COMIC1☆4も終わり、既に新刊の書店委託が始まっています。今回は納品が早かったから、事前予約もしてたんですよね。メロンと違ってとらの通販システムをよく理解してないんだけど、予約した人の手元にはもう届いてるのかな? GWだから、配送やら発送がどうなってるのかよくわからないんだよね。早めに、確実に手に入れたい、という方は店舗に行くことをお勧めします。というのも、今回はやけに複数の店舗への入荷が多いもんで。

本店、池袋店、新宿店、町田店、横浜店、千葉店、札幌店、仙台店、名古屋店の計9店舗に入荷されたらしい、「ロックマンゼロ2-逆襲の救世主-下」ですけど、なんだってまたこんな多くの店舗なんでしょうかね? 特に指定した覚えはないんだけど、地元の横浜に入荷されていることで確認してきました。すると、レジ正面の新刊の棚に5冊ほど平積みされてました。後に秋葉原の本店で確認した時も4階の一般同人誌フロアに5冊だったので、店舗分は一店舗につき5冊、計45冊と考えていいのかな? まあ、それほど多くの数を納品しているわけじゃないからな……とらから届いた封書と親友の報告によると、本店にはまだ上巻が残っていたらしい。6冊、おそらく一般流通分としては最後の在庫でしょうね。
正直、全国頒布したわけでもない同人誌の下巻だから、こんな多くの店舗に入荷してしまって大丈夫なのか、という心配もあるけど、サークル側が店舗在庫の正確な数を把握するのは困難なので。そこら辺が詳しく解るとね、売れる店舗だけ集中的に入荷させるとかも出来るんだろうけど、同人誌にそこまで商業的な思想や思考を持ち込みたくないってのが私のスタンス。そりゃ、制作費が掛かってますから売れるに越したことはないんだけど、新刊の下巻にしたところで完売すればなんとか赤字を免れるってレベルだしなぁ。同人で稼ぐっていう気分には、やっぱりならないや。
ちなみに事前予約はおかげさまで事前受付終了になりましたが、頒布後の通販はまだ在庫があります。増えたり減ったりしているところは相変わらずですが、数的にはそろそろ安定してきたのかな。
http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0010/21/87/040010218715.html
とらのHPで通販やっているので、興味のある方は是非どうぞ。

昨日の日記でも書いたけど、しばらくは同人的活動、というかロクゼロから離れてみようと思う。同人活動はイベントに当選する限りは続けるし、今後共に大きいイベントを中心に参加する感じで行くつもりだけど、ロクゼロに関しては新作を年内にどうこうってことはないと思う。書けないというよりは書かないというか、良いものを書くために時間を置きたいんだよね……なんてのは建前で、ぶっちゃけるとしばらくジャンル変えたいんですよ。変えたいというか、メインとサブを入れ替えたい? ロクゼロに飽きたわけじゃないし、書きたいとも思ってはいる。正直、書こうとすれば完結編だって書けるんでしょう。
けれど、それ以上に今の私はヨスガノソラを書きたいんだよ。もちろん、ヨスガノソラ以外にも書きたいものはあるし、なのはクロスだってロクゼロとは違うネタも二つほど用意して入るんだけど、まずはヨスガノソラとハルカナソラを書きたい。最近思うところあってさ、とりあえず私はヨスガノソラにおける同人活動を確立させたいんだよね。ファンサイト、SSサイトとしてもだけど。COMIC1で見たものもそうだし、コミカライズのレビュー以外はこれといったことをしていなかったサイトに付いても見直すべきではないかと感じていて。そこには野心、野望、対抗心といったものが存在するのかも知れないけど、5月末にはコミカライズの1巻も発売するわけだし、その前には動き出しておきたいと、そう思うわけですよ。まあ、他にも大きな理由があるにはあるんだけど、それはまだ書くことが出来ないので。

明日は映画を3本と、ちょっとしたイベントに参加してきます。折角GWと映画の日が重なってるんだから、ファーストデーを有効活用しようかなと思いまして。まあ、見るのは全部アニメ映画だし、その内の一本はハルヒの2回目だけど……何気にららぽーと横浜へ行くのは初めてだな。ショッピングセンターは大好きだけど、さてどんな場所なんだろうか。家からは車のほうが早いらしいけど、あいにくと私は免許を持っていない。それに、イベント会場からの移動だから、最初から電車以外の選択肢がなかった。
あんまりイベントと他のことを回したりすることがないし、一日に映画を3本見るなんて初めてのことだから、今からどんな感じになるのか……なんて締め方するのはおかしいか、日記を書いている時間的に。
COMIC1も4回目ということで、今年もサークル参加して参りました。もっとも、私はサークル周りが中心だったけど、今年は大分落ち着いているというか、ハッキリ言って買おうと思って買えなかったものがほとんどないかも知れない。買えないだろうと思っていたのは案の定買えなかったけど、サークル入場と一般入場ではやはり見えてくるものがちがうというか、一概に大手サークルと呼ばれるものでも開場前の並びでは大きく差があるなと実感。

売り子をしてくれる友人と大井町駅で待ち合わせて、この駅はJRとりんかい線の駅が分かれているので乗り換えには不便だけど待ち合わせには便利。ビッグサイトに到着したのは8時半頃だったかな? COMIC1はコミケの三分の一ほどの規模だけど、会場内ギリギリまで参加者を並ばせているからその辺りはティアなんかと同じですね。いや、ティアはシャッター前まで並ばせているか。最近はよく知らないけど。
到着したスペースには印刷所からのダンボールが置かれていて、中には新刊である逆襲の救世主下巻が入っています。今回も良い感じに仕上がっているというか、表紙がカッコいいですね。下巻取り出している間に宅急便で会場へと送った上巻とるーるーを取りに行って、それを並べれば今回の出し物はすべて出揃いました。見本誌として全冊提出し、ペーパーや釣銭の準備をすればスペースの準備は完了。もちろん、テーブルクロスを引くのも忘れずにね。
下巻の方は、これは書店委託分にもつくけどクリアしおりが入っていて、作ってよかったと思えるほどにカッコイイ仕上がりになっていました。これがタダで作れるってのは、冗談抜きでお得すぎると思う。まあ、ザッと読んだ感じでも早くも誤字脱字が、主に書下ろしで散見してるんだけど……無理矢理締め切りに間に合わせた弊害か。しかし、440Pというのはやはり分厚いですね。赤き閃光の上巻が300P、下巻が344P、そして逆襲の上巻が384Pですから、400P超えというのは過去最厚であると同時にある意味では1冊の小説同人誌としての限界を示している気がする。
新書で400P、まあ、今回は限りなく450Pに近い厚さなわけだけど、ぶっちゃけ持ちにくいし読みにくいよね。まず、このずっしりとした重さ。長時間読むには手が疲れるし、綴じ代もぎりぎりまで設定したつもりがまだ足りない。一般商業であれば京極夏彦とか、清涼院流水など、新書サイズでいくらでも分厚い人たちはいるけど、内容はともかく本としては読みやすいかといえば、決してそんなわけはないでしょう? 売り子は川上稔が結構好きなので、あれの文庫みたいな厚さになるってどうよ? と聞いたら、それはさすがにないと言っていたし。それにもう一つ重要な問題として、厚くなればなるほど価格も上がってしまう。下巻はイベント価格が1800円だけど、この数字を出すのにも本当に苦労した。本来であれば書店価格は100円アップなんだけど、そうすると消費税の関係で2000円を超えてしまうので、実は50円で設定していたりする。だから仮に500Pの同人誌を作るとして、うちのサークルの規模だと価格が2000円になってしまうことは必死なので、そのときはさすがに削ると思う。1冊の単価が2000円なんて、グッズセット並だからね。自分で言うのもなんだが高すぎだよ、ほんと。でも、この価格で完売しても黒字にはならないから大変だ。

スペース運営を親友に頼んだところで、午前中はサークル周り。今回最初に行くサークルはもう決めていて、数年振りに涼屋へと行きました。昔は、それこそアイマス本とか出していた頃はよく並んだんですが、最近はfengの原画家として人気が出てきて、大手シャッター前サークルになった関係上、おいそれと並べる規模じゃなくなったんですよね。それに関しては翡翠亭も同じだけど、あそこにしたって昔はただのROサークルだったというのに。変われば変わるもんですね。
涼屋に並んだ理由は単純明快で、今回出してきたグッズに惹かれたためです。イベントが積み重なるごとに涼香が現人神に見えるとは知り合いの言葉ですが、
ノーパンツ呼吸法タペストリー
なんて出されたい日には、並ぶしかないじゃないか!
同人界にMENSAがあれば涼香はトップで所属出来ると言うのも知り合いの言葉ですが、正しくそのとおりだと思うクオリティ。だってお前、染み付きパンツ「くんくんくんくん」はねぇよ! 買うしかねぇよ!
真っ先に並んだから無事買うことが出来たけど、開場前だとCOMIC1の場合、それほど人も並んでいませんね。涼屋やあいちょこでさえ2周出来るのではと思えたほどだし、お隣だったKAROMIXや5年目の放課後に至ってはほとんど列がなかった。まあ、開場後は長蛇になったけど、5年目なんて涼屋のすぐ後に並べば普通に買えたと思う。本だけだったから並ばなかったけどさ。

涼屋終わった後は魔法探偵社やRengaworksに行ったけど、煉瓦のコピ本が手に入ったのは凄く意外だった。シャッター前じゃない煉瓦というのも久しぶりだし、なんか一番初めのCOMIC1を思い出した。ジャンルがプリキュアだからなのかまるで並んでなくて、諦めていたコピ本すらあっさり手に入ってしまう始末。嬉しいことには違いないけど、拍子抜けしたことには違いなかった。プリキュアだとさすがの煉瓦も需要ないのだろうか? アニメとしての人気は高いと聞いたが、同人としてはまだまだ……? なのは本を出しているサークルの弊害として、なのは以外をやろうとすると途端に失敗するというか、誰も見向きもしなくなるというのがあって、大きいところならふあん、小さいところならうぱ小屋なんかがその傾向にある。個人的には鴨川屋がジャンル替えしたとき、一気に地に落ちるのではないかと思うんだけど、そのときはあの信者と取り巻きづくりに熱心なサークルをみんなで笑ってやりましょう。
話がずれましたが、煉瓦を済ませた後は島中に飛んで懇意にさせてもらっているサークルへ。水戸コミケでも話したけど、長い付き合いは大切にしましょうということで。今回はスケブも頼んでみました。あんまりイベにスケブ持っていくことないんだけど、新調したのでね。前の奴が部屋のどこかへ消えたというのもあるけど。大切なスケブだから探さないと。
島中を脱出した後は東4ホールへと戻って壁巡りへ。わつき屋や恋愛漫画家といったおなじみのサークルを回った後、ふと思い出したように翡翠亭を覗きに。涼屋に並んでいた時点で話題にはなってたんだけど、まあ、買えるわけもないだろうとスルーしてたんだよね。丁度外ではにわか雨が降っていたんだけど、気になるほどのものでもなかったからそのまま翡翠亭のスペースへ。驚いたことに列はあったけど短くて、今回がグッズセットのみの販売だということを考えると、グッズセットがまだ残っているということになります。あの翡翠亭のグッズセットがです。これはもう並ぶしかないだろうと思い、並んだ結果買えました。
涼屋翡翠亭の新刊及びグッズが買えてしまうという、奇跡のようなことがCOMIC1☆4で起きました。まさか買えるわけもあるまいと思っていただけに、未だに信じられません。翡翠亭のグッズセットなんて、それこそ何年振りというレベルでしょう。大手シャッター前になってからは牛歩ということもあってか並ぶのを避けてましたから。

後はまあ、なのは島を回ったり、Dragon Kitchenの山田があまりにも可愛かったから買ってしまったりしましたが……あぁ、ヨスガノソラサークルというのも二つほどあったからチェックしてたんですけどね? これがまた酷いのよ。割と早い時間に見てきたんだけど、一つはチラシしか置いてないダミーサクルで、もう一つはコピ本らしきものは見えるんだけど、チラシ積み重ねて「席を外します」の書置き。好きなジャンルだけに悲しいというか、こういうことをやられるとジャンルに嫌なイメージがつくから困るんですよね。結局、込本らしきものを置いていたサークルも後で見に行ったら「ご自由にお取りください」になっていて、やる気の無いB4のペラが一枚。まあ、午前中はスペース周りしていた私がいえた義理でもないのかも知れないが、今後はヨスガノソラでの活動をメインにしていこうと考えているだけに、こういうことをされると困るというかなんというか。

午後はスペースに戻って、一度だけスケブ回収とメロンの無料配布に出掛けはしたけど、それ以降はスペースで知り合いと話したり、普通に過ごしていた。ただ、一つ問題が発生して、釣銭ならぬ釣札がきれるというアクシデントが発生。小銭をたくさん用意して、お札はそこそこしか持ってこなかったんだけど、1万円や5千円で払う奴が続出したらしい。あれだけ、1万円や5千円はやめてくれと書いたのに、HPとか日記なんて誰も読まないんですかね? いや、本当に困った。
イベント終わった後は大井町まで移動して反省会、というか売上と釣銭の計算。売り子にメシをおごりつつ、洋食が美味しかったと思い返してみる。私が飯をおごると洋食かとんかつになってしまう。単純というか、レパートリーが少ないよね。秋葉で下巻が並んでいるところを見に行こうかとも思ったんだけど、荷物が重いことも合ってそのまま帰宅。家について、気がついたら寝ていました。チャットへ行くと言っていたのになんと不甲斐ない。

COMIC☆4も無事に終わり、シャリテクロワールとしての同人活動は、しばらくお休みすると思います。早くて夏コミですけど、夏コミは受かるかどうか分からないし、そうなってくると冬コミまで予定なしです。まあ、コミケは夏も冬も倍率高いからね。ロクゼロも3部こと完結編を残していますが、年内に書くかどうかは微妙。さすがに駆け足でここまで来すぎたという思いもあるので、少し間をおこうかなと。同人小説シリーズとして、必ず完結はさせるけど。
新刊の書店委託等については明日の日記で書きます。かなり沢山の店舗に納品されてるらしいけど、果たしてどんな感じなのか。気になるところです。
COMIC1☆4 最終更新
COMIC1も前日となりまして、最終更新です! な、な、なんと会場特典を一つ増やすことに成功しました。一晩で作り上げた特製の両面フルカラーペーパーを用意しました。画像はその一部ですが、一晩で作ったとは思えないクオリティになっています。くろのとくろえのくろのさん、どうもありがとうございました!
もう時間もないですが、とりあえず当日の出し物と無料配布のおさらいをします。

サークル・シャリテクロワール COMIC1☆4参加情報

イベント名:COMIC1☆4
日時:2010年4月29日(日)10:30~15:30
会場:東京ビッグサイト
配置:東ホールひ-49a
新刊:「ロックマンゼロ2-逆襲の救世主-下」
既刊:「ロックマンゼロ2-逆襲の救世主-上」
    「るーるーのほん」
無料配布:新刊購入者に先着で特製しおり封入
       新刊or既刊購入者に両面フルカラーペーパー配布
       1名限定ポスター配布あり


新刊

ロックマンゼロ2-逆襲の救世主-下
ジャンル:ロックマンゼロ×リリカルなのはStrikerS
イベント価格:1800円
総ページ数:440ページ
サイズ:新書本
イラスト:フルカラーカバー&挿絵等(くろのとくろえ)
備考:書き下ろしショートストーリー収録


既刊

ロックマンゼロ2-逆襲の救世主-上
ジャンル:ロックマンゼロ×リリカルなのはStrikerS
イベント価格:1700円
総ページ数:384ページ
サイズ:新書本
イラスト:フルカラーカバー&挿絵等(くろのとくろえ)
備考:書き下ろしショートストーリー収録

るーるーのほん
ジャンル:リリカルなのはStrikerS
発行日:2009年8月16日
書店価格:500円
総ページ数:32P
サイズ:B5版
備考:シャリテクロワール&くろのとくろえによる合同誌
    18歳未満はお買い求め頂けません。


COMIC1限定-赤き閃光の英雄-フルセット
部屋を掃除していたら出てきた赤き閃光の英雄上下巻と読本を限定1セットのみ頒布。先着です。早い者勝ちです。ただし、部屋の放置されていたものなので状態は悪いです。多分、赤き閃光の下巻は手に入れる最後の機会です。

ロックマンゼロ-赤き閃光の英雄-上下巻+読本
ジャンル:ロックマンゼロ×リリカルなのはStrikerS
セット価格:3500円
総ページ数:300+344+α
サイズ:新書本&B6版
イラスト:フルカラーカバー&口絵等
備考:あまり状態はよろしくないです。


無料配布情報

配布物その1:新刊封入クリアしおり
新刊購入者に先着でクリアしおりが封入されてます。完売でもしない限りは全員に行き渡ると思いますが、封入されていなかった人はゴメンナサイ。

配布物その2:両面フルカラーペーパー
新刊と既刊購入してくれた人に優先配布。既刊もう持ってるよーって人もいるだろうから、基本はスペースでなにか買ってくれた人に渡しちゃうと思います。

配布物その3:A1サイズフルカラーポスター(限定1枚)
当日の14時ないし14時半ぐらいに撤収する予定なのですが、スペースに貼りつけている特大ポスターを限定1名様に配布します。貼りつけたものですから状態はよろしいとはいえませんが、新刊の表紙をそのままポスターにしているので、欲しいという方がいるならばスペースまで来てください。
希望者が多い場合はジャンケン。ジャンケンするも多い場合はジャンケン大会です。


当日の諸注意
会計の際、釣銭不足が予想されます。スペースに来られる方は、500円玉や100円玉の用意を忘れずに、くれぐれも1万円や5千円での支払いは勘弁してください。釣銭は用意していきますが、結構適当に計算したので足りるか不明です。
スケブ・色紙・サイン等は基本的に受け付けておりません。MLWは悪筆ですし、絵も掛けません。
当日サークル主に用がある方は、売り子さんの方にでもいって呼び出してもらってください。可能であれば駆けつけますが、基本的に知り合い優先となっております。また、くろのとくろえさんへのプレゼントや手紙、ないとは思いますが私に対してその手の物を渡したいという方も売り子さんへと預けて下さると幸いです。



今回はこれぐらいですかね。とりあえず、書くだけのことは書きました。会場へと来られる方はどうぞよろしくお願いします。
いつのまにか書店での事前予約は終わってますし、逆襲の救世主上巻も手元にある在庫だけなので、もうイベントでしか手にいれることは出来ないと思います。赤き閃光もですが、手元にあるものをほとんど放出しようと思っているので。
それでは、COMIC1の会場でお会いしましょう!
今月号は巻末にコミックスの表紙が載っていました。穹と瑛の二人が背中合わせで経っているという絵柄で、1巻が瑛シナリオであることを考えると当然ですね。瑛が笑顔なのは陶然としても、穹も微笑を浮かべており、水風天の絵で笑顔の穹を見たのは初めてかも知れない。どちらも可愛くて良い感じです。特典等は記載されてなかったけど、ペーパーとかポスカなんかついてくると嬉しいですね。この際、描き下ろしじゃなくてもいいし、そもそも描き下ろしを用意するだけの時間があったかどうか。その辺りは書店のページを逐一チェックするしかなさそうですね。

いきなりハルの逆レイプレイプシーンから始まった第8話。相手は当然奈緒であり、ハルはうめき声をあげながら涙を流しており、泣いています。背格好は幼少期を感じさせる原作と違い、コミカライズにこれまで登場したハルとあまり大差はない。下着が脱ぎ散らかされた部屋で、奈緒に犯されるハル。正直、コンプエースでこんな風に逆レイプを描写してくるとは思いませんでした。しかも絵で見ると、結合部などが描かれていないにもかかわらずかなり生々しい。原作の場合、逆レイプと騒がれてはいても、犯されているハルが絵として登場するわけじゃないですからね。けれど、水風天はこうして逆レイプとして描いているわけで、涙を流しているハルを犯し続ける奈緒は淫猥すぎる表情をしています。

「秘密だよ。二人だけの秘密…」

それは消えることのない記憶――ハルは悪夢から目を覚まします。息は荒く、片手で頭を抑える表情はどこか忌々しげ。
「あの時の…」
不快感を滲ませるハルの前に、穹が現れます。
「ハル、どうかした?」
心配そうな表情を浮かべる穹に、心配はかけまいとするハル。「何でもないよ」と答えてやり過ごしますが、穹の表情は沈んでいる。あるいは、うなされていたのかも知れませんね。それも一度や二度じゃないとか。穹が心配するほどには、ハルの中で過去の逆レイプはトラウマとなっているのでしょう。ハルはそれ以上の話題を避け、既に午前11時1分を回った時計を目に向ける。夏休みに入ってダラけていると感じながら、今日は移動スーパータカノが来る日ということでハルは出かけようとします。
「私が行く。今日は私が作る」
ハルのことが心配なのか、穹は率先して自分で動こうとします。コミカライズの穹は瑛に料理を教わっているという設定があるので、既にある程度の家事は出来るんですよね。
「本当に? 助かるよ。最近よく手伝ってくれるよなぁ」
「べ、別に…」
「でも一緒に行くよ。荷物重いだろ?」
「…うん」
このときの穹の微笑! 優しさと慈愛に満ち溢れた笑みは、水風天特有の線の細さも相成って見事なまでの可愛らしさを表現しています。いや、さすがとしか言いようが無い。

到着したスーパータカノで、ハルは大根を買います。いや、大根以外にも色々買ってるんだろうけど、なにせ次のシーンでは色々入っているはずの買い物袋がどこかに消えているから……まあ、それはいいとして原作でも茶目っ気を見せているタカノの親父が、「お、今日はカップルで買い物かい? うらやましいね~」なんて風にハルと穹を茶化してきます。
「ち、違います。こいつは妹で…」
焦るハルに対し、タカノ親父は軽く流してサービスしてくれます。このとき、ハルと対照的に穹の表情は見えません。

「カップルだって。まったく…次に行くとき恥ずかしいよ…」

「……私は…別に……」

帰り道、穹はカップルと間違われたことへまんざらでもない表情を見せます。このときの表情もまたいいんですけど、小さな呟きはハルに届かず、別の声が割り込んできます。

「あれ? はるちゃん!」

同じく買い物帰りの奈緒が現れました。挨拶程度の笑みを見せるハルに対して、穹は途端に険しい表情となります。

「奈緒ちゃんも来てたんだ」

「うん。入れ違いだったのかな」

仲睦まじそうに話す二人を、穹が遮ります。ハルの手をつかみ、引っ張っていく。

「行こう、ハル」

「ちょ…おい、穹!」

強引な穹に驚き、戸惑、ハルは穹の肩をつかんで引き止めます。

「穹! お前、奈緒ちゃんの前だと変だぞ?」

いい加減、ハルだって穹の態度がおかしいことに気づいたのでしょう。奈緒の前だと態度を翻し、瑛などとは違い敵意を剥き出しにする。なにかあったのか、あったとしてそれはなんなのか、気づくことの出来ないハルは問いかけますが……

「何で? 何でそんなヤツに優しくするの?」

態度に思うところがあったのは、穹も同じです。奈緒に対するハルの態度、それは彼女にとって許容出来ないものだった。

「ハルはそいつのせいで…」

「何言って…」

「知ってる。私見てたもん」

「二人がセックスしてるとこ」

突きつけられた言葉は、ハルに言いようの無い衝撃をもたらしました。言葉もなく、目の色すら失ってハルは穹の言葉を聞きます。

「最初は何してるかわからなかった。遊んでるだけかと思った」

「でもの、その後パパたちに話したら大騒ぎになって、その時悪いことだってわかった」

「やっぱりこの町に来なければ良かった」

「私はあたなを許さない! 絶対に!!」

断言する穹に、奈緒は血の気を失って言葉もなく立ち尽くします。衝撃が身体を駆け抜けたハルは、それでも穹に言葉をかけようとしますが、穹は取り合わない。

「ほら、早く帰ろ!! もう二度とハルの前に現れないで!!」

叫ぶ穹に、ハルが掴みかかりました。自分ではなく奈緒を避難する穹に、忌まわしい過去を知っていた妹に、自分が被害者なのかすらもわからない少年は怒りと焦りをにじませた。

「言い過ぎだぞ穹! 奈緒ちゃんに謝れ!!」

ハルの形相に穹は圧倒されかけますが、滲みでる怒りは、この期に及んで奈緒を庇おうとする姿に穹も言葉を叩きつけます。

「バカハルッ!!!」

激昂し、その場を駆け去る穹にハルの声は届かない。引き止めることもかなわず、穹はどこかへ行ってしまった。


「穹ちゃん、知ってたんだね」

「……僕も…知らなかった」

穹の去った道端で、バス停のベンチに腰掛けるハルと奈緒。二人は、消せない記憶、忌まわしい過去を振り返る。

「身勝手だよね…私。あの日のことをなかったことにしようとしてた」

「あの頃、うちの家族の仲がギスギスしてて…つらくて。居場所なんてないと思った」

「だからあの日、はるちゃんに甘えたんだ」

明かされる奈緒の真実は、原作とはまた違う理由。原作と違ってそれらしい理由付けがなされています。奈緒が両親と不仲であることは変わりませんが、原作ではハルへの思いの増大による暴走という側面が強く出ていたから、ハルに逃げたという表現は結構新鮮かもしれない。

「……でも、すぐにとんでもないことをしたってと思った」

後悔するぐらいなら初めからするなといいたいが、この件が親バレして検査等を受けることになった流れは原作と変わらない。けれど、親に怒られた奈緒に手を差し伸べたのは、ハルの両親ではなく祖父だった。

「春日野先生は優しかった。みんなが君をしかるのは、君のことが大切だからだよって」

怒ってもらえてよかったな、そのように言ったハルの祖父の言葉を思い出し、奈緒は泣き出します。レイプ被害者であるハルとしてはなんとも言えない話であるが、奈緒はかなり思い詰めている。

「でも、やっぱり私は許されちゃいけないんだね。私は…はるちゃんだけじゃなくて、穹ちゃんまで傷つけて…」

「大丈夫」

奈緒の言葉をハルが遮りました。ハルにとっては微妙かつ複雑な話題ですが、踏み込まないわけにいきません。

「ちゃんと話せば穹だって…僕も同じだ。穹のことずっと傷つけてた」

「何も知らなかった。知ろうともしてなかった。奈緒ちゃんのことも、穹の気持ちも」

「はるちゃ…」

「行こう。きっと家だよ」


家に戻ったハルと奈緒ですが、どうやら買い物袋は穹が持って帰ってきたらしい。手ぶらで立ち去ったような気がしたけど、実はそうじゃなかったのか。探した方がいいという奈緒の言葉を受け、一先ず二手に別れます。
穹を探し回るハルですが、その名を叫んでも穹は一向に見つかりません。やがて雨も降ってきて、ハルの心は焦りを覚え始めます。

――僕はバカだ。今までずっと逃げてたんだ

――あいつの奈緒ちゃんへの態度は全部…全部…僕のせいじゃないか

レイプ被害者の妹がレイプ犯を嫌っても何ら問題はないし、不思議もないと思いますが、ハルは自分のせいだと思ったらしい。この辺のハルの心情が、少し弱いような気もした。どうしたって合意の上じゃないんだし、原作の穹ルートじゃあたかも興味本位で行為に及んだみたいに書かれたけど、それはどうしたって嘘でしかないわけで。

「くそっ、そ――」

「ハルッ」

ハルの後ろから、穹が駆け寄ってきました。どこに行っていたのか、それを訊ねる間も与えられず、穹が先に言葉を紡ぎます。

「ハル、お願い! 早く来て!!」

呆気にとられるハルの手を引き、穹が向かった先はバス停でした。停車中のバスは穹が止めていたもので、ハルは車内へと押し込まれた。いつにない行動力に、ハルは流されることしか出来ません。
発車するバスの車内で、ハルは穹の真意を問いただそうとします。

「穹…お前」

「帰ろうハル。ここに居ちゃだめなの」

浮かべるその表情はどこまでも冷たく、瞳は鋭くハルを見据えている。

「戻ろう、私たちの街へ」

穹の決意と決断にハルはどう応えるのか、ということろで次回に続く。


急展開、というほどでもなかったと思います。やっときたかという感じではあるし、奈緒編も次回で終わりでしょう。少なくとも、ハルと奈緒の間では既に決着がついている。いや、ハルが強制的につけたと言ってもいいでしょう。今回の話を見て思うのは、奈緒による逆レイプを、ハルは受け入れきれてない部分があるということです。忌々しい夢と思うほどにはトラウマとなっており、ハルが穹に掴みかかったのは、あるいは奈緒を庇うためではなく、思い出したくない過去から目を背けるためではなかったのか?
いずれにせよ穹は動いた。後はハルがどのように対応するかであり、私としては一度奥木染を離れて二人でゆっくり話しあうのも手ではないかと。原作にあった両親の初盆もあることだし、都会に行く理由がないわけじゃない。
まあ、その可能性は低いだろうけど、奈緒の決着がつくにしても、それだけで春日の兄弟の結び付きが強いものになるだろうか? 今ひとつ、足りないような気がする。まさか穹がハルを押し倒すわけにもいかないだろうし、キスを既に済ませたい上、なにをキッカケとするつもりなのか。再来月には委員長こと倉永梢がハルにアプローチを掛けてくるのか、夏祭りも済ませたのになにかイベントはあったか、オリジナル展開による導入も十分ありえますね。
コミックスの表紙も出て、私は凄い満足しています。唯一残念なのは日記でのレビューが一日遅れてしまったことですが、某大型電子掲示板と合わせて素早い更新を心がけたいものです。
COMIC1☆4 新刊情報等
COMIC1☆4 新刊情報等
気がつけばCOMIC1☆4も今週の木曜日ということで、2回目のサークル参加となるシャリテクロワールも正式な発表の方をしようと思います。いや、HP上ではとっくにしてるんだけど、日記の方ではまだしていなかったかなと。そもそも、逆襲の救世主を完結させたというのに、その話題をまったくしていませんでしたね。まあ、イベントについて書いてから少し触れるとしますか。

イベント名:COMIC1☆4
日時:2010年4月29日(日)10:30~15:30
会場:東京ビッグサイト
配置:東ホールひ-49a
新刊:「ロックマンゼロ2-逆襲の救世主-下」
既刊:「ロックマンゼロ2-逆襲の救世主-上」
    「るーるーのほん」
無料配布:新刊購入者に先着で特製しおり封入
       1名限定ポスター配布あり


今回はこんな感じになっています。新刊と既刊に関してですが、冊数としてはそれほど多く持って行きません。具体数は避けますが、おそらく全冊あわせても100部いかないでしょう。逆襲の救世主に関しては上下巻とも同程度の冊数があると思います。そうだなぁ、上下巻購入特典も作りたいんだけど……さすがに時間がなくて。即興で作ろうと思えば作れるんだけど、画像関係を使うとなれば色々と許可もね。まあ、水曜日までになにか作れそうだったら作ります。コピー誌は無理だから……ペーパーかなぁ?
それとは別に新刊購入特典というのをご用意してまして、前回付けることができなかった特製クリアしおりを用意しています。数の関係上、先着ということになっているのですが、大部分には行き渡るんじゃないかなーと思ってみたり。絵柄は当日までのお楽しみです。ルクリュ可愛いよルクリュ。入稿自体はぶっちゃけ締め切り過ぎちゃったんだけど、印刷所の温情に助けられた感じですね。まあ、新システムに移行したばかりで不具合も多発しているゆえの処置だったのではと思うのだけど。
後、無料配布。サンクリの時と同じく1名様限定A1サイズ新刊表紙ポスターを上げちゃいます。画像にも出ている下巻表紙、これをビッグサイズでお届けって感じですね。私は超悪筆だからサインとか書かないし、だれもそんなの 望んでいないと思うけど、くろのとくろえさん入魂の表紙絵をポスターで楽しみたい方には是非おすすめです。配布時間としては、イベント当日の14時~14時半ぐらいを予定。希望者多数の場合はジャンケンでもしてもらいますが、まあ、そもそも欲しがる人がいるのかどうかも。誰か来てくれるといいなー。

さて、新刊は「ロックマンゼロ-逆襲の救世主-下」ということで、赤き閃光の英雄から続いたロクゼロ×なのはにも一段落が付きました。1年以上掛かっての完結というのは、私としても予想出来ないことでしたが、執筆の間に色々な人の力を借り、様々な人に迷惑を掛け、そうした上でこの作品は成り立ってるのだと思いました。
逆襲の救世主という作品は私の中で、もっともプロットに自信があった作品で、完全な自画自賛になりますけど、その気持ちは今でも変わりません。問題があるとすれば、いかにプロットの出来が良くてもそれを元にして書かれた小説そのものの出来が良くなければ意味がないということで、私が執筆した逆襲自体はあまり満足のいく出来ではなかったかも知れません。プロットにあることを書いているはずなのに、思い通りに描くことの出来ないジレンマ。忠実に再現することができない己の技量や、実力の限界。それをもっとも現しているのが、ヒロインであるはずのシエルギンガだったと思います。
いつだったか、くろのとくろえのくろのさんに、逆襲の救世主は群像劇であると言われたことがあって、私自身そう思っていました。赤き閃光の英雄がゼロという単一の主人公の話ならば、逆襲の救世主は複数いる主役たちの物語なのだ、という感じで。その手法が間違っていたとは思いませんが、結果として私にはそれを書き上げることが出来なかった。逆襲完結後、私は久しぶりに赤き閃光の英雄を読んでみたんですが、これがとても面白いんですね。また自画自賛かよ、と思われそうですが、話としての流れや運び、展開がとてもスムーズだった。キャラに関しても、ゼロを除けばフェイト、ギンガ、セインの3人しか動かしていないからとても分かりやすくて。あぁ、こういうのを私は書いていたんだなと、今更ながらに再認識してしまった。もちろん、文章レベルで言えば今のほうがよっぽど見るに耐えるものを書いているという自覚はあるし、赤き閃光の英雄も文章としては読めたもんじゃないなと感じる部分が多々あったけど、それ以前に話としての出来に差があるのではないかと、自分の過去作に対して軽い敗北感のようなものを感じました。
逆襲の救世主は続き物ですから、完結編と合わせたとき初めて完成するのだ、なんて言い訳も書けなくはないけど、それはやはり言い訳でしかなくて、逆襲の救世主だけで赤き閃光の英雄以上に楽しめる作品となったのか、なっているのかという部分に、私は自信が持てないでいる。作者である私自身、逆襲が赤き閃光を超える作品になり得ないかも知れないと思っているのだから。

シエルとギンガは逆襲の救世主におけるヒロインのはずだったんですが、終わってみればシエルの空気っぷりと言ったらない。これ下巻のあとがきにも書いたんだけど、私は今ひとつシエルの使い方を誤ったというか、出したいと思って出したキャラに明確な立ち位置や役どころを容易出来ていなかったのではないかと、そんな反省点がある。ギンガにしてみても、重要なキャラのはずが登場が遅くなったことに加えてゼロとの絡みが少ないもんだから……いやまあ、ギンガの場合はオメガに対してのヒロインだったんだけどさ。
逆襲の救世主という作品は要するにジェイル・スカリエッティの話であり、彼とゼロの決着を描いた話でした。これ自体は最初から決まっていて、ただそこまでの道のりが険しかったと言いますか。赤き閃光の英雄を読んで思ったんだけど、ぶっちゃけスカリエッティも前作のほうが強そうじゃないですか。最終的な小物っぷりは変わらないけど、逆襲の救世主はイマイチ強さを表現出来ていなかったのではないかと、そう思う。裏ヒロインであるルーテシアを可愛く書くのに熱中しすぎましたかね。ルーテシアに入れ込んでいるのは、正直、ViVidへの反発も大きいんだけど……彼女には幸せになってもらいたいものです。

COMIC1については前日の日記でも色々書くことにします。本当は完結編1話のコピ本でも用意出来ればいいんですが、流石に時間がない。夏コミかなぁ、そういうのを出すとすれば。逆襲は読本的なものを出さないのか、と言われてるんだけど、正直今回は無理でしょう。繰り返すようだけど時間がなかった。だって、ギリギリまで原稿落とすかと思ったし。これから、くろのさんに連絡取ったりとすること山のようにあるけど、とりあえず良いイベントにしたいものです。これが終われば、夏コミまでなにもないだろうから。
川崎で上映終了したと思ったら、次の日にはTOHOシネマズららぽーと横浜で上映が始まったらしい。ららぽーとってのは大型のショッピングセンターチェーンだけど、その手の商業施設の例に漏れず、車による来店を想定して作られているから、電車で行くにはやや遠い場所にある。私の感覚で言えば川崎の方が近いとさえ思えるが、まあ、実際に鴨居まで電車で行ったことはないからあくまで想像の上の話だ。私はショッピングセンターとか、ショッピングモールといった大型複合商業施設の類が大好きなので今度行ってこようかなと思います。ハルヒの消失にしても、後2~3回は見ておいても損はしない映画だと思うから。

長門が残してくれたヒントを手に入れたキョンですが、短い文面がなにを意味するのか、その正確な意味をつかむことが出来ない。少し考えればそれがなんであるのかなんて分かりそうなものだけど、鑑賞者だからこその意見だろうか。キョンは他の本もひっくり返して他にもヒントはないか探しますが、これといって残されているものはありません。日も落ちる頃まで粘りますが収穫はなく、仕方無ないので帰ることに。それをみた長門も帰り支度を始めますが、キョンは長門が自分が帰るまで待っていてくれたことを意外に思います。SOS団の活動の場合、大抵は長門が帰るタイミングを測って本を閉じてくれるので、長門が待っているということがキョンには新鮮だったのでしょう。既に辺りは暗くなっており、キョンは必然的に長門を家まで送ることに。対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースならまだしも、ただの女の子を一人で帰すほどキョンは男としてダメダメではありません。
帰り道、何気なく一人暮らしをしていることに触れたりするキョンを、長門が自宅へと誘います。キョンがさほど動揺を見せなかったのは、そこが初めて行く場所ではなかったからでしょう。今の長門の部屋を確認しておきたい、という考えもあったのかも知れません。その証拠に、以前自分が時間凍結されていた部屋を除いたりしましたから。
訪れた長門の家は、当然のごとく時間凍結された部屋も存在せず、リビングにはこたつがあるなど内装面での違いがあった。そこで長門はキョンに黙っていた事実を、自分がキョンと会ったことがあるという話をした。5月頃、市立図書館で自分に貸し出しカードを作ってくれたという、確かにキョンにも同じような記憶はありますが、それが目の前にいる長門の想い出とは違うことぐらい判っています。ここからも見て取れるように、長門はキョンにある程度の好意を持っていて、だからこそ文芸部室へ押入った時もさしたる抵抗を見せなかったのでしょう。それどころか、自分の読んでいる本が市立図書館で借りたものであることをアピールし、キョンと自分は会ったことがあるという事実を思い出させようともしました。けれど、キョンにはその記憶が、想い出が無いのです。故にキョンは、明確な答えを返すことが出来ない。
そんな折り、長門の家に次なる訪問客が現れます。同じマンションの階下、5階に住んでいるらしい朝倉涼子です。鍋を両手に抱えて、夕食のおすそ分け……ではなく、夕食を作って持ってきてくれたという感じでしょうか。本人曰く、長門が放っておくとろくなものを食べないらしい。判るような気がする。本物の、という表現はおかしいだろうが、キョンのよく知る長門にしたところで、不純物などいくらでも身体から排出出来るわけだから、意外と栄養とかには拘ってなさそう。細胞というか肉体維持のための最低限の食事しかとらないとか。
朝倉がご近所付き合いしていることはともかく、相変わらず苦手なことに変わりがないキョンとしてはさっさとお暇しようとしますが、そこに三人分の器を抱えた長門が戻ってきます。帰ろうとするキョンの袖を掴んで引き止める、いじらしいじゃないですか。本当に女の子なんだなぁと、そう思います。朝倉が一人暮らしかは分かりませんが、鍋料理は結構美味しかったらしい。けれど、キョンにとってはそれもSOS団に対する哀愁にしかならない。だからこそでしょうか、朝倉に長門が好きなのかと問われたとき、長門が実に普通の女の子らしい笑みを見せたとき、キョンには驚きや戸惑いの方が強かった。

次の日、長門のヒントに書かれていたタイムリミット。キョンは打つ手なしの状態に悩みますが、一作日の狂乱を人づてに聞いた谷口が、何気なく、本当に何気なく涼宮ハルヒの名前を口に出しました。そう、谷口はハルヒと中学時代のクラスメイトだったのです。この世界にハルヒが存在していることを知ったキョンは慌てて学校を飛び出しますが、よく考えればどの学校も今は授業中。元々がお嬢様校である光陽学園には守衛もおり、仕方なくキョンは下校時間まで待つことに。
そして、ハルヒは確かにそこにいた。古泉一樹を隣に伴い、けれどキョンのことをまったく知らない他人として。勇気を振り絞ってハルヒと再開することに成功したキョンですが、相手のことをまったく知らないハルヒは怪しむばかり。けれど、キョンの口からこぼれでた古い事実に、過去の記憶を呼び起こされます。ジョン・スミスと名乗ったキョンに、ハルヒは心を動かされたのです。
ファミレスで事情を聞くハルヒと古泉。極々自然な流れから進学校へと進学したハルヒと、同じような理由でそこへ編入した古泉。当然ですが、古泉もまた超能力者ではなく、機関などという組織のことは知らなかった。ある意味では異世界人とも言えるキョンの立場に興味を示したハルヒは、忘れかけていた感情を呼び起こされて活気に充ち溢れます。ハルヒのことが好きだという古泉はそれが少し複雑で、無条件でハルヒに気に入られたキョンの存在もまた、さほど好ましくは思っていない様子。古泉がハルヒのことを好きというのは、キョンにとっての現実でも変わらないような気がしますが、それは総括にて書くとしましょう。
行動力を発揮させたハルヒは北高へと乗り込み、書道部にいたみくるを拉致すると、一気に文芸部室へ乗り込みます。驚長門を尻目に話を勧めるハルヒは、なんとこの世界でもSOS団を立ち上げようと考える。当面の活動目的は、キョンを元の世界に帰すことだと言いながら。どこの世界でも、ハルヒはハルヒなんだと思わせられるシーンです。
そのとき文芸部室のパソコンが急に立ち上がって、長門のいうプログラムを起動させる鍵が揃ったことが分かります。SOS団の面々とは、わかりやすい限りです。パソコンのエンタキーを押せば、この世界から脱出することが出来る。実はこのとき、原作でのキョンはこんなことを考えています。この世界においても、SOS団としての活動は続けることが可能であると。確かにその通りです。ハルヒの行動力を見れば判るように、流石に毎日とは行かないでしょうがSOS団らしきものを繰り広げることが不可能ではないでしょう。規模や形は変わっても、近いものは出来るはずです。
けれど、それでもキョンは迷わなかった。キョンは長門に、入部届けを返します。それは決別の証であり、キョンがなにを選択したのか、その態度を明確にした瞬間でもありました。長門は嘆き悲しみますが、キョンは元々ここの住人だったことを伝え、エンターキーを押します。ありえたかも知れない未来を、すべて捨て去って。

脱出した世界は3年前、丁度原作で言うところの笹の葉ラプソディの時間軸でした。ここには大人の朝比奈みくると大気中の長門有希が存在しており、力を借りれそうな人物が二人もいることにキョンは奮い立ちます。すぐに大人の朝比奈みくると合流して、状況の確認を行う。そして、先程までいた世界が異世界やパラレルワールドの類ではなく、改変された世界であることを知りました。
中学生ハルヒに向かって叫び、北高へ進むことを諭すかのような言葉を投げかけるキョン。ハルヒはジョン・スミスに二度会ったという、これがその種明かし。それを済ませたら、すぐに長門が住んでいるマンションへと向かいます。キョンのよく知る、調度品などがない簡素な室内。時間凍結された部屋もちゃんと存在します。事情を知った長門は、今回の一件が涼宮ハルヒによるものではないことを突き止め、対抗策をキョンへと授けます。そして、事件の犯人が誰なのかも、告げるのでした。
信じることの出来ないキョンですが、大人の朝比奈みくるは事実を知っている。彼女にとってこれは、過去に起こった出来事でしかないのだから。大人の朝比奈みくるの力で時間を跳んだキョンは、時空改変が行われる寸前の世界へと降り立ちます。彼の役目は、改変が行われた直後に、改変者に向かって再修正プログラムの短針銃を撃ち込むこと。

そして現れた一連の事件の犯人。涼宮ハルヒから世界を改変させる能力を奪い、自らを変革させた自分つの正体は……長門有希だった。

三年前の長門は、何故自分にバグがたまり暴走したのかが分からないと言った。説明しようの無いエラーだと。けれど、キョンにはそれが判る。長門は感情を、自我を持ち始めたのだと。暴走の原因も、自らを変えようとした理由も、そこにあると。キョンは短針銃など使わず、対話によっての解決を試みようとしました。しかし、既に改変された世界において長門は単なる少女でしかなかった。なにを言っても無駄だという大人の朝比奈みくるの言葉に従い、キョンは短針銃を向けた。
そこに、朝倉涼子がナイフを突き立ててきた。復活を遂げた朝倉の役目は、長門の障害を排除する守護者だった。長門を害するものは許さないという狂気の前に、キョンは倒れます。キョンは暴走した長門の作り出したものだから、暴走しているのだと解釈しますが、あるいは長門は意図的に朝倉を作り替えたのかも知れない。
死の痛みに意識を朦朧とさせるキョンですが、トドメをさそうとする朝倉を、別の存在が遮ります。驚く朝倉を尻目に、次に現れたのは子供の朝比奈みくる。実は大人と子供が初めて同じ空間にいたわけだけど、死にかけているキョンに動揺する子供の朝比奈みくるはそれに気づいていない様子。
消えかかる意識の中で、誰かが語りかけます。語りかけながら短針銃を拾い上げ、そして――

目覚めたときそこは病室で、古泉一樹がリンゴを剥いていました。彼の口から自分が階段から転んで落ち、ずっと寝込んでいたことを知らされるキョン。果たしてその事実がそういった部類の事実なのか、一応辻褄は合うと感じながら、キョンは一人の姿を探します。ほかでもない、涼宮ハルヒの姿を。
ハルヒという存在を、SOS団というものを受け入れたキョンにとって、ハルヒとの本当の再会がどれほど嬉しいものだったのか。ハルヒだって嬉しいのでしょうが、キョンはそれ以上でしょう。キョンの穏やかさに、ハルヒが戸惑いを覚えてしまうぐらいですから。見舞いに訪れたみくるはわんわん泣き出していますし、やっとすべてが終わったという感じがします。
でも、まだひとつだけ残っていました。目覚めて即退院というわけにもいかないキョンは、夜になって病院の屋上へと上がりました。そして、そこで長門有希と再会します。ハルヒと同じぐらい、キョンが会いたかった少女。三年前から自分がこうなることを知っていた長門に、何故相談をしてくれなかったのかというキョン。そうしたところで結果は同じだったと語る長門は、それでも自分に出来る限りのことをしたのだった。
キョンは情報統合思念体について苦言を呈します。どうして長門をこんな欝な少女にしたのかと。クラスで人気者になれるような朝倉みたいなインターフェースを作れるのに、どうして長門だけこんな感情表現生薄な少女にしてしまったのかと。もっともな意見ではあるけど、私は必ずしも賛同しない。長門の役目は監視であり、そうした任務を行うに適した存在を情報統合思念体は作ったに過ぎず、中でも長門は1万云千回のループにも耐え切れるほどの耐久力を見せた。これがキョンの例に出した朝倉だったらどうだろうか? 彼女が長門のバックアップとしてどれほどの既刊活動をしてきたのかはしらないが、入学して割とすぐに変化のない現状に耐え切れなくなるほど、忍耐力のない性格だった。当然、彼女がエンドレスエイトなんて体験した日には、10回のループも耐えられないだろう。
だからこそ長門はこういう性格と性能が必要だったわけだが、それを抜きにしてもキョンの憤りはもっともだろう。処分を検討しているという情報統合思念体に反発し、ハルヒの力を使ってでも彼女を守ろうと誓うのは納得の行く姿勢である。キョンにとって、長門の存在もまたSOS団の大切な仲間なのだから。

退院して、クリスマス・イブ当日。SOS団の部室からは芳しい香りが漂っている。ハルヒ手製の鍋だろう。キョンはいずれ自分が三度過去へ飛ばなければいけないことを自覚しつつも、鍋を食うぐらいなら世界も待てるだろうと部室へ、ハルヒと仲間たちのいるSOS団へと足を踏みれたのでした。自分の選んだ、世界に向かって。


ざっと書いただけなのですが、最低でも後1回は見ようかと思っています。私の感想としては、よく出来たアニメ映画でした。前日に見たいばらの王はバイオレンスSFだったわけだけど、二つの相反する娯楽映画を観た、という感じ。別に消失は芸術性が高いとか、そういう作品ではないと思うんだけど、私はハルヒシリーズの中で消失は映画としてみたい作品だとずっと思っていたので、その望みが果たされた感じでした。角川はわかってるね。
憂鬱と消失は劇場版として耐えうる作品だと思っているけど、やはり消失の方がグッと来るものがあるよね。京アニもまあ、さすがにいい仕事してますよ。
次に見る映画はトライガンかコナンと決めていますが、おそらくコナンが先になるか……トライガンもまたチネチッタで見る予定だけど、上手く日程が合えばいいなぁ。ホットドッグが思いの外上手かったので、今度はナチョスで食べてみようかな。金があれば。トライガンはいばらの王ともハルヒとも違うアクションSFなわけで、どのように娯楽の違いを魅せてくれるのか今から楽しみでなりません。あぁ、早く見たいものです。
最終日になって映画を見に行くというのは、私にとってあまり珍しいことじゃありません。最近だと、そう、今年のはじめぐらいに見たマクロスFの映画もそうでした。確か、横浜の109シネマズかなにかで見たんだと思うけど、この映画は川崎チネチッタで。他の場所じゃやってないんだよね。前日回収できなかった暁の護衛をメロンブックスまで取りに行く関係上、結構ハードなスケジュールになったけど、個人的には凄く満足しています。最終日に、まさか所見の奴はいないだろう、ほとんどがリピーターだろうと後ろの席の二人組が言ってたけど、何を隠そう私は初見だった。
そして、2時間50分後にそれを後悔することになる。

2時間50分という上映時間は、アニメ映画として考えればとてつもなく長いもので、昨日の日記にも書いたが大抵は90分であり、長くても120分、2時間だ。例えばポケモン映画の第1作ミュウツーの逆襲は75分だし、ドラえもんの日本誕生は100分、名探偵コナンの世紀末の魔術師だって同じぐらいだ。国民的アニメでさえ2時間超は珍しいのに、ハルヒはなんと約3時間。まあ、大衆狙いの作品じゃないから長々と上映出来たという考えもあるのだろうけど、一般的にもオタク的にも異例の長さでしょう。
さすがにこの時期にになると、というか本日が上映最終日ですから上映回数もたった1回。夜の19時35分からでした。しかも劇場が別館のCINE GRANDEで、まあこれに関しては広いからいいんですけどね。入ったのは初めてか、それとも一度ぐらいはあるのか。ギリギリでレイトショーじゃないもんだから通常料金、なのに終わるのは22時半頃だから、終わってからメシを食うというわけにも行かず、かといって事前に食うほどの時間がなかったので劇場の売店で色々買うことに。しかし、CINE GRANDEの売店は本館の売店と違って売っているものの種類が少ないので、食べ物だけ本館で買って移動するという行動をとる。ホットドッグのチーズを片手に別館へ行くというのも、それはそれで面倒くさい。特に雨が降っていればなおさらだ。荷物をおいて、終演後はグッズ販売をしないというのでパンフだけ買うことに。他のグッズも結構残ってて、丁度金も大量に持ってたんだけど、雨の中グッズ抱えて帰る気も起きず、また興味もなくて。とりあえずパンフをしまいつつ、ホットドッグ食べながら上映時間待つことに。かなり割高だったけど、その場でチーズを掛けてくれたチーズドッグは、シンプルながらそれなりに上手い。今度来たときはナチョスと一緒に試してみようか? いや、それだと850円も映画以外に使うことになるな。止めておこう。

始まった映画は、私には懐かしさを覚えさせるものでした。というのも、私はハルヒの2期は笹の葉ラプソディぐらいしか見ていなかったので、映像媒体としてのハルヒを見るのはすごい久しぶり。前日まではあまり消失が好きじゃなかったこともあり、乗り気じゃなかったんだけど……劇場スクリーンで見るとやっぱり違うね。圧巻とは当にこのこと。さすがに川崎で公開終了になるほどだし、ネタバレしてもいいと思うんだけど、ハルヒという話を全く知らずに観に行くとすれば、あまりおすすめ出来る映画ではないね。まあ、そんな人は流石にいないと思うし、いたとしてもそれは記事をでっち上げる必要がある映画関係の記者か編集ぐらいだろうけど、最低でも原作の1巻と短編の笹の葉ラプソディ、もしくはアニメの1期ぐらいは見る必要があるかも知れない。
2時間50分が果たして限られた時間と表現出来るのかどうかはしらないが、ハルヒという世界観や登場するキャラクターたちに対する紹介は序盤ではほとんどなされていない。アニメであってもこの作品はキョンの第一人称と視点で進むため、誰に対しても紹介することができないのだ。いや、手法やセリフ回しを変えれば可能であるが、あえてそれを放棄している。振り返る必要などないとでも言いたげに。その理由はなんとなくわかる。この映画は、涼宮ハルヒの消失という作品は積み重ねの上に成り立っている作品なのだ。季節は冬、年末で、1年が終わろうとしているとき。SOS団が結成されて7ヶ月近く、その積み重ねと過ごした年月の上でこの物語始まっている。そして、その7ヶ月を振り返るのは序盤ではないのだ。
いつもの何気ない日常と、それが壊れる瞬間。キョンだけがすべてを覚えていて、他の人はすべてを忘れ、変わってしまっている。前述したとおり、一種の恐怖感がここにはあって、神の視点を持つ映画をみている人たちも、それに共感することが出来る。原作の内容を知っていたとしても、だ。ハルヒが消えたことと朝倉涼子が復活したこと、これがどれほどキョンについて衝撃と同様を与えたのか。ハルヒという存在は、キョンにとって非日常をもたらす存在でありながら、本人自体は日常に存在するクラスメイトなわけで、一方で朝倉涼子というのは存在自体が非日常で、しかも既に消え去ったはずの元クラスメイトです。一見するとハルヒの消失に強いショックと衝撃を受けているようにも見えるあのシーンは、それと同時に朝倉涼子に対しても畏れ慄いていたのではないか。
突きつけられたありえない現実を前に、ハルヒという存在を消失してしまったキョンは他の仲間達を探すわけですが、最初に考えたのはやはり長門有希のこと。別のクラスに在籍し、尚且つハルヒ以外では最初に知り合った団員の一人ですが、キョンはこの同級生の少女を、情報統合思念体なる宇宙的存在が作った対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースをとても信頼しています。おそらく、朝比奈みくるや古泉一樹とは別に、無条件に信頼しており、一番信用もしているでしょう。困ったことがあれば長門に、という発想はキョンにとって数ヶ月の間を過ごす中で培われてしまった当然の思考であり、まずは長門に頼ることが当たり前だったのです。
キョンが長門を強く信頼しているのは、2期の24話である涼宮ハルヒの溜息Ⅴを見るとよくわかります。はじめて朝比奈みくるが古泉一樹との対立姿勢を顕に話であり、また、古泉一樹が自分の立場や真実の一端を垣間見せた話でもありますが、このときのキョンは長門へ意見を求めました。キョンは古泉一樹をさほど信頼していないが、みくるに対しても完全に信用しているわけではない。しかし、長門に対してはどうだろうか? 長門は自己の見解を述べるが、それもあくまでキョンにとっては確証の得られない、真実である保証もないものだと言い切る。けれど、あるいはキョンは長門の言う事ならば無条件に信じたのではないだろうか。血みどろの戦いを続ける超能力者や、自分のいる未来を守ろうとしている未来人とは違い、人間ではない対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースを、キョンは誰よりも信頼し、信用しているから。まあ、心情的に共感していたのは古泉に対してなんですけど。
それを踏まえた上で映画の話に戻ると、キョンがまっさきに長門のところへ行こうとするのは結構納得の行くことなのですが、その最中に彼は信じられないものを見る。ハルヒの存在以外にも、なんと古泉一樹が所属する1年9組のクラスごとで消えていたのだから。何故古泉が消えたのか、それに対する個人的見解は後で書きますけど、それに対して呆然としてしまったキョンはSOS団の部室に行くことができず、結局放課後まで授業を受けることに。後ろの席にハルヒではなく朝倉涼子がいるというのは、それなり以上に緊張するわけで、あまりの出来事を前に授業など身に入るわけもない。
迎えた放課後、キョンは校内で朝比奈みくると鶴屋さんに遭遇します。世界が可笑しくなって初めてSOS団のメンバーに会えたわけで、キョンは興奮しながら近づいていきますが、朝比奈みくるは既に未来人ですらなく、一般の上級生にになっていた。胸に星型のほくろがあるかどうかはともかく、鶴屋さん共々、そこにいたのは他人だった。キョンのことを知らない、赤の他人。ショックだったでしょうね、いなくなったハルヒや古泉はまだしも、自分がよく知る人間から否定されたのだから。

訪れたSOS団の部室には、長門がいた。けれどそこにいたのは文芸部員としての長門有希であり、キョンのことは別クラスの同級生程度にしか知らなかった。キョンのいう宇宙人がどうのとか、そういうことは一切知らない普通の少女。最後の希望が潰えたことでキョンは非常に動揺しますが、思わず掴みかかってしまった長門の弱々し気な態度を見て冷静さを取り戻す。この辺り、長門がとことん儚げで愛らしい存在として描かれていて、これで長門に転ばない人はそうそういないんではないかというぐらい可愛かった。私は元々ハルヒと同程度かそれ以上に長門が好きなのですが、きっとスクリーンを見る表情は情けなく緩んでいたことでしょう。あれはちょっと反則だよ。
弱者と化した長門に力はなく、キョンは乱暴したことを詫びてうなだれます。見慣れぬ旧型のパソコンに触れても、そこにはSOS団を示すものはなにもない。SOS団の部室は、どこまでも文芸部室だった。置いてある本にしても、です。途方に暮れたキョンは文芸部室を後にしようとしますが、それを長門が呼び止めます。良かったら、と渡されたのは入部用紙。普通に考えれば突然部室に乗り込んできて狼藉を働いた男を勧誘するなんておかしな話ですが、そこには色々な事情がある。例えば、別のシーンで長門が自分の読んでいる本は市立図書館で借りたものだ、とわざわざ明言したことにも見て取れる。長門はそれとなく、自分がキョンと知り合いであることをアピールしているわけです。
帰宅したキョンは飼猫であるシャミセンと向きあいますが、かつてハルヒの力で人語を喋ったこともある猫ですが、なにを語りかけてもうんともすんとも云わない。妹の話では文化祭時期にキョンが家に連れてきた、という設定は生きているようですが、そこにハルヒは絡んでいない。妹もまたハルヒのことなど知らないのだから。

翌日また文芸部室へと向かったキョンは、そこで一冊の書籍を見つける。早川書房から刊行されている、ダン・シモンズのハイペリオンの没落だ。ヒューゴー賞とローカス賞、さらに星雲賞も取った海外SFの傑作であるが、書影とかそのまま使ってるんですね。まあ、引用ともなれば色々面倒くさいんですけど、書影程度ならクレジットしとけば十分というのが早川書房の方針だから、TVシリーズから続いて使用出来ているようです。
そう、ハイペリオンはTVシリーズにおいて長門が読んでいたものであり、キョンに貸したことがある一冊。とっさにひらめいたキョンは慌ててページを捲り、発見しました。ここにいる長門ではない長門から残された、ヒントの書かれた栞を。

プログラム起動条件 鍵をそろえよ

元の世界への、ハルヒへの糸口をキョンが見つけた瞬間でした。

長くなりそうなので、2日分けることにします。既に5000文字ぐらい書いているし、あんまり長くなると読みづらいからね。自分でもビックリするぐらい書くことがあるというか、この日記でなんども書いたかはしらないが、私って別にハルヒ好きじゃないんだけどね。谷川流はまず間違いなく天才だと思うし、ハルヒという作品もよく出来ているものの、作品に対する好き嫌いで言えば……嫌いではないが、決して好きにもなれないという感じか。
まあ、それについても機会があれば書くことにしましょう。機会があれば。
知人に誘われ、いばらの王のティーチイン付き試写会に行ってきました。ティーチインってなんぞやと思ったそこの人、私もなんのことだかさっぱりだったんだけど、大辞泉によると討論集会のことらしい。試写後のゲストに監督の片山一良、アルジェントソーマとかTHE ビッグオーの監督ですね、それに主演の花澤香菜を招いて簡単な質問コーナー&クイズコーナーみたいのがあって、まあ、これが角川的なティーチインなんでしょう。普通に質問コーナーありのトークイベントでよかったとも思うんだけどさ。

四ッ谷にある角川試写室とやらで見てきたんだけど、これがとても小さい箱で15組30名限定。ゆったりとしたソファで、イベント会場というよりは本当に関係者向けの試写室なんだろうか。その割にはやけに安い自販機とか置いてあったけど。四ッ谷自体は文化放送がなくなってから行くこともなくなったけど、雨の中角川の試写室まで歩くのはちょっと疲れた。すぐに知り合いと合流出来たけど、角川は色々な場所に施設を持っているんだね。
映画それ自体は109分と、90分が基本のアニメ映画から考えると少し長い感じ。本編の前に文学少女の予告がはいったから、まあ、実際は110分以上の上映だったのかな。誘われておいてなんだけど、初めは文学少女が見たかったんだよね。というのも、私はグロとかホラー、そしてスプラッタな映画が苦手だし、予告編を見る限りではそっち系の映画であると思ったから。モンスターがわんさか出てきて、それに食い殺される人々。おっかないし、夢に出てきそうな凄惨な光景が思い浮かぶじゃないですか。
それでもまあ、15組30名という空間で花澤香菜が見れるのは美味しいと思って、仮に凄まじい映像だったら寝てようとか考えてたんだけど……いや、あれは見入るね。元来SF好きというのもあるけど、なるほど海外での評価が高いわけだよ。公開前だからどこまでネタバレしていいのかわからないけど、見に行ってよかったと思えるぐらいには楽しめる作品でした。109分という限られた時間の中で上手く話をまとめていると思ったし、説明不足を感じる点はあったものの、主人公の話としては確かに見事な構成がなされていたような気がする。私は原作を読んだことがないので、原作がどんな内容なのかは知らないんだけど、全6巻の作品を1本の映画にまとめてしまうってのがすごいよね。おそらく内容それ自体は大きく変わってるんだろうけど、原作を読んでいないからこその新鮮味、先入観なく見ることが出来るというのは確かにあるとおもう。

なにせ公開前であるからして、作品の内容に対する踏み込んだ話とはできないんだけど……伏線とかは割と分かりやすかったかなぁ。主人公のカスミに隠された秘密とか、そういうのは中盤ぐらいで検討がついたし、姉のシズクですか、彼女の存在が最初から提示されていた時点で、ある程度の予想はついていた気がする。だから、私としては最後のどんでん返し的な展開を見ても、驚きよいうよりは「やっぱり、そうだったのか」というような納得が大きかったかも知れない。最終的に誰が生き残るか予想も、それほど外れはしなかったしね。最後のアレは死なす必要あったのかとも思うんだけど。
内容に対する踏み込んだ話ができない以上、それ以外の話ということで……いやー、声優陣の演技は見事だったね。主演の花澤香菜はティーチインでも言ってたけど、初のアニメ映画主演というわけで、昔はあーだこーだと散々揶揄されていたはずの彼女も、今では立派な声優になっています。やはり場数を踏むと人間違いますね。少し暗い感じのメガネっ娘女子高生というと、デュラララの園原杏里が思い浮かびますけど、絵柄の差もあるんだろうけど、あれよりは人間味があると思う。姉妹の存在というのもあるし、集団における立場が不明確にも関わらず邪魔になっていない。花澤香菜がまた感情こもった演技してくるんだわ。予告で見た文学少女の遠子先輩は如何にもアニメキャラっぽい演技だったけど、こっちは少し違う感じ。いや、アニメであることには変りないんだけどさ。
他に気になったのは……あぁ、重要なキャラクターとして森川智之演じる英国人がいたんですが、これはまんまマクロスFのオズマだった。妹がいるという点もオズマだった。実にいいキャラではあったし、カスミが惚れないのが驚きだと思うほどに活躍もするんだけど、公式サイト見たら24歳だった。あの黒人警官も30代じゃないなんて、外国人はみんな老け顔なんですね。
矢島晶子が演じる少年は、見終わってみると結構怖い設定のような気がする。深くは触れないけど、城を包む茨はともかくとして残りは……という感じ。それとは別に、昨日クレしんの新作映画の予告見た際も思ったんだけど、矢島晶子は声の出し方を変えたんですかね? なんか以前よりもやや高めになっているように思えるんだけど、私の気のせいなんだろうか。まあ、ごくごく普通の少年声でしたけど。

ティーチインに関しては花澤香菜のトーク術が見事だったのと、私を誘ってくれた知人が質問をしたり、続くクイズコーナーで商品をゲットしたりと活躍してました。私は特になにもしなかったけど、予想以上に面白かったというのが全体的な感想かな。ティーチインはややグダグダになっていたものの、映画としてはそれなりに楽しめた。
明日には観ようと持って観られずじまいだったハルヒの映画があるんだけど、正直昨日見ておけばよかったと思うほどに悪い後味ではなかった。グロ系という先入観があったため、口直しでハルヒつっこんだんだけど……これは失敗したなぁ。どうしよう、ハルヒには花澤香菜とかでてないよ。
逆襲の救世主の連載が終り、現行の入稿も無理矢理済ませたことで大分楽になりました。先週は仕事の都合でワタワタしてたから、今週になってやっと肩の荷が下りたんだろうか。仕事が忙しいことには違いないけど、精神的な圧迫感はなくなったかな。実のところ、先週はずっと超A&G+の日替わり特番Say!You Youngを聞いてたんだけど、今思えばあれをネタに日記書けばよかったかもね。なんだかんだで水樹奈々以外全部聴いてしまった。

そんなわけで色々あった影響で土日は寝ていたり部屋の掃除をしたりしていたので、ハヤテのごとくの最新刊は今日買いました。2巻同時刊行とはなかなか思い切ったことをすると思いますが、限定版は既になかったので1冊ずつ購入。ゲマ屋横浜店で買ったんだけど、購入時にスナック菓子を買うとコースターが付くとか言ってったな。最初、なんのことかよく分からなかったんだけど、ああいう商法も今はあるのね。なんていうか、アニメショップでご一緒にポテトはいかがですか?的なことを言われるとは思っても見ませんでした。ナギのパッケージのスナックがカレー味で、アテネがピザ味だったかな。まあ、味としては不味いはずがないと思うけど、さすがに漫画とご一緒にスナック菓子を買う気にはなれなかったのでお断り。
ハヤテはしかし、対象年齢層がわからない漫画だよね。この辺り、小学館の戦略ミスだと思うんだけど、ハッキリ言うと幅広い年齢層に通用する漫画じゃないんだから中高生なら中高生、そうじゃないならそうじゃないともう少しわかりやすい商業戦略を立てるべきではないのかと思う。アニメにしたってそれは同じで、朝方やって小学生向けの学習グッズを出したと思ったら、2期は深夜に移行して空気となる。一貫性がないんだよね。まあ、アニメが失敗した理由は言うまでもないことだけど、畑健二郎という男はそろそろ痛い目を見てもいい頃合だと思う。じわじわとね。

ハヤテのごとくも連載6年目、2回もアニメ化したことでやっと作者の書きたいことを書けるようになったという感じだけど……旅行編とでもいうのですか? これはどうなんでしょうね。基本的には面白いと思いますよ。ハヤテの過去、アテネの現在、失われた時間と関係、取り戻せない未来。そういったものがからみ合った話の展開は確かに引き込まれるものがある。だけど、そうした話に他のヒロインが入りにくくなっている印象を受けた。ハヤテのごとくは無駄にヒロインの数、ヒロインじゃなくても女の子が多い作品だけど、その大半のキャラにいる意味があるのか、というぐらい突き放した展開になった気がする。大体、22巻の段階でハヤテ自身がナギ以外のヒロインに明確な差を付けているんですよ。アテネと比べて、という意味でね。ヒナギクは空回りしてるとか、損な役回りだとか、ファンが猛烈に怒っていたみたいですけど、そのことに対してはどうでもいいというか、ヒナギクが例え滑稽な役回りになったとしても私は気にならない。もっというと、ハヤテの過去の一端を聴く上でヒナギク以外に適当なキャラがいただろうか? 適切だったかはともかく、天王州アテネという人物と関係性があり、尚且つハヤテの身の上話を聞ける人間はヒナギクぐらいしかいないわけで。三千院家の人間が無理だし、咲夜や伊澄さんはナギ側だし、西沢さんにいたってはただの凡人、一般人ですからね。三人娘その他も論外でしょう。
そう考えると、例え後付であってもアテネとの関連性を持たされたヒナギクがこの役目を負うことは至極当然で、不自然ではないはずです。まあ、ヒナギクが可哀想な目に合うのは許せないとか、ヒナギクがヒロインじゃないと商業的によくないとか頭の湧いた発想をするファンの声もあるそうですけど、ヒナギクなんて所詮はサブキャラじゃねぇかと。人気があろうとなかろうと、ヒナギクというキャラはどうしたってヒロインにはなれない、精々西沢さんと同じレベルですよ。現に22巻でハヤテの中ではそういう位置づけだと認識されてますから。22巻から23巻においてヒナギクは滑稽なほど惨めにから回ったわけだけど、別にそれはハヤテが悪いとか、そういうことは一切ないからね。ハヤテの心のなかに天王州アテネがいることも、それを知らずにキャッキャウフフと恋の妄想繰り広げていた女子供も、初戦は単なる先入観と誤解じゃないですか。ハヤテに思い出の人がいちゃいけないなんて言い出すバカがいるかはしらないけど、告白もしてない、好意も明確に示せてないヒナギクでは前提条件から無理がある訳で。なにをどうしたって、芽なんてないよ。ストライクゾーン? それがどうした、アテネには勝てない。

まあ、ヒナギクのことなんてどうでも良いとして、やはり目立ってくるのはアテネですね。大きさという意味ではハヤテの中でナギにも匹敵する存在であり、消せるはずもない過去なわけですけど、さてアテネとの間に未来はあるのか。普通に考えれば、ナギという存在がいる時点でありえないよね。どれだけ壮大で、どんなに想い想われていようと、ナギがいる限りはどうにもならない、終わってしまった関係なんですよ。ハヤテがナギのことを恋愛対象としては見ていないとか、そんなことは些細な問題に過ぎないんです。それが分かっているからこそ、見透かしているからこそ三千院帝はあのような行動に出ているわけですからね。何故そこまでするのか、なんのためにそんなことをするのか、大方くだらない、本当にくだらない理由だと思いますが、帝は娘ほどに孫を好いてはいないのですかね。原因はいくらでも思いつくけど、果たして真実はどうなのか。まあ、その辺りのことに着いては24巻の際に書きましょう。
他に書くことがあるとすれば、咲夜と伊澄さんですか。この二人はいいよね、特に伊澄さんは初めて敗北に近い負けっぷりだったわけですが、天才というのは得てして自分の力を過信しがちだから困る。タケミカヅチというのは要するに雷神のことで、他の漫画やラノベなどでも割とメジャーな存在ですね。力押しでねじ伏せる以外に戦い方を知らない伊澄さんだけど、修行展開とかあるんですかね。ヒロインとしては早々に離脱してしまっているキャラだけに、今更日の目をみることがあるんだろうか。それこそ今回が最後かも知れない。そう考えると少し虚しいよね。ワタルがサキのことを大切にしている以上、伊澄との関係をどうこうするわけにもいかないし。

全然内容に触れてないけど、とりあえず今回はこんな感じで。総括的なことは明日の日記で書きます。まあ、散々書いたけどつまらなくはなかったよ。壊滅的なまでに主人公へ感情移入出来ないだけで。結局、この旅行編というのは好きか嫌いか、両極端しかないと思うんですよ。畑健二郎は新しいことに挑戦したとか書いてるけど、要するに自分が前々からやりたかったことを書いているだけですから。受け入れる受けれないは読者次第だけど、だからといって今更ギャグに戻られても、という気分ではあるね。私としては30巻ぐらいで終わらないと今後の活動に支障をきたすと思うんだけど、どうなんだろうね一発屋。
キングアビスは、果たして打ち切りなのだろうか。あれだけの傑作、RUSHではもはや珍しくなりつつあるシリアスな漫画であるが、まさかアビスが復活したところで第1部完になるなどと誰が思うか。グイン・サーガが早川との兼ね合い上、そう簡単に打ちきれないのはわかる。だが、原作小説はともかく、読んでみればどちらが面白いかなど一目瞭然だろう。私の立場上、そのように明言するのは非常に不味いのだが、それぐらいにキングアビスが好きだった。

RUSHを創刊当時から買っている私ですが、ここ最近は萌え化の傾向が激しくて、そういった内容の漫画ばかりが増えている気がします。RUSHという雑誌は、電撃大王やコンプエースなどと違いメディアミックス作品が少ないのが特徴的で、誌面の大半をオリジナル作品が占めています。キングアビスもその一つで、4年ぐらい間に始まったんだったかな? 当時のRUSHですらシリアスファンタジーは珍しくなりつつあったけど、アニメ界の巨匠なかむらたかしによる漫画ということでそれなりに扱いは大きかったと思います。
ただ、あまりにシリアスな内容と濃いファンタジー色はRUSHの中でも異色であり、浮いてたといえば浮いていたのも事実。現に私も、その面白さに気付くまで結構な月日を要しましたから、一般的な読者にはよく分からない作品的な位置づけにされてもおかしくはないのかも知れない。一度ハマれば、RUSHで読める作品はアビスぐらいと言い張れるほどの傑作だというのが判るのですが、アンケートが悪かったのかなんなのか、第1部完という在りし日のコミックボンボンみたいな感じで終わってしまいました。
待望のコミックスも去年ぐらいに出たはずですが、続刊が出ることはなく、やはり売れなかったのかなぁ……私は買ったんですけど。ネットで1話から配信されるとか、そんなこと言われてもなぁ。私、RUSHは未だに1冊も捨ててないから、読み返そうと思えばいつでも読み返せたりするんですよね。まあ、忙しくて部屋の整理してないから、結構乱雑な感じになってるんだけど、部屋の整理終わったら新しく本棚買う予定だから、そこに全部並べられるかも。なんだかんだ言って、RUSHとメガマガだけは毎月買ってます。最近じゃコンプエースもだけど、あれはヨスガノソラが載ってないと買うつもりはないし、連載終わったら購読も辞める予定だから。まあ、ヨスガ以外にはプリズマ☆イリヤぐらいしか読むものないしね。
ViVidがあるじゃないかって? あんなものはこっちからお断りだ!
話をRUSHに戻しますが、キングアビスが単純に打ち切りなのかどうかはまだわかりません。私の記憶が確かなら、第1部完などという表記で打ち切られた作品があった記憶はないですし、あの酷いラストを迎えたそらのカナタのだって一応は完結表記があったはずですから。うん、あれはなにかを間違えたんだよ。
キングアビスは作者がアニメ界の巨匠ですし、あるいは長期拘束されるアニメの仕事が入ったのかも? という考え方も出来ます。劇場アニメとか、テレビアニメとかね。その可能性もあるというか、そうだったらいいなあというレベルですけど。

それと、ブラフマン連載再開が決定した模様です。ちょっと前の私なら拍手喝采、大喝采で喜んだんでしょうけど、キングアビス終了の衝撃が強くてまだ実感が湧いていない。一応タイトルを、ブラフマン オーバーブーストとやらに改題しての再開らしいですが、休載直後からの再開と考えていいのだろうか? 仕切りなおし、というか説明ぐらいはするかも知れないけど、結構いいところで終わっているだけに。
ブラフマンが3年近い長期休載をしていた明確な理由は不明ですが、まあ、アニメ化企画がダメになったりとか色々あった模様です。私も詳しい話は聞いてないし、煉瓦本人にも訊ねてはないんだけど、角川系列での仕事が増えてきたことからてっきりもう描かないものだとばかり思ってました。そりゃ、好きな作品ですからRUSHの読者ハガキには連載再開を望むと書いてましたけど、まさか再開するとは思わないでしょ。確かに公式から一向に削除されないのは妙だと思ってたけど……わだかまり的なものを解消して、和解したと考えていいんですかね?
なにはともあれ、基本的にはめでたいですね。煉瓦の作品というのは色々ありますが、どれこれも所詮はブラフマンの劣化でしかないというのが私の考えです。特務戦隊伊吹なんかはその典型だけど、春風桜花なんかもね。メディアミックスであるスマガとか、Bad!Daddyとはともかくとしても、完全にブラフマン色がない作品なんてそれこそあきば浪漫ス!ぐらいでしょう。
まあ、ブラフマンにしてからアナザーKanonの延長線上にある気がしてならないんだけど、そういやあれの続編も描くと言い続けて早数年ではないだろうか。宣言したものを描かない奴ではないから、待っていればなにかしら出すとは思うんだけどね。一応は速筆の人だし。

RUSHといえば、実は昨年か一昨年に読者プレゼントが当たったんですよ。品がなんだったのかは書きませんが、所謂発売日前の商品で、発売後に発送しますって奴。私は特に興味なかったんだけど身内が欲しがっていた奴で、じゃあ、お前にくれてやろうという約束をしてたんだけど……未だに届かないんだよね。一度、発売延期したし、こういった読者プレゼントは発送が遅れたり、下手したら忘れられるものだからと昨年は思ってたんだけど、今年に入っていくらなんでも遅すぎだろうと、問い合わせしてみたんですよ。
そしたら、とっくに発送しているはずなので、調べるから2~3週間待ってくれと、そう言われまして。まあ、そうなるだろうと思って調査結果が来るのを待っているのですが……2週間どころか2ヵ月たってもメールが来ない。いや、知ってるよ? 編集者という部類の人間がとてつもなく忙しいこととか、仕事が多すぎて全部を把握しきれず、色々忘れちゃうこととか、そりゃあ良くあることでしょう。
でもさ、読者からの問い合わせだよ? ろくでもない内容ならともかく、比較的向こうに答える義務があるものじゃない。それをすっぽかすってどういう事なんでしょうかね。一応、4月になったら再度メールは出す予定だけど、プレゼントそのものは消失したと考えるしかないでしょう。向こうが出したつもりになってるのか、それとも郵送ないし宅配事故になったのかはしらないけど、前者ならともかく後者は取り返しが付かないもん。
問題はね、プレゼントはどこかいっちゃいました、それじゃあ私はどうすればいいの? って話でさ。諦めるしかないのだろうけど、諦めるにしても向こうはなにかしら行ってくるべきじゃないかと思うのよ。放ったらかしにされてるけどさ。こっちだって身内にせっつかれたからメールしてるとはいえ、問い合わせの内容自体は至極当然なものなんだから。
でも、こういう問い合わせとかしたら今後はプレゼントとか一切当たらないんだろうなぁ。それを覚悟でメール出したとは言え、このままじゃ寝覚めが悪いのでなんとかして欲しいものです。
西口有香が主演の舞台をせんがわ劇場なるところまで観に行ったんですが、いや、これがすごく面白かった。先月だったかに神楽坂まで観に行った芝居の100倍は面白かった。まあ、喜劇とシリアスなSFを比べる時点で間違ってるんだろうけど、中身の濃さに大きな差があったというかなんというか。やっぱり私は単純な人間だから、堅苦しい話よりも気楽に楽しめる喜劇とかコメディの方があってるのかなぁ。

カスタムプロジェクト第2回公演「ミス・コン」なる舞台だったのですが、この劇団の芝居を見るのは実は初めて。前回はどうしても都合がつけられず、観に行くことが出来なかったんですが、今回はメチャクチャ忙しい合間をぬってなんとか観てきました。だって、映画と違って芝居は一期一会じゃないですか。大きな劇団とかじゃない限り再演はまずないし、これを逃すと次の機会なんてないんですよ。まあ、よく客演をしている極楽天国の公演もチェックはしてきたけど、あっちは結構年季入った劇団だけに、その違いが良く出ていた気がする。劇団ってのは劇団の数だけ様々な色合いがあるから、そういうのも魅力の一つだよね。同系色だとしても、そこにある僅かな違いが必ず芝居そのものを変えて行く、そんな気がします。
さて、簡単にあらすじを紹介しますけど、とりあえずは公式からの引用。
あらすじ
「いやいやいや!単位の為というより、人生の為だよ!」
先輩・葛西の卒業単位取得のために、不人気な学園祭イベント・ミスコンに
出場することになったまどかと晶子
しかし、まどかにはどうしてもミスコンに出場できない秘密があった
「私……やっぱり言えない!」
嘘が嘘を呼ぶライアーシチュエーションコメディ

私は主人公の大宮まどか役の西口有香に惹かれて観に行ったわけですが、なかなかどうした、大いに笑わせてもらいました。あらすじの時点で主人公がなにを抱えているのかは想像がつくと思いますが、物語としてはそれを隠すためにひたすらその場限りの嘘を重ねに重ね、繋げに繋いでいくんですよ。そうして嘘を積み重ねていった結果、最終的に破綻しかけて、さてどうなる? という感じ。どれもこれも、「おいおい、そりゃないだろう」と思わせる嘘なのに、何故か状況がそれを受け入れてしまう展開はシチュエーションコメディならではですね。場するキャラクターは10人以上とそれなりに多いわけだけど、特にキャラがかぶっているわけでもなく、それぞれが独自の個性を持っていて、キャラがちゃんと立っているんですよ。各々が自らの役割をちゃんと演じていて、個性のぶつかり合いが起こっていない。それが非常に観やすかった。

芝居ってのはその場のノリで笑わせることが出来る数少ない媒体で、瞬間的な視覚的効果を凄い利用してると思うんですよ。袖に引っ込んだキャラが次に登場したときは、とんでもない格好になっていたりとか、そういう瞬間的な変化で笑いを取れる。これって文章媒体にはまず出来ないことなんですよ。これはあくまで映像的な面白さですから、視覚表現ではない文章媒体では表現も再現も無理なんです。
だから私は芝居が好きだし、コメディを好んでみるんでしょうね。あの展開の流れと素早さは、ちょっと真似出来ないわ。切り替わりの間隔を参考にすることはできても、それを置き換えることは難しいし、文字媒体というよりは私自身の限界なんだと思う。悔しい気もするけど、それを感じさせないほどに面白かったからよしとするかな。
主演の西口有香さんは、もう長いこと私がファンやってる声優さんですけど、どちらかと言えば舞台人だからアニメとかで声を聞く機会があまりない人です。昨年の3月ぐらいまで、調布FMの方でラジオをやってたんですけど、FM放送はAMと違って受信しにくいものだから、ほとんど聴けた試しが無かったなぁ。そういや今回の公演をやったせんがわ劇場って、京王線の仙川駅ですけど、調布に近いといえば近いのだろうか。駅前が妙に小奇麗な街で、クイーンズ伊勢丹とかがありましたね。
後、どうでもいいことですけど、駅前に駅名と同じとんかつ屋が合ったんですよ。目と鼻の先にさぼてんもあったけど、こっちはまんま地元の店って感じがする奴で。通りすぎるときになんとなく横目で見てたら、なにやらフライが黄色いんですよ。足を止めてみてみると、なんとトンカツの上にチーズが乗っかていたという。一般的にチーズカツってのは衣と肉の間にあるものをイメージしがちですけど、そのとんかつ屋はハンバーグみたいにチーズを直置きしていたんですよ。なんかそれが凄い新鮮で、どうでもいいことなのに鮮明に覚えているという。むしろ、時間と金があったら食ってたかも。

行き帰りの移動時間を利用しつつ原稿のチェックも続けてるけど、かなり妥協している自分がいる。甘さを残すつもりはないけど、予定していたことがほとんど出来ていない現状に愕然としてしまう。単に時間がないというだけじゃなくて、それ以上に私の力そのものが足りていないんだと思う。頑張って入るけど、頑張るだけでどうにかなるなら苦労はしないしね。
色々な人に迷惑をかけつつ、それでも形にしたいから足掻いているわけだけど、こだわりを捨てきれない自分というものが存在して、逆襲の最終話は本当に難航している。これでいのか、こんな文章で大丈夫なのか、読んで面白いと言えるのか、書いては直し、書いては直し、本当なら今日明日中にできてなきゃいけないのに、私はなんてダメな奴なのか。失笑も侮蔑も超越した自己嫌悪がそこにあるけど、複雑に絡まった話を解きほぐし、形を整えるまでにはあと少し、ほんの僅かな時間を必要としそうです。
2ヵ月ぶりのコミカライズということで、コミックスの発売日も5月26日で確定したみたいですね。丁度、再来月号の発売日と重なっていますが、コミックスだから2~3日早く売り出される可能性もある。コンプエースだと、ViVidなんかは5日前ぐらいに出たんだっけ? 店舗特典等はまだ発表されてないけど、仮に本誌へ載るとすれば来月かな。まあ、こういうのって基本的に対象店舗のみでの発表になるから、発売日近くになったら主要店舗の情報を確認しとけばいいのかも。

今回は巻中カラーになっており、3ページほどのカラーページで始まります。前回までが1巻分だから、コミックスの最初の話をカラーにしたいんですかね? 版型はB6版と大きめですし、普通にカラーページは収録されると考えて良いでしょう。
話としては原作にあった海のイベントで、原作との違いはダメイドが不参加だということ。まあ、ダメイドはこのコミカライズには出ないんでしょうね。思えば1話の見開きカラーにもいませんでしたし、確かに瑛&渚さんルートにも、穹ルートにも必要性のないキャラだからなぁ。居ても居なくても話が進められちゃう辺り、ダメイド哀れ。原作では海イベントのときだって、酒と弁当を食いに来た荷物番という役割が……大している意味なかった。亮平はともかくとして、ダメイドは個別シナリオ、やひろは瑛シナリオじゃないと出番ないからねぇ。このコミカライズだと、これといって出さなくても良いのかも。あんまり登場キャラを増やすと、描くのも大変ですからね。キャラを絞るのって結構大事。

妙にリアルな色合いの青空を眺めながら、ビーチパラソルの下に座るハル。恰好は当然水着ですが、短パンより少し裾の長いものを着用。カラーページとモノクロで明らかに長さが違うんだけど、コマによっては子供用長ズボンぐらいの長さになっていたりするので、ちょっと違和感。さすがにふくらはぎ近くまですっぽりはおかしいと思う。
「ねえ、ハル。ハルは行かないの?」
パラソルの下で涼むハルに、同じく水着姿の穹が声をかける。穹の水着は原作のそれと同じで、最近フィギュアでも発売された白水着。ハルはそんな穹の姿に少し焦りつつも立ち上がるんだけど、そこに瑛の呼ぶ声が響きます。カラー見開きで、瑛、渚さん、委員長、奈緒の水着姿がお目見えして、全員が原作と同じ……と思わせて、渚さんだけちょっと違う。原作は白の水玉模様でしたが、描くのが面倒だったのか色と形をそのままに柄なしとなっていました。
早く遊ぼうと言ってくる瑛に、今行くよと返しながら穹を促すハル。
「私はいい」
と断る穹は、ハルが楽しげに瑛や渚さんと談笑する姿を見て、明らかに面白くなさそうな表情を浮かべます。
「…バカハル」
穹がこのように呟いて、カラーページは終了。カラーは良いですねぇ、1話のカラーが下着姿になった穹の3サイズチェックで、7話が水着……いや、判ってるじゃないですか。

話は戻って海へ行く前。
「夏といえば海! 海といえば水着! 今一番熱いスポットそれが海!!」
折角の夏休みだから一緒に海へ行こうと誘ってくる亮平。みんなで行けば楽しそうだと同意するハルだけど、亮平の目的はあくまで水着の女の子。当然穹も誘うようにといわれるんだけど、その言葉にハルは僅かに動揺します。
「体調はもういいんだろ?」
「それはもう大丈夫なんだけど」
最近話しづらくてさ、と言うハルですが、大げさではないにせよ前回のキスを引きずっているみたいです。原作ほど強く引きずってないのは、単にキスをされただけであって、思いの丈をぶつけられてないからでしょうか? それにしては、ハルがさほど気にしてないように見えるのは、コミカライズ特有のプレイポーイな雰囲気がそうさせるのか。
ハルの言葉を単なる兄妹喧嘩の類と受け取った亮平は、「そんなのは一日遊べば何とかなるって」と気楽に言います。悩むハルですが、まあ、事情を知らない亮平からすれば当たり前の意見でもあり、押し切られる形で穹も誘うことに。

やって来た海では、男だけに着替えの早いハルと亮平が一足先に浜辺に乗り出します。晴れて良かったと笑う亮平に、同意しながらビーチパラソルを差すハル。そこへ水着に着替えたヒロインたちがやってきて、まずは瑛と渚さんに委員長の3人。お嬢も委員長もなかなか…とヨダレを垂らす亮平に、メッチャ引き気味の二人。まあ、無理もない。
「あたしは? 亮兄ちゃん」と尋ねる瑛に、
「ふむ? 瑛は…もうちょっとがんばれ」と肩に手を載せる亮平。それを見た渚さんが、「瑛に気安く触れないで!」と顔面を蹴り飛ばします。吹っ飛ぶ亮平ですが、そこに水着の着替えた穹が現れる。ベストアングル、下から穹をのぞき込むような形になった亮平に対し、穹は無言で足蹴にする。が、亮平は耐性が付いたのか、それともなにかに目覚めたのか、蹴られるのも悪くなくなったらしい。

「穹ちゃん、元気になって良かったね」

穹を眺めながら、瑛がハルへと話しかけてきます。

「うん…本当に。ありがとね、心配してくれて」

「お礼を言うのはこっちだよ」

瑛はハルのおかげで今まで通り神社で暮らせるようになったこと、つまり現状維持という形になったことを告げます。ハルの言葉に渚さんの父君が心動かされたのでしょうか、養子話はなしになったみたいです。

「また、みんなでいられるなんて思ってなかった。ありがとね、ハルくん」

「いや、僕は別に…」

瑛の言葉に、ハルは照れくさそうの頬を掻きます。このときのハルの表情と来たら、軽く赤面ししつつ目の感じが和らげで、ハッキリ言って超いい男。普段とは少し違う瑛の雰囲気も相成って、二人はかなり良い感じの空気を作り出します。
そこに現れたのが奈緒。更衣室が混んでいたとかで、面子の中では最後の登場です。ばいーんという効果音と共に胸が強調されており、ハルの視線はそこに釘付け。瑛でさえ、「奈緒お姉ちゃん、おっぱいおっきいー」という始末。そんなハルを見て、穹は不機嫌そうな表情を浮かべます。比較的仲の良い瑛にすら思うところがある見たいですし、奈緒が相手だと態度も硬化してしまうんでしょうね。
7話の特徴として、とにかく奈緒の胸を強調する描写が多いです。ヨスガノソラはエロゲでは珍しくヒロインの3サイズが公表されていないので、実際に奈緒が作中でどれぐらい巨乳なのかは定かではない。渚さんよりも大きいんだろうけど、やひろやダメイドと比べると、さてどうなのかといった感じ。まあ、ハルだって男ですから巨乳が嫌いなわけはないのでしょうが、穹としてはそれも面白くないというわけです。

海で遊ぶ面々が描かれ、海の中でビーチボールに興じる瑛と渚さんに奈緒。ここでも奈緒の胸が揺れる揺れる。亮平は瑛から借りたのか、浮き輪を使って委員長に背後から接近。発見した渚さんに海へ沈められます。
ハルはそうした騒がしさから一歩離れており、ビーチパラソルの下であぐらを掻く。

「ハルは行かないの?」

と、尋ねる穹に「うん、ちょっと休憩」と答えるハル。

「そっか。じゃあ、ちょっと頼みがあるんだけど」

穹はそのように言いながら、なにやら良く判らない文字が書かれたケースを、ハルに向かって差し出します。

「ほ、本当にやるの?」

「早くして」

ビーチパラソルの下に寝そべる穹は、水着の留め具を外しており、俗に言うオイルを塗る姿勢になっていますが、実際にオイルなのかは不明。というのも、最初は私も先入観からサンオイルの類だと思ったんですけど、肌を小麦色に焼く穹というのがどうしても想像できなかったんで、もしかしたら日焼け止めクリームの類かも知れない。見た目はどう見てもオイルだけど、特に明言はされてないしオイルみたいに見える日焼け止めクリームだってあるかも知れない。

「自分で濡れないからしょうがないじゃない」

赤面しながら言う穹にハルは折れて、オイルだかクリームだかを塗ることに。直接背中に手を触れ、その感触に穹は少し喘ぎます。

(うわ…柔らかい…)

同じく赤面しながら、穹の背中を塗りたくっていくハル。

(今さらだけど白いよなぁ、穹って)


「ひゃん!」

妙なところで感心するハルでしたが、手が滑ったのか穹の横乳をフニっと触ってしまいます。

「背中だけでいいって言ってるでしょ!?」

「ご、ごめん!」

ドギマギしてしまうハルに、「もういい」と水着を付ける穹。代わって、今度は自分がハルに塗ってあげると言い出します。

「い、いや、僕はいいよ…」

気恥ずかしいのか、断ろうとするハルですが、そこに委員長の投げたビーチボールが当たります。

「ご、ごめんなさい、春日野くん!」

これ幸いと、委員長に誘われるがままに遊びの輪へ加わるハル。穹はむーっとした表情で、ハルの態度にちょっと苛々。

お昼過ぎになって、原作と違って弁当などを持ってこなかった面々。腹が減って動けないという亮平に、ハルは自分がなにか買ってくるといいます。

「あっ、私も…」

「穹ちゃんは病み上がりだし休んでて。私が行ってくるから」

「え? あ…」

名乗り出ようとした穹は、奈緒の言葉に動きを封じられました。奈緒は単純に気遣い、心配しての申し出だったんでしょうが、ハルと二人でその場を離れる姿を見て、穹は遂に半泣き状態。身体も少し震えています。これで奈緒が実は牽制してましたとかだったら怖いけど、奈緒は実のところ穹のことを意識してなかったというか、そういった対象としては眼中にないんですよね。原作において奈緒が穹の本心を知るのは、対決後のずっと後のことになりますし。まあ、穹が双子の妹である以上、すぐに感づく方がおかしいと言えばおかしいんですけど。
人数分の弁当らしきものを買うハルに、着いてきた以上いくつか持とうかと訊く奈緒。しかしハルはこれぐらいは大丈夫と良い、奈緒はたくましくなっちゃってと笑いかけます。そこにはもう、昔自分の後ろを着いてくるだけだった少年はいません。

「ハルちゃんはすっかりカッコ良くなっちゃって、私だけあの時から止まったままみたいだよ」

奈緒のどこか陰りのある表情に訝しむハル。奈緒も自業自得とはいえ色々抱えているわけですが、ハルがそれに気付くのはまだ先みたい。コミカライズでどこまで触れるかってのもあるしね。
買い出しから戻ってきたハルは、穹の分を渡そうとしますが、当の穹はプイッと顔を逸らしてしまう。

「…何か怒ってる?」

「別に」

穹が態度を硬化させている理由がわからないハルは悩みますが、考えたところで答えg出るわけもなく、結局帰りの時間へ。そろそろ帰りの電車が来るというときに、穹が忽然と姿を消します。
捜してくると、一人穹の姿を捜すハル。

「…バカハル」

穹は浜辺に降りる階段に腰掛けながら、不機嫌そうな表情を浮かべていました。

「見ーつけた」

そんな穹をハルが探し当て、みんな待っているからもう帰ろうといいます。けれど、機嫌の悪い穹はハルの言葉にそっぽを向いてしまう。またなにか怒っているのか、言ってくれなきゃわからないというハルに、穹は思います。

「だって…」

――ハルはみんなに優しいから

不機嫌な表情から一転、沈んだ顔になった穹に思うところあったのか、ハルはふいにこんなことを尋ねます。

「水着…あれ、新しくしたの?」

「え? …うん」

「かわいかったよ」

自然な感じにこぼれ落ちた褒め言葉に穹は驚きますが、ハルは笑いながら、

「あくまで〝水着が〟だけどな」

などと一言余計なことを付け加えてしまう。呆れた穹はため息を吐きながら、ハルより先に帰ろうとする。

「また来ような、気が向いたら」

そのように提案するハルに対し、穹は想う。

――次、来ることがあったなら、今度は二人が良いよ、ハル

少しは気持ちも近づいたかな? という柱の代わりみたいな文章と共に次回に続く。


率直な感想としては、典型的なサービス回という印象。奈緒が少しだけ表に出てきたけど、物語としてはこれといって進展していないですし、見所としてはハルが穹の背中や横乳を撫で回すイベントが行われたことでしょうか? 原作だと、穹がハルを連れ出したりするんですが、コミカライズはなかなかに王道なものを持ってきたと思います。
こういう微エロに満たないようなエロがあると、如何にもサービス回って感じがして良いよね。穹の水着姿も可愛らしさが良く出ていたと思う。
このところ瑛シナリオに片足突っ込んでいる感じだったから話としては続き物だったけど、それも一応前回で終わったらしい。となれば自動的に穹シナリオに入るっぽいけど、今回がサービス回だっただけに次回がどうなるかまったく想像が付かない。一気に奈緒との対決をするのか、ほとんど台詞がないとはいえ、委員長も出しているからにはなにかしら絡めてくるとは思うんですが……さて、どうするつもりなのか。
コンプエースで果たしてハルと穹が関係を結べるのか、結んだとしてその描写をしっかり描けるのかは不明ですが、委員長がハルや穹を拒絶するには、それしかないんですよね。否定者としての役割が委員長なわけですから、それがないといる意味がなくなってしまう。今後の話が見えない理由としてはもう一つ、前回の最後、つまり1巻の最後の話で穹はハルにキスをするんだけど、原作の時系列から考えるとこれって結構早い。原作では丁度のこの海イベントの後、良心の初盆から帰宅したハルに、穹が思いの丈と共にキスをするわけで、それをキッカケに穹を意識し始めてしまったハルは、意識的に穹を避け始めるんですよ。だから今回、ハルがキスのことをあまり深く考えていないというのは、この先の展開に少なからず影響があるんじゃないかと、そんな気がする。まさか、いきなり次回になって、「あのキスはなんだったのだろう」と考え込むとは思えないし、もちろん今だってそれなりに考えてはいるんだろうけど、あまり深く悩んでいたりはしないのではないか。
ハルが穹の想いを受け入れるキッカケとなったのは、穹の自慰を目撃したからですけど、果たしてそれもコミカライズで描けるのかどうか。水風天的には、経歴を鑑みても普通に書ける気はするんですけど、コンプエース的に大丈夫なら是非やって貰いたいところです。
それにしても、今回は書くことがあまりないなと思っていたのに、いつの間にかこんなに書いている。さすがはハルと穹、ヨスガノソラの魅力と言ったところでしょうか。大変満足させていただきました。
白地に花を咲かせましょう
先週の話になりますが、電撃姫の通販で注文していたハルカナソラ特大シーツが届きました。頼んだ当初は2月末の発送だったんですが、一週間遅れでの発送。中には問い合わせの結果、3月下旬の発送になると言われた人もいるそうで、なにやら生産が遅れているようです。昨年の10月に受け付けていた商品が、発売時期になっても完成していないというのも不思議な話ですが、まあ、Sphereやハッシーに問題があるわけでもないし、電撃でなにかあったんでしょう。

基本的にヨスガノソラ関係の布モノは2枚以上買うことにしている私ですが、考えてみればヨスガノソラ以外で布モノってあまり買わないかも。あぁ、でも、昨年末になにを血迷ったかコットンソフトのもみじ抱き枕カバーを買った記憶がある。正直、レコンキスタやったことなかったんだけど、絵柄に惹かれて。衝動買いと言われればそれまでだけど、あまり後悔もしてないな。というか、あの絵柄を見せつけられたら買っちゃうでしょ、作品とかキャラとかよく知らなくても買っちゃうでしょ。敢えて言おう、ロリ最高だと。私がロリコンじゃないとしても。
まあ、これは例外にしても私が基本的に布モノのグッズを買わないのは本当です。エロゲの購入特典として付いてきたのが多数あるため、数だけはそれなりに持ってますが、抱き枕にしろシーツにしろ、それだけを手に入れるってことはあまりしない。そもそも、生地に拘らなければあんなものはエロゲの特典で付けられるぐらい安価なものですから、それに1万円近く出すというのも馬鹿らしくって。
それが少しずつ変化してきたのは、やはりヨスガノソラの、春日野穹の影響が大きいと思う。萌魂工房が出した抱き枕にしろ、それ以前のグッズにしろ、ヨスガノソラであれば布モノを買うことにもなんら抵抗感がないんですよね。大して好きでもない奈緒の抱き枕も2つ持ってますし、穹に関しては凄いことに。
布モノに限らず、ヨスガノソラはそれまで私が手を出してこなかった様々なグッズを購入する動機になっていると思います。フィギュアもその一つで、先々月に出たメガハウスの白水着穹はもちろん買いましたし、5月にコトブキヤから出るスク水穹も予約を済ませました。まさか、私が積極的にフィギュアを買う日が来るとは思わなかったんですが、対象が穹であるなら話は別です。複数買いこそしませんが、必ず1つは手元に置いておきます。

さて、今回届いたシーツですけど、とりあえず全体を見る意味も兼ねてベッドの上に敷いてみました。私の部屋は狭く、タンスだなんだと物が多いので床に広げるだけのスペースがなくて。2枚以上持ってますから、1枚開封したところでなんら問題はありません。
絵柄としては水着姿の穹と委員長ですけど、穹単体じゃないことを不満に思っている人も少なからずいるらしい。私としてはそれほど気にするようなことかなという感じなんですけど、こういったシーツは基本的に2人以上の複数が描かれることが多いですよね。ヨスガノソラで言えば、ソフマップ特典のシーツが瑛と渚さんのペアでしたし。これは偏に抱き枕と違って生地にある程度の大きさがあるシーツだと、キャラが一人では広すぎるんだと思います。げっちゅ屋特典が瑛単独のシーツでしたけど、あれにしたって単独では余白が目立ったじゃないですか。今だに売れ残ってるところを見ると、それほど良いものではないと判断されたようですし。
だから、2人ないし3人並べることで握やさというか、華を咲かせる感じにしてるんでしょうね。今回のシーツに限らず、エロゲのシーツは大抵そうだと思います。有名所で言えば、私も持っていますけどあかね色に染まる坂のソフマップ特典シーツとかね。あれは良いものでした。
生地の感触としてはそれほど気持ちの良いものでもありませんでしたが、だからといって悪いわけでもなく、まあ、こんなものでしょう。色合いや色味に関しては少し微妙。もうちょっと鮮やかさが際立つ生地にして欲しかったかも、という感じですね。穹の生白さが薄れているというか、これはこれで良いのだけどさ。とりあrず、しばらくの間敷いてみようかと思います。委員長の部分は穹の抱き枕で隠れますし。

そういや、コンプエースでやってるコミカライズですけど、コミックスの発売日が5月に確定したらしいですね。げっちゅ屋で調べ物してたら載っていたので、まず間違いないでしょう。正直、5月まで引き伸ばされるとは思ってなかったけど、その分大々的な修正がはいるに違いない。穹の喋り方とか呼称とか、私服で寝ているところとか。
しかし、この話は書いた記憶があるだけど、日記のログに載っていない。書いたつもりになっていたのか、それとも見落としているだけのか。最近、疲れてるもんな。
COMIC1☆4当選!
COMIC1☆4に当選しました!!
いやー、報告が遅くなってしまいましたが今回も無事当選ということで、身内のサークルのスペを間借りしていた時期も含めれば、計3回目の参加と相成りました。一般参加含めれば全部ですね。これも偏に読者の皆様のおかげです。本当はすぐに報告しなければいけなかったのですが、当選によって浮き足立っていたのと、当選したからには新刊出さねばいけないという焦りから、ずっと原稿をやっていました。
新刊に関してはイラスト関連に付いては全部完成しているから、後は私が書き上げて修正するだけです。単純計算ではまだ20日は余裕があるはずなんだけど、私にしてみればもう20日しかないというレベル。時間よ止まって。

とりあえず、イベント情報を。まだ決まってないことが多いんですが、載せられるところだけ。

イベント名:COMIC1☆4

日時:4月29日(木・祝日)

時間:10:30~15:30

会場:東京ビックサイト 東4・5・6ホール

配置:ひ-49a

当日の新刊はもちろん、 「ロックマンゼロ2-逆襲の救世主-下」となっております。今現在、頑張って執筆中です。本当にあと少しで書きあがるんですが、問題は加筆修正を行う時間がどこまであるかどうか。校正者さん原稿遅れてごめんなさい。
なにせまだ未完成だから、ページ数とか詳しい仕様は決まってないんだけど、多分400ページは超えてしまうんじゃないかと思う。ただ、同人の規模で400ページを超えてしまうと、どうしたって価格を上げないと赤字になってしまうから、そこら辺の調整がかなり大変なことになると思う。上巻ですら本体価格1750円でしたっけ? 自分でも高いとは思ってるんだけど、あれでさえ完売しないと赤字なのが辛い。色々安く出来る方法はないかと考えてはいるんですが、新しい印刷所に乗り換えるのも面倒もとい、なかなか条件に合ったのがないもんで……
基本的な仕様は前回と大差ないですけど、今回は前回付けられなかったおまけを付けようと思います。現在製作中ですが、個人的にはもうデザイン決めてる。というか、今更デザイン替えしている時間がない。そしてなにより私は……失礼、あくまでおまけですけど、後日にでも画像アップします。書店委託の方ではすべて付くように手配しますが、会場頒布の方ではその限りではないかも知れない。先着かな。

配置に関しては前回とあんまり変わりませんね。前回は、ひ-42とかでしたか? あぁ、ちょっと位置がずれたぐらいなんだ。なので島は変わらず、なのは島にいると思います。違いがあるとすれば……そう、今回は壁外周ブロックが変わるみたいです。前回までは「ふ」が外周、壁やシャッター前だったわけですけど、今回は「あ」になるらしい。なんだかコミケみたいだ。
島中であることには変りないんですが、外周ブロックが変わったことで列が一つずれたと言いますか、正面が壁サークルだったことを考えると少し残念かな。島と島の感覚も壁と違って狭いですし、損したといえば損した気分。島中に埋もれることにもなりかねませんし。けどまあ、同じブロックに配置されるのが事前に判っていたわけでもないし、それは仕方がないのかな。ジャンルとしての島は変わらないだろうとは思ってたけど。
出し物としては新刊が1冊と……既刊が2冊あるぐらいからなぁ? 逆襲の上巻はとりあえず手元に30部ぐらいあるんだけど、それを持っていく感じかな。下巻の搬入数それに合わせた方が無難かなぁ。50冊とか持っていても、捌ける気がしないし。後は、これまた30部ぐらい手元にある「るーるーのほん」とか。これに関しては、初版部数を剃りすぎたことで在庫過多になってしまったわかり易い例。私のパートはともかく、くろのさんのお風呂漫画はいいと思うんだけどなぁ。誰か俺にルーテシアのエロをくれ。
おまけとしてしおりが付くのと、後はサンクリのときに好評だったポスターを貼るぐらいかな。貼るというか吊るすといか、設置するというか。これは終わったら無料配布で放出します。他にもなんか配れるものとかあればいいんですけどねぇ。なかなかどうした、なにもない。

特に委託等も今回はないと思うですが、個人的にはインストールゼロ Z3アンリミテッドの宣伝とかしたいよね。まあ、私があの表紙というかキービジュアルを大判ポスターで見たいだけなんだけどw
なんでも、とら通で紹介されるとかで、もっともっと話題になってくれるとありがたいですね。既にDL頒布開始されてるみたいですけど、きっとくろのさんのところには続々と感想が届いていることでしょう。私も2話の配信が待ち遠しいです。
そういや、来週の日月は水戸コミケですけど、うっかり宿が取れてしまったので、原稿仕上げることを前提に行ってこようと思います。同人誌を買うというよりは挨拶回りみたいなもんだけど、他にも催し物や土産物が多いですから、楽しんでこようかなと。
そのためにも、私は金曜日までにすべての原稿を終わらせねばならないのだが。
数週間前に腕時計が壊れました。壊れたといってもベルトが切れて、時間の表示が狂っただけなんですが、いい機会なので買い換えることに。これまで使ってた時計も結構長く使いましたし、そろそろ買い替え時かなと思いまして。明確に使えなくなったわけじゃないから直すことも出来たんだけど、どういう訳か修理に出す気分になれなかった。というのも、私は物に対する愛着はあるのに、時計に対する思い入れというのが物凄く少ない人なんですよね。

よく、男は時計に拘りを持っているとか、時計で見栄を張る物だなんていうことを聞きますけど、私にはそういった考えが一切なくて、壊れた時計にしたところでどこで買ったかも忘れた、いくらなのかも覚えていないものでした。そもそもいつからあの時計を付けていたのか、唯一分かっていることがあるとすれば、あれが私の中では三代目の時計だったということぐらいでしょうか? さすがの私もそれぐらいは覚えています。
こんな感じだから、時計に対する高級志向ってのは私の中では欠片もなくて、とりあえず長持ちすればいいやぐらいの感覚で次の時計を選ぶことに。選定基準とか欲しい機能なんてのも特にはなかったけど、唯一買う前から決めてたのは必ずデジタル時計であること。子供っぽい、安っぽいと言われがちなデジタル時計ですが、私はこれが結構好きでしてね。今まで使ってきた時計はすべてデジタルでした。別にアナログが嫌いってわけじゃないけど、なんか合わないんだよね。単純に趣味や好みの問題だとは思うけど。
とはいえ、私もいい歳になってきたし、稼ぎもあるわけだから二束三文の腕時計を買うのもどうなんだと、主に周囲から言われた結果、ちょっと高い感じのを買うことにしました。この際、悲恋堂の店主と少し話たんですけど、「「どうせ、あなたの高いは3000円とか5000円ぐらいでしょう?」と笑われたので、「いやいや、1万円から2万円ぐらいまでは出そうじゃないか」と言ってしまいました。それにしたところで時計というアイテムの相場から考えれば決して安いわけじゃないし、高級時計ってのは10万とか20万するらしいですね。そんな時計は流石に要らないし、大体そういうのはみんなアナログだしね。

「それで? どんな時計を買うかは決めてるんですか?」
「まあ、一応ブランド的なものは考えてるよ」
「へぇ、あなたが時計のブランドを知っているなんて! どこの時計なんです?」
お前だって知らないだろうと言ってやりたかったが、そもそも腕時計を必要としない生活を送っている奴になにをいっても無駄というものである。
「んー、CASIOG-SHOCK
「……は? スイマセン、ワンモア」
「だから、CASIOのG-SHOCKだって。知らない? デジタル時計で有名なんだけど」
知ってますけど、と言いながら押し黙る店主。頭なんか抱えちゃったりして、いちいち動作が大げさな奴だ。
「今、2010年じゃないですか?」
「そーねー、それが?」
「2000年も10年が過ぎた今になって、なんでG-SHOCK?」
要するに時代遅れ甚だしいと言いたいらしい。まあ、確かにその通りだとは思うが、なんとなくデジタル時計といえばCASIO、CASIOのデジタル時計といえばG-SHOCKというイメージがあるのだから仕方がない。基本的に私はごつい時計しか使わないことにしているから、そういった意味でもあのシリーズはあってると思ったのですよ。値段も手頃だし。
「まあ、国内メーカーだし大丈夫でしょ」
「社会人がそれでいいのでしょうか……」
そういう悲恋堂は腕時計というものを持っていない。無論、壁掛け時計程度なら店内に置いてあるが、基本的に外出というものをしない奴だから必要がないのである。既に縁を切った古い知り合いが、時間に縛られたくないという理由で腕時計の着用を拒否していたが、店主の場合は時間を気にする理由そのものがないのだ。本人曰く、時間というものから逃げているのだと行っているが、いつかは追いつかれる日は来るのだろうか。

そんなわけで既に時計買ってあるんですけど、電波時計でタフソーラーだから、かなり長持ちするんじゃないかと予想。頑強な作りをしているし、10年ぐらい使えればいいなと思っているので、まあ壊さない程度には大事にしていこうかなと。結構、乱雑な使い方をすることが多いですからね、私は。
次は久々の同人情報を書きます。
mixiがフリー登録制になったのを受けて、これを機に入会してみました。どういう心境の変化だと言われそうですけが、確かに招待制の頃はなにかと敬遠していて、積極的に入会したいと思わなかったのも事実。加入率低かったけど、周りでやっている人はいたわけだから、頼んで招待してもらうことも出来たわけで、それをしなかったのはやはり私がmixiというもに苦手意識を持っていたからなんだろうか。いや、苦手というよりは好きじゃないと言った方が正確な気もするが……

登録したからといって、mixiのほうでなにかを始めようとか、そういう気持ちはまだありません。あくまで情報収集目的だし、mixiしかやってないという作家、絵描き、その他が結構いるので、まあ、そういうののチェックが目的。見るだけって奴ですね。まだ使い方もよくわかってないし、利便性や利益性があるのかもサッパリ。君にはTwitterのほうがあっているとは言われたことがあるけど、あれもあれでよく分からない。なにが楽しいのか、身内がかなりハマっているようだけど、私はしばらく様子見です。
mixiは人と人との繋がりを楽しむものだ、という話を聞いたことがあります。なるほど確かにmixiで知り合いを尋ねたとき、マイミクというんですか? そのリストに見知った名前、懐かしい名前をいくつか確認することが出来ました。皆さん元気にしておられるようで、なんともまあ不思議な気分です。何年も連絡をとっていない方とか、そういう方もいらっしゃるわけで。四ッ谷式時代を少なからず思い出しました。
私は趣味でチャットを開設していて、あぁ、もちろん一般には非公開なんですけど、そのチャットはなにからなにまで四ッ谷式に対するオマージュとして設置しています。参加者は主に四ッ谷式時代から付き合いのある人や、文化放送のチャットで知り合った人など様々ですが、私はこういう繋がりというのが結構好きでね。相手に重たいと思われない程度には、大切にしたいと考えている感じです。
繋がりを広げるという意味では、mixiはとても利便性の高いシステムなんでしょう。昔付き合いのあったあの人と再会するなんてことも、普通に出来るんだと思います。そういった意味では素晴らしいのかも知れないし、また、新たな出会いを求めることも出来るはずです。ただそれを積極的に望むかどうか、という問題があるけれど。

mixiを連呼していて思い出したんですが、来週はあれですね、初音ミクのライブじゃないですか。3月9日、ミクの日。思い切り平日だけど、3月だから春休みなのかな? チケットも完売したらしく、かなりの人気ですね。私も興味はあるけど、ネットで見るには1500円ほど払わないといけないとか。今の私には、はした金というほど安くはないんだけど、なんとなく興味だけはある感じ。いや、初音ミクって嫌いじゃないんですよ。
コミックラッシュの読者を創刊号からやってますが、あの雑誌は初音ミクのコミカライズが連載してましてね。これがなかなか、結構面白いのです。ボーカロイドとしても同人誌としても初音ミクはあまり興味なかったんですが、身内が鏡音リンにどっぷりと浸かっている影響で、なんとなく楽曲を聴くようになってきた。けど、私と身内じゃ楽曲の趣味があわないから、特にあいつはミクに興味がないし。
初音ミクは星雲賞まで取ったSFの観点からみても画期的なキャラクターですが、私は単純に可愛いと思います。見た目が、容姿が、コミカライズにおける性格が。性格に関しては創作性を維持するために公式では決められてないですが、コミカライズは結構ゆるゆるしているようで芯のある娘さんって感じ。コミックス買ってないんだよなぁ……CRコミックスは高くて、しかもミクの場合は大判サイズだから。そういや、削除された話があるみたいだけど、あれはなんでなんだろうね。大人の事情とだけ聞いてるけど。

何故か話を初音ミクに脱線させましたが、とりあえずmixiの使い道は考え中です。私はこのDiaryNoteを結構気に入ってるから、これを辞めて向こうに移行するつもりはないです。なんていうかさ、向こうは閉鎖的なイメージがこれまであったんですよ。なにせ招待制だし。それが開かれた場所になったわけだけど、染み付いたイメージってのはなかなか抜けないんだと思う。快く思っていなかったのは事実だし、避けていたのも事実だから。
けど、登録してそのまま放置ってのも好きじゃないから、なにかに利用はしようと思います。駄文の倉庫にでもするか、それとも単なる愚痴を吐く場所にするか。少なくとも、この日記と同じことはやりたくないし、やるつもりもない。向こうはあくまで日記だから、あまり創作性のあることには使えないのかも知れないけど、自分にあった使い道を、これから見つけて移行と思います。ちょっと放置したぐらいじゃ、追い出されないでしょうから。

うめ先生こと、蒼樹うめのうめ物語という酒が販売されています。要するに萌絵が描いてある梅酒なんですが、これがネタ以上に良い出来だという噂。私もこの前、煉瓦が描いてる萌え酒なるものを買ってしまったわけだけど、お値段的にもこっちの方がお手頃で、尚且つ飲みやすそうだよね。梅酒だし。まあ、私は梅酒飲んだことないけどさ。水戸コミケが近づいてきたことで、各種コラボレーション商品も続々出てきたようで、中には提灯を売出したりしてるところもあるらしく、流石にそれはいらないんじゃないかと思う今日この頃です。

水戸コミケのカタログ完売が相次ぐ中、メロンブックスが再入荷していたのでゲットしてきました。一応、公式サイトはちょくちょくチェックしていたのですが、参加サークルなどの情報にしっかりと目を通すのはこれが初めてで、第一印象としては思っていたよりも好きなサークルが参加しないということでした。私の記憶ではそれなりに参加するものと思っていたんですが、COMIC1と混同したのか、実際は半分ぐらいの数。どれも昔から通っているサークルではあるし、その内一つは必ず顔出しているから、一般参加すること自体は変わり無いんだけど……うーん、正直、泊りがけで行くほどのものか? と思えてきたのも事実。
元より宿なんて既にないけど、それ以前にコミケSPってのはあくまでお祭り騒ぎを楽しむものだと思うんですよ。同人誌即売会ではあるにせよ、メインはお祭りの部分で、同人誌はおまけなんじゃないかと。特に今回みたいな町おこし企画ではね。事実、カタログについてきた小冊子は鈴平ひろとかが漫画描いてる観光パンフレットだったし、水戸という街そのものを重要視した展開がなされているように感じられます。スタンプラリーとか、色々なお店で売ってる限定グッズとか、ありがちだけど基本は抑えた戦略で来ていると思う。
私も、うめ物語程度なら安いし買っても良いんだけど、問題はオタクが同人誌以外のものにどれだけ財布のひもを緩めるかと言うこと。個人的には、それがちょっと気がかりでして。

萌え商法というのはこれまでの一定の成功を収めてきて、西又葵女史を筆頭に数々のオリジナリティ溢れる……と思われる商品が世に送り出されてきたわけだけど、それを地域経済規模に発展されることが、果たして出来るのかどうか。
オタクと地域経済といえば、最近ではらき☆すた関係が有名ですけど、あれは原作のあるアニメ作品であり、その作品のファンを集中的に狙い打ったから成功したようなものです。それに引き換え今回のコミケSPは、有名かつ人気のイラストレーターたちは起用しているものの、その殆どがオリジナル商品であり、原作ファンという購買層が存在しません。もちろん、イラストレーター個人のファンというのは存在するでしょうが、それにしたって規模の差があると思うし、ざっと見た感じでは飛び抜けて人気の人はいないでしょう。うめ物語に関して言えば、今をトキメクうめ先生の絵柄ですし、一定以上の需要があるのかも知れませんが、他の商品に関しては……それこそ、七尾奈留が少し売れるぐらいじゃないだろうか。まあ、私はさくら小春を買うけどね。納豆チョコとか美味しい訳ないけど買いますよ。
私は完全旅行気分で行く予定なので、むしろ本よりおみやげ代とか食費を多く計算しているのですが、折角の連休を2日間もコミケSPに使うことへ躊躇いがあるのも事実。普通に考えれば連休を使って旅行に行くことはなんら不思議ではないのだけど、私には原稿がありますから……正直、今のスケジュール的に2日間家を開けるのは致命的かも知れない。今週中に書くところまで書いて、来週書き上げる勢いじゃないと正直やばい。来週の金曜日はちょっとした事情で仕事休むんだけど、それで愛た時間を利用すればなんとか……なるのだろうか。
印刷所との兼ね合いもあるし、4月上旬の入稿でないと後がないんだよなぁ。そう考えると、のんきにコミケなんて参加していて良いものなのか。ちょっと悩みます。

後、ちょっと深刻な問題なんだけど、先日から調子の悪かったパソコンが遂にダウンしそうです。起動している時間すら短くなってきたというか、直結している外付けHDDさえも動作しなくなってきているという事実。なにが困るって、下巻の原稿と画像ファイルのバックアップが取れきれていないということ。原稿に関しては、スカイドライブとブリーフケースに全部入れてあるんだけど、最終修正版はメインPCに入れたままで、画像に関しては……
流石にやばいので復旧急いでますが、原稿を書く上で致命的な問題になりつつある。画像だけでもなんとか取り出さねば。折角、くろのさんに特急で仕上げて貰ったというのに。
とりあえず、パソコン修理してきます。
パッケージ変更の経緯とか、そういうのに面白みを覚えて買っている時点で、私もエロゲブランドとそこらのブログの悪しき商法にハマっている一人なんだろうか。正直、この作品を買ったのはネタ以外のなんでもなかったし、中身には最低限の期待しかしていなかった。だから、内容というかシステムが同人ゲームレベルでも構わなかったし、話がつまらなくても問題ないと思った。にもかからず、どうしたことか納得のいかない部分というのが存在するのだ。この微妙かつ複雑な気持ちの意味することろを考えて、私はこれが同人誌即売会などで経験するとある出来事に近いことを悟った。

同人誌ってさ、表紙に惹かれてかってしまうってのがよくあるじゃないですか。即売会とかで時間ないときとか、そんな立ち読みとかいちいちしてられないじゃん? だから、表紙を見て直感で「あ、これいいな」と思ったものを買うことが、まあ、よくあるわけですよ。特に大きな即売会だと参加サークルも多いですし、事前チェックにも限界がありますから。となれば、当然会場に行って初めて見るものというのもあるわけで、そうした作品は中身より先に表紙で判断してしまいがち。そして、失敗することもまた多いのです。
このエロゲも、そうした同人誌にありがちな失敗によく似ているというか、とにかくパッケージの出来がいいのよ。ほんとに。でも、肝心の中身がそれに追いついていない。表紙やサークルカットにすべてを注ぎ込んだ同人誌のごとく、実にパッとしないクオリティの作品に仕上がっていた。特に立ち絵がね、ダメなんですよ。CGに比べて全然なっていないというか、立ち絵との落差がありすぎる。まあ、そういうエロゲは腐るほどあるけどさ。
例外として七尾奈留が抜けた後のD.C.シリーズは、CGより立ち絵の方がいいという微妙な作品に仕上がってるけど、あれは本当に稀なことだと思う。正直、私のはたにはらなつきとMithaの絵の違いが全然分からないんだけど、っというと、私はIioliteとの違いすら判っていない気がする。いや、Iioliteとの区別が付かないのは正常なんだろうか。どうしてCIRCUS系列の原画家は似た感じが多いんでしょうね。もっとも、ブランドの中にはケロQみたいに絵柄を統一してくるところもあるぐらいだし。そういや、枕のサクラノ詩はまだ出てないんでしたっけ。月音が離脱したのに発売出来るのかな……ひよこソフトの作品は、なんかこう微妙なんだ。ケロQの塗りが欠けると、ここまで見劣りするのかと思うほどに。

話しずれましたけど、とにかく立ち絵が残念なエロゲという印象。CGにしたところで凄いクオリティが高いというわけじゃないけれど、正しくパッケージに騙された名無しさん的な失敗をした感じ。いや、ギリギリまで迷ってたんですよ。これと催眠生活のどっちを買おうか。結果として失敗したわけだけど、そもそも立ち絵なんて体験版やればわかるんだから、それをしなかった私が悪いとも言える。事前に確認出来たことを怠ったのだから、そう考えると地雷だなんだというのはおかしいのかも知れない。
しかし、メインヒロインは万尋なんだろうけど、この娘のツンデレ具合もよくわからないよね。切り替えが下手すぎるというか、人格そのものが違うんじゃないかと思うほどに、唐突な感じを受ける。他の義妹や従妹はおまけみたいなもんだから良いとして、正直言うと実の妹シナリオが一番微妙だった。単純なエロでは義妹の方が上回ったし、キャラとしては従妹の方が好きな感じ。実妹である万尋も悪くはないんだけど、つかみが悪いというか、キャラが立ち切ってないんだよね。
ネタはネタとして置いておくにしても、要はそれ以外の部分の出来がいいかって話なんだけど、私としては微妙な感じがするなぁ。女の子みたいな男の子がこの作品にも登場するわけだけど、これは明らかに失敗してると思う。男としても、女としても、あれは今流行の男の娘と呼ぶに値するキャラではない。あれがいいって人も少なくはないんだろうけど、私に言わせればあれはただの男ではないか。立ち絵からして男ではないか!

素直に催眠生活買っておけばよかったのかなぁ。催眠ものはボリュームさえあれば、とりあえず外れが少ないジャンルだし。常識的にはありえない力でヒロインの身も心も自分のものにしてしまう、催眠術は男の永遠の憧れでしょう。催眠といえば、私はアニメ版催眠学園のオチが結構好きです。バニラにあんな作品が作れたのかと驚いたのですが、ああいう悲哀は良いよね。もっとも、催眠学園ENDをやって欲しかったという気持ちもあるわけだけど。
催眠生活はその内買いたいけど、今月は水戸コミケもあるから金があるかどうか。水戸コミケかぁ……そういや、カタログ買ってないけど、まだ売ってるのかな。まあ、メロンブックスに行けばあるのかな。横浜で買うとしよう。
某所で私はエロゲ好きだという記述を見かけたが、その通り、何を隠そう私はエロゲ好きである。今更ながらの話であるし、改まっていうほどことじゃない。ただ、一つ補足しておきたいのは、私はハッキリ言って一般的なゲームよりもエロゲが好きだ。私の侘しいハード所有率を知っている人がどれぐらいいるかはしらないが、もっと言えば一般的なゲームソフトなるものを私はほとんど持ってない。エロゲは数百本あるのにね。

まあ、私のエロゲ遍歴はどうでも良いとしてSQUEEZの新作ですけど、相変わらずのおバカゲーで安心しました。いや、褒め言葉だよ? これぐらいなにも考えずにやれるエロゲがあっても良いと思うんだ。よくもまあ、毎回毎回ヒロインを量産出来るなとは思うけど、このシリーズは原画家が統一されてないし、ゆいびもSQUEEZではもしゅも~るからの参戦だから、そういった意味ではネタ切れに陥らずに済むのかも知れない。前作で空色月色が20人近くのヒロインを描いた訳だけど、今回は14人……おや、人数的には前作より少ないのか。
シーン数は108と過去最高だけど、ネタが身体測定だけにヒロイン個人を重視したイベントが多かったかな。というか、複数プレイは殆どなかった。学年ごとに攻略済ませたときにご褒美的なのがあるぐらいだった。その辺りは前作のほうが優秀だったというか、こういうゲームにはあえてハーレム性を求めるんですよ私。どうせ最後には全員攻略出来るんだし、もう少しまとめて測定ぐらいのイベントが沢山あっても良かったかと思う。いや、まとめてどうやって測定すればいいんだよとも思うし、個人対個人における保健室での生徒と保険医というシチュエーションだから萌えるんだろうけどさ。ていうか確かにグッときたよ。
まあ、一度は憧れる場所だよね。身体検査中の保健室と女子更衣室はさ。SQUEEZはいつも上手いところついてくるというか、前作は女子寮だっけ? あれも良かったなぁ。
ハーレム性は足りないけど、まあヒロインもカワイイ娘ばっかりだし、特に転校生の設定は面白かった。主人公ではなくヒロインの名前を変えられるってのは、新しい発想だよね。ただ、想い出のあの子にしろ、初恋の娘にしろ、そういった娘の名前を実際に入れることが出来る奴がどれほどいるのか……私? 名前考えるの苦手だから、普通にデフォルト使いました。普通に可愛い名前だったし。ああいう、昔ながらのクールビューティがヒロインの中にいると嬉しい自分が居ます。しかも、この手のキャラには珍しく胸でかかったし。というか、胸の小さいキャラが今回はほとんどいなかった。そこが個人的にグッドなところだったわけだけど、そういやゲームシステムにある胸の成長ってなんの意味があったんだろうか? いや、裸の立ち絵があるわけでもないし、CG的にも特に変化は見られなかったんだけど。数値の変化を楽しむものだったんだろうか。
気になるのは、この作品もアニメ化するのだろうか? ということ。このシリーズは過去2作ともアニメ化しているけど、私はあまり出来に納得していない。特に前作をmilkyがアニメ化した際は酷かった。空色月色の絵を再現しろとは言わないが、あそこまで酷いデザインでこられると、もはや別物にしか見えないではないか。
私としてはエイ・ワン・シー系列にアニメ化をしてもらいたいところだが、あのレーベルはこの手の作品作らなくなってしまったからな……凍結状態のどぜうとか、やってくれないだろうか。

たまに、こういうエロだけのゲームって無性にやりたくなるんですよ。主に疲れたときとか。お話とかそういうの一切関係なく、純粋にエロだけを楽しみたいときってあるじゃない? 私だけかも知れないけど、そういうときのために買う作品ってのも少なからず存在するわけですよ。故に一定の需要がある。
2月のエロゲで一番売れたのがなにかはしらないけど、興味あったけど買わなかった作品に催眠生活がある。催眠物のエロゲも、出せば売れるというほどに高い需要を誇るんですけど、ネタとしてはあれですね、催眠学園における催眠学園ルートを序盤かやっちまっているようなゲーム、ということなんだろうか。催眠学級のようなシュールさはないんだろうけど、頭身高めの立ち絵でしっかりヒロインが描かれてるから、これは結構やりがいがあるかも知れない。買わなかったのは単純に金がなかったからだけど、今にして思えばこっちを買っておいた方が良かったかなーという気がしなくもない。2月に買ったエロゲはたったの2つだけど、SQUEEZの他に買った奴がどうも合わなくて。単純に好みの問題なんだろうけど、よくよく考えてみると2月はネタ作品しか買ってない自分がいる。
なんか出だしが良くないっていうか、今のところ私が今年のエロゲでいいなと思ったのが、いまだにレビュー書いてないけどidぐらいなんだよね。idはいいよー、夏コミ受かったら絶対あれで本書くってぐらい嵌ってる。時期を逃して今だに触れてないんだけど、そのうちガッツり触れようと思ってます。

明日の日記は2月に買ったもう一つのエロゲを取り上げるけど……話を広げるだけのネタになるかどうか。正直、脱線でもさねないと500字も書けない気がプンプンするのですが、要するに地雷作品だったと言うことなんだろうか。そうなるだろうと大部分で理解していたのに、それでも買ってしまった自分はどうしようもないですね。やれやれだ。
MF文庫の騒動を見て、出版社というものがあまりにいい加減な存在だと誤解されないだろうかと不安を覚える。確かに出版社は往々にして慣例主義的なところがあって、口約束による仕事の取り決めも多いのだが、だからといって契約等を適当に行うことなどありはしないし、あってはいけないのだ。
メディアファクトリーが著作者と、どのような出版契約を結ぶのかはしらないが、契約書を交わさないということはありえない。特に著作物の二次利用や海外出版権などについては、事細かに決める必要があるのだから。

メディアファクトリーの出版部門とは縁がないので、他のライトノベルレーベルほど内情に詳しくはないのですが、今回の事件のまずさと言ったらない。一般的かはともかく著者と出版社というのは刊行物に対して、刊行前ないし刊行後に出版契約書と、必要であれば著作物利用許諾契約書というものを交わすのですが、要するに刊行した書籍の多角的な利用をする際に、誰がその権利を得て、どのように行使することが出来るかというのを取り決めた書面です。要するに誰がその本に対する独占権を持っているか、ということですね。
ライトノベルというものはメディアミックスに適しているとされる媒体ですから、文庫一冊からアニメ化、コミック化、ラジオドラマ化、ドラマ化など様々な媒体に変貌を遂げることがあり、今回の問題となった外国語版などもその一つ。こういった多種多様なメディア利用に対する権利を誰が持っているのか、それを分かりやすく示すのが上記の契約書や誓約書になるわけだけど、これは出版社ごとの色が出るものでもあります。
一般的に見ても例えば赤川次郎や五木寛之は自作を様々な出版社から出版し、中には違う出版社で書いた同じ作品の再出版なんかをしているわけだけど、これはなにも一般文芸やエンタメに限ったことではなく、ライトノベルにだって当て嵌ります。例えば、桜庭一樹が富士見ミステリー文庫で刊行していたGOSICKを角川文庫で移籍復活させたり、浅井ラボが角川スニーカーで書いていた、されど罪人は竜と踊るをガガガ文庫に移籍、その後にリメイクしたりと、ライトノベルにもいくつかの例が散見します。まあ、浅井ラボに関していえば清水文化よりもドロドロした事情があるわけだけど。
個人事務所を開いていたり、どこか大きな組織にでも所属している作家でない限り、自作の著作権管理というは往々にして面倒くさいものがあって、特にアニメ化やら漫画化やら、そういったメディア展開に対して個人で対応するのは難しいものがあります。出版社の自社企画というのならまだしも、まあ、最近はそういうのも多いですが、大抵は制作会社側からのオファーですから、そういった面倒なやりとりは出版社側にして貰った方がいいと、そういった意味で各種権利を任せることが出来るのが契約であり誓約であったりするのです。ろくでもない出版社ならともかく、大抵は営業なり広報がメディア担当としての部署として機能しているし、編集部にだってある程度の心得はあるわけだから、彼らはそういった事態に対するプロなのです。田中芳樹のように事務所を会社にしている作家はともかく、大抵の作家は個人業なわけですし、人りでやるには限界というものがありますから、そういった意味で出版社に権利をあずけるのは制約があっても面倒が少なくて良いのです。

無論、出版社による著作に対する独占を嫌う作家も当然いて、それに関する取り決めがなされるのも上記の契約です。例として、ハードカバーで出された書籍が、何年か経った後に文庫化する、なんてことが一般文芸では良くあると思いますが、これだって実際は文庫化権というものを出版社が有しており、文庫化する権利があるから刊行することが出来るのです。元々が文庫であるライトノベルではイマイチピンと来ないかもしれませんが、逆のパターンであれば、例えばライトノベルだったものがハードカバー化するなど、桜庭一樹なんかで観られないこともない現象でしょうし、例えば新書である講談社ノベルスで出されていた西尾維新の作品が、完結後に文庫となって再刊行されたなんてのも、記憶に新しい話です。
版権の扱いをどうするか、それを決めるのが契約であるなら、その内容が書いてあるのが契約書で、これは法的効力を持つものだからそんなに軽視は出来ません。例えば各種メディア展開にしても、出版社に一任するという場合もあれば、話が持ち上がる度に著者との協議を必要とするなど、まあ、様々なケースがあるわけで。著者が著作物に持つ権利意識というわけだけど、出版社側が出来る限り独占したいというのもまた事実。そこから揉め事に発展するなんてことも、枚挙にいとまがないでしょう。

今回のMS文庫における騒動の争点は、言ってしまえばどのような契約を結んでいたのかということで、交わしたはずの契約書にはなにが書かれていたのか、ということでしょう。そもそも契約書をかわしていないというのは論外ですが、あれだけ怒っているのだから海外出版に対する取り決めもちゃんとなされていた場合が高い。
それを無視した上でメディアファクトリー側が勝手に契約し、書面すら作成したというのなら、これはもう立派な犯罪でしょう。本人の了解がないままに契約が成り立つなどありえない、という件の作家の発言はその通りだと思いますし。
謝罪や対応云々に関しては省きますが、そもそもね、例えすべての権利を出版社に一任しているのだとしても、再販、重版、文庫化、そういったのを全部出版社の意思で行えるのだとしても、一言ぐらい著者に連絡するのが筋ってものでしょうよ。電話一本かければ済む話ですし、そんなに手間がかかることではないはずです。そうした当たり前のことをしないで、ろくな説明もしなければ、笑いながら謝罪をするなど、もはや出版物を扱うものの風上にも置けないでしょう。

まあ、実際問題として出版社が適当かつ頭でっかちな連中の集まりであるというのも、事実の一側面ではあるのだと思う。さすがに三大出版社ほど酷くはないけど、編集者というのは往々にしてどこも似たような感じですからね。版権に関する細かい問題、あえて書かせてもらうと今回の件は出版社側からすれば些細な問題になると思うことも、末端レベルで処理してしまうこともあるのです。例としては、やはり気象精霊記で起こった問題が有名でしょうか。あれもまた編集部が内々に処理をしようとして、あまつさえ作者に責任をなすりつけようとした浅ましい事件でしたが、幸いなことに法的闘争にまでは発展しなかった。
著作者としては、どれだけ自分が正しくて、尚且つ絶対に勝てる状況にあっても、裁判沙汰を嫌うし、避ける傾向が多いのですよ。問題を起こす奴、面倒な奴と思われては後の仕事に差し支えが出ますから。
今回の問題がどのような決着を迎えるのかはともかく、浅井ラボのような一件もあるだけに、そう簡単には謝罪をしないんじゃないかと思う。気象精霊記の件が作者に責任をなすりつけようとしたように、誰だって自分たちのイメージが悪くなるようなことはしたくないのです。けれど今回は、作者側が先手をとってなにが起こったのかを細かく書いてしまったから、もはや隠すことも逃げることもできなくなった。だんまりを決め込むのは、版権を取り扱う企業として出来るはずもないでしょう。場所を法定に移すのか、それとも妥協案を見つけて手打ちにするのかは分かりませんが、性根の腐った問題だけに作者の方には折れることなくしっかりとした解決を迎えて欲しいものです。
しかし、これによってMF文庫の価値はどれぐらい下がるのか。所詮に二流レーベルではあるが、アニメ化を量産して上りだそうとする最中だったのにね。潰れることはないだろうけど、新人は避けちゃうよ、きっと。

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