今月買ったエロゲは全部で4本ですが、すべて横浜で購入したので特に混雑などには巻き込まれませんでした。いや、メロンブックスが空いていて助かりましたよ。余計な時間を取られることなく、あっという間に済ませることが出来た。sistersを昨日クリアしましたが、次は迷うことなく穢翼のユースティアを選択しました。オーガストの完全新作としては2008年のFORTUNE ARTERIAL以来のはずですから、約3年ぶりですか。オーガストの作品のまともに買うのってはにはに以来なんですけど、この作品だけは情報が出た時点で購入を決定していたし、体験版をプレイしたことでそれは揺るぎないものとなった。

従来のオーガスト作品は基本的にシナリオが長いものが多く、この作品も例外ではありません。私はエロゲに物語性を求める方ですが、長い話ならそれでいいというわけでもないから、なにかと回避気味でした。べっかんこうの絵は嫌いじゃないんですが、世界観とか擬似SFじみた作風がどうにも好きになれなくて。
そんなオーガストが新作を発売するということで、私はてっきりまた学園モノにSF要素を混ぜ込んだ話を作るのだろうと思っていたのだけど、蓋を開けてみればそこに現れたのは今までのどの作品とも違うものだった。異世界ファンタジーという意味ではPrincess Holidayもそうなんですけど、あれが全体的に明るい作品であったのに対して、穢翼のユースティアは最初から暗い雰囲気と、荒廃とした世界観を全面に押し出していた。これまでとは真逆の、180度違う位置にあるであろう作品。私が衝撃を受けたのは言うまでもなかった。
エロゲブランドは作家や漫画家などと違い、様々な作風というものがあまりありません。純愛なら純愛、学園モノなら学園モノと貫く場合が多く、代表的なのはHOOKがそうでしょうか? 何故なら、作品の購入層はそういった作風やジャンルを求めて、そのブランドの製品を買うことが多いからで、これを極端に変えてしまうと、既存のファンを失うことになりかねないからです。オーガストが大手ブランドだから関係ないと思われるかもしれないけど、大手だからこそ、いきなりの方向転換は離散を招きかねない。だから、ユースティアを作るに当たって、それなりの葛藤や迷いはあったと思います。勝負や賭けに出たと言っても、過言ではなかったでしょう。
そして、オーガストは……その勝負に勝った。

この作品はヒロインごとのルートやシナリオは兼ね備えてますが、ラストまでの道は一本道となっていて、大樹の枝葉が分かれるかのように、メインシナリオの途中途中で個別のルートに行けるという感じです。既存の作品としては、あかべぇそふとつぅのG線上の魔王と同じでしょうか? メインとなるシナリオに進まなくても、ヒロインごとの話でそれなりのラストを迎えることが出来るという、比較的新しい手法の一つですね。当然、ヒロインを選ばなければ先に勧めるわけですけど、私は選択肢毎にセーブして、とりあえず順番にヒロインを攻略していくことにしました。
まず最初のヒロインは、羽狩り部隊の新任隊長フィオネです。OPムービーでは一番最後に紹介されていますけど、攻略ヒロインとしては一番最初にルートが用意されています。発売したばかりなのでネタばれしていいのか分かりかねますが、書きたいので書いてしまおうかな。
牢獄というだけあって世界観は廃れているけど、作中の登場人物はそれなりに楽しく生きている奴が多く、少なくともメインキャラで悲壮感に溢れている奴は一人もいません。まあ、シナリオごとに例外はありますけど、見るも無残な光景がまざまざと繰り広げられているわけではないから、比較的取っ付き易い印象を受けましたね。まあ、そこら辺は体験版やれば分かることだから深くは語らず、フィオネルートの話をすると……分かりやすい話ではあったね。ひょんなことから行動を共にすることになった主人公とヒロインが、様々な事件を通していく中で距離を近づけていき、最終的にはくっつくわけですから。フィオネは一言で言うと堅物ですが、人間味はちゃんとありますし、女性としての部分が損なわれているわけではありません。ある意味ではテンプレートなツンデレに当たるのかもしれませんね。生真面目だし。
彼女のルートに入るには選択肢を選ぶ必要がありますけど、これはちょっと騙されるひとが多いんじゃないかな。私は一度で正解を選んだけど、本当にそれで良かったのかと思わないでもない。フィオネとエリスに関してはね。エリスのときにも書きますけど、先に進まず踏みとどまるってことは、成長があまりないってことになるんですよ。

フィオネは分かりやすいキャラクターなので、特に嫌う理由はないですね。ただ、彼女を選ばなかった場合の対応が酷いといえば酷いかも。恨み辛みがあるにせよ、丸無視で対応されますからね。女心はなんとやらなんて言いますが、ここまで急激に醒めるものなのかと却って感心してしまったぐらい。まあ、私はそれほど好きでもなかったから気にしなかったけど、彼女が一番好きだという人はやるせないだろう。
続くエリスを始めとしたヒロインは、明日からの日記で書こうと思います。コミ1等の話も書かなければいけないので飛び飛びになるだろうけど、多分一人ずつ書くんじゃないかな。オーガストのゲームは、それが出来るほどに長いから。
やっと発売されたので、メロンブックス横浜店で買ってきました。かれこれ何年越しの発売になるんでしょうかね? 10年ってことはないと思うんだけど、5年以上は確実かな。最近の動向から今年中には出るだろうと思ってたけど、まさか、今月出るとは思ってなかった。なんだかんだで、ズルズルと延期を続ける気がしてたからね。なんでも、この作品が売れないとJellyFishは倒産らしいですが、私に言わせれば今まで潰れなかったことのほうが驚きだよ。でもまあ、個人的には作品さえでれば後はどうなってもいいって感じだったりする。待ち望んでいた作品の一つではあるけど、JellyFishそのものが好きかといえば……ね。

ほぼ全編にわたってアニメーションが展開される今作ですが、システム的にはとてもシンプルな作りになっていて、大容量や高スペックなどは特に要求されません。初期タイプのXP等は分かりませんが、それ以降のPCならまず問題なく動くでしょう。私はVISTAのノートを使っていますが、これといって問題は起きませんでした。具体的にどんなシステム構造をしているかなどは分かりませんけど、例えばスクイズなんかと比べるとマシンに優しい設計となっているのが助かるね。まあ、シンプル過ぎて細かい設定が出来ないため、作業にも似たクリックゲーと化している気がしないでもないんだけど、そこはまあ仕方ないでしょう。JellyFishの作品に、そこまでのシステム性は望んじゃいませんし。
欠点としては、やはりアニメーションということもあって基本的な動作が遅いことと、アニメそのものを停止したり、スキップする機能がないってことですかね? 部屋を覗く動作に掛かる時間も半端なく、それに対するまどろっこしさは感じると思う。特に、この作品はエロを目的としたエロゲですから、そこにたどり着くまでの時間が長いとイライラしてしまいます。私はまあ、シナリオ面に謎解き要素があることを最初に理解したから、そういったことを考えることで無駄な時間をやり過ごしてましたけど。
でも、そうした欠点があっても1日掛からずしてクリアできましたから、割とあっさりしているのかな。待った割にはこの程度とか、と思わないでもなかったけど、じゃあ、これ以上なにか必要なのかと言われると、確かに特別いらないような気はする。

シナリオの話をしますと、かなり謎めいた話です。ミステリーやサスペンスというわけではなく、そうですね、芸術系の映画に強い影響を受けているように感じました。発売したばかりなので深いネタバレは控えますが、いきなり交通事故のシーンから始まるのはアラビアのロレンスを私に思わせました。勿論、あれは戦争ものですから恋愛ものであるsistersとはまったく違いますけど、最初の事故の謎解きが最後の辺で明らかになるという意味では、近いものがあるでしょう。ちなみに私、あの映画好きじゃないんですけどね。いや、あれに限らず暗い内容の作品って好きじゃなくて。
sistersは極端に暗い内容というわけじゃないけど、決して明るくはないよね。主人公だけが普通でいようとする中で、周囲がそれを許さないみたいな。姉妹が見せる違和感や、特に電話のシーンなどは、序盤をじっくりと読みこめばどういうことなのか見えてくるかと思います。意外なほど物語性が高く、散りばめられた謎と、時折回想される過去のシーンはなかなかに見応えがあった。よく読めば分かる内容だから、これがどういう話なのか私はほとんど理解していると思うんだけど、それこそ映画にあるようないくつかの要素を抜き出して、複合的な物語を構成しているって感じだろうか。ルートというかシナリオ自体は一本道で、おそらくバッドエンドのようなものもないんでしょう。だって、バッドになりようがないもの。どう足掻いてもハッピーにすらないらないのだから。
今時のエロゲでは珍しいことに名前選択をすることになるんだけど、これに関してはちゃんとしたのを決めたほうが面白いかもしれません。デフォルトもないわけではないんですが、それだと分り易すぎるので。

エロさで言えば、歴代のエロゲでも群を抜いている作品であるのは間違いありません。シナリオも、淡白ながら読ませるものでしたし、決してつまらなくはなかった。けれど、もう一度やり直したいか、何周もしたいかと言われれば、別にそうでもない。たまにやりたくなったら起動するかもしれない程度で、これは私が初回プレイで謎解きの部分をすべて理解してしまったからなんでしょうね。大して難しい話でもなかったから、ほとんどの人がそうだと思います。しいて言うなら、2回ほど登場するおじさんはどうしてあんなに安西先生そっくりなんだということぐらいか。
最近、テレビを見ていると資生堂のCMから牧野由依の歌が流れてくることがあります。声優がCMソングを担当することは別段珍しいことじゃないし、過去に幾度も例があったとは思うけど、担当しているのが国内最大手の化粧品メーカーということを考えれば、やはり凄いことなのかもしれませんね。最近はなんていうか、やれオリコンの1位を取ったとか、大きな箱でライブを開催したとか、そういった数字と規模の大きさで俗にいうアイドル声優は注目されがちだから、こんな風に何気ない形で表舞台に立っているというのは堅実というか、可愛げがあって良いよね。

公式サイトというか、ソニーの通販サイトで買ったらポスターが付くとのことだけど、 アニメイトで買うとイベントに参加できるというので、地元のアニメイト横浜店で購入しました。イベント自体は吉祥寺や渋谷でも開催されるわけだけど、私はあんまりサインとか握手って興味がなくて。いや、興味がないというよりは苦手なのかな? あがり症ってわけじゃないんだけど、要は好みの問題で、トークやミニライブとかのほうが好きなんですよね。丁度、横浜店で開催されるのはトーク&ミニライブと私の趣味にあってたし、少々時間は遅いけど悪くはないかなって。それに、都内のイベントが行われる29日ってなにかと忙しいし。
アニメイトは基本的に予約の段階でイベント整理券を配ってしまうんだけど、それが発売当日でも貰えるってことは結構余裕があったのだろうか。まあ、プラザホテル内で拡張を続ける横浜店の場合、イベントスペースは今や池袋本店にも劣らぬ広さがありますからね。ちょっと前までは小さいスペースだったのが、今やあんな大きいところを確保するなんて。最近は品揃えとか様々な問題で横浜店に対する信頼度が下がっているんですけど、規模だけは全国有数ですからね。高さは適わないとしても、大きさや広さなら本店や秋葉原店にも引けはとらない。だから、東口という場所にあっても基本的には嫌いじゃないんですけど……牧野由依のイベントもよくやるし。
イベントスペースが大きくなってから、横浜店を中心に行われるイベントも多くなりましたね。その関係で声優が来店することも多いから、店内はサイン色紙とかで溢れかえってます。私はサインを貰うことにはそこまで熱情を傾けてないけど、例えばレジの待ち時間とかにそういうのを眺めるのは結構好きです。暇つぶし、というわけではないけど、色々な人のサインを探したりするのが楽しいから。

アニメイトは、メロンやゲマ屋に比べると東口という立地もあってかあまり行くことがないんだけど、今日は色々なCDやDVD、それとBDの発売日でしたから、それなりに混んでいましたね。店の出入口まで伸びる列をそれなりと表現していいのかは判断付きかねるけど、なまじAVフロアだから入り口に近づきすぎると商品に取り付けてある警報機が作動するし、そうなれば面倒な事この上ない。要は列が出入口にぶつからないよう曲げればいいだけの話なんだけど、4台あるレジが全てフル稼働し、商品補充に追われている店員にそこまでの余裕はありません。こうなってくると、即売会参加者としての悪い癖が出るというか、列整理をしたくなってくるのよね。まあ、結局はしなかったんだけど、構造上グルリと廻ることも出来るようになってるのだから、列に並んでる人は自然とそうしてもらいたいものだ。出入口の警報機を気にして並ぶに並べない、なんてのは見ていて滑稽だし、少し頭を働かせればどうすればいいのかは分かるだろうに。
私は牧野由依のCDを買いに行っただけだから、他になにを買ったわけでもないんだけど、丁度春アニメのOPやEDも発売になっていたみたいですね。観た感じ、売れているのはあの花のEDでしょうか? 私がアニメイト横浜についたのは18時半を少し過ぎたぐらいでしたが、その時点で棚は空っぽでしたから、完売していたんでしょう。入荷数が少ないだけとも考えられますが、ちょっと意外ではあったかな。前評判としては、それほど話題にもなっていなかっただけに。でも、オリジナルアニメの主題歌がヒットするのはいいことだし、最近はオリジナルも元気ないですからね。アニメノチカラはあんなことになってしまいましたけど、ノイタミナには頑張ってもらいたいものです。まあ、アニプレックスは好きないないですけど。

CDの感想をなにも書いてないけど、それはまた後日かな。ライブやイベントも控えてますし、ここで書いてしまうと後々のネタが無くなる。そういえば、8月の平日にSHIBUYA-AXでコンサートが決定したらしいけど、所謂ライブハウスで牧野由依がなにかやるのは初めて……でもないのかな? 私はあそこで昔酸欠になったことがあるから、会場としてはあまり好きじゃないんだけど、コンサートというからには座席形式なのだろうし、そうでないなら普通に2階席を取るから大丈夫かな。さすがにオールスタンディングのライブとかに参加する気力は、もうないわ。平日というのが少し気にかかるけど、まあ、行けないこともないでしょう。しかし、牧野由依は平日にコンサートをやらなければならない理由でもあるんだろうか。
つい1ヵ月ほど前の話になるが、早川書房のミステリ編集部がとある資料を探しているということで、私がそれを提供したことがあった。私は仕事の関係上、早川の編集部とは良い付き合いをさせてもらっているのだけど、こういう形で雑誌に関わることはあまり例がなく、珍しいと言えただろう。まあ、たまたま私が持っていた本を貸しだしただけなので、なにを手伝ったわけでもないのだが、資料提供のお礼にと刊行された雑誌を1冊ほど献本してもらったので、この日記で取り上げてみようと思う。

私は基本的にSF畑の人だから、早川の雑誌はミステリマガジンよりもSFマガジンの方をよく読んでいると思う。とはいえ、ミステリの方にも編集者の知り合いは多いし、マガジンの担当編集は世代が近いこともあって、顔を合わせればなにくれとなく会話することがしばしばあります。まあ、そんな縁もあって今回の件に繋がったんですが、今月号は色々と凄いね。なにせ、表紙からしてこれまでのミステリマガジンとは違いすぎる。
最初に名探偵コナンの特集をマガジンで組むと聞かされたとき、私はそれほど意外さを覚えなかった。何故なら、特集と言ってもレビューコーナーなど小さい部分のことであり、まさか雑誌を上げてその月の目玉企画にするなどとは思ってもいなかったのだ。SFマガジンはまだしも各種メディアミックスに対し柔軟な対応をすることもあり、漫画やアニメ、ライトノベルといったものにも造詣が深く、自社から刊行されているマルドゥック・スクランブルがアニメ映画として公開されたことからもそれは読み取れるだろう。
勿論、ミステリの方にもそういったメディア展開がないわけではなく、代表的なもので言えばNHKにて放送された名探偵ポワロとミス・マープルのアニメがある。クオリティの高さで有名なNHKアニメにしては、声優のキャンスティング等の問題もあってそれほど流行りはしなかったが、つい5,6年ほど前の作品であるし、記憶に新しい人も多いだろう。
だが、これはあくまで自社が版権を所有している作品のことであって、一般的なイメージとしてお堅い印象を受けるミステリマガジンが、他社の漫画・アニメ作品をここまで大々的に特集するのはそれほど例のあることとは言えないはずだ。SFマガジンならともかく、ミステリマガジンの表紙にアニメキャラが載ることなど、少なくとも私の記憶にはないことだった。

もっとも、名探偵コナンの探偵漫画、もしくは推理漫画としての歴史の長さを考えれば、今まで特集が組まれなかったことが不思議なくらいかもしれない。表紙にも書いてあるとおりアニメですら既に15年も放送しており、漫画に至っては17年だ。特集記事にも記載はあるが、所謂金田一少年のブームから派生した作品としては最長であり、現在も連載が続いていることを考えると、今や原点すら軽く超越した、一種の驚異といえよう。週刊漫画というものを滅多に読まない私ですら、何故かコミックスの大半を所有し、尚且つ毎年公開される映画を観に行っているというのだから、大勢の人々を惹きつける魅力を常に有しており、それでいて輝きを失わないなにかがあるのだろう。
ミステリマガジンの特集内容を軽く解説すると、まずはカラー口絵に原作者の青山剛昌の写真付きインタビューが載せられている。彼もミステリ畑の人間であるからして、創刊から55年の歴史と格式を持つミステリ雑誌で特集を組まれることに、感慨深さや光栄さを覚えたのかもしれない。連載当時の事情や最近の動向など基本的なことに加え、まだどこにも明かしていないかのような情報なども含め、かなり饒舌に喋っている印象を受けた。まあ、青山剛昌はシャーロキアンに近いものがあるから、ポアロを始めとしたクリスティの著作をメインとするハヤカワ・ミステリとは違う部分があるのかもしれないが、インタビュー中は始終機嫌が良かったという話も小耳に挟んでいる。
けれど、考えて見れば確かにコナンは有名であり、国民的漫画ないしアニメと言ってもいいのだろうが、媒体が媒体であるからして、どうしても子供向けという印象が拭えない。レビュアーやミステリ研究科がコナンのコミックス各巻やアニメを解説するページにも書いてあったが、大人の読書、視聴に耐えうるものであっても、先入観からくるイメージで、大人向けであるとは思いづらいのだろう。

剛昌のインタビュー記事で気になったのは、工藤新一と黒羽快斗が似ている理由についての言及だった。工藤新一とは江戸川コナンの本来の姿であり、黒羽快斗とは怪盗キッドの正体のことである。そもそも怪盗キッドはまじっく快斗という剣勇伝説YAIBAよりも古い作品の主人公であり、このことからも、新一が後出の主人公である故に、旧作の主人公と顔付きが似ているのだろうとファンの間ではされてきた。作品に対する理由付けとしては少々メタだが、同じ作者が描いているのだから、当たり前といえば当たり前である。しかし、剛昌曰くそれは間違いであり、いや、間違いではないのだが、他にも理由があるというのだ。
「常識的に考えて、あんなに顔が似ている人間がいるわけないじゃないですか」
この記述を読んだときの、私の驚きようといったらないね。なんとも言えない胡散臭さと、どうせ後付に決まっているという偏見に近い確信を抱きつつも、それでもあるいは、もしかしたらと思う心も、確かにあったのだから。
実際それがどういう事なのか、ここで書くつもりはないが、ミステリマガジンを買って読めば、そこにたった一つの真実が書いてあるかもしれない。特集以外は連載小説や連載企画ばかりなので、普段読まない人には面白くもなんともないかもしれないが、コナンが好きで、もっとコナンのことを知りたいという人には、まあ楽しい特集なのではないかと思う。現に私は楽しめたし、ミステリ畑の人々がコナンを批評し、解説するというのもなかなかに見応えがあった。表紙からも判るようにアニメ15周年に引っ掛けた特集だったのだろうが、少なくとも現況の推理漫画、アニメでそんなことが出来るのはコナンだけであり、むしろ一般のミステリ雑誌に取り上げられたことで、コナンもまた純粋なミステリ作品として認められたフシがあるのではないだろうか? そこまでミステリマガジンは大層な雑誌ではないと思う方が大半かもしれないが、私はこれも一つの偉業として、誇っていいことだと考えている。少なくとも、漫画やアニメがその敷居を跨ぐことはとても大変なことなのだ。

ミステリマガジンは最近になって誌面の方向性が変わってきているとも言われている。まず、SFマガジンのようにアニメやゲームのレビュー欄が生まれた。つまりコナンを取り上げるだけの下地は既に出来ていたわけだが、よりオタク的な話を持ち出すなら、探偵オペラミルキィホームズが1ページ記事ながらも特集されたのが思い起こされる。確か、2011年の1月号だったか。あのときはメインの特集が相棒だったこともあり売れたと言うが、ミルキィ効果も少なからずあったのは周知の事実であろう。古参のミステリファンがこうした誌面の変化をどう思っているかは知らないが、私はこれもまたありだろうと考える一人である。
こんなご時世ではありますけど、給料日ということで私の手元にもいくらかお金が入ってきました。まあ、数日後には月末のエロゲで消えてしまうんですけど、毎月まとまった収入があるというのは良いものですな。出版社の居候で、しかも、業界随一のケチで有名なところに席を置いているもんだから、そんなに貰っているわけではないけれど、なにもないよりはずっといい。家に大半を入れて、生活費等を差し引いた額を貯金する。金銭的に楽な思いをしたことはないけれど、私のような奴にはそれで十分なのでしょう。

4月末からGWに掛けては、夏や年末と同程度に金が入用になります。特にここ数年はCOMIC1にサークル参加してますから、印刷費は必ず必要ですよね。以前、分厚い新書を作っていたときは、それこそ何十万というお金が印刷費として消えていたんですが、最近は適度なページ数と冊数を心がけることによって、安定した金額に落ち着いています。元々、委託もしていませんから、イベントで頒布する分だけ刷るのならそんなに掛からないんですよね。まあ、今までの凄い赤字が、ちょっとの赤字になった程度ですから、根本的な意味では儲けもなにもない道楽ですけど。でも、私の同人活動は趣味なので、それでいいのだと思います。
同人活動以外にもお金は色々と掛かっていて、例えば各種イベント。即売会もそうですが、参加するとなれば交通費だなんだとなにかと出費がかさみます。今のところ、私がGWに行く予定があるイベントは、コミ1を合わせて全部で4つですけど、それぞれに入場料やチケット代が発生するため、全部に参加するには貯金を少なからず下ろす必要がありそうです。給料が出たばかりじゃないか、と思われるかも知れませんが、前述の通り給料は月末のエロゲで消えてしまいますからね。その他のお金は、貯めていた分から切り崩すしかないのですよ。同人誌にしたって完売してもスペース代にもなりゃしませんから、なにかしらでお金というものは減っていく。貯金はしているなんて言っても、こんなふうに使っているうちは小金持ちにだってなれはしませんね。まあ、特別金持ちに憧れがあるわけじゃないですが、ないよりはあったほうがいいはずですし。けど、私は基本的にケチな人でもあるから、帳尻というか釣り合いは取っているつもりなんだけど。

月末に買うエロゲは、全部で4つです。まずはオーガストの穢翼のユースティアで、これは震災を理由に延期していた3月発売の作品ですね。私は実のところ、それほどオーガスト作品というものに興味がなく、まともにプレイしたのなんてはにはにまでなんですけど、今回は今までとはまるで違う作風に興味を惹かれ、体験版をプレイした上で購入を決めました。幻想的なファンタジー世界という意味では、先のヴァニタスの羊に通じるものがあるのかも知れませんが、あっちはまだしも魔術の設定を除けば現実的な部分がありましたし、なにより荒廃とした都市が舞台だったわけでもないので、色合いとしてはまったく違いますよね。私がユースティアに求めているものは様々だけど、とりあえずはカイムとティアの関係が好きです。弱いんですよ、ああいう強いけど一匹狼な男に、弱いけど明るさと元気だけが取り柄の娘って。トビたまは少し違いますけど、強者と弱者の補いあいっていうの? それが好きでね。
次に買うのはアリスソフトの大帝国ですけど、これについてはアリスソフトの新作というだけで購入を決めたので、大して情報を持っていません。SFらしい、艦隊戦をするらしいというぐらいで、キャラとか一切確認してない。けど、それでも絶対に無駄な買い物にならないと確信できてしまうのが、アリスソフトの魅力だと思います。
sisters~夏の最後の日~については、やっと発売するのかという気持ちと同時に、本当に発売するのか? という疑問が頭の中を掠めています。何年越しの発売になるのかも定かではないですし、正直マスターアップされたときも、「さて、私はこの作品を予約したのか、それともしていないのか」と本気で悩んでしまうほどに長い月日を待った気がします。結局、分からなかったのでメロンで予約しておいたんですが、うっかりソフマップ辺りで予約済みだったとか、そんなことになったらどうしようかな。まあ、引き取るだろうけどさ。

CLAPWORKSのもろびとこぞりては、最初買う予定のない作品でした。絵柄があまり好みじゃなかったのと、Twitterにいるぱるくちゃんの口調や性格がどうにも許容できなかったので、スルーしようと思っていたんですよ。にもかかわらず、主題歌が何故か野川さくらになったり、声優陣が微妙に豪華だったりした関係で、ゲームの内容関係なしに買ってみようかなって気にさせられまして。駄目ですね、まんまと商法というか罠にハマってしまった感じですけど、まあ、たまにはそういうのもありでしょう。まったく、こんなことをしていて、本当に金なんて貯まるのでしょうか? あまり自信は、ないかも知れない。
通販の荷物がとらのあな横浜店に届いたというから取りに行ったんですけど、なにか即売会があったとかで店内が混んでいる印象を受けました。私は通販を引き取る以外に余計な買い物をするつもりはなかったのでスルーしましたが、なんとなく覗いた新刊の棚はやはりISが多かったですね。といっても9:1でシャルの本ばっかりという感じだったので、あんなにヒロインがいるのに、あそこまでキャラが偏るというのも珍しい話だと思いました。しかし、とらのあな通販はメロンと違って届くの遅いね。メロンなんて注文して振り込んだ次の日には店舗へ到着するというのに、結構待たされた気がする。

まあ、そんなことはどうでも良いとして、とらでの用を済ませた後は東口へと向かいました。一つ頼まれごとでアニメイトを覗く必要があったのと、個人的にそごうへ行く用事があったから。アニメイトの方は物が見つからなかったので無駄足だったのですが、休日の東口は人が大勢いますね。まあ、西口だって負けちゃいませんが、JR中央口の辺りはかなり混雑してました。地上からそのままそごうへ行っても良かったんだけど、ついつい癖で地下へと潜ってしまったのでポルタを通っていくことに。元々、用事があったのも地下2階の大食品館だったしね。実は、食品売り場に関しては高島屋よりそごうが好きだったりする。以前も書いた気がするけど、地下と言っても吹き抜けだから、どことなく開放感がるのよね。まあ、テナント自体は高島屋の方が好きなんだけど、空間的にはそごうのほうが良いと思う。
何故、そごうの大食品館「エブリデイ」に行ったのかというと、昨日ヴァニタスの羊をプレイして、クリアしたじゃないですか? そしたら、感化されたのか急にパンが食べたくなりましてね。私は比較的形から入る人間だから、世界観に浸るためにもっとも単純な食の分野を選びまして。ヴァニタスの羊は地名やキャラの名前から考えるとドイツをモチーフにしてますけど、さすがにドイツパン専門の店はなかったので、まだしも近くであるデンマーク出身の童話作家、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの名前を冠するパン屋、ANDERSENへ行くことに。横浜にPOMPADOURを始めとした色々なパン屋があって、西口の人である私はどちらかと言えばそっちの方をよく利用するんだけど、好き嫌いで言えばANDERSENかなぁと思う。近頃全館閉店したシャルにもありましたが、そごうの方に行くのは初めてだったかも知れない。

私は割とパン屋というものが好きだから、ああ行った場所で様々なパンを眺めているだけで結構幸せな気分になれます。あいにくと持ち合わせが少なかったから、なにを買ったわけでもないんだけど、白パンとか食パンとかを中心に、朝食や昼食等で食べそうなものを見繕ってみた。後はジャムでもあれば最高だったんだけど、アンデルセンに売ってる瓶詰めはめちゃくちゃ高くて。いや、あくまで私の感覚上の話ではあるけど、パンがせいぜい200円前後に対して、ジャムは小さい瓶で700円以上でしたからね。これはちょっと買えないなと。レジの近くには各種スープの素も売ってたんだけど、なかなか雰囲気が出ていて良かった。パンにはやっぱりスープとかシチューってイメージがありますしね。ただ、シチューはルーが基本だからともかく、最近はスープも素から作るのが主流なんですか。まあ、クックドゥーとか味の素とか、キューピーなんかが何でも素にしてしまうからなぁ。お湯を入れれば完成ってのは確かに楽だけど、手作りもそれはそれで美味しいと思うんだけどな。
でも、既製品とはいえ見かけない感じの袋だったから、あるいはアンデルセンブランドなのかも知れないね。前述の通り持ち合わせが少なかったので買いませんでしたが、今度味の程を試してみようかしら。私って、日本で言うところのポタージュ系がそれほど好きじゃないから、コンソメの方になると思うけど。いや、ポタージュも嫌いではないですし、美味しい物は物凄く美味しいんだけどね。逆にコンソメは、鼻に付く香りというか、雑な味のものも少なくないし。

しかし、パン屋ってなんだかんだ言って人気だよね。そごうにはいくつかのパン屋があるけど、客の入りはどこもそれなりでしたし、なにが人をパン屋に引きつけるのか。少なくとも、私みたいにエロゲに感化されて、ちょっと欧風気分を味わいたくなったなんてのは、まずいいないでしょうが。けど、ドイツ料理を食べたいなら、そのままつばめグリルにでも行った方が良かったかもね。まあ、ドイツはろくな料理がないと言われることもありますが、そんな貶すほどものでもないよ。私はまあ、シュニッツェルとかハンブルグステーキかな。ステーキと言いつつ、ハンバーグのことなんだけど。でも、今食べたいのは肉料理ではなくてスープだから、とりあえずドイツ風オニオンスープでも作ってみますか。アイントプフよりは、材料も少ないし。
※あまりにこの日記へのアクセスが多いので、2012年版の詳細な感想を書きました。併せてご覧下さい。(2012年7月3日)
URL:http://mlwhlw.diarynote.jp/201207050034168026/


メロンブックスで購入したんですが、他のところにすればよかったかも知れない。基本的にRococoWorksの作品は絵と雰囲気が好きだから買うことにしてるんですが、体験版はそんなにやらないんですよ。特に今回の作品は第一印象から購入を決めていましたし、公式サイト以外でこれといった情報を集めようとしなかった。そのため、私にとってメインヒロインであるテレーゼは、主人公であるクロードのであって、当然ながら姉属性のない私はそれ以外の特典がつく店舗を選ぶじゃないですか? それがもう、端から大間違いだったというわけで。

結論から先に行ってしまうと、いつものRococoWorksだったと思います。雰囲気やキャラはいいんだけど、シナリオの深みがまったくないせいか、尻切れトンボというか、なんとも言えない中途半端さが残り、消化不良を起こしそうな感じ。勿論、話としてはどのルートも一応完結しているから、この例えは間違っているのかも知れないけど……某大型電子掲示板にあるスレの言い回しをかりるなら、ダイジェストムービーを長々見せられたと思ったら、いつの間にか打ち切りで終わっていたというの? いつもながら序盤は本当にいいんだけど、結末までの過程がスカスカだから、オチに対する説得力のようなものがないんだよね。取って付けたような、とは言わないけど、如何にも間に合わせというか、感動もなにもあったもんじゃないあっさり感。テレーゼシナリオはまだしもメインヒロインということもあって、それなりに頑張っていたと思うんだけど、他のヒロインにいたっては教皇にして死神であるブリジット以外、その存在理由すら分からないほどに薄っぺらいんですよ。いや、理由というよりは価値かな。そのシナリオ、ルートが本当に必要なのかと考えてしまうほどに、魅力がない以前の問題となってしまっている。
勿論、外見や容姿、性格などキャラクターとしての魅力はあるんだろうけど、それが作品にとってなんの意味があるのかと言われると、もはや数合わせですらないんですよ。だって、テレーゼと共にパッケージを占め、特典は同じぐらいの数を持つフラウエンですら、物語の本筋的にはこれといって絡んでいないのだから。

要するに、ヴァニタスの羊というエロゲは、テレーゼだけがメインのゲームであって、他のヒロインは本当にオマケ程度でしかないんですよ。私は順当にテレーゼシナリオからプレイしたんだけど、続けて他のヒロインのルートに入ってそれを痛感させられた。特に娼婦のリアーヌについてはなんのためにいるのかさえも分からないというか、クロードがテレーゼを捨ててあんな商売女に走ることが理解不能。しかも、別ルートでは人殺しの暗殺者ですよ? 実際に殺さなかったというだけで、その技術がある以上は経験者のはずだし。テレーゼが必死に悩んで、結婚を祝福するところか不憫すぎてみていられなかった。数合わせにしろ、もう少しやりようがあっただろう。
フラウエンに関しては、この娘もまたクロードとくっつく必要性がないんだよね。彼女のシナリオだけヴィクトールお兄様が多少良い人をやってましたけど、結局消された上に命がけで守った妹はクロードと特に理由もなく結ばれるし。すべてを捨てた上に、身まで挺したというのに、あんまりじゃないかな。他ルートでも基本雑魚だし、消えるか捕まるかしかないなんて……そりゃあ、野心家で陰謀家かも知れないけど、そこまで悪人じゃないんだからさ。フラウエンも、想像してたのと少しキャラが違ったというか、使役している間抜けな紙は可愛かったと思う。
ブリジットのシナリオはまだマシな方でしたね。作品における魔術的な部分の謎を解き明かした……というほどではないですが、必要ないと言い捨てるには、少々惜しい感じもします。テレーゼには敵わないにせよ、ブリジットはエンゲルブルグという舞台に沿ったヒロインですから、三年前にやってきたリアーヌや、ずっと屋敷に閉じこもっていたフラウエンとは違う。教皇という地位ある立場もキャラの重要性を引き立てますし、ぶっちゃけフラウエン以上の存在感があった。惜しむらくは、途中退場してしまうためヒロインとして地味なことですか。ブリジットのシナリオは他のヒロインの秘密とか、天使のことなど、様々な秘密が分かるんですけど、そこもなんか中途半端でね。イマイチ風呂敷を畳みきれてないところがあった。

まあ、テレーゼルートが一番であり、他にはなにもいらない作品でした。リアーヌのシナリオとか邪魔でしかないし、フラウエンにせよブリジットにせよ、個別ルートが必要なのかどうかという疑問があった。この作品は中世欧風戦記浪漫群像劇を謳っていて、どこか戦記で浪漫なのかと思ったけど、群像劇というからにはシナリオ分けせずに、クロードとテレーゼの物語に、個々のヒロインが少しずつ絡んでくる、という構成をしたほうが良かったんじゃないだろうか? まさか、視点の切り替わりで群像劇ということなのかな。
変にサブヒロインたちの個別ルートを作ってしまったせいか、肝心のテレーゼとの関係がおなざりになってしまったというか、9年という歳月の重みに比較して、別れるとき、関係性を解消するときがあっさり過ぎて、だからダイジェスト版なんて呼ばれるんでしょうね。
そもそも、大前提としてのテレーゼがいるにも関わらず、クロードが他のヒロインに靡くことへの説得力がまるでないんですよ。ブリジットだけは彼女の境遇や出会い方を考えれば分からんでもないんだけど、他のヒロインとくっつくことに対して、クロードの中に戸惑いはあっても躊躇いがなく、テレーゼのことを考えての葛藤というものが存在しないのは苛立たしかった。テレーゼ自身はリアーヌのルートで1回だけ悩んでいたようですけど、そういうところが適当だったのは戴けなかったですね。仮にも9年間手と手をとりあって生きてきたのだから、少しぐらいは悩もうよと。
ただ、究極的な話をすると、完全にクロードとテレーゼの関係性を断ち切りには死別ぐらいしかないから、それをやらないためには、あれぐらいあっさりさせるしかなかったのかな。いや、もっとやりようはあったはずだよ。いくらなんでも、テレーゼが可哀想過ぎる。

個人的にはリアーヌルートを削除してジョヴァンニとウーゴの話をやり、フラウエンはヴィクトールとの兄妹話に変更、そしてブリジットで魔術や天使の謎解きをして、テレーゼルートで9年前のことや、すべての物語を解き明かす……という構成のほうが良かったんじゃないだろうか。エロゲの基本形式に拘るあまり、どの話もスッカスカになってしまった感がして、本当に残念でならない。そして、テレーゼを姉キャラとして回避し、特典を集めようとしなかった私は物凄い愚か者だった。
やけに記入欄が狭苦しいアンケートハガキが付いてきましたけど、全体的に物足りない話であったことは違いないので、是非テレーゼ完全版の製作をFDでもお返しディスクでも構わないから作って欲しいものです。物語としてはそれほどでもなかったけど、作品としてはそれなりだったというのが、私の評価かな。エロゲというより、絵の質がいい絵本や童話を読んでいる気分ではあったけど。
長く日記を休んでいた割には、アクセス数は結構安定いるんですね。それなりに覗いている人がいるということか、もう少しがくっと落ちているかと思ったので意外でした。まあ、こんな日記で楽しんでもらそれに越したことはないですけど、空白期間については少しずつ更新していこうかなと。なにせ、原稿の修羅場が終わった反動で、文章を書く気力がまだ回復していなくて。日記はまだしも、使う筋肉が違うから掛けるんですけど、ある程度ネタ要素が強いものになるとね。

まあ、同人原稿をやっていてと言っても、それ以外なにもしていなかったわけでは当然なく、仕事はともかくとして、アニメを観たり、エロゲをプレイしたりということは、ちゃんとやっていました。アニメは震災の影響で前期の最終回がズレこんで、新番組の開始が遅くなるなんてこともありましたけど、それは仕方のないことでしょう。むしろ、放送されることに感謝しないといけません。
私は今期のアニメをひと通り見て、その中で一番評価が高いのはノイタミナ枠のCですね。私がノイタミナを評価するってのは珍しいどころか、これまで一度もないことなんだけど、さすがはタツノコプロといったところでしょうか? 動きや話し作りが見事なものだと思った。つかみ、とでもいうのかな、1話における物語への引き込み方が新番組の中で一番上手いような気がした。主人公が望まない戦い等に引きずり込まれるというのは、実のところ今期のアニメには多くて、デッドマンワンダーランドなんかもそんな感じですね。私は基本的に刑務所ものというのが好きでないから、あのアニメは1話だけ観て切るつもりなんですけど、今期は他にも異世界モノが多い印象。
ミステリ系ではシュタゲ一辺倒なんでしょうけど、あれの存在感が強いせいで、同じような要素のある俺つばが影に隠れているよね。結構、俺つばの作り気に入ってるんだけど、如何せん分かりにくいというかなんというか、あの話を13話足らずでまとめることは可能なんだろうか。
萌え系では星架かなんだろうけど、私はどうもあの作品が原作共々好きではないので……アニメのキャラデザもちょっとねぇ。そふてにもなんか、原作と絵が違いすぎるし、そっち方面は不作かな。前期がすごかったといえばそれまでなんだろうけど、そういや、あの花は分類的にどうなるんだろう。見た目、ノイタミナには珍しいタッチで描かれているけど、感動物という部類でいいのかな。

エロゲはそろそろ月末のが発売されますけど、月の初め頃にねこねこソフトの新作であるWhite~blanche comme la lune~を買いました。見たまんまのロリゲーだったけど、まあ、実にねこねこらしい話づくりだったね。キャラの設定は今時それで通用するのかと思ったけど、審査を通ったということは大丈夫なのでしょう。まあ、こんなご時世ではありますけど、見た目10歳児はまだ大丈夫な表現方法だと知って少し安心しました。
妹ルートで少し荒れてしまったようだけど、特に私は気にならなかったな。ねこねこ系は元々そういう感じだし、別に実の妹であろうと義理の妹であろうと、必ずしも主人公とくっつかねばならない理由はないわけで。それにまあ、えーっと、なんだっけ、そうレンだ。レン君はサブキャラかも知れないけど、別に正確がうざい訳でも、影で悪人だったりするわけでもなく、生真面目な少年じゃないですか。歳相応とは言いがたい面もあるけど、これといって不快感を刺激させられるようなキャラではない。それが特定のヒロインと恋愛をして、結ばれることになにか問題でもあるというのか。
発売当初、一連の事件に関する抗議運動が起こりかけました。何故、たかが実妹を主人公が攻略できないことぐらいで抗議にまで発展するのかというと、おまけであるスタッフコメントのページで、ヨスガノソラが揶揄されたことにあります。ねこねこ的には実妹作品として近年何かと話題になったヨスガを引き合いにだし、ネタとして触れた程度だったんでしょうが、これに対してヨスガを馬鹿にされたと思い込んだ一部ファンが怒り始めたんですね。他者であるねこねこにヨスガというかハルや穹を馬鹿にされるとは何事かと、まあ、気持ちは分からんでもない。
それで、私のもとにこれは由々しき事態であり、絶対に抗議すべきだみたいな要請が来て、なんか私を担ごうとしていた人がいるんだけど、私は一切無視させていただきました。だって、理由がないもの。
この程度のことで怒り狂うというのも理解できなければ、そもそも私は実妹が好きなわけではないと何度言えば分かってもらえるんですかね? 私が好きなのはあくまで双子の兄妹であって、妹なんてものは実だろうが義理だろうが、どうでもいいのです。

まあ、それに私はねこねこが嫌いじゃないですからね。特別大好きってほどじゃないんですけど、一回解散したときは衝撃を受けましたし、コミケ等に行くとなんだかんだでグッズを買ってしまう。長い付き合いというのもあるけど、捨てきれないものがあるんでしょうね。なんだかんだ言って、あの世代のブランドはもうほとんど残っていないから。
そういや作品の感想を書いてなかったけど、良いエロゲでしたよ。ロリ好きにはたまらないんじゃないかな。私は、夏野こおりの声が可愛かっただけで元は取ったと思うんだけど。
COMIC1☆5参加情報 ヨスガノソラ同人誌第6弾「サクラノソラ」
通常更新はお久しぶりということで、やっとコミ1の原稿が終わりましたー。日記ではタイミングを逃し、参加すること事態触れていなかった気もしますが、実は当選していまして。通算4度目のサークル参加と洒落込みます。これまではずっとロクゼロで出ていた気がするから、ヨスガノソラで参加するのは初めてになるのかな。最初からうちを知ってる人は、なんでロクゼロサークルがヨスガサークルになってるんだよとツッコミを入れるかもしれないけど、最近じゃすっかりヨスガメインだね。今回の新刊で、これまで発行したロクゼロ本と冊数並ぶもの。

イベント名:COMIC1☆5
日時:2011年5月1日(日)
会場:東京ビッグサイト
スペース番号:に-53a
サークル名:シャリテクロワール
当日のお品書き:http://t.co/TxVaXB2

新刊その1
サクラノソラ
ジャンル:ヨスガノソラ
イベント価格:500円
総ページ数:60P
サイズ:A5判
備考:ヨスガノソラ同人誌第6弾。ハル×穹中心の小説2本、「ハルと穹の料理勝負」及び「サクラノソラ」を収録。現在、pixivにてサンプル公開中。
URL:http://t.co/x57swhs

新作グッズ
両面クリアファイル
ジャンル:ヨスガノソラ
イベント価格:500円
絵柄:ハル×穹(表)、穹(裏)
サイズ:A5判
備考:ラノベ風表紙バージョン仕様

会場限定グッズ 先着1名様限定
「春日野穹」タペストリー
価格:6000円
原画:サークル・くろのとくろえ
備考:冬コミに続いてまたまた登場の新刊表紙タペストリーです。印刷所の都合で今回も頒布数は限定1枚のみですが、展示用もあるのでスペースに来れば観ることは出来ます。


当日の諸注意としてはなんといっても小銭を持って来て欲しいということですが、今回は新刊もグッズも計算しやすく設定してあるので、タペストリー狙いでない方は1000円札1枚ないし、500円玉をご用意していただければと思います。また、コミケと比べて冊数及び枚数は少な目にしているので、特に限定を掛けるつもりはありませんが、大量購入等はお断りする場合がありますので、予めご了承下さい。
それから、これも毎度おなじみの話ですが、サークル主であるMLWは当日の午前中はスペースにおりません。御用の方は午後にでも訪れていただくか、火急の用件ならば売り子さんに言って呼び出してもらってください。その際、私との間柄を言って頂けると、スムーズに事が運ぶと思います。午後からは私もスペースで売り子をしていると思いますので、確実に会いたいという方は、そのときを見計らったりしてください。
また、以前の日記やイベント等で委託の告知していた、サークル・くろのとくろえのヨスガノソラ新刊「sola-kan」ですが、諸事情により制作が間に合わず、今回のイベントでの委託は中止となりました。現在、書店委託に向けて頑張っているようなので、楽しみにされていた方には申し訳ありませんが、そちらの方をお待ち下さい。(4月22日追記:無期限で製作延期となったそうです)また、この件についてのお問い合わせは、当然のことながら私ではなく、くろのとくろえさんの方にお願いします。

他に特筆すべき点があるとすれば、初めて小物グッズを作成したことでしょうかね? 布モノとか大型グッズはこれまでも何度か作ってきたんですが、今回は委託本が中止になったということもあって、なにか代わりを用意しなければと思いまして。まあ、それ以外にも色々理由はあったんですけど、クリア系のグッズって一度作ってみたいと考えていたから、いい機会かなって。クリアファイルなんて無料配布の基本みたいなものだから、同人とは言えグッズで売れるのかどうかという疑問はあるんですが、まあ、物は試しと言いますし、現在クリアファイル専門のグッズ屋さんに製作してもらっています。
ただ、このクリアファイルを作ってくれるところを探すのが本当に大変で、同人グッズとして作っているグッズ屋さんは沢山あったのだけど、基本的に少数ロットへ対応していないんですよね。最低100枚から始まって、それ以下を作ることは不可能じゃないけど値段は100枚から据え置きってのが大半だった。私はなにせ小規模サークルですから、100枚どころかその半分だって多いと思っているぐらいなので、まずは少数ロットでの製作を請け負ってくれるところから探さねばなりませんでした。次に重要なのが値段で、例えばクリア系のグッズ製作で有名なクリア工房なんかは、A5サイズのミニクリアファイルが100枚で12万円以上と、かなり高額ですよね。同人ファクトリーもやはり10万円ぐらいかかりますし、いくらうちが赤字サークルでも割りに合わない。まさか、頒布価格を上げるわけにもいきませんしね。
そこで、敢えて同人グッズ専門という要素を排除して、そういうの関係なしに探したのが今回製作をお願いしているところになります。特に同人とは無縁そうなところなんですが、クリアファイル専門というのに興味を惹かれ、なにより製作料が馬鹿に安かったのが決め手となった。対応も物凄い丁寧でしたし、後は値段に対してどれほどのクオリティで仕上がるかということぐらいかな。
サイズをA5にしたのは最近の流行りというのもありますが、経験上A4以上の大きさを持つクリア系のグッズって、あんまり嬉しくないんですよね。一時期、クリア系のスティックポスターが流行りましたけど、横幅はともかく縦長すぎて、持ち運びが不便ったらなかった。同じようにA4クリアファイルも、不便というほどではないにせよ、大きければそれだけ折れやすく、傷みやすいということもあってか、便利とは言い辛いのではないかなと。A5なら丁度自分の本がすっぽり入る大きさだし、カバンの中で折れ曲がるなんてこともないだろうから、今回はこのサイズで制作してみた次第です。まだ手元には来てませんが、良いものが出来ることを期待しましょう。

後、当日はお隣にサークル・ねこまんまさんが配置されています。2月のCUFFSオンリーで一緒になった方なのですが、冬に出したハル×穹本の続篇を出されるということで、個人的におすすめのサークルさんです。続編と言っても、新刊から読むことが出来る作りとなっているそうなので、既刊を持っていない方も安心して買えますね。既にとらのあなで委託予約が始まっているみたいですが、詳しいことはねこまんまさんのHP等でご確認下さい。ちなみに、pixivにサンプルがあります。
URL:http://t.co/tiQk5mQ(とらのあなへのリンク有)
まあ、私は会場で買う人ですけど、他にもヨスガサークルやヨスガ本を出すところは複数あるみたいですね。原稿の修羅場でサンクリに行けなかった分、コミ1で回収したいところなんだけど、そこまでの時間があるかが心配だ。
それではまあ、イベント当日はよろしくお願いします。HPの方にもページは作ると思いますけど、日記での更新は前日に軽く触れる程度になるでしょうから。
溜め込んでいる日記を書こうということで、ネタが続く限りMLW式萌えキャラ名鑑でもやろうかと思います。要は私が好きなアニメ、漫画、エロゲのキャラクターについて延々と語ろうというコーナーで、私が大昔開いていたHPで似たようなコンテンツがありましたね。自分がこれまで入れ込んだキャラはどれだけいるのかっていう話でもあるけど、私は基本的に俺の嫁という考えが理解出来ない人なので、普通のキャラ語りとは違いますし、基本はカップリング重視になるのかな。

第1回目に取り上げるヒロインは、数年前までガンガンで連載していた探偵漫画、スパイラル~推理の絆~のヒロイン、結崎ひよのです。作品の第1話から登場した月臣学園の深部部長を務める女生徒で、見た目からは分かりにくいですが2年生と主人公の鳴海歩より学年が上の先輩になります。所謂、年上ヒロインという奴ですが、行動や言動からそれを感じさせるものは殆ど無く、また、歩自身先輩に対する敬意なんてものは欠片もなかったので、この二人は対等かどうかも怪しい関係でした。もっとも、年上キャラとしては歩の義姉であるまどかさんの方が印象強かったので、それによって霞んでしまったというのもあるんでしょうね。少なくとも、ひよのを先輩ないし年上として好きだと思っている人は、ほとんどいなかったのではないでしょうか?
愛嬌ある性格をしながら、新聞部の部長として各種情報に精通しているひよのは、学生たちは愚か教師たちからも恐れられる存在であり、裏世界の人間たちとも対等に渡り合える胆力を持っている少女です。警察官でありながら、夫である清貴が失踪していることもあり、どこか弱い部分を見せるまどかさんとは大局に近い形があり、ひよのが自分の弱さを見せたのは、結局最終回の一歩手前ぐらいでした。私はその強いところと、どんなことがあっても歩を信じ続ける一途さに退かれ、今でも歩ひよはベストカップリングの一つであると信じています。この二人には、それぐらいの魅力があったんですね。当時も大分熱狂していた記憶があるけど、スパイラルオンリーとかよく言ったっけ。ガンガン作品としては、特に女性人気も高かったしね。

ひよのの魅力は語り尽くせないほど多いのですが、実はひよのは原作者的に作品のヒロインではなかったとされている。スパイラルの作者は城平京というミステリ作家崩れですが、この人はどうにも年上好みらしく、当初スパイラルのヒロインはひよのではなく、義姉のまどかさんであるという認識のもとに書いていたらしいです。考えて見れば歩の初恋の相手ですし、要所要所で出てくるのはいつもまどかさんでしたっけ。私は姉というジャンルが好きではないから興味がなかったんだけど、漫画ファンというのは正直なもので、外見的可愛らしさも相成って、ひよのの方が人気でちゃったんですよね。最初、原作者はひよのを大したキャラとは考えておらず、外見的にも地味な存在で設定したらしいのですが、編集の指示なのか作画担当の水野英多が、かなり可愛い娘に仕上げちゃったんですよ。可愛い娘の人気が上がらないわけはないってことで、原作者としてはほとんど予想外なほどの人気キャラになってしまう、それ故の方向転換に迫られたとかなんとか。
スパイラルという作品の壮大なネタバレになってしまうので深くは語れないんですけど、私は原作者がいうところの「歩とひよのを対等な立場にしてあげたかった」というのは嘘だと思ってます。だって、城平京は多分ひよののこと嫌いだもん。自分で、水野英多の絵に負けたと言ってしまうぐらい、まどかさんに対する思い入れが強く、ひよのに対する恨みのような感情を持ってたから。まあ、最終回は一応歩ひよで落ち着かせましたけど。

沈着冷静な鳴海歩に対して、天真爛漫にして傍若無人とも言えるひよのがズケズケと踏み込んでくる辺り、私はこの二人が結構釣り合い取れてると思うんですよ。原作者の後期に出したノベライズで、歩のパートナーして最も相応しいのは、なんだかんだ言ってひよのであると認めてますから。正直、鳴海清隆最大の誤算は、歩がひよのを自分に惚れさせてしまったことだと思うんですよ。歩は無意識なんだろうけど、ひよのは最後まで歩を信じていたからこそ、自分の役目を果たすことができたんだと思う。最終回の後がどうなったのかは分かりませんが、このまま連れ立って逃げ出して欲しいとさえ、当時は考えていました。色々な意味で幸せとは程遠かった二人ですし、最後ぐらいは、それをつかんでもいいんじゃないかと思いました。
こんなご時世ではありますが、無事に開催されたので参加してきました。中野サンプラザには堀江由衣のFCイベントで行って以来ですから、数年ぶりになるのかな? 職場の最寄り駅に中央線が通っているので、仕事終わりに向かっても十分間に合いました。東京23区は計画停電の範囲外と言っても節電に努めていることにはかわりなく、夜の中野は普段よりも薄暗く、コンビニ一つ探すのも困難でした。とか書きながら思ったんですけど、私は夜に中野なんて来たことがないから普段どれだけ明るいのかなんて知る由もなかったという。なかなかどうした、新宿方面と縁薄い生活をしているんですよね、私って。

平日の夜にイベント参加するのは、昨年の牧野由依コンサート以来でしょうか? あのときは2日間連続で品川のグローリアチャペルに行った記憶がありますけど、今回の坂本真綾ライブはチケットが30日しか取れなかった関係で1日のみの参加でした。本当は誕生日である31日の参加を望んでいたんですが、今にして思えば初回の東京公演でよかったのかなと感じ無くもない。まあ、色々と思うところはあるんですけど、あんなことがあった後ですから、さすがにいつも通りというわけにもいかず、異色というほどではないにせよ異例なことが多いライブになっていたんじゃないでしょうか。
3月における大型イベントや声優イベントが軒並み中止や延期となる中、真綾のライブツアーも既に2公演ほど中止になっています。震災の被災地である仙台公演は仕方ないにせよ、続く札幌も中止となったことでライブツアーは事実上の中断状態となりました。個々の公演を見極める以前に、ツアーを続けるべきか否かという全体の見直しですね。まあ、結局は先週の関西公演という比較的早い段階で再開はされたんですけど、そこに到るまでが色々あったようでしてね。心情、感情、信念、葛藤、それっぽい言葉はいくらでも並べられるけど、詳しくは真綾のHPに書いてあるから、そこを読んでみるのもいいかもしれません。
元々、坂本真綾という人は慈善活動を頻繁にしている人で、活動家と言っていいのかは分かりませんが、ライブやイベントに限らず様々機会を利用してはチャリティーを行っています。その関係か、今回の震災に際して各方面の団体からお声が掛かったそうなんですが、そういった流れには乗らず、あくまで自分のやり方を貫く姿勢らしい。私はその考えに賛同するし、結構なことだとも思うけど、問題はそうした考えとライブの内容は全くの別問題だということですかね。

坂本真綾の凄いところは、今回のライブを開催するに際してチケットの払い戻しを行ったことかもしれません。震災が起こった以上は当然だろうと思う人もいるかも知れませんが、凄いのはその対象範囲の広さです。被災した人間が参加できないのは当然として、例えば親の許しが出ない未成年や、交通機関の問題から参加が難しい人、さらには講演の趣旨に賛同できない人間にまで払い戻しを行うという徹底ぶりです。前三つは、情勢的にも状況的にも分からなくもない話ですが、最後のは一般的に考えても異例なのではないでしょうか? ツアーを再会するに当たって真綾はその内容においていくつかの変更を行っており、一つは大掛かりな舞台セットの導入を取りやめ、さらには東京公演限定ですが電源車による自家発電を試みています。さらに普段のチャリティーグッズに加えて、追加のグッズを作成し、その売上を日本赤十字社を通じて震災への義援金とするなど、全体的にチャリティー色が強い内容になっている。
つまり、そうした慈善的な色合いを由としない人、それは信念や思想、あるいは宗教的理由などもあるかもしれないが、とにかく賛同できない人にはチケット代金を払い戻すと、そう明言しているのだ。実際にこれを理由に不参加を決めた人がどれほどいるのかは分からないが、声優に限らずアーティストのコンサートでここまで徹底しているのも珍しいことだろう。そもそも、声優のイベントで明確に公演主旨というものを決めて挑んでいる人がどれほどいるのか? 始まる前から、私は色々と考えさせられてしまった。

しかし、残念ながら私は今回のライブをあまり楽しめなかった。これは私にまだライブを楽しむだけの心の余裕がなかったのか、それとも別の理由なのか分からないが、一つ言えることがあるとすれば、しんみりしすぎたね。色々な意味で。こういうことを言っていいのか分からないけど、面白さや楽しさを求めるには時期が悪すぎるよ。歌は良かったし、公演は素晴らしかったと思うけど、なにかこうしっくり来ないというか、満足感に欠けるものがあった。それが贅沢な意見であることは分かってるんだけど、どこか空虚な感じがしてね。あるいは、私が坂本真綾の軸から外れてきただけなのかもしれませんが、なにか違和感残るライブでした。国際フォーラムには行かないから、次の機会はいつになるのか。そして、私はそれに参加するのか。先のことはまだなにも分からない。
秋葉原で探したら、アニメイトに置いてあったので買ってみました。ソフトカバーというから、もう少し小さい判型で来るかと思ったんだけど、サイズ的にはそこそこでしたかね。まあ、2300円もするんだから、これぐらいの大きが自然なのかも知れませんが、総ページ数が100P以下という薄さを考えると、少々値段が高い気がしなくもない。ボリュームという意味ではやや不足がちな面が目立ち、完全に既存のイラストや設定資料等を目的とした、所謂資料本の一種と割り切ったほうがいいかも知れません。全体通して読んでも、これといって新しい発見はないし、描き下ろしにしても表紙の一枚だけですからね。

本の構成としては、まずはILLUSTRATION GALLERYとして、これまでにアニメ雑誌、ゲーム雑誌等で掲載されてきた版権イラストが収録されています。まあ、イラスト集なわけですけど、メガミマガジンは当然として、娘TYPEにコンプティーク、電撃G’smagazineにアニメージュまで載せていた辺り、かき集めてきたという感じはするかな。珍しいところではアニメイトのフリーペーパーであるきゃらびぃに掲載されたものだろうけど、イラスト自体はクリアファイルの絵柄として販売されていたから、知っている人も多いんじゃないでしょうか? コンプエースの付録ポスターや、4種類あるキービジュアルまで載せていたのは評価できるけど、気になったのはここに載っているのがすべてではないということです。メガミマガジンや娘TYPEに掲載されていた、比較的新しい版権イラストが一部収録されておらず、ギャラリーページとしては完全ではありません。単なる収録し忘れか、もしくは早くから製作していたので間に合わなったか、それとも権利の関係は分かりませんけど、少なくとも穹のイラストが2つ載っていないことになりますから、なんとも微妙な気分です。後、放送連動特典の壁紙とかもありませんでしたね。まあ、あれは視聴者へのおまけみたいなものだから、載せる必要はないといやないんですけど……イラスト総数17枚ですか。もう少し充実感が欲しかった、というのが本音ですかね。2冊目が出ることはないんだから、収録されなかったイラストはそれまでってことだし。

イラストの次はCHARACTER&STORY DIGESTということで、まあ、キャラの設定資料ですね。主人公の春日野悠から始まって、次に穹が来たのは少なからず意外だった。というのも、キャラ紹介とストーリーの振り返りを同時にやる構成だったから、放送順では最後だった穹の話が最初に紹介される形なんですよ。穹がメインヒロインである以上、不自然ってことはないのかも知れないけど、まさしく最初にして最後って感じがしたのも否定出来ない。キャラ紹介はあくまで表情とか服装を見るためのもので、エロゲで言うところの立ち絵&表情集と大差ありません。特にラフやコンテが載っているわけではないし、なにかここだけのイラストや資料があるわけでもないから、普通といえば普通ですかね。ストーリーダイジェストにしてもそうで、改めてヒロインごとに1話1話解説されても、特に新しい発見があるわけでもないし、大体が放送中に気付いた点ばかりでした。無難であり有り体とした内容と言い切ってしまうことも可能で、隅から隅まで読んだとしても、なにかを得るといったことはないと思います。
気になった点があるとすれば、ハルカナソラへの解説が含みを持たせたものになっていたことぐらいですけど、これは単なるブラフの類ですね。深い意味を持たせようとしているだけで、特別な理由なんて何一つない感じ。個人的に目を引いたのはOP、挿入歌、EDの映像についての画像付き解説があったことだけど、判型の問題から、一コマごとの大きさはそれほどでもなかったのが残念だった。Cパートにページを割き過ぎなんですよ、ほんと。
面白いところではまったく登場する機会がなかった悠のクラスメイトたちなども載っていますけど、単なるモブキャラの過ぎないから無視していいレベルだと思います。私としては、むしろ穹のクラスメイトに付いて知りたかったんですけどね。体育の授業でちょっと映っただけだったし、手持ちの資料には載っていないキャラなので。

EXTRAは春日野医院を始めとした各キャラの自宅や、穂見学園などの美術設定に、パソコンや携帯等、小物の設定資料が載っていました。自宅に関しては室内のラフ画などもあったんですが、肝心の間取りは存在しなかった。まあ、同人等でヨスガの漫画同人誌を描いている人には使えそうな資料ですけど、これにしたって映像から大体分かることばかりなので、新たな発見とかそういうのはなかったかな。最後の載っていた監督インタビューに関してはノーコメントです。正確には色々言いたいこともあるし、書きたいことも山のようにあるんだけど、自分の中でまだまとまりが付いてないんですよ。一言で言うなれば、要するに『人間性の違い』ってことなんだろうけど、私にはその違いが理解出来ないし、納得する気もさらさらありません。まあ、最初から理解したいとさえ思ってないんだけど。
アニメ版ヨスガノソラが好きで、既存のイラストとかキャラの設定資料が見たいという人は買えばいいですけど、本当にそれだけしかない本なので、多くを望む人にはあまりオススメできません。ただ、アニメ関連の書籍は最初で最後でしょうし、今後なにが出るってこともないはずなので、そういった意味で買っておくのは悪くないかも知れないですね。保存用にもう1冊買いたいとは思いませんが。
Gジェネワールドをクリアしたと思ったら、HELLモードとかいうのが出現した今日この頃。ロクゼロで言うところのハードモードみたいなものだけど、要するに登場する機体の強さとかが底上げされて手強くなっている感じですね。ザクⅡですら余裕でHP1万を超えますし、自軍にいるちょっと強い程度の機体やキャラでは、もはや太刀打ち出来なくなってます。一応はクリアしたのだから放置していても良いとは思うんですが、特殊なOPパーツが手に入るとかで、まあ、ボチボチと進めていこうかなと。

以前の日記にも書いたとおり、私はGジェネFをやりこんでいた人間だから、機体の趣味や重用するキャラクターも、当時と似通った編成になる場合が多いです。残念なことにFの頃と比べるとオリキャラは削減傾向にあるため、今回復活したキャラも入れば、前回はいたのに消えてしまったキャラなどもいて、あまり安定感はありません。当然、Fの頃に私が好んで使っていたキャラもいるのといないのがいて、例えばディライア・クロウなんかがそうですね。かつては我が軍のエースパイロットだったんですが、F以降はリストラされて復活していません。あの中性的な美人さんは能力値も高くて重宝してたんだけどねぇ。何気に初期から出演してたし。
ルロイ・ギリアム改め、ルーク・ルザードは前々回で復活して今回また消えてしまったらしい。何気に主人公タイプの彼だけど、Fの頃はカチュアのサポート役に使ってたかな。紛れもないニュータイプの一人だから能力は高いんだけど、いかんせん地味な印象がある可哀想な少年って感じ。彼がいないことで、今回のオリキャラ勢には主人公と呼べるような存在がいませんね。ジュナス・リアムがいることはいるけど、彼は能力的に偏りがあるからね……是非、ルークには残っていて欲しかった。
復活組としてはカチュアとシスのコンビがいますけど、カチュア・リィスは未だにかないみかの印象が強いため新しい釘宮理恵ボイスには慣れませんね。全体的にノリが軽いお子ちゃまになってしまったというか、Fのときにあった「私は……あなたを倒します!」に代表されるような、悲壮感あふれた台詞などもないですからね。まあ、Fにしたってこの台詞以外はただのロリキャラみたいなもんだけどさ。
シスに関してはカチュア以上に容姿が変更されたけど、「戦うため作られたお人形……それがワタシ」という台詞が、「ワタシは……お人形じゃない」に変わっていたのが印象的。声優も長沢美樹のままだったし、さすがに芸達者な人だね。

使用機体の傾向としては、オリジナル半分に新しい作品のものを積極的に使用しているって感じでしょうか? 単純に最新鋭機やオリジナルが強いってのもあるけど、バルバドスとかの容赦ない力を見ると、もうそれ以外使う気がなくなってしまうよね。宇宙世紀系で使っているのは、それこそストライカーカスタムとユニコーンガンダムぐらいで、後はスタークジェガンをネタで作ったぐらいか。マスターであるアムロ用にHi-νガンダムは作ったけど、あれは番外みたいなものだからな。F当時はデザイン的に好きなW系と、作品的に好きなX系から機体を選んでいた気がするけど、W系は結構弱体化してしまったからなぁ。プラネイトディフェンサーはF時代ならメガ粒子砲だろうがツインバスターライフルだろうが、射撃武器ならすべて遮断するという鉄壁ぶりだったんだけど、さすがに極端すぎたのか年々弱くなっていますね。それでもGNフィールドなんかよりは使い勝手も良いんだけど、メリクリウスがそれほど強くない機体となってしまったのは頂けない。私はメリクリウスが結構好きでして、防御力にモノを言わせて敵陣深く斬り込むエース機だったんだけど、それも今では過去のものですね。フェニックスガンダムも無難な性能で落ち着いてしまったし、絶対的な力を行使できるのは、それこそバルバドスと黒歴史ターンエーぐらいか。ゴッドガンダムも相当なものだけど、MFの運用はどうしたって限界があるからなぁ。

Gジェネは、いつかオリキャラで二次創作をやってみたいジャンルではあるんだけど、登場する機体に偏りが発生する可能性が高いので、どうにも二の足を踏んでます。特に宇宙世紀系は膨大な数がありますし、年代によって性能の異なりますから、安定感がないんですね。色々創作意欲が湧いてきてはいるんだけど、そこら辺をどうにかしないことにはなにも出来ないと思います。まあ、機会があったら書きたいなと思いますけど、同人じゃなくてサイト等に上げるSSレベルですかね。話自体は、Fの頃からちょこちょこと考えてはあるんだけど、物がガンダムだけにかなり壮大になってしまい……いやはや、難しいものです。
昔、私が物書きになるための修行をしていた頃、文章作法を教えてくれていた先生が本は本屋で買うものだというのをしきりに唱えていた。既に故人となってしまったが、御三家の一人に師事し、その愛弟子として名高かった人で、違う門派に属していた私にも厳しく指導をしてくれたのがとても印象残っている。私はその人の言っていた本は本屋で買うという意見には大いに賛成であり、本読みならそれが当たり前であると思っていた。実際、未だにAmazon等ネット書店で本を買うのは苦手だし、年に1度使うか使わないかといったところだ。しかし、そんな私にとっての当然は、単に感覚が古いだけなのではないかと最近になって考えるようになった。

私は今、とある老舗出版社に居候をしており、何故か編集部に席があるので編集者たちに混じって仕事をしているのだが、本を出す側である彼ら、もしくは彼女らは本を買う際にもっぱらAmazonやbk1などネット書店を利用することがほとんどなのだ。資料集めに神保町へ行くということもなくはないし、今すぐ読みたい雑誌などは近所の書店に出向いて買うこともあるのだが、例えば今日は必要ないが明日は使う本などの場合、本屋には出向かずAmazonなどでポチっと押して済ませてしまう。あまり使わないから詳しい仕組みは分からないのだが、有料会員ならお急ぎ便とか言って送料無料で次の日には届いてしまうなんてシステムがあるらしいんだけど、それを使って会社に送るように設定しておけば、わざわざ本屋なんて行かなくてもいいと、まあ、そういう感じらしい。出版社の編集部である以上、本が嫌いという人はいるわけもなく、ジャンルに対する趣味はあっても大抵がなにかしらの読書家だ。そんな一番本に身近な人達が、本は本屋でなくネット書店で買えばいいという発送を持っていることが私には何故だか新鮮であり、意外でもあった。
勿論、理屈としては分からない話でもない。出版社が資料として使うような本が、常に近所の本屋に置いてあるとも限らないし、確実に手に入れるならある程度大きなところに行かなければならい。東京駅の周辺であれば丸善の本店がなんでも揃っている印象だが、東京にオフィスがあるならまだしも、例えば秋葉原とか神田、新橋や浜松町と言った場所なら、どうしたって交通費がかかる。電車賃にして往復300円未満であるが、それでも書籍代以外に金がかかるというのは大きい。その点、Amazonは年会費はとられても送料は発生しないわけで、しかも一日待てば手元に来るのだから、これではわざわざ本屋に行く気が起きないのも無理はないのかもしれない。

ネット書店というものを私が利用しないのは、本を買う上での拘りもそうだが、それ以上けち臭いからではないかと思う。つまり、実際に本屋で手に取り、立ち読み出来るなら立ち読みをした上で購入するか否かの最終判断を行うのだ。本屋に着くまでは絶対に買う気でいた本も、いざ手に取ってみるとそうでもなくなるなんてことが過去に何度もあった。逆にネット書店の場合、基本的に発送後のキャンセルは不可であるから、届いたのを読んでみて微妙に感じた、買うほどのものではなかったと思うことが多い。それはなにも本に限ったことではないし、むしろ本を読む上での醍醐味ではないかと言う人もいるだろうけど、根がケチである私としてはその金銭的消費や負担は看過出来ないものがある。言ってしまえば、その本を買う金で別のもっと面白い本が買えたかもしれないわけであり、みみっちいと言われようが私にとっては大事なことなのだ。
例えば、内容は良いのだが表紙や判型が微妙だったとか、使っている紙質や紙色、手触りが好みじゃないなんてことも少なくはないし、私はそれらを総合した上で良い本というのは成り立っていると考えているので、やはり実際に自分の目で見て、手で触れることが肝心なのではないかと思うのである。それは文庫本やコミック一つとってもそうだし、雑誌なんかもそうだ。まあ、人によって感じ方はそれぞれかも知れないが、私はまだ本屋で買うことに意味はあると、そう信じている。

出版不況や本屋の閉店が問題になっていると言うが、私が行くようなところは地元を除けば駅ビルに入店しているような、比較的なの知れたところばかりなので、休日などは人で賑わっている印象がとても強い。先日、ブレイドを買いに本屋巡りをしたときにも書いたが、本はまだまだ人を惹きつけるだけの魅力がある娯楽なのだろう。出版社などにいると、どうしても商品としての本を意識しがちになってしまうが、ここらで読み物としての本を再認識するのも悪くないのかもしれない。私は編集部という場所に、編集者たちとはまったく違う理由で存在しているわけだけど、作り手としての空気は吸いつつも、読み手としての感覚は失わずにやっていきたいものだ。小賢しいことを考えて読む本ほど、面白くないものはないのだから。
今日はコンプエースの発売日だったので横浜まで買いに出掛けたんだけど、そういやコミックブレイドの4月号をまだ買っていなかったなと思い、これを求めて書店巡りをしていました。ブレイド自体は特に毎月買っている漫画雑誌というわけじゃないんですが、なにせ今月号は相関9周年にして、連載9周年でもあるスケッチブックが表紙でしたからね。発売日にメロンブックスで見かけたとき買おうかと思ってたんですが、なにせガンガン並に分厚い雑誌ですから持って帰るのが手間で。素直に地元で買っておけばよかったとも思うんですが、その後も色々ワタワタしてましたからね。気付いたら月末になっていました。

日中に電車乗るのも久しぶりだったんですが、節電の影響からか車内の照明が落とされていたりと、なんか新鮮な気分でした。到着した休日の横浜はそれなりに人が出てきていたんだけど、駅前はそこかしこで募金活動をやっていましたね。学生連中が制服を着てやっているのもあれば、高島屋の前では地元のサッカーチームが握手会兼募金活動を行っていたらしく、長蛇というほどではないにせよ、列が出来ていました。私はサッカー選手の顔とか知りませんから、その場にいたのが有名所なのかも分からなかったんですが、並ぶ人がいる以上は無名ではなかったのかな。私は街頭募金というのが苦手なので回避してしまったんですが、横浜駅ですらこんな感じなのだから、新宿駅とはもっと凄いことになってるんでしょうね。あそこは年がら年中、なにかしらの活動が行われている場所ですし。
横浜駅周辺としては、地震以降閉店中だったダイエーが営業を再開していましたね。再開と言ってもオープンしていたのは1階の一部のみで、売っているものもトイレットペーパーとか限られたものだけ。フードコートは勿論、2階や新館などはまだ開店の目処が立っていないようです。入店の列が出来ていたところを見ると、品薄の商品でも取り扱っていたのかも知れないし、あるいは物見遊山で店内を見物しに行った人が多かったのかも知れない。ディッパーダンがある場所の入口のみ開放してたんだけど、その横では普通に敷地工事が行われていて、隙間から見えた感じだとかなりの瓦礫が積まれていた。まあ、工事している以上は破損箇所を埋めるなりして修繕を試みるんだろうけど、それが応急処置なのかは不明です。映像であの揺れ具合を見てしまうと、単なる補修だとちょっと不安が残りますよね。

ブレイドを探して横浜の街を歩いてたんだけど、アニメ系のショップは全滅していたから本屋を中心に探すことにしました。とはいえ、ダイエーが一部しか開店していない時点で、新館にあったあおい書店は使えませんし、ジョイナスにあった栄松堂は潰れてリブロになってしまいましたから……いや、リブロも本屋なんですけどね。思えば、書店が潰れて本屋が出来るってのもおかしな話だ。まあ、単純に栄松堂が流行ってなかったんだろうけど。
とりあえず、まともな本屋は駅の付近にしかないから駅まで戻り、ダイヤモンド地下街にある有隣堂のまんが王国へ行ってみることに。ダイヤモンド地下街はよく行く方なんですけど、有隣堂自体は久しぶりだったかも知れない。よく、隣にあるPXストアでお菓子とか買っていて、この日もなにか安いものはないかと覗こうと思ったんですが……来てみてビックリ、シャッターが降りていた。しかも、なにか知らない前の店舗が近日オープンすると書かれている。あれ? ということはPXストアは潰れたの? しかも、その横にある、有隣堂の入り口に隣接していた森永のミルクスタンドも閉店しており、張り紙によると2月末日に閉まっていたらしい。地震の影響で地下街に寄らなくはなってたけど、2月に閉店していたとは予想外だった。そんなに行かなかったかなと、軽いショックを覚えた私。
まんが王国で一応1冊発見したんだけど、状態が気に入らなかったので念のため別の店も探してみることに。東口へ移動する中、ポルタの丸善に立ち寄ったんだけど、これもいつの間にか店舗の位置が変わっており、規模も随分と縮小してしまっていた。移転というほどではないにせよ、まったく気づかなかった自分に愕然。確かにまあ、ポルタとか滅多に立ち寄らないけどさ。そごうの辺りでも募金活動が目立っており、店内も節電だなんだと色々やってましたが、紀伊國屋書店はいつになく混んでいる気がしましたね。まあ、休日ならどこも同じようなものなのかも知れないけど、ルミネにある有隣堂もレジに列が出来ていたし、出版不況と言われている割に人が本屋にかき立てられている気がした。

結局、まんが王国でしかブレイドは見つけられなかったから、そこまで戻って購入。そういや、スケブは9年も連載しているのに画集とかムックの類が全然でませんね。一度、アニメ化したときにパーフェクトブックなるものが出ましたけど、あれ以来なにも出ていない気がする。連載9年ってのは、漫画作品なら相当長いほうだと思いますけど、折角だから10周年まで頑張ってもらいたいものです。しかし、特別番外編、ここに来てあのネタを持ってくる辺り、やはりアニメ版を……うん、本編の鳥飼さんは凄く可愛かった。基本、空が好きなんですけど、なんだかんだで葉月が好きだ。今月は特に鳥飼葉月メインのネタが多くて、買って良かったと思いました。
地震とそれによる計画停電とかの影響でアニメ系ショップの閉店時間が早まったり、物流が停滞したりしていたんだけど、3月も後半に入ってやっと回復してきた感じがします。とらのあな横浜店でヨスガノソラのBD4巻を買ったとき、全巻購入特典のベッドシーツがまた届いていないとかで、引換券なるものをもらったんですが、最初店員はいつ入荷するか分からないし、入荷しても連絡は一切しないとか言っていたくせに、引換券にはちゃんと25日から引換可能と記載されていたという。なんていうか、本当に相性悪いわあの店。

とらのあなはそれでも仕方ないで済ませられるレベルだったんだけど、困ったのはアニメイト横浜店。なんと、ここ数日は閉店時間を通常の20時から2時間も早めた18時閉店となっており、とてもじゃないけど仕事帰りに寄れるわけがありません。そうとは知らずにヨスガのBDを引き取りに行った時など、18時半頃に出向いて既にシャッターが降りているという光景に愕然としてしまいました。いくらなんでも18時は無理だということでBDの回収は週末まで諦めることにしたんですけど、今日になって営業時間が通常に戻ったので寄ってみることに。そもそも、なんだってあんな早い時間に店じまいしてたんでしょうね? あの辺りというか、アニメイト横浜店は計画停電外である西区にありますから、停電の影響を受けるはずがないんですよ。となれば、プラザホテルそのものに問題があったということかな……理由は分からないけど、とにかく不便だった。
久々に入店することが出来たアニメイト横浜店は、計画停電に含まれてないとはいえ節電を実地中で、ゲマ屋がそうであるようにモニター類のスイッチを切っていたり、ところどころ照明を落としていたりと、全体的に店内は暗い感じでしたね。久々の通常営業だから混んでいるかと思ったんだけど、AVフロアは並ばずレジに行けたし、店内の人はまばらだった。こんな時期だしアニメショップに寄る人も少ないのか、それとも閉店時間が早まろうといける人は普通に水曜日とかも行けていたのか知りませんが、拍子抜けするぐらい客が少なかったと思う。レジで普通に予約していたヨスガノソラを引きとって、特典の枕カバーがやけに小さいことを気にしながらも、とらのあなへ移動することに。
しかし、これでアニメイトで買い物することも当分ないのかな。特に値引き等がないアニメイトで、BDを定価購入するのは本当にしんどかったけど、それもやっと終わりました。これはとらのあなにも言えることなんだけど、ヨスガノソラを買いまくってたらカードのポイントが貯まりすぎて、4巻に値引きを適応したら半額以下で買えてしまったという。まあ、それまでの累積もあったんだろうけど、よくもまあ貯めたもんです。

アニメイトと比較して、とらのあなはそれなりに混んでいたんだけど、ベッドシーツを交換するだけだったのですぐに済んだ。まあ、店員が特典を置いた場所を把握していなかったりと少し手間取ってましたが、とらのあなでは普通に見られる光景なので気にしないでおきましょう。ここはいつもこんな感じですから。書籍類の入荷も始まったのか、物流の停滞も改善され始めてきているようです。まあ、アニメイトと同じく、とらのあなで買い物することも今後は少なくなるんでしょうけど、これを機に店の接客及びサービスレベルも上げてもらいたいところですね。
本来であれば今日は月末のエロゲ発売日で、オーガストの新作である穢翼のユースティアなどの新作を沢山買っていたはずなんですが、地震の影響でほとんどが延期となってしまいました。ただ、東北方面にプレス工場があったところなどは仕方ないにしても、具体的な内容に触れず震災だけを理由に延期を発表したところは、ちゃんと4月に発売できなかったら恥ずかしいと思うのは私だけだろうか。まあ、工場以外にも物流とか売上とか、色々と気にすべき点はたくさんあったんでしょうけどね。今はエロゲどころじゃないってのは、当たり前というか当然の流れですし。おかげで先月に続き、今月もエロゲを買わないという事態になってるんですが、その分4月が大変そうで。折角ヨスガが終わったのに、次はエロゲかって感じです。

すべての特典を回収して、ヨスガノソラのBDを集めるのも今月で最後となったわけですが、別に感慨深くもなければ、やり遂げたって気分にもならなかったな。喜びや嬉しさが少ないというか、いざすべての描き下ろし特典を手に入れても、なんか冷めている自分がいるんだよね。ヨスガノソラという作品に対する興味がなくなったわけじゃないのに、テンションがまったく上がらない……アニメ版だからなのかも知れないけど、アニメイトの件にしても仕事休んでまで回収する気とか、さらさら起きなかったからな。まあ、とりあえず原作とFDをやってみることにしますか。しばらくやってないですし。
ねんどろいどぷちというものに興味がないから通常版を買おうと思ってたんですけど、アニメ系のショップはどこも限定版しか置いてないんですよね。店舗特典は山田がメインのとらのあなを買うつもりが、地震による物流の遅延から入荷がされてなかった。秋葉原はもう置いてあるというのに、相変わらず横浜店は遅いですね。どうも私はとらのあなと相性が悪いらしく、なにかと問題ばかり起こっているんですけど、その割に良い特典を付けてきたりするから困りものです。まあ、今回はそれほど執着するほどのものでもなかったから、敢えてなにも付かないメロンブックスで買っておきました。

しかしまあ、9巻は本当につまらなかったね。4コマであるから、一つ一つのネタで笑えることは笑えるんだけど、全体を通してみるとビックリするぐらい面白くなかった。私は元々、WORKINGはWeb版から入った人で、それも初期のほうから読んでいるので色々と馴染みも深いほうなんだけど、最近のWeb版と同じ理由で今回のYG版9巻はダメダメだったと思う。だって、話の中心が恋愛話ばっかりなんだもの。
まあ、恋愛話が好きか嫌いかというのは個々人の趣味にもよると思うけど、単純なカップリング要素ならまだしも、本格的な恋愛模様になってくると、作品に対する重みが全然違うんですよ。Web版における足立と村主、そして進藤と鎌倉さんの流れに多少のしつこさがあったように、基本的にWORKINGという作品は恋愛を全面に持ってくるのには適していないんですよ。まるで、恋愛が主題のようになってしまっていますけど、それはあくまで副産物というか、おまけ要素でしかない。おまけはおまけだから楽しいのであって、メインとして何度も見せられるとさすがに飽きるし、作品が持つ持ち味が損なわれてしまう。
これが最初から恋愛漫画なら構わないのでしょうが、そうではないのだから偏りが発生する。なんて言うか、悪い意味でアニメに引っ張られてしまった感があるよね。キャラクターの性格とかもそうだけど、アニメ化したことでそっちに合わせる感じに作風が変化しつつあるんだろうか? 商法として、アニメ化によって生まれたアニメファンを原作に引き込むため、原作の内容をアニメ寄りにするというのはそれほど珍しくない話です。作者が自ら主導する場合もあれば、編集部の意向でそうする場合もある。高津カリノは編集者の言うことは大抵聞くと言い切ってる人ですから、そっち方面の影響があったのかも知れませんね。

例えば、相馬のキャラクターとかは完全にアニメ寄りとなっていました。彼は元々あんな風に騒がしいキャラではなかったのに、9巻を読むと今にも神谷ボイスが聴こえてきそうなほど、テンションの高いキャラクターに変貌していた。まあ、恋愛を主題とした場合、彼のようなキャラクターには他キャラを囃し立てる程度の役目しかないのかも知れないけど、それにしたって山田や種島さんでさえ活躍どころがあったというのに……新キャラもそうだけど、そういうのに埋もれないように努力した結果、ただテンションの高いだけになってしまった感がある。立ち位置も曖昧だし、佐藤は不本意だろうけど佐藤の友人程度にしかいる意味がなくなっている。毒気がないんだよね、今の相馬には。
4コマ漫画というのは本来明確なテーマなどを作る必要がなくて、ネタさえあれば延々と続けていくことの出来るジャンルです。だからこそ、新聞4コマは何十年と続けることができるし、サザエさん時空などと呼ばれるように、その気になれば時間の経過すら描く必要がなかったりする。逆に敢えて月日を進めることで卒業という明確なラストまで持って行き、作品を完結させたあずまんが大王なんてのもありますけど、あれは4コマでも珍しいタイプですからね。勿論、キャラごとのドラマは必要なんでしょが、それにしたって作品全体を揺るがすようなものはあまり必要なんです。
けど、これがアニメ化すると事情が変わってくる。いくら今のアニメが2期の放送を主眼においた1クール13話製作と言っても、売れなければ2期に繋げられないわけで、1期は1期でラストないしエンディングがいるわけです。そうしてくると、明確な主題やテーマが存在しない4コマに対して、それらを付け加えなければいけなくなってくる。そして、WORKINGの場合は原作におけるおまけ要素だった恋愛を持ってくることにしたと、まあ、そういうわけなんでしょう。

スケッチブックがここに来てアニメの影響から脱却を図っているのに比べると、WORKINGは真逆の道を歩んでいるということになりますかね。まあ、スケブはアニメの放送が終了して随分経つし、ついこの前までアニメがやっていたWORKINGとは状況が違うんでしょうけど、今の恋愛一辺倒な流れは正直どうかと思う。単純に面白く無いというのは、あるいは私のネタに対する好みが反映されているだけなのかも知れないけど、他に方向転換のしようもないから、当分はこの流れが続くのかな。アニメの2期も決まったみたいですし。
メロンブックス横浜店を覗いたら早売りをしていたので買ってみました。特に新刊コーナーに平積みされてなかったから、マジキュー4コマの棚を探したら1冊だけ置いてあった。ゲマ屋が平積みで結構捌けも良かったことを考えると、あるいはさっさと売れてしまったという可能性もなくはないんだけど、元よりメロンはヨスガと相性の悪い店ですからね。とある理由で原作もあまり売れませんでしたから、入荷数がそれほど多くなかったのではないかと思う。店舗特典はこれといって付かないみたいだし、あるところで買ったほうが早いと思います。

マジキューコミックスとしては非常にありがちな、アンソロ形式の4コマ漫画集ですけど、事前情報がまるでなかったので参加している漫画家が誰なのかとか、そういうのは実際に読んでみるまでほとんど分かりませんでした。唯一の例外として、こすもすきゅーぶでお馴染みの同人作家すめらぎこうが、自分のHPやブログで参加した旨を書いていたけど、あの人の場合はヨスガに限らずマジキュー4コマを仕事の場にしているから、数ある仕事の一つと考えたほうがよさそう。4コマのネタもアニメのイメージを中心とした無難なものばかりだし、まあ、取り立ててどうということはないですね。
私は漫画家にそれほど詳しいわけではないし、ましてや商業系のアンソロなんて滅多に買わないから、目次で参加者の一覧を見てもさっぱりだったんだけど、すめらぎこうを除いて一人だけ知っている人がしました。「双子と愉快な仲間たち」というタイトルで描いている、まうめんさんです。この方は白猫一族という同人サークルを主催されており、冬コミではヨスガノソラで同人誌も発行していました。一応、私の知り合いなんですけど、この手のアンソロは同人系から書き手を引っ張ってくることも珍しくないので、驚きはしたけどそれほど意外な話ではなかったのかもしれない。すめらぎこうがそうであるように、まうめんさんの場合はヨスガで同人活動をしていたのだから尚更でしょう。
丁度本人と話す機会があったんで経緯的なものを簡単に訊いてみたんだけど、話自体は冬コミの直前ぐらいに来たらしく、実は同人誌を発行する前だったとか。まあ、考えて見れば当初の発売日は2月25日だったんだし、年明けに依頼してたんじゃ少し遅い気もするよね。まうめんさんは同人誌発行前、それこそアニメ化前からpixivで穹のイラストとかを描いていましたから、担当辺りがチェックしてたというところかな。

アンソロ形式の4コマ集ですし、作品を一つずつ解説していくのは難しいんだけど、全体の傾向としてはアニメ寄りのネタが多いですかね。表紙のタイトルロゴがアニメ版ですし、このアンソロ自体アニメ版のコミカライズみたいな感じだから、内容がそっちに偏っていてもおかしくはないんだけど、まうめんさんの話ではボツ等もあったようなので、チェックはそれなりにしていたみたいです。だからか、どの作品も大きく原作やアニメ版を逸脱しているということがなく、読める方ではありました。あくまで既存のファン向けに出されたものなので、原作のヨスガノソラやコミカライズ版、アニメ版に関する事前知識は要求されるものの、知っている人ならそこそこ楽しめるレベルには、どの作品も仕上がっているのではないかと。
まあ、可も不可もないというよりは、可もあるが不可もあるといった感じなんですけど、全体的にハル×穹を基本とした作品が多いから、読んでいて不快になるとか、そういう要素はほとんどないと思います。こういったアンソロの残念なところに、原作や元ネタを欠片も知らない人が描いてお茶をにごすなんてのがあるんですけど、この4コマからはそういうのがあまり感じられなかったので。ただ、特別ここが面白いとか、凄く良かった点があるかといえば……どうなんだろう、私は4コマというものをあまり読まない人で、まともに読んでいるのはスケッチブックとWORKINGぐらいなものなんだけど、所謂萌え4コマが好きな人には十分なんじゃないかな。最後に載っていたちび穹ちゃん以外は、それほど奇抜なネタもありませんでしたしね。というか、最後のあれは卑怯だよ。ちび穹の可愛さに勝てるわけないじゃないか。

折角だから、まうめんさん辺りが表紙描いても良かったんじゃないかなと思ってみたり。いや、あの人の描くカラーイラストの穹が私は好きでね。作品の表紙では、穹が瑛と一緒にミコミコしていましたけど、ハルと穹でミコミコするのは自重してしまったらしい。ハルのメイド服姿は観たことあるので、巫女姿が見られなかったのは実に残念です。何気に1巻という表記がありますけど、売れたら続刊が出るってことですかね? まあ、この手のアンソロは大抵2~3巻程度は出るものだけど、次があるのならもう少し原作ないしFDのネタとかも欲しいところかな。
アニメ版ヨスガノソラも、これで最終巻となりました。実は日記を書き始めた今も、本編の感想を書くべきかどうか、悩んでいる部分があります。放送中に書いたことがすべてだとは言わないし、改めて観たことで色々と思う部分も出てきてはいるんだけど、それを自分の中で整理しきれていないというか、要するに私はアニメ版に未だ納得してないし、これから一生理解することもないんだろうなと思いました。いくつか、台詞や演出の変更点はありましたけど、それによって物語がどう変わったわけでもないし、結局この作品はヨスガノソラという原作の、外見やシステムだけを真似たものに過ぎなかった。

今更、本編の話することにそれほど深い意味はないし、穹がハルの子供なら産んでもいいという台詞に加え、嫌なら降ろせばいいとか言ってましたけど、別にそんな台詞変更があったところでなにがどうしたって感じだし、そんな直接描写をされて面白いと感じる人なんて誰もいないでしょう。この作品のスタッフは直接的な描写や言動を行うことを美徳と考えている節があって、その時点で創作者としては色々破綻しているのだけど、これはこの際どうでもいいでしょう。それもまた作品の見せ方ではあるし、汚くとも色合いの一つであるのだから。
ヨスガノソラの名を冠した、このアニメ作品を総括するにあたって、BDの4巻は私にとても分かりやすい答えを与えてくれたと思う。それは台詞が変更された本編のことなどではなく、勿論特典として付いてきたCDや、ぬいぐるみのことでもない。描き下ろしのBOXだけは、これを得られただけでもBDを買い続けてきた甲斐があったと私に思わせるだけの出来ではあったけど、これに関してはあくまでおまけに過ぎない。私の目を引いたのは、BDに封入されていたブックレット、その中に書かれていた監督・高橋丈夫に対するインタビューと、次のページ載っていた役者・下野紘と田口宏子へのインタビュー、この二つの対比であった。監督と役者、同じ作品を作る者であっても、立場は大きく違う両者。このインタビューは1sideに付き2ページ取られており、それなりにボリュームもあったが、アニメ版ヨスガノソラを理解するのに、もっとも的確なことが書かれていたのである。勿論、悪い意味での話だが。

さすがに全文を転載するわけにもいかないから部分部分、私が気になったところだけを上げていくが、例えば委員長こと倉永梢が、最後までハルと穹の否定者であったことに付いて、高橋丈夫はこのように応えている。
穹と悠に対立し、相対して関係を否定できるのは、あの中では梢しかいないんです。他のヒロインたちは分岐とはいえ、悠と結ばれる流れをみなさんに見せてしまっていますから、あの立場には立たせられませんでした。
文章だけ読むと、なるほどそうかと思わないでもない。特にアニメ版だけの視聴者に対しては、納得の良く解答の一つではあるかも知れません。けれど、冷静にならずとも監督の言っていることはおかしいです。何故なら彼は、ヨスガノソラという物語を、いえ、ハルと穹の存在を受け入れてもらえるものとしてではなく、否定されるべきこととして描いていたのだという事実を、倉永梢というキャラクターを通して暴露してしまったんです。結局のところ、監督を始めとした制作側はヨスガノソラという作品の最大の魅力を理解していなかったし、それを全力で否定するためにあんなアニメを作ってきたというわけです。荒川稔久が委員長ルートのOVAを作りたがっているというのは、彼が梢贔屓なのを差し引いても、十分に理解できる話です。だって、あのアニメでハルと穹の次に割を食ったのは、原作の魅力のすべてを損なわれ、原作そのものに対する否定者としての役割しか与えられなかった、倉永梢その人なのだから。瑛が色々な意味で無害な存在になってしまったのに比べ、委員長は本当にいいように使われて、ボロボロにされた挙句放置されてしまった。荒川稔久がそんな委員長を不憫に思い、OVAという形で救済をしてあげたいと感じたのは、ある意味では当然のことだったのかも知れません。高橋丈夫はその本質をわかってないから、「荒川さんを救済するために梢ルートの同人誌を作ろうか?」なんて言ってますけど、荒川が救おうとしているのは彼自身ではないんです。いや、彼自身が自己救済を望んでいたのだとしても、そこから得られるものは決して自己満足などではない。そして、それに気付かない監督を始めとした制作側に、これ以上ヨスガノソラという作品に関わる資格はないと思う。それが例え、同人誌という形であったとしても。

声優sideのインタビューは、田口宏子はともかくとして下野紘の言葉が印象に残りました。田口宏子の「ハルと穹がバカップルという固定概念があった」というのは、彼女に限らず原作のヨスガファンのほとんどが思っていたことでしょう。それを悪い意味で打ち砕いのがアニメ版なわけだけど、下野紘はそれに対して必ずしもいい感触を覚えていない。それは役者としてもそうだし、同じ男としても、アニメ版の悠を理解出来ないところがあるのだと思う。彼が原作に対してどこまで触れていたのかは知らないけど、「全体の構成が恋愛シミュレーションゲームのようになっていたから……」と、悠が複数の女の子に流れていたことについて否定的な見解を示しています。総括としては一応作品を持ち上げているけど、彼はヨスガノソラという作品に対して、これまでも個人的に語ろうとは一切しなかった。その複雑な心境をこのインタビューの中だけで読み取るのは不可能だけど、言葉の端々に茶化すようで制作側のやりたかったことへの否定がにじみ出ていると思う。下野紘は役者として、物語の主役と演じる男として分かっていたんでしょうね。アニメ版が物語として成立しておらず、他者から好感触を持たれるものではないということを。商業作品としての出来は良かったのかも知れないけど、何度も演じ甲斐のない作品でありキャラだったと思いますよ、私は。田口宏子にしても、アニメ版によってハルに対する印象を大きく変えてしまったみたいだし、私としてはそれが残念でならない。
私はね、下野紘にも春日野悠という主人公を好きになってもらいたかったんですよ。勿論、彼はハルのことが嫌いであるとは一言も言ってないけど、彼の役者人生の中でハルという存在は衝撃的ではあっても、それほど大きくもない存在で終わってしまったのではないか。
結局のところ、見解や解釈、考え方の違いなんですよ。制作側と役者側でヨスガノソラというものに対する見方が全然違っていた。制作側は商業作品であることも踏まえて、色々な趣向を凝らしていたが、役者側は一つの物語として作品やキャラを理解しようとした。その食い違いが、この二つのインタビューにはよく現れていると思う。

そして、それらと同じくして視聴者や原作ファンもまた、それを理解し、納得するには至らなかった。私はそうした現実対して否定と拒絶を選んだし、批判や非難を行った。後悔はしていないし、するつもりもない。確かにアニメ版を通じて色々嫌な目にもあってきたし、心身すり減らしていた時期もあるけど、前にも書いたとおりアニメ版を通して得られたものというのもある以上、一つの結果や成果はあったんだと思います。後はそれをどう受け止め、今後に繋げていくかですよ。私は、私に出来ることをしていこう。ひっそりと孤塁を守るなんてのは、ゴメンだからさ。
東日本大震災以降、私はテレビを観ることが比較的多くなったように思える。テレビと言っても観ているのはCSを除けばNHKだけだが、私に限らずあの日からテレビのニュースを見るようになった人は多いはずだ。特に首都圏は原発問題や計画停電、それに伴う鉄道のダイヤ乱れなど、現在進行形で災害という名の爪に抉られている最中だ。テレビのニュースを観るという行為は、もっとも単純な形で情報を得る手段であることから、別に間違ったことではないと思う。テレビで流れていることのすべてが真実とは限らないにせよ、それはどんな媒体にしても同じことだから。

私がNHKしか観ていないのは情報量が多いことと、常にニュースばかり放送しているイメージがあるからでしょうか? 実際はそうでもないんでしょうけど、日中は家にいないから、返って来る既にニュースの時間になってますしね。まあ、CMがないってのも煩わしさを感じない上で大きな利点ではあるし、ネットで話題になっているACのCMを私は最近まで見たことがなくて、それこそラジオで音だけ聴いたという感じでした。ネット人というのはおかしなもので、民放の報道の仕方などを批判するくせして、誰よりも民放を見ているような気がします。大体、見ているからこそ批判も出来るのであって、見もしないでなにか言うのは、ただの言い掛かりですからね。件のACのCMがしつこすぎるという話も、私みたいに民放を観ていなかった人間にはイマイチ実感の沸かない話でしたし。
会社に泊まったときに感じたけど、一つのチャンネルをずっと観つづけることなんて人には無理なんですよ。絶対に飽きるし、気分を変えたくなってくる。私の場合はCSでそれを満たしているから構わないけど、そういうのがない人は地上波から選局するしかありませんからね。以前の日記にも書いたとおり、私は別に国営放送だからどうだとか、民間放送だからなんだとか、そういうことは関係ないと思っている。物にはそれぞれの色合いや風向きというものがあって、どれもが同じにして、均等であることなどありえないのだから、多少の違いぐらいはあったほうがいいんですよ。情報の流し方も、その解釈も、この非常時にこういう表現が正しいのかは分からないけど、みんな同じだとつまらないし、消耗品でもないものが複数あっても意味なんてないでしょう? まあ、それは個人の感じ方にもよると思うけど、私はそんな風に考えています。

今まで私にとって、災害というものはどこか縁遠い話だった。震災というもので記憶にあるのは阪神大震災だけど、あれは西日本で起きたことだし、あの震災が起きたことで私の生活のなにかが変わったわけでもなかったから、私にとってはどこか現実味のない、テレビの中の出来事のように感じられた。随分、淡白だと自分でも思うけど、それは新潟中越地震のときもそうであったし、人間なんてものは自分やその周囲でなにかが起こらない限り、事実というものを簡単には認識できないものなのだ。今回の震災はその点が違い、私は帰宅困難者として会社に泊まることとなり、今現在も計画停電という制限を課せられななかで暮らしている。電車の本数は減って混雑は以前の数倍となり、行きの電車で疲れ果て、会社の業務で悲鳴も枯れ、帰りの電車でトドメを刺されるといった日々をこのところ送っている。それは仕方のないことであるし、首都圏に住む人であれば誰もが似たようなものなのだと思うけど、こうして自分の生活や暮らしに影響が出始めたことで、私は災害や震災というものを明確に認識するに至ったんだと思う。それこそ、これが初めてと言っていいほどに。
私は出版社の街である神田近辺で仕事をしており、神田がある千代田区は他にも政府関係の建物が多い政治の中枢であることから、ここだけは計画停電の範囲に含まれることはまずないだろうと言われています。そういった意味では、私はまだマシな環境にいるのかも知れないし、停電中は帰宅か待機を命じられているような知り合いに比べれば、時間通りに業務をできるだけありがたい話なのでしょう。しかし、震災の影響は確実に仕事も蝕んでいく。事実は忘れたり隠したりすることはできるけど、逃げることだけは絶対に出来ないから。

出版業界が地震で受けた被害は酷いです。本社が壊滅したり、流通倉庫が使いものにならなかったりと、そういった意味での被害もさることながら、本を出すことの意義のようなものが、地震と共に崩れ去ってしまった。だって、今は皆本なんて読まないでしょう? 本を読む暇があったら、テレビのニュースを観るのが当たり前となりつつある中で、本なんか出しても売れるわけがないと、そういうことです。出版社がそんなことを言ったらお終いだろうと思われるかも知れないけど、世の中には市場ほど正直なものはありませんからね。結局、自粛や規制ってのは不謹慎やそぐわないという以前に、それほど人から望まれていないということを、自粛や規制する側がよく認識しているから起こるんじゃないかな。まあ、事情はそれぞれ違うんだろうけど、今はどこも似たようなものです。

< 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 >