろう、純白に近い服を。

穹の服を買い、良い時間なので昼食を取ることにした二人。落ち着ける場所がいいとのことで、アーケード内にあるイタリアンを選びました。らっぱ寿司も目に入ったみたいですが、さすが回転寿司は人気があるのか長蛇の列だった模様。まあ、どちらにせよ穹はお刺身とか生の魚が嫌いですからね。寿司は食べないでしょう……委員長シナリオではなに食ってたんだろうか。ハルも引き気味だったし、ああいう部分の感性にズレがあるんだろうな。
入ったイタリアンレストランはチェーン店で、前に住んでいた所にもあったらしい。神田グリルとか、つばめグリルみたいな感じかな? あぁ、でもあれはイタリアンじゃなくて洋食屋チェーンか。私は困ったときには神田グリル行きます。
このレストランには都会にいた頃、ハルも何度か入ったことがあるみたいです。両親とではなく友達と。友達とファミレスやファーストフード以外の店に行く中高生ってのも、それはそれでなんかやだ。いや、実はイタリアンといいつつサイゼイリヤのことなんだろうか。でも、いくらあそこが内装凝ってるからって、ゲーム画面に映っている店内には相応の格式と品格が見受けられるし……こういうレストラン大好き。憧れる。
穹は恋人とでも入ったんじゃないかと気にしますが、ハルはからかいつつも否定します。ハルはあまり穹と外食したことがないようで、まあ、穹自身外出が好きじゃない面倒くさがり屋ですからね。都会にいた頃も、出来合いの弁当とかで済ませてたんでしょう。
メニューを見て、穹はキノコグラタンとアイスティーを頼み、ハルはBセットというまるで定食屋のメニューみたいなのを選ぶ。いや、普通にパスタとかでいいじゃん。スパゲッティで。さすがにサルティン・ボッカとかはないだろうけど、料理名をごまかされるのはちょっと微妙です。折角イタリアンに入ったというのに。
早く帰って、買った服を着てみたいという穹。服は逃げないよと苦笑するハルに、なによりも早くハルに見て貰いたいと語る穹。そこら辺の微妙な乙女心がハルには判らないんだけど、「まぁ、ハルだし、しょうがないかぁ」と穹は諦めます。反論できないハルに、食事が終わったらハルの服を観に行こうと穹は提案します。
不思議なのは運ばれてきた料理で、パンが美味しそうだからと穹は一口食べさせて貰います。ハルはそんな好意に気恥ずかしさを憶えながら、バジルソースの効いたパスタを食べるんですけど……ハルの頼んだBセットとは一体。パン+パスタって主食被ってない? いや、セットというぐらいだからミニパスタなんだろうか。メインに対する付け合わせで、そうね、メインはミラノ風カツレツなんか美味しそう。ただし、トマトソースがかかってないやつ。
穹のグラタンも食べさせて貰い、家でも作って欲しいなどの無茶を言われつつ、デザートのジェラートまで楽しんだのでした。ちなみに説明するまでもないけど、ジェラートとはイタリアの氷菓で、要するにアイスです。これがまた深みのある味なんだ。私は、シャーベットよりジェラートが好きです。
昼食休憩を一時間ほどした後は、ハルの服を見るために買い物を再開、ハル本人よりも穹のほうがデザインなどに拘ったりして、色々な服を試着したようです。この過程がすっ飛ばされるのは、ハルのCGを描く余裕がなかったからでしょうか。まあ、普通は主人公単体のCGなんて描きませんけど、私からすればハルは他のヒロインとも比較しても遜色ないキャラだと思っているので。
いくつか服を買って、穹に選んで貰ったTシャツを明日から着てみようと考えるハル。そうしている内に日も暮れて、はしゃぎ回っていた二人は人の流れに混ざりながら駅へと向かい、帰宅します。穹は疲れたのか帰りの電車で寝てしまいましたが、ハル曰く、彼が買ってあげた服を離そうとしなかったのが、いじらしくて可愛かったとか。

帰宅した奥木染、ハルと穹は偶然駅で出会った渚さんに車で家まで送って貰います。疲れ果てた穹は歩けそうもないし、かといって荷物があるのでおぶることも出来ない。そこにたまたま渚さんが通りかかって、ハルと穹はなんとか家に帰り着くことが出来たというわけです。
自分たちの関係を告白して以来、渚さんとはちゃんと話す機会がなかったハル。しかし、渚さんは嫌な顔一つせず、車内で眠る穹の顔を可愛いと言っていたそうです。二人が買った荷物を見て、今日は凄く楽しんでいたみたいですねと言ったり、笑顔に裏表が感じられない。ホントに二人は仲が良いという羨む渚さんに、苦労はあるけど昔からずっと一緒に居たからと答えるハル。渚さんにとって兄妹、彼女場合は姉妹ですが、その二人がずっと一緒に居られるというのは理想の形なんでしょうね。様々な理由から穹シナリオにおける渚さんと瑛の関係には進展がないわけだけど、やはり現状打破はしたいみたい。
渚さんは唐突に、ハルとメルアドの交換を行います。穹がさっさと家の中に引っ込んでしまったから良いようなものの、そうでなかったらどんな反応をしたのやら。ハルの周囲で携帯持っているのって、穹を除けばそれこそ渚さんぐらいですしね。

「今日みたいな事があったら、いつでも頼ってください」

渚さんの申し出は心嬉しく思うも、さすがに車を出して貰うなんて申し訳ない、ハルはそのように言いますが、渚さんは遠慮されて関わりが持てなくなるよりはずっと良いと考えているようです。瑛から言われたこと、自分は春日野兄妹とどうしたいのか? 瑛と違って、すぐに自分の気持ちを決められなかった渚さん。挙げ句に結論を保留として、傍観者になろうとしていた。常にハルと一定の距離を保ってきた彼女からすれば、ある意味で当然の選択だったのでしょう。でも、それじゃあ傍にいる意味がない。それに気付いた渚さんは、利用されてでもいい、助けることで自分が関わっていけるのならと、そう思い始めたそうです。そして、いつか二人の気持ちをちゃんと理解していきたいとも。
みんな強い、自分もそうなりたいから……ここでいうみんなとは、春日野兄妹や瑛、亮平などといった面子のこと。立ち直った委員長も含まれるんですかね。渚さんは穹に頭を下げ、これからも宜しお願いしますと言います。その畏まった態度に、却ってハルが慌てふためいてしまう。
渚さんは真面目すぎる、というハルの感想は決して間違っていない。本当はもっと単純に考えることも可能で、不快だと思ったり、傷ついたりしても構わなかったんです。現に、当初の委員長はそういう反応を見せましたから。渚さんは常識人で、真面目すぎるがために真剣に考えた。ハルとしては、恐縮しつつもその気持ちをありがたく受け取ります。答えはまだ見つかっていないけど、これから必ず見つけてみせる。その潔さは、ハルも見習うべき所だと感じます。
照れくさい雰囲気になりつつも、ハルは渚さんを見送って家の中へと入ります。穹は自室で完全にくたびれていて、着替えもせずにベッドで寝ています。穹は一緒に寝ようというのだけど、ハルはまだすることがあるので先に寝ててくれと言います。寝るまで傍に居てとせがむ穹に、了承するハル。今日の楽しかった出来事を思い返しながら、また一緒に行こうと約束する二人。穹は楽しかった気持ちを夢の中まで持っていきたいと、既に夢心地な口調で呟く。そんな穹に微笑みながら、彼女が安らかな寝息を立てるまで傍にいて我得るハルでした。

~北欧からの手紙~
翌日、さすがに疲れが残っていたのかハルより遅く起きた穹。既に昼食という時間でしたが、胃が目覚めていないのか熱いお茶をくれるように頼みます。ハルはお茶を出しつつも、洗濯機を動かしたり、昨日届いた郵便物をポストから取り出したりしてきました。大半肌入れとメールですが、手紙や請求書も混じっているので仕分けなくてはなりません。穹に手伝って貰いながら、作業を始めるハル。請求書には電話会社のものもあり、今月の携帯料金はまあ平凡なもの。けれど、来月は……と頭を抱えますが、穹は早くプラン変更するか家に光回線を引けば済むだけだと要求します。まあ、その通りだけど。
届いた手紙の中で、一際目に付く英文字の手紙。海外からのようですが、宛先には今は亡き父親の名前が書いてある。おそらくは仕事関係の人だろうけど、まだ両親が死んだことを割り切れていない春日野兄妹の表情が曇ります。とりあえず仕分けを優先して、それが済んだ後に開けることに。
開けた封筒には、手紙と飛行機のチケットが入っていました。当然英語のチケットですが、行き先ぐらいは読めたらしく、ヘルシンキ行きのビジネスクラスだそうです。ヘルシンキといえば北欧はフィンランドの首都ですね。ただ、差出人がフィンランド在住なのかどうかは判らない。差出人欄には国名が書いてあったそうですが名言はされず、後述しますがいくつかの疑問点からフィンランドと断定も出来ないので。
直筆の筆記体で書かれた手紙を読み解くのは難解で、判ったことと言えば飛行機のフライト予定が明明後日に迫っていることぐらい。しかし、ビジネスクラスか……あれは結構高いんだよね。航空会社にも寄るけど、長距離便ならファーストに遜色ないものになる気がする。
とりあえず手紙を解読しないことには始まらないので、穹がパソコンを使って調べることに。メモ帳に全文を打ちだすので、時間が掛かるみたいです。その間にハルは残りの手紙、主に両親宛の手紙に目を通します。悔やみの言葉を書いてくる人もいれば、残されたハルと穹を心配してくれる人、そして両親の店で家具を買い、愛用しているという人。両親の店が褒められることは、ハルにとっても誇らしいことですが、その賛辞を受け取る資格はもうないと感じています。ハルはそんな両親の店を継ぐことが出来ず、畳んでしまったから。
両親が死んでからのゴタゴタで心身共に疲労しきっていたハルは、重荷であった店を畳みました。けれど畳んでみれば、そこに待っていたのは解放感ではなくて喪失感、事情があったにせよ、店というのは両親が生きてきた証だった。後悔してもとき既に遅く、店から持ち帰った両親の私物を見て初めて、ハルは自分がしてしまったことに気付く。
でもそれは仕方がないことで、まだ学生のハルには店の経営なんて出来ないし、穹との今後の生活だって決まっていないじゃないか……そんな慰めにもならない言葉を聞きながら、両親が築き上げてきたものをもう一度自分が取り戻すことなど出来ることがないと、悲観に暮れます。両親への手紙は嬉しいけど、同時に自分の無力さを痛感し、ハルの気は重くなる。それでも返事を書くのが、ハルらしいんですけど。

時間が経ち、夕食時になって穹がハルを呼びに来ます。手紙の返事を書くことに頭を使っていたハルはどこかボーッとしていたらしく、一方の穹はもう少しで手紙の解読準備が終わるらしい。
夕食を済ませ、ハルは穹の部屋へ。いつかのように穹を膝の上に載せながら、手紙を打ち込む姿を見ます。打ち込み終わった手紙を翻訳サイトで翻訳し、まずは英語に変換します。そこから日本語に変換するという、文明の進歩にハルは率直に感心します。
翻訳が終わって手紙は、部分的に不正確な箇所があるものの、なんとか読める形になります。

“親愛なるか春日野夫妻の子供達へ…………”

手紙の始まりは、そんな挨拶からでした。

~二人、旅立ちのとき~
昼休みの終わり、ハルが学校の屋上からグラウンドを見下ろしています。暑い中、グラウンドで遊ぶ生徒を元気だなと思いつつ、ハルは自身の携帯へと転送して貰った昨日の手紙を開きます。
手紙の差出人は、やはり両親の仕事仲間から。両親が買い付けに行った際に知り合い、なにかと世話になったことで公私にわたる交友が生まれたらしい。海外のため、両親の不幸は同業者経由で少し遅れて知ったといい、手紙には悔やみの言葉や偲ぶ言葉が続いていく。
どうにもハルと穹の両親は、夏になり、子供達が夏休みに入ったら家族で旅行をしようと思っていたらしい。手紙の主も、春日野夫妻自慢の子供達と会える日を、楽しみにしていたようだ。そこで、両親を亡くして失意の中ではあろうが、気分転換にでも遊びに来てみないかと、手紙の主は提案します。夫妻が、両親が見せたがっていた国を、自分が見せてあげたいというのです。両親のこと、仕事のこと、さすがに一緒に仕事をしても良いというのは先走りな気もしますが、応援したいので一度会って話がしたいと、手紙にはそう書かれていました。

「ハルカ、ソラ……いつも君たちの両親が想いをはせて見上げていたと空と、同じ名前を持つ子供達と会える日を楽しみにしている」

手紙はそう締めくくられていたそうですが、ここで一つ疑問が。手紙の主は両親の訃報を知っていて、なのにどうして父親宛に手紙を出したのか? ハルの名前を知らない、というのならまだしも、上記の文面を読む限りは知っているようですし、両親宛にしたほうが判りやすいと思ったんでしょうかね。
遠い異国から届いた手紙に、ハルは戸惑います。昨晩穹から訊かれた、「………ハル……どうするの?」という問いにも即答を持って答えることが出来ませんでした。学校の図書室で、差出人が住んでいる国を調べます。国名を明確にしないのは、なにかに配慮しているのか、それとも描写不足などを突っ込まれないようにするためか。ヨーロッパのどこら辺にあるのか、時差が何時間で、通じる言葉はなにか……ハルの主観では綺麗な場所で、治安も良さそうとのこと。ヨーロッパに治安の良い国なんてあるのだろうかと、欧州に偏見を持っている私なんかは思いますが、日本と違って空や大地に、自然に深みがあるらしい。
興味は湧きますが、だからといって即決も出来ない。両親の店を畳んでしまった後ろめたさがハルにはあって、両親の話を聞けば聞くほど、自分の無力さを思い知ることになる。だから、自分は行くことが出来ない。
悩むハルの元へ、穹が現れます。ハルの微妙な心境を理解していたのでしょう、声を掛けますが、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴ったため、一旦分かれることに。

帰宅して、冷たい麦茶を口に含むハルですが、熱の籠もった室内の不快さは取り除いても、心の中の悩みまでは取り払ってくれません。穹はそんなハルを見て、遂に核心的な質問をします。

「ねぇハル……何を考えてるの?」

問いかけてはみたものの、手紙のことで悩んでいることは一目瞭然だったので、穹はハルから問い返されます。穹は、行ってみたいのかと。
どちらでもいいと答える穹に内心安堵しながら、ハルは学校もあるし今回は縁がなかったと思い諦めようと言い出しますが、穹はそれが本心でないことを見抜きます。ハルには別の理由があるということを。店を閉めてしまったことを未だにハルが気にしている、穹はそれを知っていました。そして、あの当時、泣いてばかりだった自分がどれだけ無知で、どれほどハルが苦しんでいたのかを、後になって悟ったことも。
ハルに全部責任を押しつけて、泣いていただけの自分。最終的にはハルを追いつめ、追い込み、苦しめてしまった。
悔いる穹に、自分はただ逃げ出しただけだと白状するハル。そんなことは穹だって気付いてますが、当時のハルには現実と向き合うだけの勇気も、力も残っていなかった。だから逃げ出した。親戚もいない、店もない、マンションからも遠く離れた田舎の地で、都合の良すぎる生活に安楽してしまった。穹以上に悔いるハルですが、穹は奥木染に来たことを後悔などしていないといいます。色々あったけど、今の自分たちがあるのは、ハルがここで自分と暮らそうと言ってくれたから。それだけでも、ハルは間違ってないし、穹も着いてきて良かったと思えるのです。

「ハル……全部自分の力不足だなんて思わないで」

無理やり続けていたところで、上手くいったとは限らない。今よりずっと、悲しいことになっていたかも知れない。だから、ハルが決めたことは間違っていない。

「ハルは責任をちゃんと取ったの。パパとママの代わりに、お店を閉めてあげることが出来たの」

それがハルの取るべき責任であって、ハルはそれを果たした。大体、手紙でもハルに文句を言う人など居ないし、親を失った子供を攻めたてるような奴は心が狭い以前に人として間違っています。
穹に慰められても、ハルの中にある申し訳ないという気持ちは消えません。だけど、自分に店をやっていく自信があるわけもない。それが当たり前だと穹は言います。私たちは何も知らない、経営にしろお客さんにしろ、仕事でどんな人と付き合ってきたのか、全然判っていなかったのだから。何も知らないのに、出来るはずがない。

「ハル、私は知りたい……パパとママが一生懸命やっていたお仕事のことを。もっと聞きたい……お客さんから、手紙をくれた人が知ってるパパとママのことを。それで、私もパパとママのお店を継いでみたいって思えるようになったら……それからはじめてもいいと思う」

決めることはいつだって出来る、ハルや穹の両親だって二人と同じ年齢のときから店を始めたわけもないんですから、まだ若い二人はこれからなんです。謝ることばかりじゃなくて、二人に出来ることを見つけていけばいい。時間は、たっぷりあるのだから。

少し話をずらしますが、ここまでの流れは後の北欧編も含めてあまり共感が出来なかった部分です。というのも、私には店を継ぐ、子が親の職業を継がなくてはいけないという考えが好きじゃない。もちろんハルは強制なんかされてないし、あくまで自由意思ではあるけど、そこには死別してしまった両親への懺悔の念もあるわけで。
ハルが他になりたい職業を持っていたのかは判りませんし、おそらくはないのでしょうけど、両親が生きていたとしたら進むべき道も違っていたんじゃないかと思う。今では想像でしかない未来像、将来像だけど、もっと道は大きく開けて、複数合ったはずです。
現にハルの父親は家具屋ですが、その父親、つまりハルの祖父は町医者です。職業的な繋がりは一切ありませんし、ハルの父親は自分で決めたであろう道を、親とは違う道を進んだわけです。それに、ハルが春日野医院を自由に使えたことから、ハルの父親はおそらく長男、兄弟姉妹もいないか、少なかったのではないかと思います。となれば、町医者と産婆の両親が死んだ後、医院を閉めたのもハルの父親だったはず。
ハルの祖父母がどういった形で亡くなったのかは知りませんが、ハルの父親もまた同じような経験をしたのではないでしょうか。そのとき、医者ではなく家具屋の道を選んだ自分をどう思ったのか、ハルのように悔やみ、後悔したのかは判りませんが、家具屋を辞めなかったのは事実です。状況的問題、年齢的差もあるにせよ、親の職業を、春日野医院を継がなかったことに代わりはないのですから。
だから、それも踏まえた上でハルはあまり気にしなくても良いんじゃないかなと思います。これはあくまで私の個人的意見だし、親の仕事を具体と思うハルの志を否定するわけではありません。今時、立派な考え持った息子さんじゃないですか。
逆に言えば、私の方こそ親の職業を継ぐつもりもなく、趣味と道楽で飯を食っている男です。故に、ハルのような純粋な考えを理解できないのかも知れない。もっとも、今からでは逆立ちしたって親の仕事は継げないんですけどね。継ぎたいとも思わないのは、嫌いだからじゃなくて向いてないから。こればっかりは、やる前から分かり切っている数少ないことなんですよね。

穹のおかげで視野が広がったハルは、新たなる大地へ、遙か先の空に旅立つことを決意します。いつも自分をいざなってくれる穹を、今度は自分は連れて行く番だと誓いながら。
ここで三回目、最後のエッチシーンとなるわけですが……遂に穹の部屋が解禁ですか。ありそうでなかったシチュエーション、制服のままというのもヨスガ以来ですが、ヨスガのときはフェラ止まりだったからな。あの後絶対にヤッたんだろうな。描かれなかったけど。
最後だけ合って高クオリティというか、穹がハルを苛め倒します。コズエノソラで穹が言っていたのは、こういうことだったのか。もはや説明するまでもないというか、とにかく見て、読んで、抜いて、ハルと穹を堪能してくださいとしか書きようがない。そういや夕暮れの室内っていう時間帯もはじめてだ。穹のベッドの上だから、窓から差し込む日の光が、ハルと穹を茜色に照らしてる。
しかし、いちいち表現が女の子的というか、仮にも男の主人公相手に愛液とか表現を使っちゃうエロゲは初めて見たかも知れない。確かにハルにはそれだけの魅力もあるが……いや、素晴らしい限りです。
私は男女の仲に限らず、人間性をSMで表現するのはあまり好きじゃないんですが、ハルと穹は互いが互いにSにもMにもなれるというか、どちらが主導を握っているのかで切り替えが凄く上手いと思う。まさに対等な関係。

翌日の昼休み、ハルはいつも以上に忙しなく動いています。調べ物が多いらしい。それでも昼食を楽しむ時間ぐらいはあるようで、いつもの面子で楽しく談笑。話の流れでその内、バーベキューでもしようということになり、特に瑛が熱望します。秋は栄養を溜めて、冬を乗り切るつもりらしい。ハルにも絶対参加するように諭し、あるいは瑛はハルと穹が旅立とうとしていることを知った上で、みんなとの繋がりを強くする約束を交わさせたのかも。帰るべき場所を作り、今後の予定を立て、ハルは瑛に心の中を見透かされているようだと感じていますが、その通り瑛はなんでもお見通しなんでしょうね。だからこそ、ハルも安心して旅立つことが出来る。
帰宅して、旅の仕度をするハル。両親の形見でもある旅行用の古いトランクに荷物を詰め、衣類を初めとした必要なもの、それにチケットとパスポートを入れます。突然の初海外ですが、パスポートだけは両親に言われたのか前々から持っていたみたい。両親との旅行はもう出来ないけど、ありがたく使わせて貰うことに。
一通りの仕度を終え、荷物のチェックも終えたとき、ハルはまだやっておかなければいけないことがあると、行動を起こします……

さらに翌日、出発の朝。良子に行く流れ出来ていると思い込んでいたのか、ハルは穹に東京へ行くとしかいっていなかったようです。なので穹は仕度に手間取りますが、ハルの用意した着替えのセンスや、何故だか醤油の瓶を入れていることに呆れます。旅先で醤油が恋しくなるかなと、日本人にありがちなことを思ったようです。実際に欧米に長く滞在すると恋しくなるから、気持ちはわからないでもない。

「ハルは旅行しない方がいい……家でお醤油飲んでればいい…」

ノートパソコンなど、ハルが荷物になるからと敢えて入れなかったものを取りに戻る穹。そんなとき、近所に住んでいる奈緒が現れます。ハルは旅立ちに際しての後始末というか、各種連絡についてを奈緒に頼んでいたようです。まあ、悪くない人選ですけど、予めみんなに伝えておけばいいじゃんと思わないでもない。ほとんど唐突に旅立つわけですし、事前連絡は、さすがに学校にはしているだろうけど、兄妹揃って姿を消したら心配するでしょう。ヨスガノソラでの委員長みたいに。
ここでなんですか、次いでのように穹と奈緒の再度の和解が執り行われるんですけど……このシーン必要合ったのかなぁ? ハルカナソラでは極端に奈緒の出番が少ないわけだけど、それに関しては中の人の都合でしょう。木村あやかさんもご結婚に出産と、色々ご事情がありますから。ただ、それを差し引いても奈緒というキャラの人気度はあまり高くないわけで、それが出番に影響しているのかなと思えなくもない。
穿った見方になるけど、あまりに奈緒の人気が低いから、いや、低いというより嫌われてるから、ここで穹に謝罪される、認めさせることで救済しようとしたのではないか? 穹も許しているんだし、もういいじゃないかみたいな。私は別に奈緒のことが嫌いじゃないけど、決して好きというわけでもないから扱いにはいつも困っています。そして、今回は制作サイドもそうだったんじゃないだろうか。
大体、ヨスガノソラの段階で一応なりとも和解したのに、今回更に穹が悪かったという方向で謝罪させるのはどうなんだろう……理由が理由だけに穹が大人げないとか、奈緒に辛く当たりすぎたという事はあり得ないと思うんだけどなぁ。少しひいき目入ってるかな。穹が奈緒に嫉妬していたのは事実だし、けれどだからといって奈緒の行いが良かったわけでもない。
ただ、これは個人的な意見だけど穹が奈緒ちゃんと呼んでいるのには違和感ある。毛嫌いというか、嫌悪していたときの印象が強いんだろうね。傍観者でいるわけにも行かないハルも謝っていたけど、まあ、ハルはある意味で被害者だし……本人の意識はともかくとして。委員長ほどに決着を付けるべき相手だったのか、そういう疑問が奈緒にはあった。取って付けたような、そういう印象がこのシーンにはある。もうちょっとやりようと言うか、話の運び方があったんじゃないかなって。こんな終盤にいきなり出てくるんじゃなくて。でも、そう考えると奈緒は序盤と終盤にチラリと出てくるだけだから、やはり中の人の都合もあったのかな。

~異国の大地、遙かな空~
日本から飛行機で十数時間、乗り継ぎなどを含めたことも考えると直行便ではなかったようですが、かなりの距離をハルと穹は旅しました。言葉の問題を初めとし、数々の苦労が二人にはあったけど、現地人は気が良いらしく色々教えてくれたらしい。なんとか手紙の主がいる近所までたどり着くことが出来ました。
しかし、そこは耕された畑ぐらいしかない農地で、舗装された道路もないような僻地。自然が溢れかえっているのは良いことですが、なにもないのもそれはそれで不安です。ハルは辺りを見てくると言いますが、穹はその内迎えが来るだろうからジッと待っていればいいと言います。まあ、見知らぬ異国の地ですから、少し焦ってせっかちになってしまうのも判る。

「綺麗だね……外国の絵本にある風景ってホントにあったんだね」

豊かな自然に身を預けていると、遠くから二頭立ての馬車がやってきます。白髪のじいさんが御者をしていて、藁が積まれた荷台は如何にもといった古風な作り。このじいさんが招待してくれた人物というわけではないようで、雇われ者か、それとも部下の農夫かなにかか。言葉が通じないせいもあるけど、あまり会話は弾まなかったみたい。愛想が悪いじいさんと思えなくもないけど、疲れて寝てしまった穹の寝顔を見て優しく微笑み、唐突に牧歌を歌い始めたことから気は良いみたい。では、どうして台詞がないのかというと、これについては考察があるので後で書きます。

到着した場所で、ハルと穹は子供ながらに丁寧なもてなしを受け、数日間のときを過ごします。その過程を幅にカットしたのは、あるいは別の機会に書いてくれるからだろうか。それとも海外での生活模様を書く自信がなかったのか。どのような家に滞在し、家人がどんな人であったのかも詳細は描かれません。ただ、穹が珍しくおかわりするほどに食事が美味しかったり、外国人の双子というのが珍しいのか、近所から人が尋ねてきたりもしたらしい。言葉は通じないけど、毎日色々な人と出会い、交流が出来た。
招待主自体は仕事の関係でちょっとした日本語ぐらいなら使えたらしく、両親の話も沢山聞けたらしい。商才のあった二人は仕事も旅も楽しめるだけの余裕を持っていたらしく、穹のうさぎのぬいぐるみも滞在先のノミの市で買ったらしい。ノミの市ってのは欧州だとそこら柔でやっている古物市、まあ、フリーマーケットみたいなもんです。穹が興味を持ち、お土産を見る意味で連れて行って貰います。
ノミの市が開催されているのは海側の小さな都市で、隣接するいくつかの国から色々なものが運び込まれているとか。使われている言語も様々で、色々なものと人種に溢れかえっているらしい。歴史があるみたいですね。ノミの市自体に。欧州の中でも有名とのことですが、ノミの市で一番有名なのはパリだから、それ以外って事になりますかね。北欧か、バルト三国か、まあそれについても後述します。のんびりとした雰囲気にハルはバザーみたいだなと言う感想を抱きますが、なるほどバザーという表現もあったか。
蚤の市でも、色白の東洋人ということも合ってか穹は目立ちます。写真を撮られたり、土産物を買っていかないかと言われたり、人気者ですね。食べ物も売っているみたいですけど、さすがに生物は保存が効かないので、お菓子とか、缶詰でも買って帰ろうと思うハル。穹は興味を引く露店の前を通ると、興味深く品物を見ていて、同行してくれた人が穹のセンスに感心していたそうです。同行者は即ち招待者とは別人で、部下かなにかなんでしょうか。二人を気軽に招待するぐらいだから、それなりに財のある御仁なんだと思うけど、なかなかどんな人物かが見えてこない。
穹の才能はこれから商売を始めていく上で、大いなる力になるとのことです。ハルはもう少し単純に、良い物がいっぱいあるからみんなにも見て貰いたいなと感じています。その考えに穹も同意し、あるいは両親もそう思ったからインテリアを売る仕事始めたんじゃないかと思います。

「何だか出来そうな気がしてきた……」

ここでの滞在は、穹に今までにない自信や勇気を与えたようです。ハルはまだピンと来ていないみたいですが、この旅が自分にとって凄くいい経験になるだろうとは確信しています。今まで両親が見てきた物を、自分は追っている。同じことが出来るかはともかく、二人の気持ちもなんとなく想像できるようになってきた。

「穹が母さんみたいに色々物を見つけてくれて、僕がそれを売る……って事も、不可能じゃなさそうだし」

そのためには、もっといっぱい勉強しなきゃいけないこともある。

「ハルがお店をやりたいって言うなら、私も手伝う。ハルが苦手なことは、私が手伝えるかも知れないし」

前向きな提案をする穹は、明らかに今までの彼女とは違います。それも良い感じに変わってきているのでしょうね。いつかお店を開きたいと思うならそれも良い、両親が伝えたかったことを自分たちが引き継ぐ。それも素敵じゃないかと語る穹。確かに一番親孝行かも知れませんね。

「ねぇハルっ……欲しい物が見つかったの」

そういうと、穹は一つの指輪を手に取ります。銀色の指輪は、内側に文字が彫ってあるそうです。Siunausという言葉は、ハル曰く滞在国の言葉じゃないらしい。露天商のおばあさんはハルと穹を指さして頷くので、二人に関係がある言葉なのでしょう。穹は左手の薬指に指輪を嵌めますが、偶然にもサイズは見事にピッタリでした。
買うことにしますが、露天商のおばあさんは英語がわからないらしくて交渉は難航。すると穹が……

「Kui palju maksab?」

と、ひとりでに交渉を始めます。どうやら言葉が喋れるみたい。驚いたハルは、少しでも喋れるなら最初から交渉したり、通訳したりしてくれと言いますが、穹はそれだと勉強にならないといいます。またここへ来るのだし、勉強するつもりで頑張ってと。穹は指輪に描かれた文字の意味もわかっているらしい。
意地悪な気もしますが、ハルは俄然やる気を出します。言葉の意味も知りたいし、穹とまたこの国へ、両親が旅した様々な国にも行ってみたい。少しずつだけ、やりたいことが形になっていく。

そして穹は、両親の後を追い続けるハルの心強いパートナーになってくれます。

二人でこれからも一緒に……指輪に約束を交わして、これからも、ずっと二人一緒にあり続ける事を誓い、それを守り続けようと。

穹がハルに指輪を見せて微笑む。ハルは心に誓いを立てると、穹の手に自分の手を重ねた。

穹は嬉しそうに頷き、ハルの手をギュッと握りしめるのでした。



蒼穹の果てにはこれにて完結です。攻略する箇所もないので振り返ることと感想に徹しましたが、如何だったでしょうか。とにかくこの言い知れぬ感動を味わうには、ヨスガノソラハルカナソラをプレイするしかありません。蒼穹の果てにだけで4万字、 ハルカナソラだけで5万字近く書いてきましたが、次の日記は総評みたいな感じにしようと思います。後は、カラオケとソイネノソラについですかね。

さて、ここで少し文字数があまったので蒼穹の果てにでハルと穹が滞在していた国についての考察を。ヨスガノソラスレでも意見が分かれていますが、おそらくはバルト三国のエストニアだと思います。フィンランドから船で1~2時間、お隣にある観光国です。
理由はいくつかありますが、少なくともフィンランドではないと思う。確かにチケットはヘルシンキでしたけど、それは日本からエストニアへの直行便がないからで、ハルも飛行機を乗り継いだと回想しています。フィンランドは直行便があるはずですし、偶然チケットが取れなかったという可能性はあるにせよ、行き先ではなかったんじゃないかなと。
次に、ハルと穹が行ったノミの市は滞在国で開催されているものです。ノミの市自体は欧州ならどこでもやっていますし、夏という時期にもあっています。ただ問題は、ノミの市は周辺地域からの品物が集まるのが特徴であり、作中でもそれは説明されていますよね。
ハルが穹に買ってあげた指輪に書かれた文字、Siunausは、フィンランド語で祝福を意味する単語です。フィンランド語辞典に載ってたからこれは確か。ハルはこの言葉を、「この国の言葉じゃないみたいだ」と言っています。フィンランドに滞在しているならそんなことは言わないでしょうし、おそらくエストニアのノミの市にフィンランドの品が流れてきたんでしょう。そういうことは、良くありますし。
決定的なのは、穹が指輪を買う際に発した言葉、「kui palju maksab?」です。文法はともかく、これはエストニア語で、「これはいくらですか?」とか、そういう意味の言葉です。Siunausが他国の言葉で、kui palju maksab?がその国の言葉なら、これはもう滞在先はエストニア語で決まりでしょう。ヘルンシンキは引っかけか、それとも経由便として名前が出てきただけだと思う。どうにも滞在国を明らかにしたくないみたいですし。

フィンランドは森と湖の国と言われるほどに自然が豊富ですが、エストニアだって同じようなものです。ハルと穹が馬車に乗った農地だって、エストニアの田舎道にはありがちな光景で、フィンランドの大差はありません。
ただ、エストニアだった場合、一つにして最大の疑問がありまして、エストニアって北欧ではないんですよ。バルト三国だから北ヨーロッパには含まれますけど、北欧諸国には入らないんです。フィンランドは入りますけど。
シナリオライターの勘違いか、それとも混しているのか、どちらにせよこの辺りの疑問がある限り、エストニアだという断定も出来ないんだよね。単に北欧という環境や響きの良さでチョイスしたのかも知れないけど、だったらフィンランドにすれば良かったわけで。なんでまたエストニアを選んだんだろう。観光地であるからして滞在先はフィンランドだけど、ノミの市自体はエストニアで開催されていたものに行ったのでは? という考えも出来なくはないけど、滞在国のノミの市であるとハルは明言してますし。
まあ、エストニアでほぼ確定していいと思いますけど、あの国って治安良かったかな……いや、欧州諸国の治安なんてどこも似たようなもんだし、フィンランドの辺りは確かによさげであるとは聞くけど。まあ、治安は日本に比べて悪いかマシかのどちらかだよね。

私も独自に色々調べていますが、ハルカナソラのプレイもひとまず休憩。クッキーを買いつつ、シルバーアクセサリーを眺めに、少し出掛けてくるとしましょうか。

ハルと穹、二入の人生に史上最高の祝福を!

春日野穹bot→URL:http://twitter.com/sora_k_bot
ヨスガノソラ コミックス1巻画像レビューページ
URL:http://www.usamimi.info/~mlwhlw/yosugacomic1.html

コンプエース版ヨスガノソラ、早くも第2話が掲載されました。1ヵ月なんてあっという間ですね。ヨスガノソラのためだけに680円は高いんじゃないかと、私のけちくさい性根が叫んでいますが、確かにヨスガ以外に読む物がない雑誌なんだよな……先月は、なのはが少し良いかなと思ったんだけど、前言撤回、あれはダメだ。
早く映像コンテンツを復活させないと、紙媒体とゲーム媒体だけで人気を維持するのは不可能なんだから。

穹の転校初日から始まる2話目ですが、歓声に対し愛想の欠片もない表情を浮かべてる。考えてみれば、原作では穹のクラスって描かれたことないんだよね。担任も判らないし、どんなクラスなのかまるで情報がない。穹の視点に切り替わることは原作でもあるけど、教室内ではないから少し新鮮だった。
扉絵は穹、瑛、渚さん、そして初登場となる委員長の体操服+スク水、プール掃除の絵です。穹がホースを、瑛と渚さんがデッキブラシを持っていますね。原作でもそういやこんなイベントがあったなぁ。登校シーンが省かれたので、既に亮平たちと穹は顔を合わせている設定。亮平は前回出会った美少女が穹であることを知り、テンションが上がってます。
プール掃除には穹も参加してるけど、奈緒との一件以来、機嫌が悪いままのようです。まあ、ここら辺は原作と同じだね。委員長とハルの絡みもあるけど、委員長がハルに惚の字だというのを判りやすく書いてます。亮平にもからかわれてるし。
デッキブラシでプールの底をスイスイ滑る瑛は、勢い余ってハルに衝突。前回に引き続きエロ要因として69体勢になります。当然、瑛が上でハルが下。掃除仕掛けの場所ですっ転んだもんだから、ハルの体操服が汚れてしまう。責任を感じた瑛は丁寧にも洗濯をするといい、成り行きでハルは瑛の家に行くこととなります。その過程は穹も見ていたんですが、瑛とまだ仲が良いわけでもないので、面白くなさそうにしています。
駄菓子屋の前で待ち合わせたハルと瑛……なんだけど、学校から一緒に下校すれば良かったんじゃないだろうか。わざわざ体操服持って後から出向くというのもなんか不自然。まあ、それは良いとしても、瑛は折角だからと駄菓子屋伊福部商店の店主、やひろを紹介します。ハルは瑛の姉なのかと問いますが、問われたやひろははぐらかし、

「あんまり余計な気は回すんじゃねーぞ」

と、一言だけ忠告します。事情を知らないハルは当然困惑するわけだけど、なるほど、最初は瑛ルートから始めるみたいです。初佳以外は対になってるシナリオだし、考えてみれば2つのシナリオで4人のヒロインを片付けることが出来るんだよね。コンプエースという雑誌的に、亮平が深く関わる初佳シナリオはやりそうにないし、前半を瑛&渚さんシナリオ、後半を奈緒&委員長&穹シナリオにするのかな。
やひろとの対面を終えたハルは瑛の言え、神社へと上がります。巫女姿の瑛を可愛いなと思いつつ、飼い猫というか居候猫の師匠にも会います。ハルは興味を持ちますが、師匠のほうはそうでもないらしい。瑛曰く、気難しい性格をしているらしい。
一人暮らしだという瑛に、ハルはどうしてなのかと尋ねます。言いたくなければ構わないというハルに、瑛は気にせず自身の生い立ちを話していく……わけだけど、いや、まあ、いいか、後で書こう。春日野医院で生まれたことや、母親に捨てられたこと、神社の神主だった天女目老人の養女になったことなどを話す瑛。天女目老人亡き後、やひろが保護者になってくれたことも明かします。町の人たちのおかげで、自分はここにいることが出来る。
そんな風に語る瑛に、ハルは尋ねます。一人は、寂しくないのかと。瑛は笑って答えます。全然、と。友達はいてくれるし、ハルくんだって両親がいないのに頑張ってるじゃないと言う瑛に、ハルは「僕には……穹がいるから」と、無意識に穹の名前を口にします。

「私には家族はいないけど、、みんながいてくれる。だから身近な人やこれからの出会い、それにこの家も大切にしてきたいんだ」

そんな風に自分の考えを口にする瑛に、ハルも共感を覚えます。瑛はハルが微笑を浮かべたことに安心し、学校でつらそうな顔していたから心配していたといいます。まあ、それは穹との喧嘩が原因なんですけど、見抜かれたことに驚くハル。すると瑛は、急に動揺したようにお茶を淹れに言ってしまいます。なんか、余裕の塊みたいな瑛には珍しいですね。照れくさかったのかな?
もしかして元気づけようとしてくれたんじゃ、と思うハルですが、結論が出るより早く、神社に新たな訪問客が。「お姉ちゃん?」と、呟きながら現れたのは渚さん。瑛がおらず、ハルがいることに驚いた彼女は、ハルをキツイ視線で一睨みすると、踵を返して退散してしまいます。なにがなんだかサッパリ判らないハルは、渚さんの呟いたお姉ちゃんという単語が引っかかるのでした。

帰宅したハルは、先帰っていた穹がお菓子を食い散らかしている現状に頭を抱え、穹の部屋に行きます。とはいえ中には入らず、ふすま越しに注意をするだけ。どうやら穹は真元にご飯を食べず、お菓子だけ食っている模様。
くたびれたハルは、改めて穹に先日の喧嘩の件を詫びますが、相変わらず理由は判っていません。教えて欲しいと頼みますが、穹は無言を貫き通します。

「僕ら兄妹なんだから」

ハルの言葉は、穹の微妙な感情を指摘します。対等な双子であるとは言っても、兄妹であることには違いないし、この時点でのハルがこのような認識をしていても、おかしくはないです。ないのですが、殊更口に出して言うべき事なのだろうか……ふむ。ハルにとって自分は兄妹でしかない、穹がそのように再認識すると共に、2話は終わります。


なんていうか、書きたいことは色々あるんだけど、作画とかその辺りよりも構成が微妙だと思った。エロゲのシナリオをそのまま再現するわけにもいかないから、ある程度は削らなきゃいけないんだけど、削る場所を尽く間違えているというか。
1話において引っ越しのシーンを削ったのもそうですが、ハルと穹の関係や、穹の可愛い部分、可愛げがあるところの大半が削られてしまっている印象を受けます。これじゃあ、穹が単なる愛想の悪い妹でしかない。ハルと学校に通うことにこっそり喜びを覚えてみたり、別々のクラスだと知ってあからさまに落胆してしまうシーンが軒並みカットなんですよ。始終イライラしているというか、穹の可愛らしさが欠片も出ていない。これは憂慮すべき事態です。誰が構成担当してるのかは知りませんが、軌道修正をするべきかと。1話の時点では下着姿とかに騙されましたけど、よくよく見るとあんまり穹が優遇されていない……原作側は原稿のチェックしていないんですかね。穹との日常パートを削ることで、ハルと穹の間にある険悪ムードが全然消えない。これじゃあ、仲が悪いみたいじゃないかー。
作画に関しては……確か、今回から背景のアシスタントさんが入るはずなんですけど、前回と比べて誌面が白い気がするのは何故だろう。師匠のトーンも一部張ってないところがあったし、穹の部屋に関しても間取りというかベッドの位置取りが違うような。いや、それは別にいいかな。大した問題じゃない。
あんまりベタ使いませんよね。時間的都合もあるんだろうけど、線だけで勝負している感じがする。まあ、トーン張るのも労力いるからねぇ。作画に関してはこれといって文句もないし、穹が可愛ければそれで良いんだけど……話の展開がなぁ、酷いとはいわないけど、宜しくないというか、穹が可愛くない話運びになっている気がしてならない。瑛シナリオが終わるまで穹とはずっとこんな感じとか嫌ですよ。穹のイメージが悪くなるじゃないですか。
瑛シナリオにはいるなら入るで、奈緒を強力排除してハルと穹の間にとりあえず平穏を取り戻させ、奈緒が再登場したらぶり返すようにするとか、いくらでもやりようはあるじゃないですか。まさか、喧嘩を引きずったままになるとは思わなかったので、意外というか心外でした。さっさと仲直りして欲しいものです。680円払う意味がなくなるので。

インターバルといいますか、ハルカナソラ感想の合間に漫画版の感想を書いてみました。ハルカナソラの残りは今書いているので、もう少しだけ待って下さい。さすがに穹シナリオは長いというか、書きたいことが沢山あり過ぎて困りますね。しかし、コンプエースは本当に読むマンガが少ないというか、エクリップスも終わっちゃうし。歌いながら終わるとかどこのマクロス。ヨスガノソラは……アンケートにでも少し書こうかな。今のままで行くのは、ちょっと厳しい気がするし。原作が好きだから読んでいるのが今の私なわけだけど、漫画も単体で楽しめるぐらいにはなって欲しいですね。期待しています。
いよいよ春日野穹シナリオについて書くときが来ました。発売日からやりこみまくって早数周。まだ全然足りません。この程度の深みでは春日野兄妹を、ハルと穹のすべてを理解するにはほど遠い。いっそ、一週間ぐらい休みを貰ってヨスガノソラハルカナソラを延々とプレイし続けたいぐらいです。むしろ一ヵ月ぐらい休みを取って奧木染に行ってきたい。


蒼穹の果てに

ヨスガノソラにおける穹ルートの続編というシナリオ。長さも、質も、他のショートシナリオとは比較にならないほどのクオリティと完成度を誇っています。今回は昨日の委員長シナリオとは趣向を変えて、一つ一つのイベントやパートを書きだしていこうと思います。その方が良いというか、じっくり書けますしね。長短はあると思いますが、全体的な流れが伝わるんじゃないかと思う。それでは、早速書いていきますか。

~下山、仲間たちとの再会~
湖畔で一夜明かしたハルと穹は、明け方になって下山します。ハルが穹をおんぶしながら、とりあえずは瑛のいる神社まで。早朝ですし、瑛は寝てしまっているだろうと帰ってきた旨を報告すべきか悩むハルですが、なんと瑛が笑顔で現れて二人を出迎えます。自分でも言ってましたけど、瑛は二人が必ず帰ってくること、夜の内に下山は無理だから朝になるだろうことを、ちゃんと判っていたんでしょうね。瑛はなんでも判っているんです。ハルと穹の関係や、二人になにがあったのか。特に説明されてなくとも、瑛には理解することが出来る。彼女は人の顔色というか、他者の反応を窺って生きてきた少女だと思うんですよ。相手がなにを考え、なにを望み、自分はどうすればいいのか。奥木染で彼女が生きて行くにはそういう術を身につけるしかなくて、それがあの達観した性格と、鋭い洞察力や読心術になっているんじゃないかな。笑顔で和らげてはいるけど、瑛は物事の核心に辿り着くのが早いと思う。
神社には瑛の他にも亮平や渚さんといった友人が集まっていて、どうやら交代で二人が下山してくるのを待っていたらしい。けれど、みんな今回の件は壮大な姉弟喧嘩であると捉えていて、事情を知っている奈緒や委員長ほど深刻に考えてはいない。ハルは当然、説明しようとするんだけど、奈緒がその場は解散させてしまいます。今は止めておいた方が良い、確かにその通りですね。良かったねムードがぶち壊れますし。
学校を休むことにして、ハルと穹は自宅へと帰ります。もう帰ってこられないかと思った我が家、とりあえず泥だらけの身体ですから、風呂にはいることにしたんですけど……あると思っていたお風呂プレイがなかった。そりゃね、帰ってきて早々そういうことをするのも、それはそれでどうかと思うよ? でも、期待はしていたわけで! あらすじに書いてあった時点で、絶対にあると信じていたのに!
穹がお風呂に入っている間にご飯の仕度を仕様としたハルですが、力尽きて途中で寝てしまいました。無理もない、一晩中穹を探し回り、尚かつおぶって下山したわけですからね。心労が溜まっていたのでしょう。テーブルの上に突っ伏して、奈緒が途中様子を見に来たのにも気付かず夜近くまで寝てしまいます。穹もハルを起こすような真似はせず、それどころかハルのために夜ご飯を用意するというかいがいしさを発揮。おにぎりでしたけど、好きな人が作った物なら愛情スパイスで普通より美味しくなるから問題なし。
夜中になり、穹は就寝前のハルの部屋を訊ね、ふすま越しに一緒に寝て良いかと訊ねます。かつてハルは、そのふすま越しに穹を拒絶した。けれど、今のハルには穹に向けて閉ざす扉なんてなかった。了承するハルと、嬉しそうに準備する穹。微笑ましいとはまた違った、安心できる光景です。
ハルは夜まで寝ていたために目がさえてしまい、なかなか寝付けませんが、穹が隣にいることと、自分がなにを失うところだったのかを再認識します。明日からは学校に通い、理解して貰えるかはわからないけど、友人たちにすべてを話そう、僕らのこれからは、本当に“これから”なんだと穹を諭しながら、眠りにつこうとします。けれど、穹はハルが寝るまで見ているといい、自分の中にある不安を打ち明けます。

「……居なくなったりしない?」

「これが夢だって事はない? 起きたら私は一人湖畔で泣いてたりしない?」

後者は個人的に印象深い台詞で、穹の心境を良く物語っていると思います。
夜は人を不安な気持ちにさせるといいますけど、無事に夜は明け、朝となりました。穹の方が早く起きて、制服に着替え、身支度を調え、朝食まで用意してくれています。焼き加減を調べたり、味見をしたパンは美味しく、何枚かは失敗しましたけど、穹がしてくれることが嬉しいハルは苦笑しながらも受け入れます。失敗したのはホットサンドとして弁当へ。
二人仲良く、手を繋いで学校に行きます。多少は人目を気にしますが、意外にも学生に会うことなく、ハル自身、罪悪感のようなものは感じていません。吹っ切れたというか、本人も言っているとおり、穹への気持ちがハッキリしたからでしょう。もうハルとは手を繋げないと思っていた穹は喜び、胸の内を吐露します。誰も居ないときまで遠慮してたらもったいないとハルはいい、二人はギリギリまでそれこそ校門をくぐるまで手を繋いで登校しました。
校内に入って、職員室の前で委員長と再会。昨日の朝に会っているとはいえ、ハルの感覚では再会という言葉が相応しいでしょう。

~告白と理解、仲間たちの想い~
昼休み、ハルは友人たちに囲まれながらも、自分と穹の間になにがあったのかを打ち明けることにしました。すべてを知っている瑛は、ハルがなにか言う前から「おめでとう」などと言っては祝福します。既に事情を知っている委員長と奈緒はともかく、反応はやはり人それぞれ。亮平はチャラけているようで芯の通った男だから、問題の深刻さに気付きますが、渚さんは作中随一の常識人であるため、すぐには理解することが出来ません。近親愛について無理解ではないにせよ、近親相姦ともなれば話は別です。常識人であればこそ、ハルが打ち明けている最中に感情が高ぶった委員長が逃げ出したように、受け入れることが困難なのも判ります。それが普通なんですよ。
奈緒はなにせ春日野兄妹に対して負い目があるし、性的な関係についてとやかく言える立場じゃありません。瑛の真意は不明瞭ですけど、彼女は倫理的や道義的な問題よりも優先すべき事があると思っていたのかも知れません。

「誰にだって大切な人を想う気持ちがあるよ。ハル君の想いは一番穹ちゃんに向いてたってことだよね。ハル君は、穹ちゃんを捜しているときに、それに気付くことが出来た」

「その気持ちは二人だけのものだよ。ハル君が気にしている周りの目っていうものと、別の問題」

このような言葉で二人の関係を受け入れる瑛は、いつもと変わらぬ笑みを浮かべていて、亮平もそれとなく悟ったようです。奈緒は逃げ出してしまった委員長を追いかけて、亮平はハルを誘ってその場を少し離れます。

「俺はこれからもお前と親友でいたいと思っている。お前が間違ったことや、つまんねーことをしたら、ぶん殴るぐらいのことはするつもりだ」

ハルと穹がなにをしたのか、大体判ったという亮平は、言葉を選びながらも語りかけます。逃げ出さず、自分たちの元に戻ってきたハルを否定せず、見捨てることもないと言い、自分の過去を振り返る。形はまるで違えども、ハルは亮平に出来なかったことやったわけですから。この辺で語られる亮平の過去については、ヨスガノソラの初佳ルートが詳しく描かれています。亮平って意外に裏があるっていうか、よっぽどのことがないと留年なんてしないわけですし、そこには深い事情があるんですよ。いや、ほんと良い奴ですよね。なんだかんだいっても、やっぱり年上なんですよ。ハルも感じたことですけど。
一方で、渚さんは瑛と二人きりになったとき、ハルと穹の関係について問いただします。すぐには思い至らなくても、委員長の反応などから察し始めてきたんでしょう。大切な友達であるが故に、いつかは理解したいと考える渚さんですが、ハルに対して常に一定の距離を保ってきただけに、思いは複雑です。瑛ほど単純になれればと言いつつも、当の瑛はこれでも色々考えていると苦笑します。渚さんは笑って流しますけど、実際として瑛は相当考え込んでると思うんですよね。渚さんを諭したときもそうですが、ハルと穹、二人の友人のために自分がなにをするべきで、なにが出来るのかをずっと考えてるんだと思う。
渚さんは自分と瑛の関係、人に知られてはいけないけど、いつかは理解して貰いたい事情を抱えているだけに、理解は出来なくともある種の共感をハルに覚え、その強さを見習いたいと思いますが、二人に対する距離の取り方に悩むこととなります。それが当然というか、普通なんですよ。渚さんは常識人で、当たり前の世界の住人ですから。

~委員長の想いと、初恋の決着~
放課後となり、帰り支度をしているハルを委員長が呼び止めます。倉永梢としてではなく、クラス委員長として先生から頼まれた言伝、職員室にて提出して欲しいプリントがあるという旨を伝えます。断るわけにも行かず、ハルは買い物を穹と瑛に任せて職員室へ。穹の分まで書いていたため時間を取られ、1時間ほど拘束されました。
解放され、鞄を取りに教室まで戻ると、そこでは委員長が一人黄昏れていました。成り行きで一緒に帰る流れとなり、ハルは委員長と共に帰宅の途に着きます。
帰り道、改めて謝罪するべきか考えるハルに、逆に委員長の方が謝ります。すみません、ごめんなさいと。すべての原因は自分にあるのではないかと思い悩み、そんな自分が許せなくて、責任を感じてしまう。ハルのことを嫌いになりたくないのに、穹との関係を認めることが怖くて出来なかった。認めてしまえば、自分の中にあるハルに対する気持ちが、想いが、永遠に届かないと判ってしまうから。
委員長の謝罪と、吐露されるハルへの想い。単なる好意を超えた恋愛感情の発露に、ハルは自分が委員長を深く傷つけていたことを再認識します。けれど、ハルはそんな委員長の強く純粋な好意に答えることが出来ません。

何故ならハルは、穹を選んだから。

初恋に、決着が付いた瞬間でした。昼休み、一度は事実から逃げ出した委員長ですが、彼女の初恋は失恋に変わり、苦みの効いた想い出となりました。受け入れて貰うか、拒絶されるか、その二択しか提示できないハルは、委員長を慰めることすら出来ません。謝ることすら、偽善でしかない現実。そもそも、謝るような問題でもないのだから。
ハルに出来たのは、物事をハッキリさせること、委員長の想いに対し明確な答えを出すことだけでした。委員長の、倉永さんの想いには応えられないと。例え彼女に嫌われようと、軽蔑されようと、それでも自分は穹を選んだ。だから、自分や穹のために自らを傷つけないで欲しい。
ずっと好きだった、けれど、例え時計の針が何度戻ったところで穹には敵わない。委員長は、倉永梢という少女はそれを悟ったのです。

「私の気持ち……聞いてくれてありがとう……」

明日からは、いつもの私に戻ります。委員長はそう心に決めて、ハルと別れます。涙ぐんだ声と表情だったけど、そこには確かな強さがあって、ハルにはそれが羨ましかった。ハルは買い物を終えた穹にそっけない返事を出し、穹はハルの心境を感じ取ったかのように、大丈夫? と返信してきます。驚き、しかし、ハルは更なる返事を出すことが、出来なかった。

帰宅した我が家では穹と、穹の相手をしてくれていた瑛がいました。このとき瑛が穹とどんな話をしたか、少しだけ気になりましたけど、ハルは楽しくお喋りをしていたんだろうと深くは考えませんでした。確かに、瑛が核心的な話題を好き好んでするとは思えず、かといって穹が望めばある程度は話したのかも知れない。
ハルは良い時間であるし、瑛を夕食へと誘いますが、やひろのところで食事を作らなければいけない瑛はこれを笑って謝絶します。避けた、というわけではないでしょうが、あるいは委員長となにかあったことを見抜き、今はまだ穹と二人きりにした方が良いと感じたのかも知れません。穹がハルを心配していたことを、それとなくハル本人に伝えていましたから。瑛は、否定者ではなく肯定者で、ハルと穹のことを無条件で受け入れ、認めてくれます。それはかつて、否定されるだけの存在だった自分を、受け入れてくれた人がいたからで、瑛にも思うところがあるのでしょう。
瑛なりの気を利かせ方とハルは言うけど、それが出来るのもまた瑛だけで、彼女の感性や感覚、感情のような物が見え隠れしています。前からずっとお互いのことが好きだった、ハルと穹の関係を瑛はそのように言いますが、思い返してみれば彼女は幼少期の二人に会ったことがあるんですよね。その頃から感じていたのか、それとも再会後にそう考え始めたのか……瑛からすれば、自分は人の気持ちに少しだけ敏感なだけだ、とでも言いそうですが。

新しいメニューに挑戦し、失敗つつも夕食を終えたハル。風呂上がりの彼の元へ、同じく風呂上がりの穹が昨晩と同じように訪れます。
一緒に寝る二人、電気を消しても羊を数えても、羊が瑛の家の猫だろうと、一向に眠気がやってこないハル。穹もそんなハルが気になり、何故ハルが悲しそうな顔をしているのか、どうして作り笑いをしてごまかそうとしているのかを、問いつめてしまう。これじゃあ一緒にいる意味がない、ハルだけが苦しむなんておかしいと穹は嘆き、ハルを助け、同じように自分も悩みたいんだと懇願します。どうして判ったのかと問い返すハルに、メールの返事が変だったから、ただそれだけのことで気付いたと明かす穹。嫌な予感がした、ハルになにかあったんじゃないかと。
しかし、ハルは委員長との間になにがあったかを話すことが出来ません。話せば、穹をまた傷つけてしまいそうだったから。それでもすがりつく穹に、ハルの気持ちを楽にしてあげたいと願う穹に、ハルは遂に折れそうになります。けれど、先に核心を突いたのは穹のほうでした。
「もしかして……委員長のことなの?」と、穹は見抜いたのです。
委員長となにがあったかを、彼女の気持ちに応えられなかったことまで、ハルは話します。穹は言います、私はそんなことでは傷つかない、だから、自分一人でなんでも背負わないで。それでもハルからすれば、委員長を振ったのは自身の決断であり、理由が穹の存在にあったにせよ、引き合いには出せないと考えます。

「ハルが応えられなかった理由は、私にもあるじゃない……」

「私がハルのこと、好きだから……」

穹の言葉は、ハルの迷いを完全には振り払いませんでした。けれど、ハルと一緒に嫌われてもいい、ハルの苦しみを自分にも分けて欲しいと訴える穹に、ハルは少なからず救われます。胸の痛みを忘れることは出来ない、けれど、彼はもう一人じゃなかった。傷つけ合っても、二人は生きていくしかない。彼女は、そんな彼の痛みを感じようとしてくれるのだから。彼も、ハルもまた、それに応えなければいけない。
穹と最後まで添い遂げること、自分たちが取った道が間違っていなかったことを証明することで、応えられなかった想いに対するケジメをつけようと、ハルは改めて誓ったのでした。

ここで最初のエロイベントなわけですが、さすがに濃厚というか、長すぎず短すぎず、それでいてゆったりとした流れでした。穹は意外に積極的というか、前作ヨスガノソラでハルが穹を強く求めたように、穹もハルを激しく求めていた。
さすがはハッシーというべきか、短い時間の中で見事なイラストを描き上げてきました。グラフィッカーの塗り具合に関しては少しだけムラがある気もしましたが、それを僅かにしか感じさせない見事な出来映えです。
意外な話のように思えますが、エロゲの場合、寝間着でのプレイって結構少ないんだよね。それこそ相手が妹とか身近な相手だったときにしかお目にかかれないシチュエーションです。まあ、二人ともパジャマってわけではないんだけど、夜の静寂に包まれた部屋の中で、乱れる双子の兄妹。いやー、エロい、エロ過ぎる。
穹も少しSっ気が出てきたというか、なるほど、ハルをいじめてみたりとはこういうことだったのか。春日野兄妹は状況に応じて互いがSにもMにもなれるというか、要するにいちゃつきっぷりが半端ないんだよね。エロシーンですらニヤニヤが止まらなくなるというか、お風呂イベントがなかったのは残念だけど、別にいいかなーという気分にならないでもない。穹→ハルという流れから、ハル→穹に切り替えるのがなかなかに上手いよね。どちらも主導を握っているというか、二人は本当に対等なんだなって思う。そう考えると、ヨスガノソラのときは少し一方的な感じがあった。強引に求めてしまったことはハルも認めてるけど、でも、それを拒絶しなかったのも穹なんだよね。そういう発想が穹には存在しなかった。
ハルカナソラはそう考えると、やや穹が前に出ている印象はあるものの、互いに互いを尊重しあった性交をしていると思う。

明けて、昨日と同じように手を繋いで登校するハルと穹。それを遠目に見つめる亮平と渚さんは、躊躇いからか声を掛けることが出来ません。けれど、そこに現れた瑛が二人を諭します。

「あたしら、ハル君と穹ちゃんとお友達じゃなかったんだっけ?」

軽く言っているようで、その言葉には結構な深みがあります。瑛はこの時点で、明確な意思表示をしてるんですよ。二人がどうであれ、自分は友達であることをやめるつもりもないし、距離置くような真似もしないと。瑛が二人の関係をどう思っているかには不明瞭な点が多いけど、ハルや穹が誰かを騙したとか、犯罪を犯したとか言うならともかく、ときには道義や倫理よりも優先するべき事があると、瑛は判っているんでしょう。
渚さんはそんな瑛の真意が読めず、どう思っているのかを問いただします。さすがに本当は良く判っていないじゃないか? というのは瑛に失礼な気もするけど、普段があんな感じだと仕方ないんだろうか。亮平は瑛の内面を、全容は知らなくても一部理解しているから、それとなく察してましたけど。
瑛は渚さんの問いに、やはり自分の意思を明確にはせず、考えを和らげるように提案します。難しく考えすぎることはない、ようはハルと穹と一緒にいたいかどうか、友達であり続けたいかどうかだと。亮平も悟りましたが、難しいことはとりあえず置いて、簡単な意識調査、意思表示こそが大事なんだと言うことです。ハルと穹はすべてを、真実をさらけ出した。ならば、自分たちはそれにどう答えるべきなのか? 他がどう思うかなんて関係ない、まずは自分の気持ちを整理して、相手に伝えるのが先決なのだから。
あたしはハル君たちを応援してあげたいなと、瑛は笑顔で言い切ります。断言しても構わないだけの関係性を、ハルと穹の間に築けているのでしょうか。確かに、瑛にとってハルや穹は貴重な友人なのかも知れない。過去のしがらみや、今もある複雑な事情に捕らわれることなく、普通に接することが出来る相手ですし。
そんな瑛に心動かされ、一時的にも弱気になった自身を亮平は叱咤します。渚さんも同じように、自分はハルと穹の友人であることを再認識。実はこのとき、渚さんがここまでハルと穹を強く思って、友情を感じていたことには意外さを憶えました。自分のルート以外では、常に一定の距離を保っていると感じていましたから、結構踏み込んでいるなと。もっともそれは、人にはいえない事情、瑛との本当の関係についてを照らし合わせた上で、ある種の共感を抱いているからでもあるのでしょうけど。
瑛、亮平、そして渚さんの三人は友達として、ハルと穹の元へ駆けます。それが三人の出した結論であり、瑛の影響力があったとは言え、ハルと穹に対してあった複雑にもつれた糸は、解きほぐされました。ギクシャクした部分はまだまだあるとはいえ、いつもの日常が戻ってきたのです。
登校途中に現れた瑛や亮平、渚さんや委員長といった面々と登校するハルと穹。なんとか穹と委員長も和解し、一応の理解を得ました。自らを未練がましいと自嘲する委員長は、穹を選んだハルに対し、すぐに納得することが出来なかったことを打ち明けます。今現在も、決してすべてを受け入れたわけじゃないんだと思います。心を整理して、とりあえず形を整えて、自分自身を無理やり納得させて……委員長の出した答えはとても脆く壊れやすいもので、けれど彼女は努力すると言います。すぐには無理でも、もう一度仲のいい友人になりたいから。


さて、日記も過去最長の文量になりましたが、ここで一区切り付けようと思います。本当は2万字ギリギリまでハルと穹のことを書こうかと思ったんですが、私の自己満足はともかく、それじゃあ読む人が読みにくいと思うので。
このようにハルカナソラの穹シナリオ、蒼穹の果てには、序盤から少し重めで、暗めの流れから始まっています。前作の穹ルートをそのまま再開させたようなものですし、その辺りは仕方ないでしょう。友人、仲間と呼べる人たちとの関係が見直され、各人が困惑や複雑な思いを抱える中で、一番始めに乗り越えたのが委員長というのは、ある意味では必然だったのかも知れません。失恋で、悲恋だけど、委員長とは決着を付けないといけなかったんですよ。
委員長シナリオとは随分落差があるというか、昨日の日記で二人の委員長の対比について書いたけど、私は穹シナリオにおける倉永梢の方が好きです。悲恋だから、というわけではないけど、片思いにせよ横恋慕にせよ、いい形での決着が付けられたと思うんですよ。結末があり得ないほど悲痛なものでも、ないよりはマシだと思うから。
けれど、委員長は自分が変わらない限り穹には敵わないと漏らしていましたが、変わった結果が委員長シナリオでの彼女なら、かなり首を傾げずにはいられない。あれは変わったというか、最初からなにかおかしいというレベルだと思う。そういう意味で、あのシナリオはどこか好きになれなかった。
だから私は穹シナリオの委員長を認めるし、正しい姿だったのかはともかくとして、好感が持てた。引き立て役とか踏み台とか言われるだろうけど、サブキャラである委員長に本来課せられた役目がそれである以上、映えるのも仕方がないというか、当然なんだと思う。ヨスガで付けられなかった決着を、失恋という形で表したのは、委員長のためでもあったんですよ。思えばヨスガでは奈緒との間に一応の決着は付けたけど、次に現れた委員長とは和解せずに終わりましたから。まあ、和解とかそういう問題でもないのかも知れないけどさ。

重苦しい風に来も後少しと言うことで、これを抜ければ当分はハルと穹のイチャラブが見られます。正直、日記とはいえ文章で書き表すのも恥ずかしいんですけど、あまりの可愛さにやられてしまいました。いや、マジで凄いよあれは。
私の乏しい文章表現能力で、あの素晴らしさをどこまで伝えられるかは不明ですが、とにかく書きまくってみようと思います。この日記も、しばらくはハルカナソラ祭りです、ハル&穹フィーバーです!
やひろシナリオだけ書かないわけにもいかないので、こっそり書いておきます。とはいえ、あまり好きなキャラじゃないから長文は無理。ハルカナソラが発売してからどっぷり浸かっているわけだけど、それに比べて別のことに対する意欲が完全に失われつつある。
ハルカナソラがどうというわけじゃなくて、単純に私の精神均衡にズレが生じただけなんですがね。つり合いが取れていると思ったんだけど、急にバランスが崩れてしまった。割と一方的に。


相性の悪い二人

まず、私の好みの問題を言わせていただくと、基本的に年上属性が皆無です。さらに気の強いキャラも好きじゃありません。なので、伊福部やひろに関してはまさにその最悪を極められてしまった。サブキャラとしては嫌いじゃないんだけど、さて、攻略ヒロインとしてはどうなんだろう。好みじゃないというのはあくまで私の感性の問題だけど、エロゲは個人が楽しむものですからね。それを無視して第三者的感想が書けるかどうか。
シナリオとしては委員長シナリオと同じく、基本的にはやひろの視点で物語は進みます。シナリオの長短を考えると、一番短いのかな? やひろは初佳と同じく学生ではないので、学園におけるハルとの交流、それに伴うイベントが皆無なんですよ。プールでおぼれちゃいました事件とか。夏祭りにも登場しなかったから、いきなり海イベントからなのはちょいとビックリした。
まあ、そこに入るまでの過程で色々あったというか、要するに飲んだくれたお姉さんを解放して家に送り届けてやったり、そういうことがあって……あれ、初佳ルートと大して変わらないな。やひろはハルを雑用としてこき使ってるんだけど、ハルはなにせ頼まれると断れない性質だからホイホイと言うことを利く。正直、こんな女のどこに惚れる要素があるのかさっぱりだけど、あるんだよ、きっと。大人の女性に憧れてしまう年頃なんだ。どう考えても初佳のほうがマシだと思うが、あくまでマシという範囲内で。
いや、このルートは初佳がよく出てくるんですよ。やひろの友人だし、暇さえあれば入り浸ってるから。

「私はいくつになっても、可愛いねって言われたいなぁ」

とか、あれ、ダメイドってこんなに可愛かったっけ。やひろと比較すると付き合いやすいというか、見てて面白いね。ダメイドは自分のルート以外だと輝いています。カラオケの話についてもその内書きますけど、いやはやなんともはや、ダメダメだからこそ面白いキャラに仕上がっている。

しかし、委員長シナリオほどではないにしろ、ハル視点が欠片程度にしかないだけに、ハルの内面がほとんどわかりません。常識的に考えて、深夜遅くに他人の家のドアを叩きまくり、大声で家人を呼び出すってどうなんでしょうか。ギャグシーンのつもりだろうし、実際にギャグシーンだろうけど、普通は警察に通報されても文句言えないはず。
あまりの煩さに頭に来た穹が、バケツの水をぶっかけようとしましたが、ハルはそれを止めます。いや、それは止めない方が良いだろう、むしろぶっかけろと。穹は当然、酔っ払い二人、やひろと初佳を家に上げることを嫌がりますし、家に上げた後もさっさと追い出すようにと言います。そりゃ、誰だって家の前で喚き散らしている酔っぱらいを家になんて入れたくないし、泊めたくもないよね。
私って、基本的に目に見える酒飲みと酔っ払いが好きではないというか嫌いなので、まあ、好きな人なんているわけありませんけど、穹はバケツの水をぶっかけて、さっさと追い返せば良かったと思う。ハルも家に上げちゃったりして、いやいやさすがにおかしいだろう。優しいとか以前にどこかずれているというか寛容も過ぎる気がする。
そこからさらに色々あって付き合うというか、エロいことしちゃったりとかするんだけど、エロシーンに関しても結構微妙だった。絵が。
最初の奴が特に違和感覚えて、体位のせいなのか角度のせいなのかわからないけど、肉質や肉感が妙に膨れ上がっている印象を受けたと言いますか、身体のバランスが……
2番目のは絵こそ問題なかったんだけど、シチュエーション的にどうかなと思った。だって、あそこだよ? 神社の裏山の湖畔だよ? なんだってまた、そんな神聖な場所で。
ハルと穹だってしただろうって? あれは、ハルと穹だから良いんだよ! なんていうか、気分的にげんなり。エロかったような気もするが、もう少し場所を選べと。

最大の問題は、あくまで個人的な意見ではあるけど、ハルとやひろがまるで合ってない。お似合いのカップル、なんて言葉が世の中にはあるわけだけど、これはその対極というか真逆というか、ギャップを楽しむ隙間すらないと思う。
ハルみたいなキャラクターだと、どうにも年上との相性が悪い気がする。ヨスガノソラは特徴として年下のキャラクターやヒロインが出てこないし、攻略対象ヒロインも同年齢が多いから、自然とそういう風にキャラが作られている気がする。
まあ、好きな人は好きなんだろうし、それを否定するつもりはないけど、なんかしっくり来ないシナリオでした。
通常版だと微妙に色合いというか色味が違うんですね。こっちの方が濃いというか、CMYKな感じがするというか、実際に違いはあるんでしょうか。通常版も一つぐらい買っておいた方が良かったのかな。
でも、同じ値段なら初回版を一つでも多く欲しいよね。

そんなわけで、ハルカナソラのプレイ日記というか、レビュー的なものを始めます。攻略じゃないよ、攻略する部分ないし。あ、ネタバレ全開だから、そこはご了承ください。


堅物な委員長だって恋をするのです(突発性誇大妄想肥大化症候群)

待ちに待った、待望の委員長シナリオ。委員長こと倉永梢がサブキャラクターからの昇格という形でショートストーリーのヒロインを務めます。最初に意外だったのが、委員長の視点や回想から始まり、その後も常に委員長視点で固定されているところ。ヨスガノソラの主人公である、ハルの視点ではないんですよ。委員長から見たハルや、ハルへの想い、ハルがいる学園生活などがメインで、それは恋に恋する少女的な妄想や願望が混じったものではあるんだけど、始終コメディタッチに進行していきます。空回りって奴かな。自分自身の妄想や想像に振り回される委員長。
ハルの周囲に集まる人間、瑛や一葉、奈緒といった面々や、もっとも彼と近い存在である穹との出会い。あのヒゲの人、中里さんは無視してください。私も無視しますはともかくとして、そういった関係や出会いの中で、委員長はハルのことというよりも、まずは彼の周囲にいる女の子たちに対して強く意識してしまう。まあ、恋する少女としては恋愛対象が女子に囲まれてたら気が気じゃないでしょうし、それは判ります。
いきなり、奈緒を校門で待ち伏せて関係を問いただそうとする行動力は凄いですけど、バレバレとはいえ一瞬で委員長の気持ちを見抜く奈緒。この時点で、まだ穹とのわだかまりも解けていないはずなのに、奈緒には年長者としてのどことない余裕がありますね。
この委員長シナリオでも、やはりもっとも密接に関わってくるのが穹です。出会いは最悪というか、ハルの留守中に春日野家を訪ねた委員長が、妄想全快でキャッキャウフフしているところに、表が騒がしいことに気付いた穹が顔を出すという……
穹シナリオにおける穹と委員長の関係は、序盤から中盤に掛けてまで比較的良好で、それは多分に委員長の気遣いと努力もあったんでしょうけど、ここら辺に関してはいつだったか日記に書いた委員長考察が詳しいです。そして、そんな二人の関係が、この委員長シナリオでは逆転しているというか、穹からしてみれば委員長は自分の家の庭先にいた不審者ですからね。ハルの学友と言うことで、少なからず対応はやわらげたんですけど、委員長が奈緒にもあっさり悟られたように、判りやすくハルへの好意を剥き出しにしてしまうから、またすぐに不機嫌に。
けれど、委員長は穹に悪印象を持っておらず、それどころか類い希な美少女として惚れ惚れします。美若干の付き合いづらさ、自身が敬遠されていることに戸惑いを憶えているようですが、そんなことでめげる委員長ではありません。
例えば、穹がハルと一緒のクラスでないことを不満に想い、
「委員長は……同じクラスなのに……」とか、「……代わって。クラス」
などの無理難題を言いますが、それも恋する乙女のパワーで全力回避です。
穹は敏感なんだよね、委員長の判りやすい想いを見抜いた上で、「委員長には教えない」とか、委員長にハルのことを話したがらない、意地悪な面を見せます。まあ、意地悪と言うよりハルを取られまいとする防衛意識からなんでしょうけど、委員長はそこまで気が回らないというか、思い至らないでの全然気付きません。そりゃあ、穹がハルのことを愛していることを、なんの説明も目撃もなしに理解したのは瑛だけだけど、彼女は別格ですからね。

それにしても、少し話ずれるけど乃木坂さんというかダメイドは微笑ましいねぇw
やひろのシナリオで詳しく書きますけど、ファンディスクにおいて一番印象が代わったのはこのキャラだったりする。それまではなんというか、これといって興味がなかったのでスルーしてきたけど、こうしてサブキャラとして要所、要所のギャグ要員を果たしているのは面白いですね。しかし、三回目のお見合いにチャレンジする苫米地さんちの娘さんとは一体。有名な洗脳・催眠学者の苫米地博士と同じ苗字ですけど、知らない人は読めないんじゃないかな。そうでもない?
話戻して、飲んだくれたダメイドをハルが介抱しているところを目撃し、委員長は軽く混乱に陥るわけですが、そのあまりにダメップリな姿に呆れ、あまつさえハルにちょっかいだそうとしていたのに腹を立て一喝してしまいます。すっ飛んで逃げ出す初佳。けど、酒飲んで一晩すれば忘れるよとか、ハルも何気に酷いですね。事実とは言え。
このように委員長は、奈緒、ダメイド、瑛、一葉などの順に、各ヒロインのハルに対する感情を気にしていくんですが、印象的だったのは渚さん。あぁ、なんでか私って一葉のことを渚さんと呼んでしまう。彼女のハルに対する距離感というか、そういうのについては以前書いたと思うけど、やっぱり瑛が強く影響してるんですね。多分、瑛が仲良くしていなかったらハルとは単なるクラスメイトで終わったんだと思う。偶然と言うよりは必然なんだろうけど、渚さん自身相性が悪いと認めているハルとの交流を拒まず、むしろ積極的に行おうとしているのは瑛のためでもあるんでしょうね。瑛はそれに気付いてるんだろうけど、ハルと渚さんが仲良くなる分には全く問題ないから、敢えてなにも言わないと。
それにしても、委員長シナリオは基本的にヨスガのシナリオをベースに、それを委員長ヒロインに置き換えた感じなんですが、祭りのパートはヨスガのほうが良かったかな。なにも穹の巫女服姿が文章記述のみで終わったこととか、どこの誰とも知らない奴らが撮影会をしていることに憤りを憶えたとか、委員長なんてどうでも良いからハルはさっさと迎えに行けというか助けに行けと思わないでもなかったけど、それ以上に会話が……ヨスガの穹ルートにおける会話は、二人が求めているもの、望んでいるもの、感性の違いが大きく出ていたと思うんですよ。結構好きなシーンだったので、そこが大きく代わってしまったのは残念というかなんというか。

夏休みに海に行くイベントがヨスガにはあって、委員長シナリオではその過程として水着の試着会をするというシーンが追加されてます。場所は何故だかハルと穹の家だけど、親のいない家庭が子供たちのいい溜まり場になるのは良くあることです。鍵っ子の家とかさ。ハルも断れないタイプだから、飲んだくれの初佳とかをほいほい家に上げちゃうし、まあ、それに比べたら女の子たちが水着の試着をしてみるぐらいのことは、軽く許容出来るのでしょう。
このときの穹の行動が面白いというか、水着に着替える際、恥ずかしがり屋な委員長が穹にバスタオルを貸してくれといって、穹はそれを別室にいるハルに持ってこさせたんですよ。当然、穹や委員長がいる部屋では女子が着替えているはずで、ハルは中に入って大丈夫なのかと訊ねます。
すると穹は、「……問題ない」と、今まさに着替えが行われている部屋にハルを招き入れます。瑛はともかくとして、女子はもう大パニック。ハルだって混乱してますけど、穹はなかなかに策士ですね。無意識の行動というか、絶対に問題ないとは思っていないはずなんですよ。この状況でハルを部屋に入れたらどうなるか、穹には分かり切っていて、分かり切っていたからこそ敢えて室内に入れたんです。昼下がりの春日野家にこだまする女子の絶叫、渚さんのスペシャルコンボで叩きのめされ、トドメを刺されるハル。
穹はこれによってハルが女子から受ける好感度が、幾分か減少することを期待していたんだと思います。もしくは、嫌われてしまえばいいぐらいには考えていたのかも。着替えを堂々と観られてしまったわけですし、瑛はともかくとしても、他の女子としてはそれほど気分が良いものでもないはずです……普通は。ただ、渚さんはハルをボコボコにして意識まで刈り取ったから、それに対する自責の念が、羞恥心を上回ってしまい平謝り。奈緒はなにせああいう関係でしたし、気にすることはするでしょうが、殊更目くじらを立てるタイプでもないです。それに、そもそもハルだったら大丈夫なんですよ。穹にミスがあったとすれば、ハルがイケメンだと言うことです。ハルは美少年なんです、穹が美少女であるように。イケメンにだったら裸の一つや二つ見られてもいいわ、という女子も世の中にいるんですよ。
ハルだからまだマシだった、ハルだから大丈夫だった、まあ、ボコボコにされた状況のどこか大丈夫なのかってことでもあるけど、穹の目論見は外れてしまったわけで、あるいはここで一つの区切りがついたのかもね。穹的に。

実際の海イベントでは、委員長とハルが二人でボートに乗ったりしてますけど、ジャンケンの結果とはいえ穹が良く認めたな。穹としては委員長の存在は面白くなくて、決して嫌いではないんだけど好きになることが許せないとでも言いますか、そんな感じなんだと思います。ボートが沖に流されたときは、かなり焦ってましたし。委員長シナリオとはいえ、やはり穹に目が行ってしまいますね。
穹が委員長を受け入れ、認めた理由というのはハッキリしていないし、私としては釈然としないものがあります。でも、別に明確にする必要はないというか、明確に出来る物でもないと思うんですよ。だから敢えて触れずに、核心は覗かないで済ませようとする。いいんじゃないですかね、委員長のシナリオなんだし。なにかしらの理由は必要だと思うし、推測や憶測はいくらだって出来ますけど、それを考察してもなんだかね。結局、このシナリオにおける穹は委員長を認めて、認めた上で自身の居場所を確保したわけですから、それもまあ、選択肢の一つだったのではないかと。
決断と言うよりは判断、穹の複雑な心境が垣間見える気がします。委員長告白後の初デートについてきた際も言ってましたけど、穹としては妥協しただけにすぎないんですよ。委員長という存在がハルを奥木染に繋ぎとめるなら、それも仕方ないだろうぐらいの感じで。将来的に別れることまで計算してますけど、あれは本音だと思う。

告白シーンまでギャグなのは苦笑しちゃいますけど、そこから先は特に書くことがないというか、晴れて恋人となったハルと委員長の話が展開されるわけなんですけど……なまじ、委員長視点だからハルの反応に実感が沸かないというか、告白された、OKした、じゃあ付き合いましょうって流れには違和感がないでもない。ハルの反応から、委員長に対する好意はともかくとしても、恋心的なものが伝わってこなかったんですよ。
更に私が一番残念というか、変だな~と感じたのが、エロシーンというかエロイベントなんですけど、ここまで長々と委員長視点でやって来たのに、エロに突入した瞬間にハル視点へと切り替わるんですよ。それが不可解というか、いきなり感がありすぎて。前述のようにハルの心や気持ち、内面的なものがまるで見えてなかっただけに、この視点切り替えはかなり微妙でした。

妄想に始まり妄想に終わる、一瞬夢オチか、夢オチなのか!? と思わせる辺りは委員長らしいと思いましたけど、私としてはいっそ夢オチのままでも良かったのではと思う。いや、別に委員長の恋物語を全否定したいわけじゃなくて、コメディタッチに進んできただけに、そういうありがちなオチ付けも面白いんじゃないかなーと。FDのショートストーリーだしね。
長く書いてきましたけど、委員長シナリオはとりあえずここまで。書きたいことをダラダラと書いたのでまとまりは良くありませんが、近日中にHPのほうで新たにヨスガノソラ、ハルカナソラのコンテンツページを作ろうと思うので、そこでもなにかしら書くと思います。
それと、委員長については穹シナリオの際にも色々書かせて貰います。むしろ、私としてはこっちのほうがメインになるのかな。委員長シナリオの委員長は決して嫌いじゃないんだけど、私の感性や好みからすると……二人の委員長、この対比は結構見物でした。多分、委員長シナリオにおける委員長は、ハルと長続きしないと思うんですよ。上記の穹じゃないけど、きっと別れる。ヨスガノソラの穹ルート、前述した祭のイベントがありますけど、あの時の会話からも分かるように、ハルと委員長の間には価値観の相違があると思うんですよ。感性の違いとでもいいますか、委員長はハルが捨てたもの、逃げてきたものに対して強い憧れとこだわりを持っていて、逆にハルは委員長がどうでもいいと思っているようなものに愛着がある。初恋の熱が冷めれば、その辺りから亀裂が生じるんじゃないかな。求めてるものと、望んでいるものに差があり過ぎるから。

委員長シナリオだけで随分と書いてしまったので、やひろシナリオをどうするか考えています。ぶっちゃけ書くことがないというか、あんまりシナリオとして面白味を感じなかったので、はてさてどうしたものかと。基本的に年上属性ないし、それ以外にも色々と不満があったというか、うーん、微妙だ。
あ、AKIBAゲームフェアについてですけど無事に行ってきましたよ。こざっぱりとしたイベントで、クリアファイルもタペストリーも無事ゲットできました。というか、30分もかからず終わったね。ああいう疲れないイベントは好きです。帰ったらすぐにハルカナソラの続きもしたし、幸せな休日送っています。さて、最後が長くなるのもあれなのでとりあえずまた明日。
買ってきたぜハルカナソラ
行ってきたぜ秋葉原はアソビットその他多くの店舗!!
そして最後に寄ったよ、帰宅途中のソフマップギガストア横浜店!!! 初回限定版が大量じゃあ!!!!
もう最高に気分良すぎるというか、今日の時点で心に抱えていた物が全部吹き飛んだ。幸福の絶頂とはまさにこのことか。

プレイ日記というか、レビュー的なものは明日からの日記で集中的に書きます。やはり、シナリオ順に書くべきですかね。委員長シナリオ&やひろシナリオを明日にでも書いて、明後日の日曜日に穹シナリオについて書きます。書きまくります。
というわけで、明後日の夜ぐらいまで音信不通になります。用がある人間は緊急回線か秘匿回線を使ってください。まあ、悲恋堂の店主は例外としても、限りなく反応速度は遅くなるのであしからず。
仕事の昼休みを利用して秋葉原に赴き、近場のアソビットから攻略したんですが、閉店という割には普通に営業してました。しかも、意外なことにかなり空いてて。それこそ並ばずにレジを済ませることが出来たから、いささか拍子抜け。アソビットだけで40分ぐらいは覚悟してたのに、他に大きなタイトルがなかったからなんですかね? それとも、予約の引き替えにそこまで焦る人間がいなかった、もしくはほとんどの人間が通販で買った……うーん、他の店舗もそれほど混んでいるって印象は受けなかったし、そもそも当日分の販売が皆無だったからなぁ。夏ノ雨すら見当たらなかったというのは少し意外だったけど、それ以前にハルカナソラの通常版というの確認出来なかった。なんでも、げっちゅ屋にはあったらしいけど、げっちゅ屋は行かなかったからなぁ。ゲマ屋では夜になって在庫をどこからか引っ張り出してきたらしい。難民が発生したかは判らないけど、秋葉でも新品はほぼ全滅したそうだ。
帰りに寄った横浜も同じで、私はソフマップで予約してたから分を引き取るだけだったし、ここも物凄い空いていたからあっという間に済みました。店内を見渡すも、やはり初回版、通常版の当日分はなし。夏ノ雨も見当たらない。夏ノ雨は出荷数が絞られたのかは判りませんが、結構売れてるってことなんでしょうか。
メロンブックスに移動して、ここは前回のヨスガノソラで惨敗しているから、入荷数がそもそも極少だったみたい。予約もすぐに締めきったし、まあ、ヨスガのときは書き下ろしテレカが奈緒だったもんねぇ。残念ながら、あれでは売れないというかなんというか。POP作ったりして穹を推そうとしてたけど、ヨスガはほら中古で多く出回ったから。
ゲマ屋横浜店やとらのあな、アニメイトも壊滅状態らしく、行かなかったけどヨドバシも恐らく無かったんでしょうね。横浜でも全滅というのは、別段不思議じゃない。ちょっと人気過ぎやしないかという懸念的なものはあるけどさ。

しかし、私も考えが浅いというか、オフィシャル通販以外は全部店舗購入にしてしまったから、初回版が入った大袋を沢山抱えて帰る羽目に。スタッフブログで見たとは言え、実物は想像以上に大きかった。そして持ち運びが困難だった。でも、それが全く苦にならない。むしろ、これぐらい持てなくてどうするんだ! という気分になる。家に帰ると、クロネコヤマトが予定時間より早く荷物を届けていたようで、身内が受け取ったみたいです。まあ、誰が受け取ろうと構わないんですが、オフィ通の段ボールもこれまた大きい。
早速開けて特典であるタペストリーを確認したんですが……まあ、A3なんてこんなもんだろうし、大きさについては分かり切っていたことではあるんだけど、色味がなぁ。なんか、色の出具合が予想よりも鈍かったというか、元が暗がりのシーンのCGだから仕方ないのかな。まあ、クッキーのシーンはアソテレカに使っちゃったし、でも、パソコンのシーンとか、それこそ保健室のシーンでも良かったのではないかな? とも思う。
でもまあ、その内飾るけど。飾れるスペースと環境が整い次第、すぐに飾るけど。
パソコン内を軽く掃除して、十分に容量を空けたらインストール開始。インストール画面は普通というか、無骨な感じですね。専用画面を作ってないところは、ヨスガも同じだったんだっけ? 風呂で汗を流している間にインストールも終了し、早速プレイを始めました。

明日はAKIBAゲームフェアに参加予定なんですけど、日記の内容は少し変動します。一応、ゲームフェアの感想も書くけど、プレイ日記と分けて書くかは考え中。ブログじゃないから、一日に何度も記事としてアップするって言うのがどうにもしっくり来なくて。
ちなみにコンプエースのコミカライズについては月曜の日記に書きます。これは別に後回しにしても構わないというか、早急に書く内容でもないからね。
じゃあ、ハルカナソラひきこもりしてきます。

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